を加えて使いやすいサイズを決めた。 適性テストセット製作 伊藤 凌太 大内 一輝 岡本 大輔 小合 克昌 1.まえがき 私たちは製作段階も完成後も楽しめるものを 作りたいと思い、修学旅行で見学した JAXA の宇 宙飛行士適性テストを体験できるセットを製作 した。また、オリジナリティを出したいと思い適 図2 試作 1 号 性テストのセットに、競争要素として早押しボタ ンも追加した。 (2)箱の材料決め 次に箱の材料を金属、段ボール、木材のどれで 2.原 理 作るかを決めた。 宇宙飛行士は、宇宙空間で鏡を見ながら作業す 金属を使うと加工しにくい上に重く持ち運び ることがある。そのため、どんな視点からでも正 が難しいので、机などから落下した際に危険すぎ 確な作業を行わなければならない。見学した JAXA るという点があった。作るからには誰でも楽しめ では一般の人が訓練を疑似体験できるコーナー るものを作りたいという思いもあり、材料の候補 があった。 からはずした。 宇宙飛行士適正テストとは、箱の奥に角度をつ 段ボールなど工作でよく使われるものだと製 けた鏡を置き、視界を下に向けても手元が見えな 作は簡単だが、見た目が良くないことと耐久性に いよう隠すことで、自分の手が逆に動いているよ 問題があると思い、こちらも材料の候補からはず う見えるので、宇宙空間での作業が疑似体験でき した。 るというものである。(図 1) 木材は一手間かかるが加工が難しくなく、滅多 なことでは壊れない上に、ベニヤなどを使えば重 量もあまり増さないので、箱の材料に適当だと思 い木材で製作した。 (3)鏡の切り出し 視界を反転させるために鏡が必要なので、サイ ズを決めて切り出した。 手元が見えるよう鏡に角度をつける必要があ る。落下防止と取り付けの際に鏡が割れてしまう などの事故を防ぐため、箱には鏡を直接取り付け ず、中に取り付ける木材に鏡を固定した。 図1 疑似体験図 3.適性テストセットの製作 (1)設計のための確認 製作にあたり、まず最初に決めたのは箱のサイ ズである。そのために一度段ボールなどの加工し やすい材料を使い、大まかなサイズで製作して手 図3 鏡取り付け 1 号があったタイミングで、他からの入力信号を受 (4)組み立て け付けなくする回路である。 (1)で決めたサイズ通りにベニヤなどの木材を 切断して、それらを釘で留めて箱の形を作った後、 ペンキで着色した。 図6 インターロック回路 最終的に図7のように、インターロック回路を ベースにリセットスイッチを加えた。 図4 外箱完成図 次に(3)で製作した鏡のセットを角度の調整を しながら箱の内部に取り付けた。 鏡を固定するのに箱の内側から釘が外に飛び 出さないよう打ち込み、固定した。 最後に適性テストをするためのなぞる図を CAD で作成して、セットは一式完成した。 図7 完成回路図 (2) 回路の製作 次に、決めた回路図を製作するため、必要な線 などを基盤に取り付けていった。 この作業は、同じような作業を繰り返していく ので、地味だけどとても大変な作業だった。 図5 CAD 図 4.早押しボタンの製作 (1) シーケンス制御回路について 早押しボタンを製作するにあたり、今回は授業 で習ったシーケンス制御回路を利用して製作し ていくことにした。 まず、早押しボタンは、基本的なインターロッ 図8 途中回路 ク回路にした。(図 6) インターロック回路というのは、最初に入力信 (3) 材料取り付け 2 最後に材料を取り付けて完成した。 1 年間の授業を通して多くのことを学ぶことがで 回路が分かりにくくなってしまったのがちょ きた。この経験を将来の糧にしていきたいと思う。 っと残念だった。 (大内) 班の中で私は、与えられた仕事に本気で取り組 み、少しでも班のために尽くすことのできるよう に努力した。私がした仕事をあげても、数えるほ どしかないが、箱の製作、ペンキ塗り、意見の発 表などは特に頑張った。1年間、人に頼ることも 多かったが、物作りの楽しさ、人との協力など多 くのことを学んだ。今後は課題研究で学んできた ことを生かして人として成長できるように努力 していきたいと強く思う。(小合) 班の中で主に物を切ったり加工したりの仕事 図9 完成図 を担当した。板を決められた大きさに加工するの が難しい作業だった。物事を正確にする大切さを 5.実際の展示 学んだ。この課題研究で学んだことを次に生かせ 適性テストセットが 11 月 12 日の文化祭までに るように努力したい。(岡本) 完成したので、一般公開の当日に情報技術科棟ブ 文化祭前にも結構、放課後に居残りをしたので ースで 2 セット展示した。 展示で喜んでもらえて嬉しかった。最初何を作る 文化祭の終わりに係の人に聞いたら、「結構遊 かから決めて、力を借りながらも基本は自分たち んでもらえていた」と言われたのがとても嬉しか で進めていけたので、完成したときの達成感はな った。 かなか心地よいものだった。今回は時間等が足り なくなってしまうことがあったので、また機会が 6.まとめ あればこういうものを作っていきたいと思う。 木工作業や電子回路などはこれから先必要と (伊藤) なるので、今回の製作はとても貴重な経験になっ た。更に班で協力し、ひとつのものを作り上げて いくことの難しさや楽しさを学びながら、自分た ちの課題を乗り越えて完成させていくことの大 切さを学んだ。 箱の製作は大きさの調整、鏡の留め具の製作が 難しく、ペンキ塗りなど時間のかかる作業が多か ったため、早押しボタン製作が遅れてしまい、完 成までかなりギリギリのペースで進めていくこ とになってしまった。時間の確認、別々の作業を 分担する、などしていれば効率よく作業を進める ことができたのではないかと思う。 7.感 想 班の一員として貢献するため自らの仕事に対 して全身全霊をかけて取り組んだ。箱の材料を切 って組み立てたりした。回路を製作したりもした。 3
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