小金井市議会の議会改革と実践 1.小金井市議会の特徴 (1)24 名の定数で会派は10会派 市民の多様な意識の反映 (2)24 名中女性議員は10名で、女性議員の占有率は約42% (3)言論の府として、質疑の保障の努力 (4)議会運営に係る事項の決定については、全会派一致を原則としている (5)議会運営において少数会派の活動も尊重 2.小金井市議会が努力してきたこと (1)自由な質疑の保障により論点が明確になる。 一般質問は、会派の人数に関係なく1人1時間 本会議・常任委員会・特別委員会は時間制限がなく、1人3回まで (2)活発な政策提言 ①2009年3月から2014年3月の 5 年間の件数 270件 条例案 33件 意見書 194件 決議 27件 予算等の修正案 8件 予算組み替え 8件 ※条例等の提出は、会派代表者会議で提案内容を確認するが、地方自治法第112条の 条件である12分の1以上の提案者がそろえば提案できる。 ②過去の議員提案で実った政策的な提言 ●情報公開条例の全面改正(H14 年 9.30 上程・可決)★ ●都市計画税の減税条例(H14 年 3.8 上程→3.23 可決) ●地下水保全条例(H16 年 3.8 上程・可決) ●私立幼稚園保護者助成金の増額条例(H19 年 3.2 上程→3.20 可決) ●市民参加条例に住民投票制を盛り込む(H21 年 2.10 上程→3.3 可決) ★ ●アスベスト規制条例(H25 年 2.15 上程→3.6 可決) ●食育推進基本条例(H25 年 3.6 上程→3.7 可決) ★印は、市長が「再議権」を行使 ※2004年(平成15年)当初予算の修正案が2回にわたって賛成多数で可決され たが、市長が「再議権」を行使。暫定予算が半年間続く ③条例の提案については、議会の共同で勉強会を開催したり、市民とともに条例づくり (3)単独会派の活動を尊重 会派代表者会議は単独会派も含めて参加 議会運営委員会・2人か3人でグループ制 議会運営委員会での委員外議員の発言として、単独会派の発言ができる (4)議会の公開―会派代表者会議以外は、すべて公開 ➀委員会協議会、全員協議会も公開 ②インターネット中継―ユーストリーム中継・録画で会派代表者会議以外のすべてが公開 される (5)政務活動費 政務活動費に領収書の添付 図書館等で情報公開 (6)議会の複数以上の会派が集まった市民に対する議会報告会が開催されている 3.議会基本条例の制定について (1)現在実施している問題を条例化するとともに、議会改革できる事項は条例化する (2)全会派一致性を尊重し、話し合いにより、一致点を模索しながら、条例化する (3)市民に対し、議会の様々な努力をどのように伝えていくのか ➀アンケート結果について ■議会に関心がある 58%、関心がない38.9% ■議会だより 全部読む18% 関心がある記事を読む58% ■議会だより以外で情報を得ている 議員が発信するチラシなど35% ■ユーストリーム中継について 知らない73% ■市議会議員の活動を知っているか 知っている40.7% 知らない56.9% ■投票した議員に満足しているか 満足13%、不満足20.9%、わからない54.2% ■2元代表制について 知っている11.5%、聞いたことがある21.7%、知らない62.5% ■議会報告会 参加する5.1% 参加するかもしれない48.8%、参加する気はない43.3% ■市議会の評価 評価 20%評価しない 49.4% わからない26.9% ②市民は個別具体的な政策的課題について、関心が高い。市民の声が反映されていない ことに対する不満が大変大きいし、そのことについての評価が反映されている。 市民が満足できる政策実現ができるかどうか、市民の代表機関である議会の真価が問わ れる。 ③市議会の基本的な役割などについて、知らされていないために生じる議会と市民との 認識の落差が、不満足につながっている。 そのために議会としてどのような情報発信が必要なのかを検討することが課題。 (3)2元代表制である首長と議会の関係が決して平等とは言えず、首長が絶大な権限を持って いる中、監視機能や政策提言力を発揮するためには、現状の議会の権限は市長と平等とは 言えず、どのように市民の満足度を高めていくのか。 4.議会改革で大切なことー議会改革は目的ではなく手段である 地方自治法第2条は、 「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域 における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」としている。 議会改革されたことによって、議会の権能である、監視機関、政策形成機関、議事機関とい う機能を発揮できるかどうか、地方自治法に明記された自治体の役割が実現できる議会、市民 の声が反映され、市民の満足度が高まる議会としての努力ができるか、どうか、が問われる。 以上
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