A 食塩で血圧を上げるのは危険

Q
低 血 圧 で 悩 ん で い ます 。下 は 7 0−
良いでしょう。午前中にする方が望ましいのですが、
93mmHgくらいです。貧血の症状もあ
だめなら夕方から夜に30分程度、歩いてください。
ります。友人は「塩分を多めにとれば、血
低血圧の人が運動で汗をかいた場合、体内の水分が
圧が上がってちょうどいいのでは」と言います。本当で
少なくなって、血圧低下を招きます。スポーツドリ
しょうか。
(前橋市・43歳・女性)
ンクなどで十分に水分を摂取してください。入浴は
A
循環を良くしますが、長湯と熱い湯は禁物です。ぬ
食塩で血圧を上げるのは危険
るいお風呂で短時間の入浴が望ましいです。冷水摩擦、
乾布摩擦も有効です。
ヒトは横になっている時、心臓と脳とは同じ高さ
低血圧の症状が生活スタイルの注意により改善し
にあります。ところが、立ち上がった場合は、頭の
ない場合は、内服薬による治療を考慮する必要があ
位置が心臓より高くなります。血液は重力により下
ります。新しいタイプの血管収縮剤も開発され、薬
に落ちようとする力が働きますので、下半身に血液
物治療が行われやすくなりました。これらの薬物は、
が移動してしまいます。低血圧の方は、血液が下半
医師の処方と指示により慎重に行う必要があります。
身にどんどん移行して、血圧が下がり、脳血流が低
(循環器内科:倉林正彦医師)
下してしまいます。しかし、健康な人では、このよ
うな不都合を調節する機構が備わっています。
ところで、高血圧の方は、塩分を取り過ぎないよ
うに注意することはよく知られています。しかし、
高血圧と塩分の摂取量の関連については、個人差が
あるとされています。塩分を取ることにより血圧の
上昇しやすい方(食塩感受性)と血圧の上昇しにくい方
(食塩非感受性)がいらっしゃいます。また、食塩と高
血圧の関係は多く検討されており、食塩を1グラム減
らすと血圧1mmHg 程度の低下が期待できます。日本
人の食塩摂取量は1日平均12−13グラムであり、世
界的に見てもかなり多い方です。したがって、食塩
を摂取して血圧を上昇させるためには、理論上、毎
日20∼30グラム以上の食塩を取り続ける必要があり
ます。胃腸症状や他の内臓に障害が生じる可能性が
あり、たいへん危険です。
低血圧による貧血症状(めまい・立ちくらみ・頭痛・
だるさ・疲れ・寝起き不良)に対しては、日常生活の
ちょっとした工夫、生活スタイルの改善などで効果
をあげることができます。まずは、ウオーキングが
オプション:+ 2ウォーターバッグ
特許出願済
詳しいカタログ・資料をお送りします。右記宛ご請求ください。
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