農業法人の設立マニュアル 群馬県担い手育成総合支援協議会 ―1― ―2― ―3― ―4― ―5― 農業法人の種類 農 業 法 人 農事組合法人 (農協法第72条8) 会社法人 株式会社 (2号法人) 合同会社 (1号法人) 合資会社 農業経営を行う 法人 合名会社 共同利用施設の 設置等を行う法人 株式の譲渡 制限のある ものに限る 農 地 法 第 2 条 の 規 定 農 業 生 産 法 人 ―6― ―7― ―8― ―9― ― 10 ― 関連事業 (直近する3カ年の売上高の過半) ①法人の農業に関連する事業 売上高>50%… 農業 ・農畜産物を原料又は材料として使用する製造加工 ・農畜産物の貯蔵、運搬又は販売 ・農業生産に必要な資材の製造 ・農作業の受託 + ②農業と併せ行う林業 ③農事組合法人において、農業と併せ行う 共同利用施設の設置、又は農作業の共同 化に関する事業 ・ライスセンターの設置運営や水稲の共同防除等 農業と関連事業の売上高が過半ならば、 「その他の事業」を実施できる 売上高<50%… その他の事業 例 ●民宿 ●キャンプ場 ●造園 ●除雪 等 ※農事組合法人の場合、農協法に基づく制限があります。 ― 11 ― 農業(関連事業)に常時従事する構成員 法人の農業に従事 (経営責任者の過半以上の者) する構成員でなく (原則として150日以上従事) てもよい (常時従事構成員の過半) (常時従事構成員の過半未満可) (原則として60日以上農作業に従事) ― 12 ― ― 13 ― ― 14 ― ― 15 ― ― 16 ― ― 17 ― ― 18 ― ― 19 ― ― 20 ― ― 21 ― ― 22 ― ― 23 ― ― 24 ― ― 25 ― ― 26 ― ― 27 ― ― 28 ― ― 29 ― ― 30 ― ― 31 ― ― 32 ― ― 33 ― ― 34 ― ― 35 ― ― 36 ― ― 37 ― ― 38 ― ― 39 ― 法人形態別の比較 根拠法 構成員 株式会社 会社法 合名会社 会社法 合資会社 会社法 株主(有限責任) 条件を備えれば農業者で なくてもよい。自然人、 法人とも社員になれる。 社員(無限責任) 条件を備えれば農業者でな くてもよい。自然人、法人 とも社員になれる。 社員(有限責任と無限責任) 条件を備えれば農業者でなくてもよい。自 然人、法人とも社員になれる。 1人以上(制限なし) 発起人はいない 社員1人以上で設立 発起人はいない 社員2人以上(有限責任社員1人以上、 無限責任社員1人以上)で設立 1現金出資と現物出資 2出資は1株均一(金額 に制限なし) 1イ 金銭出資 ロ 現物出資 ハ 労務出資 ニ 信用出資 2全額払込制は採られず、 出資義務の履行時期は定 款の定めによる。 1イ 金銭出資 ロ 現物出資 ハ 労務出資 ニ 信用出資 (ハ、ニは無限責任社員のみに許される) 2出資義務の履行時期は定款の定めによ る。 各株主は原則として出資 1株につき1議決権 各社員は原則として出資口 無限責任社員は原則として1人1議決権。 数に関係なく1人1議決権。 但し、定款で別段の定め可 但し、定款で別段の定め可 発起人 出 資 議決権 資本金の 制限なし 最 低 額 役 員 設 立 手続き 持分の 譲 渡 法人の 性 格 1取締役(必置機関、1人 以上、任期2年以内) :株 主外からの選任も可。株 主に限定することは不可。 2監査役(定款の定で置 くことができる) :株主 外からの選任可。株主 に限定することは不可。 特に定めなし 業務執行社員 業務執行社員 資格:各社員は当然に業 資格:無限責任社員が当然に業務執行 社員となる。 務執行社員となり、 社員以外の者は業 務執行社員になれ ない。 1発起人(株主になろう 1社員になろうとする者の とする者)の定款作成 定款作成 2公証人の定款認証 2設立登記 3株主総会(取締役の選任) 4出資の払込→出資全額 の払込、現物出資の目 的たる財産全部の給付 5取締役会設置会社の場 合→代表取締役の選任 6取締役、監査役の調査。 現物出資がある時は裁判 所選任の検査役の調査 7設立登記 1株主相互間の持分譲渡 は自由。 2但し、定款で取締役会 または株主総会の承認 を要することを定める ことが可能。 特に定めなし 他の社員全員の承諾。 1社員になろうとする者の定款作成 2設立登記 1無限責任社員が他人に譲渡する場合は 他の社員全員(無限責任社員及び有限 責任社員)の承諾。 2有限責任社員が他人に譲渡する場合無 限責任社員全員の承諾。 1営利の追求を目的とす 1家族的な少数社員のとき 1合名会社に準じた準人的会社。 は最も有効だが経営規模 2出資をより多く集めるため、有限責任 る物的会社。 が加味されている。 は小さく原始的会社形態。 2株主数に制限がない。 ま た 、 機 動 的 な 経 営 展 2会社債務について直接、 かつ、連帯無限の責任を 開が可能。 負う。 3取締役と株主総会の役 割 分 担 が 明 確 で 、 取 締 3会社の信用は社員にあり、 人的会社と呼ばれている。 役による主体的な事業 運営が可能。 ― 40 ― 合同会社(LLC) 会社法 農事組合法人 農業協同組合法 社員(有限責任) 条件を備えれば農業者でなくてもよい。自然人、法人 とも社員になれる。 1組合員(有限責任) 農民等であって定款で定めるもの。 2員外従事者は常時従事する者の2/3を超えてはな らない。 発起人はいない。社員1人以上で設立 3人以上 1金銭出資か現物出資 2出資は、各社員によって異なる。 3設立の登記をする時までに、金銭の全額の払込みま たは現物の給付をする必要 1金銭出資と現物出資 2出資は1口均一(金額に制限なし) 3出資の分割払込も可(現物出資は第1回目に一括払 込) 原則として、各社員1議決権。定款で別段の定めは可 能 各組合員は出資口数に関係なく1人1議決権 制限はない 特に定めなし 原則として、各社員が業務執行の権利及び義務を負う。 1理事(必置機関、1人以上、任期3年以内):理事 はその農事組合法人の組合員 定款で定めれば、一定の社員のみを業務執行社員とす 2監事(任意機関、任期3年以内):組合員以外の者 ることができる。 もなりうる(置いた場合) 1社員になろうとする者の定款作成 2出資の履行 3設立登記 1設立の合意 2発起人の定款作成 3役員の選任(定款に役員が定められていれば不要) 4出資の払込 5設立登記 6行政庁への設立届出 社員は、他の社員の全員の承諾を得て、その持分を譲 渡できる。 1出資組合の組合員は、組合の承認を得なければその 持分を譲渡できない。 2非組合員が持分譲渡を受ける時は加入の例による必 要あり。 社員相互の人的信頼を基礎とする会社である。社員は 会社の債務について有限責任しか負担しない。内部関 係においては民法の組合と同様の規律が適用される。 農事組合法人は協業を図ることにより組合員の共同利 益を増進することを目的とするものであり、他の農業 法人が企業的(資本的)であるのに対し、共同体的(労 働的)であるといわれている。 ― 41 ― 農業法人の設立マニュアル 群馬県担い手育成総合支援協議会
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