金沢市、能登の視察レポート - 古都首里のまちづくり期成会

まちづくり先進地域視察報告
昨年度に引き続き、まちづくり先進地を期成会の有志で自費により視察しました。
昨年は、京都・滋賀・奈良のまちづくりの視察に行ってきました。
今年は、戦災に遭わずに昔の町並みを残す伝統建造物指定地区がある金沢市・輪島市
に、冬で寒いにもかかわらず視察してきました。
金沢市の視察については、いつもご指導をいただいている那覇市の部長のご厚意によ
りお貸ししていただいた元金沢市長の山出保氏の著書「文化でまちづくり
金沢の気
骨」を輪読し事前学習をして寒い金沢市に向かいました。その日は早速、ひがし茶屋
街、主計(かずえ)町茶屋街、長町武家屋敷跡を視察しました
電柱がなくすっきりした小路
川に蓋をしていたのをはがし
せせらぎ通りにした
柵も設置していない!
バスが近づいているのが分かる新バ
スシステム
とにかくバスが便利
武家屋敷土塀の菰掛け
電線地中化の地上機器の目隠し
その後、金沢市役所の景観政策の担当者と意見交換することができました。事前に那覇
市から金沢市へ協力依頼の文書をお願いしていたので、12月議会開催中にもかかわら
ず短い時間でしたが、景観政策課の担当主査に対応していただきました。それも事前に
準備されたプロジェクターを使用したプレゼンテーションで、約束の時間をオーバーし
昼食時間に食い込んでしまい大変恐縮しました。
「金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例」により、景観形成区域毎に「景
観形成基準」を定め、地区ごとに「景観形成方針」を示し、良好な景観誘導を図ること
としていました。また、
「金沢市屋外広告物条例」に基づく屋外広告物の設計・デザイン
の審査制度により審査会が毎週開催され、昨年度は186件が審査されうまく機能して
いました。
そして、景観サポーターを公募し、毎月1回報告書を出しているとのことで、官・民が
うまく機能していることが分かりました。
参考資料として、金沢市の景観形成及び金沢市屋外広告物条例の手引き(事業者向け)
などのパンフレットをいただいてきました。
次の日は、輪島市門前町天領黒島地区を視察しました。この地区は、日本海航路の発展
で北前船の船主、船員の居住地として栄え江戸後期から明治にかけて全盛を極めた集落
が、平成19年3月に発生した能登半島地震により大きな被害を受けつつも「伝統的建
造物群及び旧態を残している」として、平成21年に重要伝統的建造物群保存地区に選
定された地区でした。
能登半島地震に負けず旧態を残す町並み
代表的な廻船問屋住宅「石川県指定有
形文化財角海(かどみ)家」の座敷