新ごみ処理施設建設に伴う生活環境影響調査 報 告 書(概要版)

20150611
新ごみ処理施設建設に伴う生活環境影響調査
報 告 書(概要版)
平成27年4月
那智勝浦町
●事業の目的
調査は、那智勝浦町が新ごみ処理施設(以下、「計画施設」という。)を建設するにあたり、周
辺の生活環境の現況を把握し、計画施設の稼働による影響をあらかじめ予測・評価することを目
的として行いました。
●生活環境影響調査の概要
調査は、
「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」
(平成 18 年9月 環境省大臣官房廃棄物・
リサイクル対策部)に基づき実施し、調査項目は、同指針の「焼却施設における標準的な調査項
目」を基に選定しました。
表
生活環境影響要因と生活環境影響調査項目
生活環境影響要因
煙突排ガス 施設排水の
調査事項
の
排
出 排
出
施設の稼働
施設からの
施設関連
悪臭の漏洩 車両の走行
生活環境影響調査項目
二酸化硫黄
○
二酸化窒素
○
○
大気質 浮遊粒子状物質
○
○
気
塩化水素
○
環
ダイオキシン類
○
大
境
騒音
騒音レベル
○
○
振動
振動レベル
○
○
悪臭
特定悪臭物質濃度または
臭気指数(臭気濃度)
水
環
境
水質
○
○
生物化学的酸素要求量
または化学的酸素要求量
○
浮遊物質量
○
水素イオン濃度(pH)、
溶存酸素量(DO)、
大腸菌群数
○
注)○:調査を実施した項目
1
20150611
●生活環境影響調査の結果
1
大気質
(1)現況把握
大気質の現地調査を4地点で行った結果、全地点で環境基準を満足していました。
また、事業計画地で行った気象調査では、西からの風が卓越していました。
施設関連車両走行ルート(国道 42 号)で行った交通量調査では、平日が 14,213 台、土曜
日が 13,845 台でした。
①大気質調査
調査結果(2季の平均値)
項
目
環境調査
環境基準等
(適:○、否:×)
沿道調査
事業計画地
旧三川小学校
二河区民会館※
二酸化硫黄
(ppm)
0.004
0.003
0.005
二酸化窒素
(ppm)
0.002
0.003
0.003
0.006
○
浮遊粒子状物質
(mg/m3)
0.021
0.018
0.012
0.021
○
塩化水素
(ppm)
<0.001
<0.001
<0.001
○
ダイオキシン類
(pg-TEQ/m3)
0.0087
0.0098
0.082
○
国道 42 号
○
※二河区民会館は1季のみ
(%) N
NNW 30.0
②気象調査
NW
WNW
17.0 ℃
湿 度
72 %
日射量
平均風速
W
E
1.8 m/s
WSW
2.58 kW/m
放射収支量
ENE
0
事業計画地
気 温
NE
15.0
調査結果(2季の平均値)
項 目
NNE
ESE
3
1.235 kW/m
2.0
SW
3
SSW
SE
SSE
4.0
(m/s) S
出現率(%)
平均風速(m/s)
③交通量調査
調査結果(上下合計)
(台)
時間帯等
国道 42 号
小型
昼間(
平日
7~19 時
二輪
計
)
10,760
1,088
87
11,935
夜間(19~翌日 7 時)
2,124
142
12
2,278
12,884
1,230
99
14,213
)
10,446
978
116
11,540
夜間(19~翌日 7 時)
2,170
125
10
2,305
12,616
1,103
126
13,845
合
昼間(
土曜
大型
計
7~19 時
合
計
2
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(2)予測結果・影響の分析
施設稼働時の煙突排ガスによる影響を予測し、将来の環境濃度を算出した結果、長期平均濃度
(年平均値)も短期平均濃度(1時間値)も、生活環境の保全目標を達成しました。
施設関連車両の走行ルート沿道でも、車両の排出ガスによる影響を予測した結果、生活環境の
保全目標を達成しました。
●煙突排ガスによる影響の予測結果
長期平均濃度(年平均値)
予測項目
予測環境濃度
注 1,2)
短期平均濃度(1時間値)
環境保全目標
事業計画地 事業計画地
目標値
(上部)
(下部)
注 3)
予測環境濃度注 1)
適否
(○:適、-:否)
環境保全目標注 3)
事業計画地 事業計画地
目標値
(上部)
(下部)
適否
(○:適、-:否)
二酸化硫黄
(ppm)
0.0084
0.0084
0.04
○
0.045
0.039
0.1
○
二酸化窒素
(ppm)
0.0094
0.0094
0.04
○
0.025
0.020
0.1
○
浮遊粒子状物質
(mg/m3)
0.0487
0.0487
0.10
○
0.087
0.081
0.20
○
0.020
0.012
0.02
○
塩化水素
(ppm)
ダイオキシン類
0.03180
(pg-TEQ/m3)
0.03092
0.6
○
注 1)予測環境濃度:現在の濃度に計画施設の寄与分を合わせた将来の環境濃度。
注 2)長期平均濃度の予測環境濃度は、二酸化硫黄及び二酸化窒素については年間2%除外値、浮遊粒子状物質については
年間 98%値、ダイオキシン類については年平均値である。
注 3)環境保全目標は以下のとおり
長期平均濃度:環境基準における長期評価、短期平均濃度:環境基準における短期評価
●施設関連車両の排出ガスによる影響の予測結果
予測環境濃度注 1、2)
予測項目
二酸化窒素
(ppm)
浮遊粒子状物質
(mg/m3)
予測地点
国道 42 号北側
西側敷地境界
東側敷地境界
0.0169
0.0169
環境保全目標注 3)
目標値
適否(○:適、-:否)
○
0.04
国道 42 号南側
0.0169
0.0169
国道 42 号北側
0.0514
0.0514
○
○
0.10
国道 42 号南側
0.0514
0.0514
○
注 1)予測環境濃度:現在の濃度に計画施設の寄与分を合わせた将来の環境濃度。
注 2)長期平均濃度の予測環境濃度は、二酸化窒素については年間2%除外値、浮遊粒子状物質については年間 98%値で
ある。
注 3)環境保全目標:環境基準における長期評価
3
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2
騒 音
(1)現況把握
一般環境の騒音調査を事業計画地(上部)、事業計画地(下部)、最寄りの人家で行ったとこ
ろ、全地点で規制基準・環境基準を満足しました。また、沿道の騒音調査を国道 42 号で行っ
たところ、平日は環境基準を満足しましたが、土曜日は環境基準を上回りました。
(ただし、調
査地点は環境基準の非適用地域のため、環境基準は参考値。
)
調査結果(dB)
(LA5)
地点等
事業計画地
(下部)
朝
昼間
夕
夜間
昼間
夜間
38
34
30
○
34
26
○
西側
44
51
41
38
○
50
36
○
北側
47
52
39
37
○
50
35
○
東側
49
53
41
40
○
50
36
○
50
43
○
最寄りの人家
沿
道
国道 42 号
環境基準注2)
(○:適、-:否)
39
事業計画地(上部)
環
境
調査結果(dB)
(LAeq)
規制基準注1)
(○:適、-:否)
平日
70
○
土曜
72
-
注 1)「和歌山県公害防止条例」(平成 46 年7月 19 日条例第 21 号) 騒音に係る排出基準 第5種区域
注2)環境:
「騒音に係る環境基準」(平成 10 年環境庁告示第 64 号) B地域
沿道:
「騒音に係る環境基準」(平成 10 年環境庁告示第 64 号) 幹線交通を担う道路に近接する空間
(2)予測結果・影響の分析
施設稼働時の騒音レベルを予測した結果、将来は、事業計画地敷地境界も、最寄りの人家で
も、生活環境の保全目標を達成しました。
施設関連車両の走行ルート沿道でも、生活環境の保全目標を達成しました。
●施設稼働騒音による影響の予測結果
予測環境騒音レベル(dB)(LA5)
地点等
朝
昼間
夕
夜間
事業計画地(上部)
39~43
敷地境界(北側、東側、南側、西側)
39~43
35~42
32~42
事業計画地(下部)
敷地境界(西側、北側、東側)
44~49
51~53
41~43
39~43
目標値
55
65
55
45
○:適、-:否
○
○
○
○
最寄りの人家
環境保全目標注2)
注 1)「和歌山県公害防止条例」(平成 46 年7月 19 日条例第 21 号)騒音に係る排出基準
注2)
「騒音に係る環境基準」
(平成 10 年環境庁告示第 64 号) B地域
予測環境騒音レベル
(dB)(LAeq)
昼間
夜間
50
43
55
45
○
○
第5種区域
●道路交通騒音による影響の予測結果
地点等
現況騒音レベル(dB)
予測環境騒音レベル(dB)
環境保全目標
平日
土曜日
平日
土曜日
内容
○:適、-:否
現況の
生活環境に
著しい影響
を及ぼさ
ないこと
○
国道 42 号
北側
西側敷地境界
70
72
70
72
東側敷地境界
70
72
70
72
国道 42 号
南側
西側敷地境界
71
73
71
73
東側敷地境界
71
73
71
73
4
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3
振 動
(1)現況把握
一般環境の振動調査を事業計画地(上部)、事業計画地(下部)、最寄りの人家で行ったとこ
ろ、全地点で規制基準を満足しました。また、国道 42 号で行った沿道の振動調査でも、規制
基準を満足しました。
調査結果(dB)(L10)
昼間
夜間
規制基準注)
(○:適、-:否)
24
21
○
西側
16
15
○
北側
13
10
○
東側
13
10
○
11
10
○
地点等
事業計画地(上部)
環
境
事業計画地
(下部)
最寄りの人家
沿
道
国道 42 号
平日
33
○
土曜
31
○
注)環境:「和歌山県公害防止条例」(平成 46 年7月 19 日条例第 21 号)振動に係る排出基準 第1類区域
沿道:「振動規制法」(昭和 51 年法律第 64 号)道路交通振動の要請限度 第2種区域
(2)予測結果・影響の分析
施設稼働時の振動レベルを予測した結果、将来は、事業計画地敷地境界も、最寄りの人家で
も、生活環境の保全目標を達成しました。
施設関連車両の走行ルート沿道でも、生活環境の保全目標を達成しました。
●施設稼働振動による影響の予測結果
予測環境振動レベル(dB)(L10)
地点等
昼間
夜間
事業計画地(上部)
敷地境界(北側、東側、南側、西側)
42~55
42~55
事業計画地(下部)
敷地境界(西側、北側、東側)
40~55
40~55
最寄りの人家
12
10
環境保全目標注)
目標値
昼間:60
夜間:55
55
○:適、-:否
○
○
○
注)「和歌山県公害防止条例」
(平成 46 年7月 19 日条例第 21 号)振動に係る排出基準 第1類区域
最寄りの人家のみ、感覚閾値 55dB
●道路交通振動による影響の予測結果
地点等
国道 42 号
北側
予測環境振動レベル
(dB)
現況振動レベル(dB)
平日
土曜日
平日
土曜日
西側敷地境界
33
31
33
31
東側敷地境界
33
31
33
31
環境保全目標
目標値(dB)
○:適、-:否
○
○
70
国道 42 号
南側
西側敷地境界
34
31
34
31
○
東側敷地境界
34
31
34
31
○
注)「振動規制法」(昭和 51 年法律第 64 号)道路交通振動の要請限度
5
第2種区域
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4
悪 臭
(1)現況把握
事業計画地、周辺地域、類似施設の各地点で行った調査の結果、特定悪臭物質(22 項目)と
臭気指数ともに、全ての項目が定量下限値未満となり、参考とした規制基準を下回っていまし
た。
調査結果(2季とも)
項
目
事業
計画地
特定悪臭物質 22 物質
風上側
敷地境界
全項目(22項目)
臭気指数
規制基準注)
類似施設
周辺地域
(旧三川
小学校))
風下側
敷地境界
(○:適、-:否)
定量下限値未満
○
定量下限値(10)未満
○
注)特定悪臭物質は、「悪臭防止法」(昭和 46 年法律第 91 号)和歌山市の「第2種区域」の規制値と比較した。臭気
指数については、悪臭防止法で定められている臭気指数の規制値の範囲である「10~21」と比較した。
(2)予測結果・影響の分析
施設稼働時の煙突排ガスによる悪臭の影響を予測し、将来の環境濃度を算出した結果、生活
環境の保全目標を達成しました。
施設からの漏洩についても、類似施設の風下と同程度である定量下限値未満になると予測さ
れ、生活環境の保全目標を達成しました。
●煙突排ガスによる影響の予測結果
地点
予測環境濃度注1)
事業計画地(上部)
10
予測項目
臭気指数
環境保全目標
目標値注2)
○:適、-:否
○
10
事業計画地(下部)
10
○
注 1)予測環境濃度:現在の濃度に計画施設の寄与分を合わせた将来の環境濃度。
注2)環境保全目標:
「悪臭防止法」(昭和 46 年法律第 91 号) 臭気指数の範囲 10~21 より 10
●施設からの漏洩による影響の予測結果
予測項目
特定悪臭物質 22 物質
臭気指数
環境保全目標
予測結果
○:適、-:否
類似施設の風下と同程度である
定量下限値未満
注)「悪臭防止法」(昭和 46 年法律第 91 号) 和歌山市
○
○
第2種区域、臭気指数の範囲 10~21 より 10
6
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5
水 質
(1)現況把握
事業計画地近傍の水路1地点で行った調査の結果、4季とも、全ての調査項目で「河川B」
の環境基準値に適合していました。
環境基準
単位
)
調査結果(4季)
-
6.8~7.3
6.5 以上 8.5 以下
○
生物化学的酸素要求量(BOD)
mg/l
0.7~1.6
3 以下
○
浮遊物質量(SS)
mg/l
1.7~3.6
25 以下
○
溶存酸素量(DO)
mg/l
6.0~9.8
5 以上
○
MPN/100ml
13~4,600
5,000 以下
○
項
目
水素イオン濃度(pH)
大腸菌群数
注)
基準値
○:適、-:否
注)「水質汚濁に係る環境基準」(昭和46年環境庁告示第59号) 河川B。
(2)予測結果・影響の分析
施設建設後の水質を、施設計画等をもとに検討した結果、水質は現況と変わらないものと予
測され、生活環境の保全目標を達成しました。
●水質の予測結果
予測項目
水素イオン濃度(pH)
生物化学的酸素要求量(BOD)
単位
現況濃度
-
6.8~7.3
mg/l
0.7~1.6
予測結果
環境保全目標
目標値注)
6.5 以上
8.5 以下
3 以下
水質は
現況と
変わらない
浮遊物質量(SS)
mg/l
1.7~3.6
溶存酸素量(DO)
mg/l
6.0~9.8
5 以上
MPN/100ml
13~4,600
5,000 以下
大腸菌群数
注)「水質汚濁に係る環境基準」(昭和46年環境庁告示第59号) 河川B。
7
○:適、-:否
25 以下
○
20150611
調査地点
旧三川小学校
二河区民会館
国道 42 号
事業計画地(上部)
事業計画地(下部)
最寄りの人家
事業計画地周辺拡大図
類似施設
0
0
2km
0.2km
凡 例
事業計画地
調査地点(環境大気・気象)
調査地点(沿道大気、道路交通騒音、道路交通振動)
調査地点(交通量)
N
調査地点(環境騒音、環境振動)
調査地点(悪臭)
0
0.5
1km
調査地点(水質)
「地理院地図(電子国土 Web)」より作成
8