エルゴチオネインのメタノール資化性細菌 による微生物生産 谷 明生

エルゴチオネインのメタノール資化性細菌
による微生物生産
谷 明生
岡山大学 資源植物科学研究所
Production of ergothioneine by methylotrophic bacteria
Akio Tani
Institute of Plant Science and Resources,
Okayama University
エルゴチオネイン(EGT)はヒスチジンから誘導される含粒アミノ酸の一種で、高い抗酸化
活性を持っている。これまで EGT はキノコやカビ、放線菌など限られた生物しか作らないと
考えられていたが、近年になり生合成経路が解明され、それら以外の生物でも生産性が確認
されつつある。一方で植物や動物は生合成しないが体内には含まれており、ヒトの血液や臓
器に高濃度で含まれることが知られている。一方、Methylobacterium 属細菌は植物が放出
するメタノールを利用することで植物表面に広く存在し、その接種により植物の成長が促進
される。そのメカニズムを解析している中で、メタボローム解析により本属細菌が菌体内に
EGT を高蓄積していることを発見した。本研究では、何故本属細菌が著量の EGT を蓄積する
のか、またメタノールから EGT の高生産が可能かどうかを検討したので、基礎的知見につい
て紹介する。
Ergothioneine
References
1) K. Md Alamgir, et al. ,submitted.