門型標識灯定期点検要領について

平成27年7月3日
「橋梁等の点検に関する説明会」
門型標識等定期点検要領について
北海道建設部
一般財団法人北海道建設技術センター
1.適用範囲
点検要領 P1
本要領は、道路法(昭和27 年法律第180 号)第2 条第1 項に規定
<目次>
1.適用範囲
2.点検頻度
3.点検フロー
4.点検方法
5.点検体制
6.標準的な使用機材
7.損傷状況の把握
8.健全性の診断
9.措置
10.記録
11.着目点
12.判定の手引き
13.合いマークの施工
1
1.適用範囲
・一般的な形状(ヒラ門型)
する道路における道路の附属物のうち、門型支柱(オーバーヘッド
式)を有する大型の道路標識及び道路情報提供装置(収集装置含
む)(以下、「門型標識等」という。)の定期点検に適用する。
【補足】
「道路附属物のうち、損傷、腐食その他の劣化その他の異常が生じた場合、道路の構造
又は交通に大きな支障を及ぼすおそれがあるもの」
道路管理者が門型標識等の各部材の状態を把握し、診断し、必要な措置を特定するため
必要な情報を得ることが目的として、支柱や取り付部等の、定期点検の基本的な内容や方
法について定めたもの。
2
3
2.点検頻度
1.適用範囲
点検要領 P1
・一般的な形状(トラス型)
定期点検は、5年に1回の頻度で実施することを基本とする。
【補足】
門型標識等の最新の状況を把握するとともに、次回の定期点検までの措置
の必要性の判断を行う上で必要な情報を得るために行う。
なお、門型標識等の状態によっては5年より短い間隔で点検することを妨
げるものではない。
4
2.点検頻度
(用語の説明)
点検要領 P9
(1) 定期点検
門型標識等の最新の状態を把握するとともに、次回の定期点検までの措置の必要性
の判断を行う上で必要な情報を得るために行うもので、定められた期間、方法で点検
※1を実施し、必要に応じて調査を行うこと、その結果をもとに門型標識等毎での健
全性を診断※2 し、記録※3を残すことをいう。
※1 点検
門型標識等の変状や門型標識等にある附属物の変状や取付状態の異常を発見し、
その程度を把握することを目的に、近接目視により行うことを基本として、門型標
識等や門型標識等にある附属物の状態を検査することをいう。必要に応じ応急措置
※4を実施する。
※2 健全性の診断
点検または調査結果により把握された変状・異常の程度を判定区分に応じて分類
することである。定期点検では、部材単位の健全性の診断と、門型標識等毎の健全
性の診断を行う。
6
5
2.点検頻度
(用語の説明)
点検要領 P9
※3 記録
点検結果、調査結果、健全性の診断結果、措置または措置後の確認結果等は適時、
点検表に記録する。
※4 応急措置
点検作業時に、第三者被害の可能性のある附属物の取り付け状態の改善等を行う
ことをいう。
(2) 措置
点検または調査結果に基づいて、門型標識等の機能や耐久性等を回復させることを
目的に、対策、監視を行うことをいい、具体的には、対策(補修・補強、撤去)、定
期的あるいは常時の監視、緊急に対策を講じることができない場合などの対応として、
通行規制・通行止めがある。
(3) 監視
応急対策を実施した箇所、もしくは健全性の診断の結果、当面は応急対策または本
対策の適用を見送ると判断された箇所に対し、変状の挙動を追跡的に把握することを
いう。
7
3.点検フロー
4.点検方法
点検要領 P2
定期点検
既設で合いマークが
施されていない場合、
初回点検時に施工の
こと
合いマークの確認
損傷状況の確認
点検要領 P2
定期点検は、近接目視により行うことを基本とする。
必要に応じて触診や打音等の非破壊検査等を併用して行う。
【補足】
近接目視
・全ての部材に近接して部材の状態を評価する。
・肉眼で部材の変状等の状態を把握し、評価が行える距離まで接近を想定。
健全性の診断
・変状の把握には限界がある場合、必要に応じて触診や打音検査を含む非破壊
検査技術などを適用することを検討する。
記録
・土中部等の部材については、周辺の状態などを確認する。
変状が疑われる場合、必要に応じて試掘や非破壊検査を行う。
点検結果の報告
・物理的に困難な場合は、 技術者が近接目視によって行う評価と同等の評価が
措置あり
維持・補修等の計画
措置なし
措置
行える方法による。
・非破壊検査については、「附属物(標識、照明施設等)点検要領」(平成26年
記録
8
6月 国土交通省 道路局
5.点検体制
国道・防災課)などを参考にするとよい。
9
6.標準的な使用機材
点検要領 P3
門型標識等の定期点検を適正に行うために必要な知識及び技能
を有する者がこれを行う
【補足】
健全性の診断(部材単位の健全性の診断)において適切な評価を行うためには、
定期点検定検および診断を行う者が門型標識等の構造や部材の状態の評価に必要
点検要領 P3
点検作業の実施にあたっては、点検員は対象となる点検種別及び点検業務の
内容に応じて必要な点検用資機材を携帯しなければならない。
【補足】
使用機材の例を以下の表に示す。
項目
資 機 材
ルーペ
な知識及び技能を有することとする。
点検用具
当面は、以下のいずれかの要件に該当することとする。
記録用具
・門型標識等又は道路橋に関する相応の資格または相当の実務経験を有すること。
補助機器
・門型標識等又は道路橋の設計、施工、管理に関する相当の専門知識を有すること。
・門型標識等又は道路橋の点検に関する相当の技術と実務経験を有すること。
その他
10
用 途
点検ハンマー(小) たたき点検用
き裂の確認
コンベックス
懐中電灯
支柱内部の観察
超音波厚さ計
板厚調査
膜厚計
塗膜厚調査
カメラ
記録用紙
構造、変状の記録撮影
別途様式
調査用車両
点検員移動用
梯子
共架型の点検、独立型の高所部の点検
高所作業車
マジック
共架型の点検、独立型の高所部の点検
支柱番号表示用、板厚調査部位のマーキングなど
ガムテープ
黒板の代わりに支柱番号の表示に用いて写真撮影
針金
ペンチ
取付ボルトに変状のある電気設備用開口部の仮復旧
取付ボルトに変状のある電気設備用開口部の仮復旧
スパナ
電気設備用開口部の開放用
ヤスリ
板厚調査部位の塗装除去用
サンドペーパー
グラインダー
板厚調査部位の塗装除去用
板厚調査部位の塗装除去用
※合いマーク用
・ペン
・ペンキ
11
7.損傷状況の把握
7.損傷状況の把握
点検要領 P4
表6.2
点検では、損傷内容毎に損傷の状況を把握する。この際、損傷状況に応じ
て表6.1 に示す損傷の有無や程度を、点検部位毎、損傷内容毎に評価する。
a
判定区分
き裂
表6.1 目視点検による損傷程度の評価
区分
損傷内容
一般的状態
損傷が認められない。
c
損傷が認められる。
e
損傷が大きい。
防食機能
の劣化
腐
食
【補足】
孔食
※1
点検の結果は、効率的な維持管理を行うための基礎的な情報として様々な形
で利用される。したがって、損傷の有無やその程度などの現状に関する客観的
事実としてのデータの取得を行う。
表6.2 に、損傷内容毎の評価区分を示す
異種金属
接触腐食
※2
ゆるみ・脱落
12
※1
※2
※3
8.健全性の診断
点検要領 P5
点検要領 P4
損傷内容の評価区分(目視点検)
損傷状況
損傷内容
判定区分
損傷状況
a
損傷なし。
c
-
e
き裂がある。
e
a
損傷なし。
a
損傷なし。
c
錆は表面的であり、著しい板厚の減
少は視認できない。
c
変形又は欠損がある。
e
表面に著しい膨張が生じているか又
は明らかな板厚減少が視認できる。
e
著しい変形又は欠損がある。
a
損傷なし。
a
滞水の形成が認められない。
c
孔食が生じている。
c
滞水の形跡が認められる。
e
貫通した孔食がある。
e
滞水が生じている。
a
損傷なし。
a
損傷なし。
c
-
c
ひびわれが生じている。
e
異種金属接触による腐食がある。
e
著しいひび割れが生じている。
a
損傷なし。
a
損傷なし。
c
ボルト・ナットのゆるみがある。
c
軽微な損傷が生じている。
e
ボルト・ナットの脱落がある。
e
損傷が大きい。
破断
変形・欠
損
滞水
※3
ひびわれ
その他
a
損傷なし。
c
-
ボルトの破断がある。
支柱等の部材の破断がある。
孔食:ステンレス鋼やアルミニウムなど鋼材表面に生成される皮膜が破損して、局部的に腐食を生じることをいう。
異種金属接触腐食:異なる金属を電極とした、局部電池の形成による電気化学的反応で生じる腐食のことで、例えば
鋼材にステンレス製ボルトを使用した場合に、鋼材側が集中的に腐食を生じることをいう。
電気設備開口部から支柱内部が点検できる場合に行う。
8.健全性の診断
13
点検要領 P6
定期点検では、部材単位の健全性の診断と門型標識等毎の健全性
の診断を行う。
部材単位の健全性の診断は、少なくとも表-7.2 に示す評価単
位毎に区分して行う。
【判定区分】 ・・・・部材単位の健全性の診断
【判定の単位】
区
分
状
表-7.2 判定の評価単位の標準
態
Ⅰ
健全
構造物の機能に支障が生じていない状態
Ⅱ
予防保全段階
構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点
から措置を講ずることが望ましい状態。
Ⅲ
早期措置段階
構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置
を講ずべき状態。
Ⅳ
緊急措置段階
構造物の機能に支障が生じている、又は生じる可能性が
著しく高く、緊急に措置を講ずべき状態。
【補足】
点検時に、利用者、第三者被害の恐れがあり、応急的に措置を必要と認められた場
合、応急措置を実施した上でⅠ~Ⅳの判定を行う。
調査が必要で判定が適切に行えない場合、速やかに調査を行い、その結果を踏まえ
14
Ⅰ~Ⅳの判定を行う。
支柱
横梁
標識板又は
道路情報版
基礎
その他
【補足】
門型標識等は、機能や役割の異なる部材が組み合わされた構造体であり、部材の
変状や機能障害が構造物全体の性能に及ぼす影響は異なる。また、一般的には補
修・補強等の措置は必要な機能や耐久性を回復するために部材単位で行われるため、
健全性の診断を部材単位で行うこととした。
【変状の種類】
材料の種類
変状の種類
鋼部材
き裂、破断、変形・欠損・摩耗、腐食、ゆるみ・脱落、その他
コンクリート部材
ひびわれ、その他
定期点検の結果を受けて実施する措置の内容は、原因や特性の違う損傷の種類に
応じて異なってくることが一般的である。同じ部材に複数の変状がある場合には、
15
それぞれの変状の種類毎に判定を行う。
8.健全性の診断
9.措置
点検要領 P7
部材単位の健全性の診断結果に基づき、道路の効率的な維持
及び修繕が図られるよう、必要な措置を講ずる。
【判定区分】・・・・門型標識毎の健全性の診断
区
Ⅰ
分
状
態
健全
構造物の機能に支障が生じていない状態
Ⅱ
予防保全段階
構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観
点から措置を講ずることが望ましい状態。
Ⅲ
早期措置段階
構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措
置を講ずべき状態。
Ⅳ
緊急措置段階
構造物の機能に支障が生じている、又は生じる可能性
が著しく高く、緊急に措置を講ずべき状態。
点検要領 P8
【補足】
門型標識等毎の健全性の診断は、部材単位で補修や補強の必要性等を評価する点検
とは別に、門型標識等毎で総合的な評価を付けるものであり、道路の管理者が保有す
る門型標識等全体の状況を把握するなどの目的で行う。
部材単位の健全性の診断結果を踏まえ、総合的に判断する。
一般には、門型標識等の性能に影響を及ぼす主要な部材に着目して、最も厳しい健
16
全性の診断結果で代表させることができる。
10.記録
【補足】
具体的には、対策(補修・補強、撤去)、定期的あるいは常時の監視、緊急に
対策を講じることができない場合などの対応として、通行規制・通行止めがある。
更新(取替え)・補修・補強にあたっては、健全性の診断結果に基づいて門型
標識等の機能や耐久性等を回復させるための最適な対策方法を、管理者が総合的
に検討する。
監視は、応急対策を実施した箇所、もしくは健全性の診断結果、当面は対策工
の適用を見送ると判断された箇所に対し、変状の挙動を追跡的に把握するために
行われるものである。
変状の内容と対策方法の目安は、点検要領P14
表
別-4を参考にするとよい。
17
10.記録(評価単位の区分)
点検要領 P8
定期点検及び診断の結果並びに措置の内容等を記録し、当該
門型標識等が利用されている期間中は、これを保存する。
点検要領 P10
点検にあたっては、以下に示す部材が弱点部となることから、
特に注意する必要がある。
【補足】
定期点検の結果は、維持・補修等の計画を立案する上で参考とする基礎的な情報
であり、適切な方法で記録し蓄積しておかなければならない。
なお、定期点検後に、補修・補強等の措置が行われた場合は、「健全性の診断」
を改めて行い、速やかに記録に反映しなければならない。
また、その他の事故や災害等により門型標識等の状態に変化があった場合には、
必要に応じて「健全性の診断」を改めて行い、措置及びその後の結果を速やかに記
録に反映しなければならない。
(別紙3 点検表記録様式参照)
Ctw
18
19
10.記録
10.記録
点検要領 P11
点検要領 P12
20
10.記録
21
10.記録
点検要領 P13
22
点検要領 P16
23
10.記録
10.記録
点検要領 P17
点検要領 P18
※アンカーボルトについて
車道側から見て、右側右上を
基準に時計回りに番号付けをする。
※アンカーボルトについて
車道側から見て、右側右上を
基準に時計回りに番号付けをする。
25
24
11.着目点
11.着目点
点検要領 P19
点検要領 P19
一般的構造と主な着目点
門型支柱(オーバーヘッド式)を有する大型の道路標識及び道路情報提供装置
の定期点検における部材の主な着目点の例を示す。
電気設備用開口部ボルト(Phb)
1.支柱
1)主な点検個所(弱点部となる部材等)
支柱本体(Pph)
・支柱本体
支柱継手部(Ppj)
(継手部を有する時
電気設備用開口部(Phh)
支柱内部(Ppi)
電気設備用開口部(Phh)
電気設備用開口部ボルト(Phb)
・支柱継手部
支柱内部(Ppi)
【電気設備開口部】
・支柱内部
路面境界部(GL-0mm)(Pgl-0)
リブ取付溶接部(Pbr)
路面境界部(GL-40mm)(Pgl-40)
・電気設備用開口部
柱・ベースプレート溶接部(Pbp)
・電気設備用開口部ボルト
・路面境界部(GL-0mm)
【路面境界部が埋め戻されている場合】
・路面境界部(GL-40mm)
【ベースプレートが露出されている場合】
柱・基礎境界部(Pbp)
・リブ取付溶接部
・柱・ベースプレート溶接部
・柱・基礎境界部
26
【基礎コンクリートが露出されている場合】
27
11.着目点
11.着目点
点検要領 P20
点検要領 P20
開始
2)点検時の主な着目点
・各溶接部は、疲労き裂が生じやすい。
・支柱継手部の内部に接合用リングを設置している場合、支柱の結露等により支柱
土砂
内部から腐食することがある。
アスファルト
インターロッキング
・路面境界部及び柱・基礎境界部の腐食は、突然の倒壊を起こす要因になるため特
に注視する必要がある。
20年未満
設置年数
・電気設備開口部のパッキンの劣化や通気孔につまりがあると、支柱内部の滞水及
び腐食が生じやすい。また、滞水が見られる場合には、変状が急速に進展するこ
20年以上
とがある。
なお、路面境界部(GL-40mm)の掘削実施の目安については、「附属物(標識、照
明施設等)点検要領」(平成26年6月 国土交通省 道路局 国道・防災課)を参
考にすることができる。
コンクリート
路面境界部
の条件
・支柱本体や路面付近に腐食が認
No
められる。
・支柱基礎部に滞水、または滞水
の形跡が認められる。
路面掘削
実施の目安
11.着目点
掘削する
掘削する
点検要領 P22
1)主な点検個所(弱点部となる部材等)
・標識板及び標識板取付部
・横梁本体
・道路情報板及び道路情報板取付部
・横梁仕口溶接部
横梁本体(Cbh)
横梁溶接仕口部(Cbw)
・横梁トラス本体
横梁継手部(Cbj)
・横梁トラス溶接部
・横梁継手部
横梁トラス本体(Cth)
横梁取付部(Cbj)
2)点検時の主な着目点
・標識板取付部(道路情報板取
付部)は、振動によりボルト
のゆるみ・脱落が生じること
がある。
・標識板に車両接触痕がある場
合、取付部等に著しい変形や
横梁トラス溶接部(Ctw)
き裂が生じていることがある。
裂が生じやすい
・横梁取付部は、振動
によりボルトのゆる
とがある。
掘削しない
3.標識及び道路情報板
1)主な点検個所(弱点部となる部材等)
み・脱落が生じるこ
掘削する
11.着目点
2.横梁
2)点検時の主な着目点
・各溶接部は、疲労亀
掘削しない
<参考>
29
支柱内部が滞水している。または滞水形跡がある場合パッキンの交換が望ましい。
点検要領 P21
・横梁取付部
Yes
Yes
掘削する
28
・支柱本体や路面付近に腐食が認め
られる。
No
・コンクリートにひび割れ等が認めら
れ、支柱とコンクリートの間に滞水、
または滞水の形跡が認められる。
30
・標識板に重ね貼りした場合、ビス・ブラインドリベットの腐食や繰り返し
振動の影響でブラインドリベット頭部の破損欠落を生じることがあるため、
特に注視して点検する必要がある。
・ヒンジ構造で標識板を吊り下げている構造(吊下式)については、標識板
が落下する事案が発生していることから、接合部の点検に特に注視する必
要がある。
31
11.着目点
12.判定の手引き
点検要領 P23
4.基礎
1)主な点検個所(弱点部となる部材等)
・基礎コンクリート部
・アンカーボルト・ナット
2)点検時の主な着目点
・アンカーボルト・ナットは進藤の影響でゆるむことがある。
・基礎コンクリートは、振動や雨水の滞水等の影響により、ひびわれや剥離が発生する
場合がある。
点検要領 P24
「門型標識等定期点検要領」に従って、部材単位での健全性の
診断を行う場合の参考となるよう、典型的な変状例に対して、判
定にあたって考慮すべき事項の例を示す。
なお、各部材の状態の判定は、定量的に判断することは困難で
あり、また門型標識等の構造形式や設置条件によっても異なるた
め、実際の点検においては、対象の門型標識等の条件を考慮して
適切な区分に判定する必要がある。
アンカーボルト・ナット(Bab)
付表2-1変状の種類
鋼部材
基礎コンクリート部(Bbc)
基礎コンクリート部(Bbc)
5.その他
管理用の足場や作業台が設置されている場合、弱点部を適切に設定し、定期点検を
32
行う必要がある。
12.判定の手引き
①
②
③
④
⑤
き裂
破断
変形・欠損・摩耗
腐食
ゆるみ・脱落
コンクリート部材
その他
⑥ ひびわれ
33
12.判定の手引き
点検要領 P25・26
34
点検要領 P27・28
35
12.判定の手引き
13.合いマークの施工
点検要領 P29・30
合いマーク:
ボルト,ナット,座金及びプレート部に連続したマーキング
★施工されていない場合には、点検に併せて合いマークを施工する。
★目視によりボルト、ナットのゆるみを確認可能とするための措置。
詳細(横梁取付部、アンカーボルト・ナット)
アンカーボルト・ナット
横梁取付部
36
13.合いマークの施工
37
13.合いマークの施工
・ ボルト・ナットがゆるんでいないことを確認し、施工する。
・ 目視にてゆるみが確認できるように、ボルトやナットだけでなく、座金やプ
レートにも連続して記入する。
・ 確認しやすいように、支柱やボルトの色が淡色系の場合は濃色系の塗料(赤
色、黒色等)を、濃色系の場合は淡色系の塗料(白色、黄色等)を使用する
必要がある。ずれを目視で判別できるように、適当な太さで記入する。
・ 塗料は、工事現場のマーキング等に用いられるなど屋外用で、雨や紫外線等
に対して耐久性が期待できるものを使用する。
例:油性ウレタン(鉄部用)
・ 腐食又はき裂が生じている場合は、交換又は補修後に合いマーク施工を行う。
・ 上方の合いマークは、路面から確認できるように配慮して施工する。
・ アンカーボルト、支柱継手部、標識板取付部、横梁取付部など、合いマーク
施工が可能なボルトについては施工する。
・ 電気設備用開口部のボルト、標識板重ね部などボルト径が小さく合いマーク
施工が困難な箇所は、施工しない。
38
合いマークは、耐久性を考慮し、油性で顔料系の材料
で視認性の優れた色彩のものを使用し施工することが望
ましい。
39
<終わりに>
・車道内に立ち入る必要がある。
・高所作業車等を利用する必要がある。
・交差点付近での点検となる。
・高所作業にスパナなどの道具が必要で落下事故の危険。
安全性に留意した作業が必要。
40