働く人の健康診断と事後措置の実際

〈書 評〉
産業保健ハンドブックⅦ
働く人の健康診断と事後措置の実際
─ 一般健康診断のすすめ方と事後措置のすべて─
和田 攻 監修
日本医師会 推薦
発 行:財団法人産業医学振興財団
定 価:2,800円
本書は,
財団法人産業医学振興財団が平成16年から発行している「産業保健ハンドブック」シリー
ズ第₇冊目に企画され,
「一般健康診断のすすめ方と事後措置」について,安全配慮義務に関する
裁判事例なども含め,体系的にわかり易く,かつ詳細に記述した座右の実用書が発行されました.
健康診断業務は,産業医や産業保健スタッフの重要な職務でありますが,健康診断の目的と意義,
健康診断に関する法律と法的な義務及び安全配慮義務,健康診断の体系と産業医の取り組みかた,
健康診断実施の実際,そして一般健康診断のすすめ方,さらに重要な健康診断結果の判定と事後措
置としての適切な保健指導と医療指導が行われる必要があります.
監修者である和田攻産業医科大学学長が力説しておられるとおり,健康診断で最も重要であるの
は,健康診断の事後措置にあるからで,産業医は,健康診断の適切な実施による結果の確認と結果
に基づく就業上の意見を事業者に述べる義務があり,事業者は医師の意見を聴く義務が課せられて
います.健康診断は,臨床医学ならびに産業医学と産業医実務経験に基づいて施行することが要求
されており,それをベースとして,A.健康診断の基本について₆項目,B.一般健康診断と事後
措置のすすめ方11項目,C.健康診断結果の判定と事後措置としての保健指導と医療指導の実際と
して₃項目,特に各健診項目を中心とした保健・医療指導の実際について各健診所見毎に13項目に
わけて,丁寧に経験豊かな18名の第一線の専門家によって記述され,全体として35名の専門家によ
り,資料を含めて313頁にわたって実用的な,まさに「座右の好著」であります.
産業医,
産業保健スタッフをはじめ企業における産業保健に係る人事・労務担当者に推薦いたします.
なお,特殊健康診断については次の発行を予定していることを申し添えます.
(北里大学名誉教授・労働者健康福祉機構医監 高田 勗)
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産業医学ジャーナル Vol. 33