2015 年から変わる改正ポイント 「事業承継税制」活用法 発行:東京商工会議所共済センター ℡03-3283-7905 2015.1 業務時間 9:00~17:00 土日祭を除く 現在、中小企業経営者の平均年齢は約60歳に達し、経営者が引退期を迎 える中、事業承継の円滑化は喫緊の課題です。支援のための法律「中小企業 経営承継円滑化法」が既に施行されていますが、 平成25年度税制改正で事 業承継税制(非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予制度)が拡充され、中 小企業の皆さまにご活用いただきやすくなりました!確認ください。 <税制改正のポイント> 事業承継税制とは? 中小企業の後継者の方が、現経営者から会社の株式を承継する際の、相続税・贈与 税の軽減(相続:80%分、贈与:100%分)制度です。 (1) 事前確認の廃止 ~手続の簡素化 平成 25 年 3 月まで ---> 制度利用の前に、経済産業大臣の 「事前確認」を受ける必要あり。 平成 25 年 4 月~ ---> 事前確認を受けていなくても制度利用が可に。 (2) 親族外承継の対象化 ~親族に限らず適任者を後継者に 平成 26 年 12 月まで ---> 後継者は、現経営者の親族に限定。 平成 27 年 1 月~ ---> 親族外承継を対象化。 (3) 雇用8割維持要件の緩和 ~毎年の景気変動に配慮 平成 26 年 12 月まで ---> 雇用の8割以上を「5年間毎年」維持。 平成 27 年 1 月~ ---> 雇用の8割以上を「5年間平均」で評価。 ※ 既に事業承継税制を利用されている方も適用可能です。 (次ページへ続く) (4)納税猶予打ち切りリスクの緩和 ~利子税負担を軽減 平成 26 年 12 月まで ---> 利子税率の引下げ(現行 2.1%→0.9%)。 平成 27 年 1 月~ ---> 承継5年超で、5年間の利子税を免除。 ~事業の再出発に配慮 平成 26 年 12 月まで ---> 相続・贈与から5年後以降は後継者の 死亡又は会社倒産により納税免除。 平成 27 年 1 月~ ---> 民事再生、会社更生、中小企業再生支援協議会 での事業再生の際にも、納税猶予額を再計算 し、一部免除。 ※ 既に事業承継税制を利用されている方も適用可能です。 (5)役員退任要件の緩和 ~現経営者の信用力を活用 平成 26 年 12 月まで ---> 現経営者は、贈与時に役員を退任。 平成 27 年 1 月~ ---> 贈与時の役員退任要件を代表者退任要件に。 (有給役員として残留可) ※ 既に事業承継税制を利用されている方も適用可能です。 (6)債務控除方式の変更 ~債務の相続があっても株式の納税猶予を フル活用できるように 平成 26 年 12 月まで ---> 猶予税額の計算で現経営者の個人債務・葬 式費用を株式から控除するため、猶予税額 が少なく算出。 平成 27 年 1 月~ ---> 現経営者の個人債務・葬式費用を株式以外の相 続財産から控除。 (次ページへ続く) 【事業承継税制の全体像】(贈与税の納税猶予を活用したケース) * 平成27年1月中小企業庁「平成27年度税制改正について」より 【適用を受けるための基本的な手続き(経産大臣・税務署長への報告)】 ① 経済産業大臣の認定を受け、税務署に申告 ② 申告期限の翌日から5年間の承継期間中は、事業継続の要件を満た し、年一回の経済産業局への報告書ならびに税務署長への継続届出 書の提出が必要 ③ 5年経過後は 3 年ごとの税務署長への継続届出書の提出が必要 長期にわたって納税が猶予されることや、猶予が取消になっても追徴 課税がないことならびに納税免除もあることなど、メリットの大きさ を加味すれば事業継承問題を解決する選択肢の一つとして活用価値が (次ページへ続く) 高いと思われます。 事業承継の円滑化は、準備を怠りなく今回の税制改正のポイント等を理解 し計画性をもって取り組むことが大切であるといえます。 以上 税務についてのお取扱いは平成 27 年 1 月現在の税制に基づいた一般的なお取扱いをご 案内しているものであり、実際のお取扱いとは異なる場合があります。また、このお 取扱いは、将来変更される可能性があります。個別の税務などについて、詳しくは、 所轄の税務署などに必ずご確認ください。 発行:東京商工会議所共済センター
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