26年度 重点目標に対する取り組み - 社団法人 福島県建設産業団体連合会

1. 東日本大震災等自然災害・東京電力原発事故に伴う放射線等からの復興加
速化への協力推進について
建設産業は、 前年に引き続き26年度も東日本大震災・原発事故からの県
土復興に全力を挙げ協力してきた。 その結果、 県内の公共土木施設や原発
避難者等のための復興公営住宅建設に一定の成果を挙げることができた。
しかしながら、 建設産業は、 技術者や技能労働者等の建設現場従事者の
慢性的不足感や、 それに伴う賃金の高騰、 更に建設資材や資機材等の高騰
が続いており、 企業によっては入札等に十分な対応が難しいといった事例
も見受けられた。
このようなことを踏まえ、 本会では県建設業協会はじめ各団体と連携し、
県・県議会等関係機関に窮状を訴えてきた。
原発事故に伴う除染関係については、 本会傘下の県建設業協会はじめ多
くの団体の会員企業が除染業務に携わり、 線量の低減や風評等の払拭に貢
献してきた。
また、 原子力損害賠償については、 福島県原子力損害対策協議会 (会長
内堀雅雄知事) 代表者会議構成員として、 県建設業協会原子力発電所損害
賠償対策室ほか、 傘下団体と緊密な連携のもと、 損害賠償が迅速、 かつ十
分に行われるよう東京電力、 関係省庁に発信してきた。
2. 自然災害に強い県土づくり、 公共構造物の長寿命化等国土強靭化対策への
積極的協力・推進
近年集中豪雨や火山爆発等の自然災害が全国各地で発生し、 多くの尊い
生命や財産を失うといったことが頻発している。 本県においては、 平成23
年には大震災のほか新潟・福島豪雨、 台風15号で甚大な被害を被ったこと
は記憶に新しい。 このような自然災害から生命・財産を守るためには、 事
前の防災、 防除対策が必要である。 このことから本会は、 県・県議会等関
係機関に土砂崩壊、 河川氾濫・土石流等の防災・防除対策、 災害時の迂回
路確保、 電気・水道・通信等のライフライン、 公共建築物等の耐震化推進
を訴えてきた。
笹子トンネルの崩壊事故の例もあり、 県内においても今後急速に老朽化
の道を辿るインフラがあり得ることを想定しておく必要がある。
平成26年5月、 政府は 「インフラ長寿命化基本計画」 を取りまとめ、 多
岐にわたるインフラの日常的な維持管理や定期的な点検・診断・修繕・更
新のメンテナンスサイクル構築のため、 官民の様々なインフラ管理者が一
丸となって取り組むことにしている。
このようなことから、 本会では県民の将来に向けた安全・安心の確保の
ため、 インフラの維持管理等予算の継続的・安定的確保について県議会各
党会派に強く要望してきた。
3. 県民の安全・安心の確保、 県内産業の持続的発展のため基盤となる公共事
業の計画的かつ安定的な予算の増額確保と発注の平準化推進
大震災復旧・復興、 除染業務予算は膨大になった一方、 県土木部等の普通
建設事業は年々減少傾向にある。 普通建設事業費が大震災復旧工事終了後も
このままの傾向で推移すると全国的水準からみて低い本県の社会資本整備率
が更に遅れ、 県民の安全安心の確保や産業、 そして地域経済に悪影響を与え
ることになる。
特に、 地域の雇用、 納税等で貢献している建設産業が大震災以前の疲弊し
た産業へと逆戻りし、 自然災害発生時や積雪時に対応する地域建設業が消滅
してしまうことも懸念される。
従って、 本県にとって普通建設事業費については、 将来を見据えながら計
画的に、 安定的な予算の増額確保が重要となっている。
以上のことから、 本会では自民党県連幹部との懇談会、 県議会各政党等の
要望聴取会、 政府予算対策時などにおいて、 普通建設事業費の増額拡大を強
く要望してきた。
4. 適正な労務賃金の確保と支払、 社会保険等未加入企業の絶滅、 若年者の確
保・育成推進
総じて建設産業は若年者の入職・定着難を背景に高齢化と労働者の不足
等が著しく、 型枠や鉄筋等の専門工事業においては特に厳しい状況にある。
このため、 専門工事業においては、 県外の技能労働者や研修生の活用と言っ
たことで急場を凌ぐ企業も少なくなく、 そのため技能職種の賃金は高騰の
一途を辿っており、 実勢賃金と設計労務単価が乖離するという状況が生じ
ている。
このことから適宜、 国・県等関係機関に設計労務単価の見直しについて
発信してきている。
国・県等では、 こうした実情を踏まえ、 平成26年度2月、 更に平成27年
2月と2度にわたり設計労務単価を改定、 この設計労務単価は労働者確保
等を目的に社会保険等労働者個人負担分を含む政策単価となったことから、
これらの関する国交省及び県土木部通知を関係団体に広報し、 適正な賃金
支払い等を要請してきた。
少子、 超高齢化社会にあって、 国内の各企業は若年者確保に様々な対応
を行ってきている。 例を挙げると、 新卒者採用内定を出すにあたって、 予
定数確保のため水増し内定者を出す企業もあるようである。 建設産業に関
しては。 国交省が品確法、 建業法、 入契法の一部を改正し、 社会保険等の
未加入者撲滅等担い手確保施策を打ち出している。
本会では、 若年者等の確保対策として、 国交省担当官を招聘した講演会
の開催、 また、 設置している適正な建設生産システムに向けての懇談会を
開催し、 県土木部産業室と県建設業協会ほか、 福島県測量設計業協会、 専
門工事業団体等で意見・情報の交換を行い意識の共有化に努めてきた。
5. 適正な入札契約制度・設計積算等の推進及び建設資材の需給・価格動向、
調査研究
建設産業が社会の公器として貢献していくには、 年間を通じて安定した一定
の工事量と利益の確保が可能である。 このことから県や県議会各党会派、 自
民党幹部との懇談会等において下記事項等について要望・提言を行ってきた。
大震災復旧・復興工事が最盛期に入っており、 地元建設業は、 建設労働
者の手当の問題もあり、 国・県・市町村の入札案件が集中すると、 ともす
れば対応することが難しくなることもある。 このことから、 発注予定の早
期公表、 発注時期の分散化・平準化等の対応を発信してきた。
また、 入札においては、 地産地消の観点から地元業者の活用、 工事ロッ
トへの配慮、 建設従事者・建設資材等の需給とこれらの高騰への柔軟な対
応等の要望を行ってきた。
本県の入札契約制度は、 条件付一般競争制度で、 その主流は総合評価方
式であることから、 基準調査価格の引上げ、 加えて、 地元業者の軸足をお
いた評価項目、 配点の恒常的見直しを要望してきた。
一方、 測量設計業委託業務については、 指名競争制度の積極的活用、 造
園工事の委託業務に関しては、 最低制限価格導入等を訴えてきた。
設計積算関係については、 実態に合った単価の設定や建設現場の実態と
乖離した設計積算の排除等を要望してきた。
6. 建設業法等関係法令の遵守・建設産業のイメージアップ推進調査研究
元下契約関係については、 建業法・契約約款等々に基づく適正な履行が
求められている。 本会では、 法の遵守の視点から広報ポスター 「建設産業
の適正な取引目標」 を作成し、 元下契約の当事者と成り得る団体会員に配
付・啓蒙した。
除染業務従事者の賃金支払い等に関し、 労基法・安衛法違反が多発して
いることからの福島労働基準局長通達、 建設現場における労働災害防止通
達等についても各団体に周知し遺憾のないよう対応を求めた。 更に、 県警
察本部からの災害発生時に活用する 「規制除外車輌の事前届出制度」 につ
いて広報に努めた。
国交省・県からの通達 「下請契約及び下請代金支払の適正化並びに施工
管理の徹底」 等々を各団体に周知し、 建設産業に係る責務・役割、 法の遵
守の徹底を求めた。
建設産業のイメージアップ推進については、 建設業振興基金等で構成す
る建設産業人材確保・育成推進協議会が実施した 「未来を創造する建設業」、
東北経済連合会主催のフォーラム 「がんばろう!東北」、 福島県建設業協
会主催 「福島県建設業雇用改善推進大会」 に協力協賛し広報に努めた。
7. 技術力・経営力向上のための研修会等開催
本会では、 今後県等で導入される可能性がある施工パッケージ型積算・
施工管理について知識習得等を目的に、 外部講師を招き福島・会津若松・
郡山の3会場で開催した。
建設産業の経営者等幹部を対象に福島県土木部が実施した企業経営講座
“建設業に担い手づくり”開催に全面的に協力した。
この外、 福島県産業廃棄物処理業協会、 福島県建設業協会等々が行った
講習・研修会等に協力広報周知等に努めた。
8. 建産連構成団体の相互理解・連携等推進
原子力損害賠償に関する東京電力・関係省庁への要望・提言等について、
県建設業協会はじめ傘下関係団体と連携協調し対応してきた。
自民党県連幹部との懇談会、 県議会各党会派の県予算編成に関する要望
聴取会、 政府予算対策要望等については、 傘下団体会員の声を聞きそれを
集約し正副会長等役員全員で対応してきた。
建産連傘下団体会員相互の親睦並びに関係機関・友好団体・マスコミ等
との交流を図るべく新年賀詞交換会を例年同様実施した。 また、 元下間の
適正な建設生産システムと友好関係の強化推進を目的に、 県建設業協会と
主な専門工事業関係団体とで懇談会を実施した。
福島県知事表彰、 国交大臣表彰、 叙勲・褒章の受賞推薦団体として、 各
団体と連携・協調のうえ推薦対応してきた。
9. NPO循環型社会推進センター事業協力・推進
本センターは、 一般社会や建設産業への貢献等を目的に建産連が母体とな
り創設したもので、 建産連事務局役職員が業務を兼務している。
26年度において、 建産連役職員、 NPO役職員として対応してきた業務等
は次のとおりである。
小規模多機能施設:民間型宅老所 「ちいきの茶の間
ふるさと」 運営統
括
〇福島市団地内の高齢者を対象とした介護保険適用外の食事の宅配、
病院の送迎、 買い物、 ディサービス、 入浴等、 ふれあい等日常生活支援
活動
サポート住まいるの運営総括
〇福島市団地及び周辺地域をエリア対象とした住まいに係わる相談、
住宅の維持修繕、 住宅まわりの庭木等の手入れなどコミュニティビジネ
ス展開
県営住宅等指定管理事業の運営統括
〇福島・会津 (若松) ・いわき等県営住宅に係る家賃徴収、 維持修繕、 保
守管理等業務
〇会津・いわき県営住宅等指定管理事業の27年度∼31年度分5ヶ年分へ応
募申請書作成 (いわき地区のみ受託)
応急仮設住宅維持修繕点検業務統括
〇全県下の応急仮設住宅約16,000戸維持修繕業務
〇全県下の応急仮設住宅約16,000戸点検業務
〇積雪地の応急仮設住宅の除雪業務
復興公営住宅入居支援業務統括
〇復興公営住宅入居広報、 相談、 申込み受付、 抽選等々業務
WG活動の統括
∼に係る人事・経理事務全般