展望 JAの進むべき道 ICA10年計画と第27回JA全国大会 現在、10月に開催される第27回 で解決を図っていく局面にあります。 JA全国大会組織協議案の議論が進 すでに、先進JA・地域では、直面 んでいます。この時点で、いま一度、 の課題を克服し農業生産、雇用、所 国際協同組合年の2012年イギリスの 得の拡大を実現しています。例えば、 マンチェスターの国際協同組合同盟 集落営農が、JAと優れた地域の (ICA)臨時総会で承認された2020 リーダーの協同活動で、土地利用型 年に向けた行動目標「協同組合の10 年に向けた計画(以下、10年計画) 」 大西茂志 (JA全中常務理事) の内容を再確認したいと思います。 農業部門では複数集落参加で大規模 化により投資効率を向上させる一 方、野菜などの労働集約型農業部門 10年計画では、世界を取り巻く危機的な状 では、JAとの連携で地元病院向け業務用契 況として「不安定な金融界」 「格差の拡大」 「公 約野菜栽培・冷凍加工による女性や高齢者の 民権を奪われたような若者世代」 「政治及び経 参加、若者の積極的雇用を拡大し、協同活動 済組織への信頼喪失」等を挙げています。こ の進化を遂げています。酪農や畜産などの専 うした危機の解決のため、2020年までに協 業地域でも、JAが事業の核となり TMR セン 同組合の事業形態が、 「経済、社会、環境の ターを設置するなどの分業化により、更なる 持続可能性で定評あるリーダー」 「人々に最も 経営の効率化で農家経営の改善が進んでいま 好まれるモデル」 「最も急速に成長する事業形 す。同様に施設野菜地域でも部会の再編や新 態」になる 3 つの行動目標を掲げました。こ 規就農で産地の育成で成果を上げています。 の目標の実現の戦略として協同組合の「参加」 これらの実践の出発点は、10年計画の戦略 「持続可能性」 「アイデンティティ」 「法的枠組 でも第一に挙げる准組合員を含む組合員の み」 「資本」等の戦略を掲げ、おのおのの戦略 「参加の拡大と質の向上」であり、今回の第 に目標とその達成の具体化を提起しました。 27回大会で最も重要なテーマです。その上で、 現在、10年計画策定時の2012年と比較し 全JAが地域の農業所得や雇用を毎年 1 %で 世界、わが国の経済や農業の危機は、さらに も持続的に向上させていく事業を行っていく 深刻化・不安定化しています。今回のJA全 ことが、結果として10年計画の 3 つの行動目 国大会でも10年計画を参考に、今後 3 年間の 標を達成することとなります。 組合員とJAの課題を把握し、協同組合の力 2015/09 月刊 JA 19
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