ファクト・シート

国連ミレニアム開発目標報告
2015
UNITED NATIONS
7 月 6 日米国東部夏時間(グリニッジ標準時間-4)
午前 10 時 15 分報道解禁
ファクト・シート
目標 1:極度の貧困と飢餓の撲滅
 極 度 の 貧 困 : 1990 年 に は 開 発 途 上 地 域 の 人 口 の 半 数 近 く が 1 日 1 ド ル 25 セ ン ト 未 満 で
生 活 し て い ま し た 。 こ の 割 合 は 2015 年 に は 14%ま で 減 少 し ま し た 。 世 界 全 体 で は 極 度
の 貧 困 の 中 で 暮 ら す 人 々 の 数 は 1990 年 の 19 億 人 か ら 2015 年 に は 8 億 3,600 万 人 と 半 数
以 下 に ま で 減 少 し ま し た が 、 そ の 減 少 の 大 部 分 は 2000 年 以 降 に 起 き て い ま す 。
 飢 餓 : 開 発 途 上 地 域 に お け る 栄 養 不 良 の 人 々 の 割 合 は 1990 年 か ら 1992 年 の 期 間 は
23.3%で し た が 、 2014 年 か ら 2016 年 の 期 間 は 12.9%と な る 見 込 み で 、 1990 年 か ら ほ ぼ
半分に減少しています。
目標 2:初等教育の普遍化の達成
 初 等 教 育 就 学:開 発 途 上 地 域 に お け る 初 等 教 育 純 就 学 率 は 2000 年 の 83%か ら 2015 年 に
は 91%に 達 し て い ま す 。
 サ ハ ラ 以 南 ア フ リ カ に お け る 初 等 教 育 純 就 学 率 は 、 1990 年 か ら 2000 年 の 間 は 8 パ ー セ
ン ト ポ イ ン ト の 上 昇 だ っ た の に 比 べ 、2000 年 か ら 2015 年 ま で に 20 パ ー セ ン ト ポ イ ン ト
上昇しており、全地域の中で最大の進歩を記録しました。
 非 就 学 児 童:世 界 全 体 で 初 等 教 育 非 就 学 児 童 の 数 は 2000 年 の 1 億 人 か ら 2015 年 に は 推
計 で 5,700 万 人 ま で 減 少 し て い ま す 。
 識 字 率 : 15 歳 か ら 24 歳 ま で の 青 少 年 の 識 字 率 は 世 界 全 体 で 1990 年 か ら 2015 年 の 間 に
83%か ら 91%へ と 向 上 し 、 女 性 と 男 性 の 格 差 は 縮 小 し て い ま す 。
目標 3:ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
 教 育 に お け る ジ ェ ン ダ ー の 平 等 : 15 年 前 と 比 較 し 、 現 在 、 学 校 に 通 う 女 子 は 大 き く 増
加 し て い ま す 。 南 ア ジ ア で は 、 1990 年 に 小 学 校 に 通 う 女 子 は 男 子 100 人 あ た り わ ず か
74 人 で し た が 、 今 日 で は 男 子 100 人 あ た り 103 人 の 女 子 が 小 学 校 に 通 っ て い ま す 。
 女 性 の 雇 用:非 農 業 部 門 で 女 性 の 有 給 雇 用 の 比 率 は 1990 年 の 35%か ら 2015 年 に は 41%
に増加しています。
 議 会 に お け る 女 性 : 過 去 20 年 間 で デ ー タ の あ る 174 カ 国 の う ち 90%近 い 国 で 女 性 の 政
治 参 加 が 進 ん で い ま す 。同 期 間 に 議 会 に お け る 女 性 議 員 の 割 合 は 平 均 で ほ ぼ 倍 に な り ま
したが、それでも女性議員の数は議員 5 人あたりわずか 1 人です。
目標 4:幼児死亡率の引き下げ
 幼 児 死 亡 率 : 世 界 の 5 歳 未 満 幼 児 死 亡 率 は 1990 年 か ら 2015 年 の 間 に 生 児 出 生 1,000 人
あ た り 90 人 か ら 43 人 へ と 低 下 し て い ま す 。 開 発 途 上 地 域 の 人 口 が 増 加 し て い る 中 で 、
5 歳 未 満 の 幼 児 死 亡 数 は 世 界 全 体 で 1990 年 の 1,270 万 人 か ら 2015 年 に は ほ ぼ 600 万 人
まで減少しました。
Issued by the UN Department of Public Information—DPI /2594 E
 感 染 症 : は し か の 予 防 接 種 の お か げ で 2000 年 か ら 2013 年 の 間 に 1,560 万 人 が 死 を 免 れ
ま し た 。 世 界 全 体 で は し か の 症 例 数 は 67%減 少 し た と 報 告 さ れ て い ま す 。 少 な く と も 1
回 は し か の 予 防 接 種 を 受 け た 子 ど も の 割 合 は 世 界 中 で 2000 年 の 73%か ら 2013 年 に は
84%ま で 上 昇 し ま し た 。
目標 5:妊産婦の健康状態の改善
 妊 産 婦 死 亡 率 ( 世 界 全 体 ): 1990 年 以 降 世 界 の 妊 産 婦 死 亡 率 は ほ ぼ 半 減 し ま し た が 、 そ
の 減 少 の 多 く は 2000 年 以 降 に 起 き て い ま す 。
 妊 産 婦 死 亡 率( 南 ア ジ ア 、サ ハ ラ 以 南 ア フ リ カ )
:南 ア ジ ア に お け る 妊 産 婦 死 亡 率 は 1990
年 か ら 2013 年 の 間 に 64%低 下 し 、 サ ハ ラ 以 南 ア フ リ カ で は ほ ぼ 半 減 し ま し た 。
 出 産 立 会 い:2014 年 に は 世 界 の 4 分 の 3 近 い 出 産 が 熟 練 医 療 従 事 者 の 立 会 い の 下 で 行 わ
れ 、 1990 年 の 59%か ら 上 昇 を み せ ま し た 。
目標 6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病のまん延防止
 新 規 HIV 感 染 者 : HIV へ の 新 規 感 染 者 は 2000 年 の 推 定 350 万 人 か ら 2013 年 の 210 万 人
へ と 約 40%減 少 し ま し た 。
 抗 レ ト ロ ウ イ ル ス 療 法:2014 年 6 月 ま で に 世 界 中 で 1,360 万 人 の HIV 感 染 者 が 抗 レ ト ロ
ウ イ ル ス 療 法 ( ART) を 受 け て い ま し た が 、 こ れ は 2003 年 の わ ず か 80 万 人 か ら 飛 躍 的
な 進 歩 で す 。 ART に よ っ て 1995 年から 2013 年の間に 760 万 人 が エ イ ズ に よ る 死 を 免 れ
ました。
 マ ラ リ ア に よ る 死 お よ び マ ラ リ ア 発 生 率:2000 年 か ら 2015 年 の 間 に 620 万 人 以 上 の 人 々
が マ ラ リ ア に よ る 死 を 免 れ て い ま す 。そ の 多 く が サ ハ ラ 以 南 ア フ リ カ に 住 む 5 歳 未 満 の
子 ど も た ち で す 。 世 界 の マ ラ リ ア 発 生 率 は 推 計 で 37%低 下 し て お り 、 そ の 死 亡 率 は 半 分
以下に減少しています。
 結 核: 2000 年から 2013 年の間に結核の予防、診断、治療によって推計で 3,700 万 人 の 命
が 救 わ れ ま し た 。結 核 に よ る 死 亡 率 は 45%低下し、有病率は 1990 年 か ら 2013 年の間に 41%
低下しました。
目標 7:環境の持続可能性の確保
 飲料 水: 2015 年には世界の人口の 90%以上が改良された飲料水源を使用しており(1990 年
に は お よ そ 4 分 の 3)、1990 年 以 降 に 約 26 億 人 が 改 良 さ れ た 飲 料 水 へ の ア ク セ ス を 得 ま
した。
 衛生 施設:世 界 全 体 で 21 億 人 の 人 々 が 改 良 さ れ た 衛 生 施 設 を 利 用 で き る よ う に な り ま し
た 。 1990 年 以 降 に 、 野 外 排 泄 を 行 う 世 界 の 人 口 の 割 合 は ほ ぼ 半 減 し ま し た 。
 オゾ ン層破壊:オ ゾ ン層 破 壊 物 質 は 1990 年 以 降 ほ と ん ど が 除 去 さ れ 、オ ゾ ン 層 は 今 世 紀
半ばまでに回復すると見込まれています。
 ス ラ ム:開 発 途 上 地 域 で ス ラ ム 地 区 に 居 住 す る 都 市 人 口 の 割 合 は 2000 年 の 約 39.4%から
2014 年には 29.7%まで減少しました。
目標 8:開発のためのグローバル・パートナーシップの構築
 政 府 開 発 援 助 ( ODA):先進国からの ODA は 2000 年 か ら 2014 年の間に実質ベースで 66%
増加し、1990 年 の 810 億 ド ル か ら 過 去 最 高 の 1,352 億 ド ル ま で 伸 び ま し た 。2014 年には、
デンマーク、ルクセンブルク、ノルウェー、スウェーデンおよび英国が引き続き、それぞれの
国民総所得(GNI)の 0.7%という国連の ODA 目標額を越えて援助を行いました。
Issued by the UN Department of Public Information—DPI /2594 E
 貿 易:先進国の開発途上国からの 輸 入 の う ち 非 課 税 輸 入 の 割 合 は 2000 年 の 65%から
2014 年にはほ ぼ 5 分 の 4 ま で 上 昇 し ま し た 。
 イ ン タ ー ネ ッ ト 普 及 率 : イ ン タ ー ネ ッ ト 普 及 率 は 2000 年 に は 世 界 人 口 の わ ず か 6%
余でしたが、2015 年には 43%まで増加しました。その結果、32 億 人 が コ ン テ ン ツ と ア プ リ
ケーションを提供するグローバル・ネットワークにつながっています。
 MDG ギャップ・タスクフォース年次報告書:国 連 事 務 総 長 が MDG8 の 具 体 的 目 標 に つ い
て 進 捗 状 況 の モ ニ タ リ ン グ を 向 上 さ せ る た め に 設 置 し た MDG ギ ャ ッ プ ・ タ ス ク フ ォ ー
ス の 2014 年 報 告 書 に よ れ ば 、各 分 野 で 大 き な 進 展 が 見 ら れ ま し た 。政 府 開 発 援 助( ODA)
の顕著な増加と貿易交渉の進展に加え、後発開発途上国の先進国市場に対する非課税・
無 枠 ア ク セ ス が 改 善 さ れ 、開 発 途 上 国 に お け る 遠 隔 通 信 の 利 用 可 能 性 の 拡 大 と コ ス ト の
低下が確認されています。
分野横断的な課題
 根 強 い 不 平 等:地 域 や 国 に よ っ て 進 展 は 一 様 で は な く 、大 き な 格 差 が 根 強 く 残 っ て い ま
す 。最 も 貧 し く 脆 弱 な 人 々 の 生 活 を 改 善 し 、世 界 が 全 体 と し て 進 展 す る た め に 、な お 一
層重点的に取り組む必要があります。
 紛 争 : 2014 年 末 ま で に 紛 争 が 原 因 で 家 を 捨 て 去 ら な け れ ば な ら な か っ た 人 の 数 は 約
6,000 万 人 に 達 し ま し た 。 紛 争 の 影 響 を 受 け た 国 で は 非 就 学 児 童 の 割 合 が 1999 年 の 30%
か ら 2012 年 に は 36%ま で 増 加 し ま し た 。 脆 弱 な 国 、 紛 争 の 影 響 を 受 け て い る 国 々 は 一
般 的 に 最 も 高 い 貧 困 率 を 有 し て お り 、目 標 の 達 成 に お い て あ ま り 進 展 を 見 せ て い ま せ ん 。
 ジ ェ ン ダー の 不 平等 :女 性 は 、 貧 困 、 労 働 市 場 、 賃 金 に お い て も 、 公 私 の 場 面 で の 意 思
決 定 へ の 参 加 に つ い て も 、い ま だ に 大 き な 格 差 に 直 面 し て い ま す 。世 界 全 体 で 就 業 年 齢
の 男 性 の 約 4 分 の 3 が 労 働 に 従 事 し て い る の に 対 し 、就 業 年 齢 の 女 性 で 労 働 に 従 事 し て
いるのは半分にとどまります。
 最貧層世帯と最富裕層世帯、農村部と都市部の経済格差:開 発 途 上 地 域 で は 、最 貧 層 世 帯( 下
位 20% )の 子 ど も が 成 長 を 阻 害 さ れ る 可 能 性 は 、最 富 裕 層 世 帯( 上 位 5 分 の 1) の 子 ど
もの 2 倍を超えています。農村部の出産で熟練医療従事者の立会いがあるのはわずか
56%ですが 、 都 市 部 で は 87%です。改 良 さ れ た 飲 料 水 と 衛 生 施 設 は 農 村 部 で は い ま だ 多
く の 人 々 が 利 用 で き て い ま せ ん 。農 村 部 で 生 活 す る 人 々 の う ち 改 良 さ れ た 衛 生 施 設 を 有 す
る の は 半 数 に と ど ま り ま す が 、 都 市 部 で は 82%です。
 気 候 変 動:2010 年 に は 推 定 で 520 万 ヘ ク タ ー ル の 森 林 が 失 わ れ ま し た 。海 洋 漁 業 資 源 の
乱 獲 に よ り 、 安 全 な 生 物 学 的 利 用 限 界 内 の 資 源 の 割 合 が 1974 年の 90%から 2011 年には
71%に減少しました。貧 困 層 ほ ど 生 計 が 直 接 的 に 天 然 資 源 に 結 び 付 い て お り 、ま た 、貧 困
層 の 居 住 地 域 が 気 候 変 動 等 の 影 響 を 受 け や す い 地 域 に 重 な る こ と が 多 い た め 、貧 困 層 が
最大の被害を受けることになります。
 貧困 および飢餓: MDGs に よ っ て 非 常 に 大 き な 進 展 が あ っ た に も か か わ ら ず 、 約 8 億 人
も の 人 々 が い ま だ に 極 度 の 貧 困 の 中 で 生 活 し て お り 、健 康 上 の 不 利 益 、幼 児 及 び 妊 産 婦 の
死 亡 率 、高 い 中 途 退 学 率 、不 適 切 な 衛 生 施 設 な ど 、貧 困 と 関 連 す る 問 題 を 背 負 っ て い ま す 。
毎 日 約 16,000 人 の 子 ど も が 5 歳 の 誕 生 日 を 迎 え る 前 に 命 を 落 と し て い ま す 。
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