出題のねらい 一般入試/日本史(前期)

一般入試/日本史(前期)
出題のねらい
【1】古代・中世、政治の分野。
11~12世紀の政治状況、特に院政と平氏の栄華に
関して、史料に即して理解しているかどうかを問い
ました。
【2】
【解 答】(30 点)
(1) aこ bく cう dお eえ
(2) fた gつ hち iに jと
(3) k朝鮮 lオリンピック m東海道新幹線
n(日本)万国博覧会
【2】近・現代、経済の分野。
大正・昭和の日本経済の動向、政府の経済政策、
o石油危機(オイルショック)
GHQによる経済改革などを取りあげ、大戦景気か
(各2点×15)
ら昭和恐慌にいたる経済や社会の状況、戦後復興や
高度成長の歩みについて問いました。
【3】近世、文化の分野。
【解 説】
世界文化遺産を題材に、近世文化史の基礎的知識
近現代の経済史に関する問題です。この問題では、
を問いました。
3つの文章A~Cを事例に、戦前・戦後における日
本経済の動向と政府やGHQの主な政策・法令、関
連する事件や中心となる人物などの知識を問いまし
た。A大正と昭和の戦前期については、第一次世界
【1】
【解 答】(34 点)
大戦を原因とする大戦景気と戦後恐慌、関東大震災
による震災恐慌やそれに続く金融恐慌、世界恐慌に
(1)あ (2)い (3)え (4)う (5)あ
(6)天皇の位につくこと。 (7)平清盛
(8)配偶者の兄弟のこと。 (9)あ
(10)う (11)aい bう
※(6)
(8)は各2点×2
その他は各3点×10
端を発する昭和恐慌、といった一連の流れを世界情
勢と関連づけつつ理解することが重要です。また、
B 戦 後 の 復 興 期 に つ い て は、 財 閥 解 体 や 農 地 改 革
をはじめとするGHQの改革で経済が民主化したこ
と、傾斜生産方式などの政府によるインフレ政策か
らドッジ=ラインやシャウプ勧告などのGHQによ
るデフレ政策へと経済政策や物価状況が大きく変化
したこと、C戦後の高度成長期については、朝鮮戦
【解 説】
争の特需より少しずつ経済が軌道に乗りはじめ、東
院政期から平氏政権の時代についての設問です。 京オリンピックや大阪万博などを成功させながら、
史料Aは『神皇正統記』を取り上げました。1086 年、 第一次石油危機による物価の高騰で成長が終わるこ
白河天皇は堀河天皇に譲位し、上皇として政治をと
となど、それぞれの時期の経済の変化とその特徴を
る「院政」を開始しました。『神皇正統記』は、南
政治や社会との関係を意識しながら把握することが
北朝時代の公卿、北畠親房の著ですが、院政の開始
ポイントとなります。
によって天皇や摂関の地位が低下したと述べ、批判
しています。親房は天皇の権威を尊重する立場だっ
たのです。
史料Bは『平家物語』からの出題です。ここには
平家全盛期の様子が描かれています。平家一門は急
速に貴族化しますが、その経済基盤が、知行国や荘
園、日宋貿易にあったことが記されています。
両史料とも多くの教科書や史料集に収載されて
います。ここでは基本的な人名や用語、時代背景に
ついて問いました。史料に即して、古代末期の流動
的な政治状況について丁寧に確認しておいてくだ
さい。
一般入試/日本史(前期)
【3】
【解 答】(36 点)
a 桃山
b 安土
c大坂
d 濃絵
e 狩野永徳
f徳川家康
g 東照宮
h 権現造
i狩野探幽
j 葛飾北斎
k 歌川広重
l浮世(錦も可)
(各3点×12)
【解 説】
世界文化遺産を題材に、近世文化史の基礎的知識
を問いました。建築、絵画など広い分野から問うて
いますが、ひとつひとつの用語は、教科書に載って
いる基本事項を押さえていれば解答できるように
なっています。普段からアンテナを広げてニュース
などに注目し、知識を定着させることが重要です。
前半は、近世建築の代表的な例と、建築様式に関
する用語の理解程度を問うています。大阪・大坂の
違 い に 注 意。a は、 時 代 区 分 に 関 す る 設 問 で す が、
政治史・社会史の区分との関連に注意しながら理解
を深めて下さい。後半は、近世絵画史の特に代表的
な作家の名を正確に理解できているかを問うていま
す。これらは、資料集などを利用して、作品のイメー
ジと共に記憶する必要があります。また、絵画の技
法や分類に関する知識についても問うています。時
代ごとの特徴を実際の作品に照らして捉えておくこ
とが重要です。