Fusion Optics™ :Spark™ 10M マルチ検出モードリーダー に搭載される

テクニカルノート
Fusion Optics™ :Spark™ 10M マルチ検出モードリーダー
に搭載される独創的な検出システム
蛍光測定アプリケーション向けにフィルターと Quad4 Monochromator™の組み合わせ
緒言
マルチモードリーダーには、フィルターまたはモノク
ロメーターを搭載し、蛍光測定アプリケーションにお
ける励起波長と蛍光波長を定義できる。モノクロメー
ターを用いると、目的の波長を正確に選択することが
可能になり、さまざまなアプリケーションですぐれた
柔軟性が実現する。さらに、小さなステップサイズの
スペクトルスキャンが可能なのはモノクロメーターの
みである。しかし、モノクロメーターはフィルターベ
ースシステムよりも光透過率が低いため、感度におい
ては妥協が必要になる (1)。一方、フィルターベースリ
ーダーは感度こそ高いが、定義済みの特定波長に限定
されるため、一定のアッセイにしか適さない。
1 台の装置でフィルターとモノクロメーターを選択でき
るハイブリッドシステムは存在する。それでも、1 つの
実験でモノクロメーターとフィルターを組み合わせる
ことはできないため、2 種類の光学テクノロジーの利点
を比較していずれかを選択しなければならない。さら
に、TRF、TR-FRET、FP など一部の蛍光測定アプリケ
ーションはハイブリッドマルチモードリーダーのフィ
ルターベース光学に限定されるため、波長の柔軟性が
まったくない。システムによっては、そもそもフィル
ターベースの下方蛍光測定に対応していない。これは、
非常に微弱な蛍光信号を発している細胞で作業する際
に重大な欠点となる。
新製品の Spark 10M リーダーは、フィルターとモノク
ロメーターのメリットを単一のマルチモードリーダー
に組み合わせる、Tecan 独自の Fusion Optics を搭載し
ている。Spark 10M には、独創的な Fusion Optics を用
いて、フィルター、Quad4 Monochromator、または両
方の組み合わせを搭載できる。これにより、励起と蛍
光の両方について、互いに独立してフィルターかモノ
クロメーターのいずれかを選ぶことができる。したが
って、標準的なフィルターまたはモノクロメーターベ
ース測定に加え、励起側にはフィルターを使用し蛍光
側にはモノクロメーターを使用することや、その逆が
可能になる(図 1)。新しい SparkControl™ソフトウェア
では、フィルターまたはモノクロメーターを簡単に選
択できる。
このように、革新的な Fusion Optics によって、標準的
なハイブリッドシステムと異なり妥協点のない、あら
ゆるアプリケーションで最適なパフォーマンスを実現
する理想のリーダーが手に入る。
Fusion Optics の利点を示すため、標準の蛍光強度(FI)
エンドポイント測定、蛍光スペクトルスキャン、およ
び時間分解蛍光(TRF)と蛍光共鳴エネルギー転移
(FRET)の原理を組み合わせ、高いレベルの計器感度を
実現する Cisbio Bioassays 社のテクノロジー、TRFRET の代表例である HTRF®について、Fusion
Optics によるフィルター、モノクロメーター、および
それらの組み合わせによる結果を比較した。
1
テクニカルノート
モノクロメーター & モノクロメーター:
励起
蛍光
モノクロメーター & フィルター:
励起
蛍光
手順
Fusion Optics を標準の FI 測定において比較するため、
フルオレセインあるいは Alexa Fluor 555 を、10 mM
NaOH を用いてそれぞれ 1 nM、5 nM の最終濃度に希
釈した。黒色の 384 ウェルマイクロプレートを、表 1
に示すプレートレイアウトに従って、それぞれフルオ
レセイン、Alexa Fluor 555、またはユーロピウムで充
填した。気泡を除去するため、プレートを 500~2,000
rpm で短時間遠心沈殿する場合もあった(Heraeus
Labofuge 400e)。
フィルター & モノクロメーター
励起
蛍光
表 1.上方蛍光強度測定用のプレートレイアウト。Bl (Blank、ブランク) =
10 mM NaOH またはユーロピウム増強試薬、Fl (Fluorophore、蛍光色素分
子) = 1 nM フルオレセイン、5 nM Alexa Flour 555、または 1nM ユーロピ
ウム。
測定パラメータ
フィルター & フィルター
励起
蛍光
モノクロメーター
フィルター
図 1: 革新的な Fusion Optics の仕組みと、可能性のある組み合わせ。ユー
ザーは 1 回の測定の中で、励起側および蛍光側にフィルターとモノクロ
メーターのいずれかを選択できる。両方の側でフィルターまたはモノクロ
メーターを使用することもできるが、励起側でモノクロメーター、蛍光側
でフィルターを使用することや、その逆も可能である。
FI エンドポイント測定での Fusion Optics
材料と手法
•
•
•
•
•
•
•
•
Spark 10M マルチ検出モードリーダー (Tecan、オ
ーストリア)
384 ウェルプレート、FluoroTrack、黒色
(Greiner Bio-One、ドイツ)
10 mM NaOH で溶解した 1 nM フルオレセイン
10 mM NaOH で溶解した 5 nM Alexa Flour® 555
(Life Technologies、米国)
10 mM NaOH
DELFIA® 1 nM ユーロピウム標準液(Perkin Elmer、
米国)
DELFIA®増強試薬(Perkin Elmer、米国)
Heraeus™ Labofuge™ 400e
(Thermo Scientific、米国)
プレートは、表 2 に示す機器設定値を用いて 3 回測定
した。最適な結果を得るため、フラッシュ数を 100 に
設定した。
パラメータ
フルオレセイン
測定モード
励起
蛍光
フラッシュ数
遅滞時間
測定時間
ゲイン
ミラー
Z 最適化
待機時間
Alexa Fluor 555
測定モード
励起
蛍光
フラッシュ数
遅滞時間
測定時間
ゲイン
ミラー
設定
上方蛍光強度
フィルター: 485 (20) nm
モノクロメーター: 485 nm
フィルター: 535(25) nm
モノクロメーター: 535 nm
100
0 µs
40 µs
Optimal(最適値)
510 nm ダイクロイック
ウェルから計算
0 ms
上方蛍光強度
フィルター: 510 (10)
モノクロメーター: 510 nm
フィルター: 560(20) nm
モノクロメーター: 560 nm
100
0 µs
40 µs
Optimal(最適値)
広帯域
2
テクニカルノート
Z 最適化
待機時間
ユーロピウム
測定モード
励起
蛍光
フラッシュ数
遅滞時間
測定時間
ゲイン
ミラー
Z 最適化
待機時間
ウェルから計算
0 ms
上方蛍光強度
フィルター: 340 (35) nm
モノクロメーター: 340 nm
フィルター: 612(10) nm
モノクロメーター: 617 nm
100
100 µs
400 µs
Optimal(最適値)
510 nm ダイクロイック
ウェルから計算
0 ms
結果
検出限界を低くすると、機器の感度が向上した。2 種類
の蛍光塗料の FI エンドポイント測定は、Fusion Optics
でフィルター、またはフィルターとモノクロメーター
の組み合わせを用いたとき、検出限界に大きな違いの
ない同等の結果を示した。両側にモノクロメーターを
用いた場合、フルオレセインと Alexa Fluor 555 に約 2
倍の相対検出限界上昇がみられた(図 2)。これは、フィ
ルターベース測定の半分の感度に相当する。ユーロピ
ウムの TRF 測定では、わずかな違いがみられたのみで
あった。
表 2. Fusion Optics のさまざまな組み合わせを用いた蛍光測定用テストパ
ラメータ
データ整理
ウェルの結果のうち著しい外れ値を除外するために、
グラブス外れ値検定(別名: 最大ノルム残差検定)を使用
した。この検定を使用して、正規分布の個体群に由来
すると仮定される一変量のデータセットから外れ値を
検出した(2)。検定は GraphPad オンライン計算機を使
用し、有意水準 0.05 (3)で実施した。外れ値を除去した
後、式 1 に示すように、検出限界(DL)を計算した。
式 1: 検出限界の計算。
Concentration[Fl]: フルオレセインの最終濃度(単位 pM)
mean[Fl]: 蛍光色素分子で充填されたウェルの平均 RFU 値
mean[Bl]: ブランクで充填されたウェルの平均 RFU 値
Stdev[Bl]: ブランクで充填されたウェルの標準偏差
図 2. Fusion Optics で実現するさまざまな組み合わせを用いた蛍光塗料の
相対検出限界。エラーバーは標準偏差を示す。FF = 両側にフィルター、
FM = 励起側にフィルター、蛍光側にモノクロメーター。MF = 励起側にモ
ノクロメーター、蛍光側にフィルター。MM = 両側にモノクロメーター。
しかし、Fusion Optics のどの組み合わせを用いても検
出限界が非常に低く、つまり機器の感度が非常に高い。
つまり、FI エンドポイント測定については、Spark
10M の Fusion Optics が実現するすべての組み合わせを、
パフォーマンスを犠牲にすることなく使用できること
を示す(表 3)。
それぞれの測定機器について、グラブス検定を実施し、
検出限界を計算した。3 つの検出限界の平均値を計算し、
機器の感度の判定に使用した。次に、結果の絶対検出
限界を、フィルター/フィルターの組み合わせを 100%
とする相対検出限界に変換した(図 2)。
表 3.Spark 10M リーダーを最適な条件で用いた場合のフルオレセインの代
表的検出限界。Fusion Optics の各組み合わせを用いて、プレートを 3 回
ずつ測定した。FF = 両側にフィルター、FM = 励起側にフィルター、蛍光
側にモノクロメーター。FM = 励起側にモノクロメーター、蛍光側にフィ
ルター。MM = 両側にモノクロメーター。
3
テクニカルノート
蛍光測定スキャンでの Fusion Optics
測定モード
材料と手法
•
•
•
•
•
•
•
•
Spark 10M マルチ検出モードリーダー (Tecan、オ
ーストリア)
384 ウェルプレート、FluoroTrack、黒色
(Greiner Bio-One、ドイツ)
10 mM NaOH で溶解した 1 nM フルオレセイン
10 mM NaOH で溶解した 5 nM Alexa Flour® 555
(Life Technologies、米国)
10 mM NaOH
DELFIA® 1 nM および 0.5 pM ユーロピウム標準液
(Perkin Elmer、米国)
DELFIA®増強試薬(Perkin Elmer、米国)
Heraeus™ Labofuge™ 400e
(Thermo Scientific、米国)
測定パラメータ
フルオレセイン、Alexa Fluor 555、およびユーロピウ
ムの励起および蛍光スペクトルを、フィルターとモノ
クロメーターに同じゲインを使用して取得した。詳細
な測定パラメータを表 4 に示す。
パラメータ
測定モード
励起
蛍光
フラッシュ数
測定時間
ゲイン
ミラー
Z 最適化
待機時間
測定モード
励起
蛍光
フラッシュ数
測定時間
ゲイン
ミラー
Z 最適化
待機時間
設定
励起スキャン
フルオレセイン
Alexa Fluor 555
440~496 nm (モノク 480~570 nm (モノ
ロメーター)
クロメーター)
フィルター:
フィルター:
560(20) nm, モノクロメ 610(20) nm, モノクロ
ーター: 560 nm
メーター: 610 nm
100
40 µs
119 (最適値)
150 (最適値)
510 nm ダイクロ 広帯域
イック
ウェルから計算
0 ms
蛍光スキャン
フルオレセイン Alexa Fluor 555
フィルター:
フィルター:
460(10) nm, モノクロメ 510(10) nm, モノクロ
ーター: 460 nm
メーター: 510 nm
500~600 nm (モノク 440 - 530 nm (モノク
ロメーター)
ロメーター)
100
40 µs
114 (最適値)
81 (最適値)
510 nm ダイクロ 広帯域
イック
ウェルから計算
0 ms
励起
蛍光
フラッシュ数
遅滞時間
測定時間
ゲイン
ミラー
Z 最適化
待機時間
測定モード
励起
蛍光
フラッシュ数
遅滞時間
測定時間
ゲイン
ミラー
Z 最適化
待機時間
励起スキャン
1 nM
0.5 pM
ユーロピウム
ユーロピウム
300~400 nm (モノクロメーター)
フィルター: 612(10) nm
モノクロメーター: 617 nm
100
100 µs
400 µs
119 (最適値)
255 (手動)
510 nm ダイクロイック
ウェルから計算
0 ms
蛍光スキャン
1 nM
0.5 pM
ユーロピウム
ユーロピウム
フィルター: 340(35) nm
モノクロメーター: 340 nm
550~650 nm (モノクロメーター)
100
100 µs
400 µs
119 (最適値)
255 (手動)
510 nm ダイクロイック
ウェルから計算
0 ms
表 4. フルオレセイン、Alexa Fluor 555、およびユーロピウムの励起およ
び蛍光スキャンに用いたパラメータ
結果
フルオレセイン、Alexa Fluor 555、ユーロピウムの励
起光スキャンと蛍光スキャンの両方について、固定波
長の側でフィルターを使用し、スキャンにモノクロメーターを
用いた場合に感度が向上した。同じゲインでは、モノ
クロメーターを両側に用いて取得したピーク励起/蛍光
信号は、フィルターとモノクロメーターの組み合わせ
を用いた場合の約 20~25%であった(図 3)。高濃度の蛍
光色素分子では、ゲインを適切に調整することで、こ
の相対的に低い信号強度を補正できる。ただし、濃度
が低く、ゲインを最大に設定している場合、フィルタ
ーによる感度向上により S/N 比が向上し、モノクロメ
ーターのみと比較して低濃度でスキャンの取得が可能
になる(図 4)。
4
テクニカルノート
HTRF での Fusion Optics
Cisbio Bioassays 社の HTRF は、FRET と時間分解蛍光
測定の原理を組み合わせた技術である。この技術は 2
種類の蛍光色素分子、具体的にはドナーである長寿命
ユーロピウム、またはテルビウムクリプテートと、ア
クセプターである XL665(化学修飾されたアロフィコシ
アニン)ないしは d2 との間のエネルギー転移に基づい
ている。HTRF ベースのアプリケーションは、その均
質性、堅牢性、感度、および小型化の可能性のため、
さまざまな分子間相互作用の分析および結合の研究に
おいてますます普及している。
HTRF 測定では、蛍光信号を正しく検出するために、
低い光量でも動作可能な高感度のリーダーが必要にな
る。同時に、蛍光を低帯域で測定することで、バック
グラウンドを低減し、広いダイナミックレンジを得る
必要がある。モノクロメーターを用いるマルチモード
リーダーの多くは HTRF で良好な結果を得るために十
分な感度を備えていないが、Tecan の Infinite® M1000
PRO は例外で、モノクロメーターベースの機器も
HTRF 測定に十分な感度を備えうることを示している。
ここでは、HTRF 測定における Spark 10M リーダーの
パフォーマンスについてテストを実施した。
材料と手法
•
•
図 3. フルオレセイン (A)、Alexa Fluor 555 (B)、ユーロピウム(C)の励起ス
キャンと蛍光スキャンの比較では、MCR(モノクロメーター)は、固定
波長側にフィルターを用いた場合と比較して 25%の信号しか検出しない
ことが判明した。
•
•
Spark 10M マルチ検出モードリーダー (Tecan、オ
ーストリア)
96 ウェルハーフエリア白色マイクロプレート
(Greiner Bio-One、ドイツ)
HTRF Reader Control Kit (Cisbio Bioassays、米国)
Heraeus Labofuge 400e (Thermo Scientific、米国)
HTRF Reader Control Kit は HTRF 互換機器の校正と、
それらの機器が HTRF 測定を実施可能であることの検
証を目的としている。
Reader Control Kit はメーカーの指示に従って使用した。
96 ウェルハーフエリアマイクロプレートを、表 5 に示
すプレートレイアウトに従って、最終容量の 100 µl ま
で充填した。気泡を除去するため、プレートを 500~
2,000 rpm ですばやく遠心沈殿する場合もあった
(Heraeus Labofuge 400e)。次に、表 6 に示すパラメー
タを用いてプレートを測定した。
図 4. 極低濃度のユーロピウム(0.5 pM)を用いて、最大のゲインで取得した
蛍光スキャンの比較。MCR(モノクロメーター)を両側に用いた場合は
劣悪な S/N 比になるが、フィルターとモノクロメーターの組み合わせを用
いた場合は合理的なスペクトルが得られる。
5
テクニカルノート
20 nm 半値幅ではバックグラウンド信号が過剰に検出
されてしまうため、蛍光側にモノクロメーターを用いた結果で
はダイナミックレンジが狭まる(∆F 値の減少から明ら
か)(表 7)。
図 5. HTRF アッセイ用のプレートレイアウト。
パラメータ
測定モード
ラベル 1
励起
蛍光
遅滞時間
測定時間
ゲイン
ミラー
フラッシュ数
待機時間
Z 最適化
ラベル 2
励起
設定
上方蛍光強度
フィルター: 320 (25) nm
モノクロメーター: 320 nm
フィルター: 620 (10) nm
モノクロメーター: 620 nm
150 µs
500 µs
最適値
510 nm ダイクロイック
100
0 ms
ウェルから計算
遅滞時間
測定時間
ゲイン
ミラー
フラッシュ数
フィルター: 320 (25) nm
モノクロメーター: 320 nm
フィルター: 665 (8) nm
モノクロメーター: 665 nm
150 µs
500 µs
最適値
510 nm ダイクロイック
100
待機時間
Z 最適化
0 ms
ウェルから計算
蛍光
表 6. Fusion Optics のさまざまな組み合わせを用いた HTRF アッセイ用測
定パラメータ
結果
HTRF Reader Control Kit を使用して得た測定結果の概
要を表 7 に示す。蛍光側にフィルターを用いた場合、
Spark 10M はメーカー指定のすべてのパフォーマンス
基準を上回り、きわめて良好な測定範囲が得られた。
表 7. Fusion Optics の MCR(モノクロメーター)/フィルターのさまざまな組み合わせと
Reader Control Kit を用いて得た測定結果。S/B = 信号とブランクの比。
CV std0 = 緑の欄は Cisbio 社のパフォーマンス基準(黄色)を満たしてお
り、赤は満たしていない。
HTRF Reader Control Kit を仕様して取得できた結果は、
Spark 10M が HTRF 測定に適していることを示した。
励起側にはフィルターとモノクロメーターのどちらを
用いても良く、励起の波長に完全な柔軟性があるが、
蛍光側にはフィルターを使用することによって最適な
感度が保証される。
まとめ
Tecan の革新的な Spark 10M マルチ検出モードリーダ
ーは最適化され、お客様に合わせてカスタマイズされ
たソリューションを提供するため、お客様は当社独自
の Fusion Optics の利点を活用できる。
強化された Quad4 Monochromator はきわめてすぐれた
感度を確実に実現し、標準的な FI 測定で高品質の結果
が得られる。さらに、重要なアプリケーションで蛍光
信号が弱く非常に高感度な検出を要する場合は、励起
側か蛍光側でモノクロメーターをフィルターベースの
光学技術と組み合わせると、信号を増幅することがで
きる。低濃度における蛍光色素分子のスペクトルスキ
ャンについては、固定波長側にフィルターを用いるこ
とで、スペクトルをモノクロメーターによりスキャンしている
間にスペクトル曲線の品質を大幅に上げることができ
る。また、蛍光側でフィルターを使用すると HTRF ベ
ース測定も可能になり、機器のパフォーマンスは
HTRF メーカーが同社の技術について推奨する基準を
上回る。
特に高い感度が必要な実験では、ユーザーは当社が新
たに開発した Fusion Optics のメリットを得られる。こ
れにより、感度と柔軟性のいずれかで妥協する必要な
く、励起と蛍光の両方についてモノクロメーターとフ
ィルターの最適な組み合わせを容易に定義できるよう
になる。ここに、良好な結果と卓越した結果の差が生
まれる。
6
テクニカルノート
参考文献
(1) John Comley. Monochromator vs. filter-based plate
readers – horses for courses, or a winning
combination? Drug discovery world, Fall 2007.
(2) Frank E Grubbs. Procedures for Detecting
Outlying Observations in Samples.
Technometrics,1969, 11(1), 1-21.
(3) http://graphpad.com/quickcalcs/Grubbs1.cfm
※このアプリケーションノートは Tecan(本社 スイス)が
発行(原文 英語)し、テカンジャパンが日本語翻訳したも
のです。
翻訳文の表現等に疑義が生じた場合は、原文をご参照くだ
さい。
Tecan Group Ltd.では本文書において正確かつ最新の情報をご提供するよう最善の努力を尽くしておりますが、誤謬や脱漏が生じる可能性があります。
したがって、Tecan Group Ltd.では明示的または暗示的にかかわらず、本文書における情報の正確性または完全性につき、何らの表明または保証を行う
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