第09回 12月08日

電磁気学 2 秋学期 レポート問題
第 9 回 2015/12/08
レポート提出日 : 2015/12/15 の授業中
各レポートの問題と解答は
http://www-het.ph.tsukuba.ac.jp/˜ishizuka/Link/gakumu.html
にあります。
1. 半径 a で中心軸が z-軸の無限に長い円柱状導線を考える。この導線内を電流が一様に流れて
おり、電流密度が
√
⃗i(⃗r) = ⃗ez · (I/πa2 ) · Θ(a − x2 + y 2 )
(1)
であるとする。この時、円柱内外に発生する磁束密度を求めることを考える。
対称性より磁束密度は以下の形をしている。
⃗ r) = B(R) · ⃗et (R)
⃗
B(⃗
{
⃗ = (x, y, 0) , R = |R|
⃗
⃗r = (x, y, z) , R
⃗ = (−y, x, 0)/R
⃗et (R)
(2)
⃗ には一般に以下の関係がある。
積分形の Ampère の法則によれば、電流密度 ⃗i と磁束密度 B
∫
∫
⃗ r) = µ0 dS ⃗n · ⃗i
d⃗r · B(⃗
(3)
C
S
ここで、C は任意の閉曲線であり、S は C を境界とする任意の曲面である。⃗n は 曲面 S の
法線 vector である。
電流密度が (1) で、磁束密度が (2) である今の問題に対し、(3) で C を xy-平面上の半径 R
の円として積分形の Ampère 法則を使い、円柱内外の磁束密度を求めよ。
裏へ続く
1
2. 半径 a の z 軸方向に無限に長いソレノイド ( 単位長さ当たりの巻数 n ) を考える。ソレノイ
ドの中心軸を z 軸にとり、中心軸からの距離を R とする。このソレノイドに電流 I を流し
た場合、以下の磁束密度が発生する。
for R > a
for R < a
⃗ =0
B
⃗ = ⃗ez · B0
B
( B0 = µ0 nI )
(4)
⃗ がどうなるか考える。
以下、このとき発生する vector potential A
⃗ が、以下の形をとることを仮定する。
vector potential A
for R > a
for R < a
⃗ r) = A(x,
⃗ y) = (−y, x, 0) · f (R) = ⃗et · R f (R)
A(⃗
⃗ r) = A(x,
⃗ y) = (−y, x, 0) · g(R) = ⃗et · R g(R)
A(⃗
(5)
ここで、⃗et = (−y, x, 0)/R は、半径 R の円の単位接線 vector である。関数 f (R), g(R) は、
これから決定すべき未知関数である。
(a) 半径 R (> a) の円 C を考える。C によって囲まれる領域 (円の内部) を S とする。こ
のとき、
∫
∫
∫
⃗
⃗
⃗ r)
d⃗r · A(⃗r) =
dS ⃗n · rotA(⃗r) =
dS ⃗n · B(⃗
(6)
C
S
S
を計算し、関数 f (R) を決定せよ。
(b) 半径 R (< a) の円 C を考える。C によって囲まれる領域 (円の内部) を S とする。こ
のとき、(6) を計算し、関数 g(R) を決定せよ。
(c) 前問で求められた関数 f (R), g(R) のもとで、(5) が vector potential であることを、
⃗ を計算し確かめよ。
rotA
2