731部隊

731部隊
概要・調べたこと
731部隊とは第二次世界大戦期の日本の陸軍に存在した研究機関のひとつで、正式名称を「関
東軍防疫給水部本部」といいます。731部隊の役割として兵士の感染病予防や衛生的な
給水体制の完備を担う一方で、細菌戦に向けた生物兵器の研究・開発も行っていたと言われて
います。そして部隊はそういった研究を名目に非道な人体実験を行いました。実験の被験者とされた
のは主に捕虜やスパイ容疑者として拘束された朝鮮人や中国人、モンゴル人、アメリカ人、ロシア人
でした。そうした被験者は「マルタ(丸太)」という隠語で呼ばれていました。
人体実験の具体的な内容としては、ペストやコレラといった細菌を感染させる細菌実験や、凍傷やガ
ス、銃弾によって人間の体を破壊したり、食事や水分を絶ったりして人間の体の限界を調べる生理学的実
験などがありました。
731部隊については実際に実験を行っていた元隊員の証言が多く残されています。実験を重ね
るにつれ、実験対象を人間だと思う感覚も麻痺していったようです。その証言の一方で、731部
隊は実は存在しなかったのではないか、という意見もあります。それは元隊員の証言以外に部隊が
存在した証拠がほとんど残されていないからです。研究の成果をアメリカに引き渡すことを条件に、
証拠を抹消し戦犯を免れたという話もあります。
731部隊が本当に非人道的な研究をしていたのかについて、未だ議論は続いています。
感じたこと・考えたこと
私が初めて731部隊について知った時、とても強い衝撃を受けたのを覚えています。どうし
て同じ人間に対してそんなひどいことができるだろうか、と考えたとき、それが戦争の本当の恐
ろしさなのだと感じました。被験者を「マルタ」と呼び、人間だと感じていなかった部隊の隊員
も、すでに人間としての感覚を失っていたのだと思います。人が人でなくなる、人として当たり
前の感情をも失ってしまう。そのことがとても怖いと感じました。「人を傷つけてはいけない」と
いう感覚も平和だからこそのものなのだと思います。被害の恐ろしさだけでなく、人を傷つけざ
るを得なかった状況としての戦争についても多くの人に考えてほしいです。
(経済・2年 岩井)
参考文献
証言集会:元 731 部隊 篠 塚 良 雄 さん(千葉)http://uketugukaiiwate.jimdo.com/
731 部隊―Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/731%E9%83%A8%E9%9A%8A