一般財団法人 水西倶楽部 特別ゼミ「歴史の真実を問う」Part4 特別ゼミ代表 山根利允 日本の国ほど、多様な要素をもつ歴史はありません。国の形の出来てくる古代には神話 があり、中央集権の律令制、公家による平和な貴族政治、戦国時代で日本中が戦に明け暮 れた時代、武家による地方分権の幕藩体制、西欧化の時代というように、平和あり、戦あ りという歴史を積み重ねてきました。そうした中で多様な文化を生みだし、その文化を担 う天皇、文化人、武人など著名な偉人をたくさん輩出してきました。 この三千年にわたる長い歴史を通観してみて気付くのは、我が国には変わるものと変わ らないものがあるということです。歴史を縦に通して文化的に不易の部分を幾つも持って いるというのは、日本文化の特色でもあり、強みでもあります。不易の部分は変わらない ということです。しかし、不易の部分は歴史の舞台に出たり、裏方になったりして、時代 の流れの中で評価の重さが変わることがあります。 三年前から地域の人にも開かれた事業を行うことになり、その試みとして、多くの人が かつてあったことが今は変わっている、どうして変わったのか、本当に変わったのか、と いうような歴史的評価を取り上げています。登壇者には、それぞれ自分の専門として追及 していることを発表して貰います。毎回、講義(60 分)と質疑応答(30 分)で全 5 回で構 成しています。テーマに関し、今までの人生経験で得た知識と体験をフルに活用して、ど うしてこうなったのか、みなさんと考えて見ましょう。 ◇場 所:岩国福祉会館 (岩国市麻里布町 7-1-2 ◇日 時:原則として第 1木曜年間 5 回 TEL:0827-22-5877) 講義 18 時 30 分∼19 時 30 分 質疑 19 時 30 分∼ 20 時 ◇年 会 費:2千円(資料代等) ※水西倶楽部正会員、賛助会員は不要 ◇申込み先:全 5 回を通して事務局へお申込み下さい 事 務 局:岩国市横山 2 丁目 9-18 TEL:0827-43-0005 E-mail:[email protected] FAX:0827-44-0150 兼深・白石・縄田 【講師紹介】 ・香川正弘(かがわまさひろ) 昭和 17 年、広島県生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士。 上智大学名誉教授。全日本大学開放推進機構理事長。趣味社寺巡り。 ・山根利允(やまねとしまさ) 昭和 10 年 2 月、福岡県久留米市生まれ。幼少時、内(東京他)、外(満州 北朝鮮) を転々。県立岩国高卒、大学受験に失敗、現もみじ銀行に在職。大阪支店融資課長で退 任して会社経営とホテル監査役を経験。リタイア後、現在 NPO 法人ビジョン岩国理事長。 ・隅喜彦(すみよしひこ) 昭和 11 年、山口県岩国市錦町出身。武蔵大学経済学部経済学科卒。東京で商事会社、 建設公団、建築会社経営等を経て帰郷。現岩国市社会福祉協議会会長、水西倶楽部会員。 錦白山塾長。趣味音楽鑑賞、クロスカントリースキー。 ・望月友代(もちづきともよ) 昭和 21 年岩国市生まれ。広島商科大学商学部卒業。卒論、中世会計学発達史。 美栄樹脂㈱専務取締役、水西倶楽部会員。趣味は料理本の読書(料理はしない)。 ・藤井淳史(ふじいあつし) 昭和 32 年岩国市生まれ。明治大学政経学部経済学科卒業。情報選挙学ゼミ所属。 ㈱日刊いわくに代表取締役社長、日刊新聞「日刊いわくに」、FP「週刊いわくに」発行人。 NPO宇野千代生家副理事長、宇野千代顕彰会副理事長。高水高校評価委。剣道初段。 (26 年度講義日程) 第1回 15 月 8 日(木) 「『天界と地獄』の研究」 香川正弘講師 人生で最も知りたかったことは、何が正しく、何が悪か、死んだらどうなるのか、とい うこの三点セットであった。この最も知りたいことに応えてくれたのがスウェデンボルグ 著の『天界と地獄』 (1758 年)であった。これほど何度も熟読した本は外にない。この講義 は、1988 年 11 月 24 日に佐賀カトリック教会で行ったときのまとめをもとに行う。もうす ぐみなさんが行かれるあの世がどのような構造になっているのか、そこではどのような生 活があるのか、これほど知るのが楽しみなことはないだろう。天国、煉獄、地獄がわかれ ば、此の世は現世(うつしよ、あの世の写し世)であるから、なんでも解ける気がする。 第2回 17 月 3 日(木) 「戦後レジームの原点 占領政策を問う ∼その欺瞞と偽善を告発したアメリカの良心の存在。ヘレン・ミアーズについて」 山根利允講師 昨年末、安倍首相の靖国参拝に関る米中韓の対応や、従軍慰安婦なるウソ諸問題をみる 時、日本が危急存亡のギリギリの時にたちいたってしまったことを痛感している。結局の 処、戦後 70 年近くたって今なお、吾々は独立した主権国家になり得なかったということで ある。吾々の愚かさとお人好しと怯懦が民族の誇りと意地を奪い、昨今のこのザマを招来 した。戦後レジームの離脱は国の独立の回復であり、それをかかげる安倍首相は唯一残っ た救世主かも知れぬ。 諸悪の根源である戦後レジームの正体は、徹底的に暴かれねばならない。戦後レジーム の超克なくしては、独立した文明をもつ近代国民国家としてのこの国の将来はない。 第3回 110 月 2 日(木) 「日本の林業に未来はあるのか」 隅喜彦講師 日本は森林大国でありながら有数の木材輸入大国でもあります。今日の林業の衰退は人 工的な愚策、愚政によるものだと云われています。最近特に言われている、森が生命の多 様性に素晴らしい役目をしている、地球環境に役立つとか、高邁な哲学だけでは林業の衰 退は解決できません。衰退の起因について探ると同時に、様々な意見を取り上げると同時 に、様々な視点から「林業の未来を」考えてみます。 第4回 111 月 6 日(木) 「望月一族の史跡を巡って」 望月友代講師 地球上の長い歴史の中で、生物や国家、企業が存続しえたのは、力が強かった、体が巨 大であった、金持ちであったからではなく、『変化に対応』できた者だけが生き残ったので ある。と言われますが、この変化点をテーマに一族の地を巡った報告をします。 第5回 1 月 15 日(木) 「吉川氏の歴史から日本の中世史を俯瞰する」 藤井淳史講師 吉川氏が歴史の舞台に初めて登場するのは、二代・小次郎友兼が鎌倉時代初期の正治二 年(1200)、駿河国高橋の狐ケ崎で侍所別当・梶原景時一族を破る「狐ケ崎の変」だ。幕府 を出奔、京に向かっていた景時を逃せば、再び天下大乱の世が訪れるのは必至だった。後 に、「関ヶ原の合戦」、幕末の「長州戦争」においても、吉川氏は日本史を左右する重大局 面を担う。歴代当主に共通するのは、「公」を慮る能力の高さ、大義、情報収集力、そして 勇猛果敢さだ。大義は勇なくして語れない。吉川氏、毛利氏、岩国藩、長州藩はいかに処 してきたのか。吉川氏の歴史をひもとくことで、平安末期から大政奉還まで七百年に及ぶ 武家政権のありようと岩国人の立ち位置が浮かび上がってくる。さらに戊辰戦争の始末が 大東亜戦争にいかなる影響を及ぼしたのかも考察する。 全体討議 香川正弘コーディネイター
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