≪歌うということ≫ 大きな声で歌うと脳全体が活性化・認知症予防としても

≪歌うということ≫
♪大きな声で歌うと脳全体が活性化・認知症予防としても効果的
思い切り歌うと気持ちがよい、スッキリするなど、ストレス解消を実感されている方も多いと思います。
2010 年、ある産学連携研究において「軽度の認知症患者に病院や自宅で歌ってもらい、前後の脳の
働きの変化を調べる」という研究が行われました。この研究の中間報告によると、歌うことで、軽度の認
知症患者の“物事を実行すること”に対する意欲や注意力の改善が促されたそうです。つまり、歌うこと
が脳を刺激しているのは間違いないようです。
♪歌うことで左右の脳をバランスよく活性化
音楽鑑賞、演奏、歌う時にかかわる音楽中枢は右脳にあります。一方、文字の認識や発語をつかさどる
言語中枢は左脳にある人が多いといいます。日常生活では左脳を使う機会が多いので、積極的に歌ったり
音楽を聴いたりすると、左右の脳をバランスよく使い、脳全体を活性化させることができるものです。
歌はいつでもどこでも口ずさむことが出来るので、今すぐチャレンジしてみましょう。人が歌うのを聴
いたり、リズムを感じたりするだけでも大脳皮質が刺激されるので、何事にも楽しんでやることが大切で
す。
1.歌詞とメロディー、音程を懸命に合わせて上手く歌おうとすることは、非常に高いレベルで脳を使い
ます。また、複数の人と歌い合わせたり、人前で歌ったりすることで適度な緊張感が増し、脳をより刺
激します。さらに、力いっぱい歌うと1曲で 10~20kcal 前後を消費でき、100m のジョギングと同
じ運動量になるそうです。
2.ゆっくり息を吐きながら腹式呼吸で発声してみましょう。横隔膜を上げたり下げたりして体に酸素を
送り込むことで、脳に十分な酸素が行きわたって脳を活性化します。ストレスを和らげる効果もありま
す。また、肺の老化を食い止めるのに有効です。歌を歌っていない時も、この呼吸法を意識しておくと、
さらに効果的です。
3.歌いながら手足を動かしてリズムをとるなど、歌うことにプラスして違う動作を取り入れることで、
脳はさらに活性化します。
♪歌うことで嚥下障害の予防
声を出して歌うことと発声は、嚥下障害の予防対策にとても意味があります。
嚥下障害とは、水分や食べ物を口に入れて、咽頭から食道、胃へと送り込む・飲み込む行為=嚥下がう
まくいかなくなる状態をいいます。嚥下障害の最大の問題は誤嚥性肺炎です。これを予防するためにしっ
かりと顎と舌を動かして、ハッキリとした発音で歌いましょう。
歌う→舌やあごを動かす→舌根部の機能が活性化→咽頭蓋が咽頭口に覆い被さる機能が活性化
出典:小冊子「元気生活」(発行:元気生活編集部)