非常勤職員の年次休暇について

国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」
非常勤職員の年次休暇について
1. 何日働いたら、何日もらえるのか?
(1) 年休の発生要件は、
・ 継続勤務6ヶ月
・ 全勤務日の8割以上出勤
→ 勤務日数によって、8割のカウントが変わります。
30 日×6ヶ月÷7=約 26 週間
週 5 日勤務の場合だと、5 日×26 週間×8 割=104 日
週1日勤務の場合だと、1日×26 週間×8割= 21 日
・・・が、目安になります。
(※
1か月を 30 日で概算していますので、ご注意下さい。また、祝日法による休日又は年末年始の
休日で勤務を要しないとされる日なども、全勤務日から除外されます。)
(2) 発生する年休の日数は、
6ヶ月
1年半
2年半
3年半
4年半
5年半
6年半
以上
週5日または、
10 日
11 日
12 日
14 日
16 日
18 日
20 日
週4日勤務
7日
8日
9日
10 日
12 日
13 日
15 日
週3日勤務
5日
6日
6日
8日
9日
10 日
11 日
週2日勤務
3日
4日
4日
5日
6日
6日
7日
週1日勤務
1日
2日
2日
2日
3日
3日
3日
週29時間以上勤務
* 勤務日数は、1日当たりの勤務時間に影響を受けません。例えば、1日3時間の勤
務であっても、週5日勤務する非常勤職員は、6ヶ月経過後に 10 日の年休が付与
されます。この場合、付与された年休を時間単位で取得するときは、1日分の年休を
3時間で計算します。
* また、週4日以下の勤務であっても、1週間当たりの勤務時間が 29 時間以上の
場合は、上の表の「週5日または週 29 時間勤務」の日数付与となります。例えば、
週4日勤務で1回当たりの勤務が7時間 15 分の場合などがこれに該当します。
2. 「継続勤務」については注意が必要
(1) 任期が1年単位であっても、反復継続雇用(短い空白期間を間に挟む場合を含む)
は雇用が継続しているとみなされます。
(例えば1年間勤務し、1週間中断し、その後
改めて採用されるような場合は、継続勤務の要件を満たします。)
国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」
(2) 運用通知では、
「継続勤務」を「原則として同一官署において、その雇用形態が社会
通念上中断されていないと認められる場合の勤務」と定めています。この「同一官署」
についての運用は厳格で、注意が必要です。次のようなケースは「同一官署」に当て
はまるのでしょうか。
① 同一庁舎かつ同一省庁の他部局
→ 非常勤職員の任命権者の異同にかかわらず、「同一官署」とみなされる。
② 同一省庁であるが、別の庁舎に入居している他部局
→ 「同一官署」とみなされないが、同一任命権者であれば、
「継続勤務」と
みなされる。
③ 同一庁舎(建物)に入居する他省庁
→ 「同一官署」とみなされず、「継続勤務」とみなされない。
・ 「同一官署」とは、「その非常勤職員が勤務している官署」という意味で、国家行政
組織法上の行政機関の観念の別を前提として、主に場所的観念により判断されます。
例えば、本館や別館のように庁舎は異なるが、一体として利用されている場合は「同
一官署」に含まれます。
・ 運用通知の中の「原則として」という文言ですが、これは上記の②の例に関わりま
す。②の場合は、別の庁舎に入居していることから「同一官署」に該当せず、一見、
継続雇用が成立しないと解釈されてしまいそうです。しかし、同一任命権者による任
用で、その雇用形態が中断されていない場合には、例外を認め、
「同一官署」ではない
けれども、「継続勤務」として扱うというものです。
3. 年休の請求は2年で時効消滅してしまいます
《例:週5日または、週 29 時間以上勤務の場合》
6か月
1年半
2年半
10 日発生
3年半
4年半
5年半
6年半
(継続勤務)
消滅
11 日発生
消滅
12 日発生
消滅
14 日発生
消滅
16 日発生
消滅
18 日発生
20 日発生
年休を全く
使わなかった
10 日
21 日
23 日
26 日
30 日
34 日
38 日
場合の残日数
※
週1日勤務~週4日勤務の場合も同様に当てはめてみて下さい。
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4. 関係条文等について
人事院規則 15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)
(年次休暇)
第3条 各省各庁の長は、人事院の定める要件を満たす非常勤職員に対して人事院
の定める日数の年次休暇を与えなければならない。
2 前項の年次休暇については、その時期につき、各省各庁の長の承認を受けなけ
ればならない。この場合において、各省各庁の長は、公務の運営に支障がある場
合を除き、これを承認しなければならない。
人事院規則 15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について(通知)
* 平成6・7・27 職職 329
第3条関係
1 年次休暇が認められる非常勤職員の要件及びその日数は、それぞれ次に定める
とおりとする。
(1) 1週間の勤務日が5日以上とされている職員、1週間の勤務日が4日以下とさ
れている職員で1週間の勤務時間が29時間以上であるもの及び週以外の期間
によって勤務日が定められている職員で1年間の勤務日が217日以上である
ものが、雇用の日から6月間継続勤務し全勤務日の8割以上出勤した場合
次
の1年間において10日
(2) (1)に掲げる職員が、雇用の日から1年6月以上継続勤務し、継続勤務が6月を
超えることとなる日(以下「6月経過日」という。)から起算してそれぞれの1年
間の全勤務日の8割以上出勤した場合
それぞれ次の1年間において、10日
に、次の表の上欄に掲げる6月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同
表の下欄に掲げる日数を加算した日数
6月経過日から
1年
2年
3年
4年
5年
起算した
6年
以上
継続勤務年数
日数
1日
2日
4日
6日
8日
10日
(3) 1週間の勤務日が4日以下とされている職員(1週間の勤務時間が29時間以
上である職員を除く。以下(3)において同じ。)及び週以外の期間によって勤務日
が定められている職員で1年間の勤務日が48日以上216日以下であるもの
が、雇用の日から6月間継続勤務し全勤務日の8割以上出勤し、又は雇用の日か
ら1年6月以上継続勤務し6月経過日から起算してそれぞれの1年間の全勤務
日の8割以上出勤した場合
それぞれの1年間において、1週間の勤務日が4
日以下とされている職員にあっては次の表の上欄に掲げる1週間の勤務日の日
数の区分に応じ、週以外の期間によって勤務日が定められている職員にあっては
同表の中欄に掲げる1年間の勤務日の日数の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に
掲げる雇用の日から起算した継続勤務期間の区分ごとに定める日数
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1週間の勤務日
4日
3日
2日
1日
1年間の勤務日
169 日から
121 日から
73 日から
48 日から
の日数
216 日まで
168 日まで
120 日まで
72 日まで
6月
7日
5日
3日
1日
1年6月
8日
6日
4日
2日
2年6月
9日
6日
4日
2日
3年6月
10 日
8日
5日
2日
4年6月
12 日
9日
6日
3日
5年6月
13 日
10 日
6日
3日
6年6月以上
15 日
11 日
7日
3日
の日数
雇
用
の
日
か
ら
起
算
し
た
継
続
勤
務
期
間
2 前項の「継続勤務」とは原則として同一官署において、その雇用形態が社会通
念上中断されていないと認められる場合の勤務を、「全勤務日」とは非常勤職員
の勤務を要する日の全てをそれぞれいうものとし、「出勤した」日数の算定に当
たっては、休暇及び国家公務員の育児休業等に関する法律(平成3年法律第10
9号)第3条第1項の規定による育児休業の期間は、これを出勤したものとみな
して取り扱うものとする。
3 年次休暇(この項の規定により繰り越されたものを除く。)は、20日を限度
として、次の1年間に繰り越すことができる。この場合において、年次休暇の残
日数に1日未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
4 前項の規定により繰り越された年次休暇がある職員から年次休暇の請求があ
った場合は、繰り越された年次休暇から先に請求されたものとして取り扱うもの
とする。
5 「公務の運営」の支障の有無の判断に当たっては、各省各庁の長は、請求に係
る休暇の時期における非常勤職員の業務内容、業務量、代替者の配置の難易等を
総合して行うものとする。
6 年次休暇の単位は、1日とする。ただし、特に必要があると認められるときは、
1時間を単位とすることができる。
7 1時間を単位として与えられた年次休暇を日に換算する場合には、当該年次休
暇を与えられた職員の勤務日1日当たりの勤務時間(1分未満の端数があるとき
はこれを切り捨てた時間。以下同じ。)をもって1日とする。
(2013 年 10 月
公務労協・国公連合作成)