内容 材料学実験 ~配合設計の計算方法~ 1.配合設計の説明 2.設計手順 3.配合計算例 4.現場配合 2015年10月1日 材料形態学グループ 助教 三浦泰人 1.配合設計の説明 5.配合の修正 1.配合設計の説明 示方配合 セメント比(W/C)の違いのイメージ コンクリート1m3あたり各材料の単位量 (重量kg) 水(Water):単位水量 セメント(Cement):単位セメント量 細骨材(Sand):単位細骨材量 粗骨材(Grabel):単位粗骨材量 W/C 小 水和物 水和物 水和物 水和物 水 セメント粒子 気泡 重要なパラメータ W/C 大 水セメント比(W/C) 強度、耐久性、水密性 細骨材率(s/a) ワーカビリティー、材料分離抵抗性 水 スランプ値(cm) 空気量(%) セメント粒子 気泡 1 1.配合設計の説明 1.配合設計の説明 配合設計とは... 細骨材率(s/a)の違いのイメージ s/a 小 s/a 大 大きい骨材が多い 小さい骨材が多い フレッシュコンクリート STEP1:設計条件 STEP3:配合の修正 構造物の要求性能・周辺環境・施工 強度・スランプ・空気量 の目標値との差 決 定 水セメント比、単位水量、単位セメント 量、セメントの種類、スランプ、粗骨材 最大寸法、細骨材率、空気量 STEP2:暫定配合条件 水セメント比、単位水量、単位セメント 量、セメントの種類、スランプ、粗骨材 最大寸法、細骨材率、空気量 べちゃべちゃ どろどろ 変形しやすい 変形しにくい 決 定 分離しやすい 一体化している 各材料の単位量 決 定 単位水量、細骨材率、化学混和剤 の修正量 STEP2:配合の確定 計画配合 現場配合 2.設計手順 1.配合設計の説明 ①設計条件の決定 構造物の要求性能・周辺環境・施工 に関する制約 最大骨材寸法、スランプ、空気量など ②水セメント比(W/C)の決定 強度から求める ③単位水量(W) 、細骨材率(s/a)の概略値の決定 塩害 炭酸化 ASR ④単位水量(W) 、細骨材率(s/a)の補正 砂の粗粒率(粒度分布)等の違いを考慮する ⑤単位セメント量(C)の決定 ⑥骨材体積(a)の決定 水、セメント、空気の体積量から算定 疲労 硫酸劣化 凍害 ⑦単位細骨材量(S) 、単位粗骨材量(G)の決定 ⑧AE剤の量の決定 2 3.配合計算例 3.配合計算例 ①設計条件の決定 ③単位水量(W) 、細骨材率(s/a)の概略値の決定 最大骨材寸法 20mm スランプ 10cm 空気量 5.0% 最大骨材寸法20mm、スランプ10cm、空気量5.0%、粗粒率2.80の コンクリートに対して ②水セメント比(W/C)の決定 次式を用いることとする 25N/mm2 30N/mm2 35N/mm2 40N/mm2 175kg 細骨材率 47.0% ④単位水量(W) 、細骨材率(s/a)の補正 f c [ N / mm2 ] 14.4 22.2 (C / W) 1班 2班 3班 4班 単位水量 粗粒率、スランプ、空気量が条件と異なる場合は、補正を行う。 ここでは、粗粒率のみを考えれば良い。(粗粒率 2.70の場合は?) 注:安全率として1.2を乗じる 粗粒率が0.1だけ大きい(小さい)ごとに,s/aを0.5だけ大きく(小さく))する 3.配合計算例 3.配合計算例 ⑤単位セメント量(C)の決定 ⑦単位細骨材量(S) 、単位粗骨材量(G)の決定 決定した水セメント比(W/C)と単位水量(W) から 単位セメント量(C)を求める 水 空気 w ⑥骨材体積(a)の決定 単位水量(W)、単位セメント量(C)から、 3 1m それぞれの体積w、cを求める。 c セメント 骨材 空気 セメント それぞれの密度を用いて、単位細骨材 量(S)と単位粗骨材量(G)を求める。 細骨材密度 2.50 g/cm3 a 水 細骨材率(s/a)を用いて、細骨材体積 (s)と粗骨材体積(g)を求める。 粗骨材密度 2.60 g/cm3 s 細骨材 a 粗骨材 g 体積の割合 水の密度 1.0 g/cm3 セメント密度 3.15 g/cm3 1m3=1000ℓ-(w+c+空気量)=骨材の体積 体積の割合 ⑧AE剤の量の決定 セメント1kgに対して2.5 mlとする。 3 4.現場配合 5.配合の修正 *1度に練混ぜる量(1バッチ)を求める *練混ぜ後に、スランプ、空気量を計測し、それぞれが 目標値と異なった場合、配合を修正する必要がある。 1バッチ10ℓの場合を考えると? 一般には、許容値以内であれば補正の必要な無い。 例:スランプ±2cm、空気量±0.5%。 *細骨材の表面水を修正する 表面水が2.5%の湿潤状態の砂を用いるとき、表乾砂が100kg 必要な場合は、102.5kgの砂を採取する必要がある。 表面水率p%の場合、補正後の単位細骨材量 (S’)と単位水量(W’)は、 2.5kg 100kg S S W S 1 p 100 合計102.5kg W W W 5.配合の修正 ①実際の単位水量を求める 設計上は、1m3あたり5%空気が入っているものとしたが、 実際は3%であったため、トータルの体積は1m3なかったことに なる。したがって、単位水量が設計値と実際とは異なる。 空気=5%で設計 空気=3% 水 水 w w a 骨材 1m3 補正しない 補正しない 1.2%だけ大きく(小さく)する 空気量が1%だけ大きい(小さい)ごとに 0.5~1だけ小さく(大きく)する 3%だけ小さく(大きく)する 水セメント比が0.05大きい(小さい)ごとに 1だけ大きく(小さく)する 補正しない s/aが1%大きい(小さい)ごとに - 1.5kgだけ大きく(小さく)する 5.配合の修正 例:試し練りの結果、スランプが12cm、空気量3%であっ た。このとき、修正はどのようにすればよいか? セメント Wの補正 0.5だけ大きく(小さく)する スランプが1cmだけ大きい(小さい)ごとに 注:水セメント比は変化させないようにする。s/a、Wの補正を行い、 単位セメント量、単位骨材量の計算を行う必要がある。 *AE剤の量の補正 c s/aの補正(%) 区分 砂の粗粒率が0.1だけ大きい(小さい)ごとに c セメント a 骨材 ?m3 空気以外の材料の体積は等しいので、次式が成り立つ 1×(1-0.05) = V’×(1-0.03) (1-0.05) V’= (1-0.03) V′あたり水の重量がWであるので、1m3あたりの水量W′は、 W’=W/V’=W× (1-0.03) (1-0.05) 得られたW’が実質の単位水量であったことになる 4 5.配合の修正 5.配合の修正 ②細骨材率(s/a)の補正を行う ③単位水量(W)の補正を行う 下表より、 下表より、 スランプによる補正 なし スランプによる補正 +2cmより、+2×1.2%=+2.4% 空気量による補正 -2%より、-2×(-1%)=+2% 空気量による補正 -2%より、-2×(-3%)=6% s/aによる補正 +2%より、+2×(1.5kg)=+3kg したがって、細骨材率を2%増やせばよい s/aの補正(%) 区分 Wの補正 したがって、補正後の単位水量は、 W’’=W’×(1+(+0.024)+(+0.06))+3 で得られる。 砂の粗粒率が0.1だけ大きい(小さい)ごとに 0.5だけ大きく(小さく)する 補正しない スランプが1cmだけ大きい(小さい)ごとに 補正しない 1.2%だけ大きく(小さく)する 砂の粗粒率が0.1だけ大きい(小さい)ごとに 0.5だけ大きく(小さく)する 補正しない 空気量が1%だけ大きい(小さい)ごとに 0.5~1だけ小さく(大きく)する 3%だけ小さく(大きく)する スランプが1cmだけ大きい(小さい)ごとに 補正しない 1.2%だけ大きく(小さく)する 水セメント比が0.05大きい(小さい)ごとに 1だけ大きく(小さく)する 補正しない 空気量が1%だけ大きい(小さい)ごとに 0.5~1だけ小さく(大きく)する 3%だけ小さく(大きく)する s/aが1%大きい(小さい)ごとに - 1.5kgだけ大きく(小さく)する 水セメント比が0.05大きい(小さい)ごとに 1だけ大きく(小さく)する 補正しない s/aが1%大きい(小さい)ごとに - 1.5kgだけ大きく(小さく)する 5.配合の修正 ④単位セメント量(C)の決定 ⑤骨材体積(a)の決定 ⑥単位細骨材量(S) 、単位粗骨材量(G)の決定 ⑦AE剤の量の決定 上記については、これまでと同様の手順で求められる s/aの補正(%) 区分 Wの補正 実験当日までの課題 スランプ量 空気量 1班 25 [N/mm2] 班 圧縮強度 10 [cm] 5 [%] 2班 30 [N/mm2] 10 [cm] 5 [%] 3班 35 [N/mm2] 10 [cm] 5 [%] 4班 40 [N/mm2] 10 [cm] 5 [%] 条件(1):最大骨材寸法20 mm,スランプ10 cm,空気量5.0 %,粗粒率2.80, 単位水量175 kg,細骨材率47.0 %のコンクリートを作製する. 条件(2):水,セメント,細骨材,粗骨材の密度は,それぞれ1.0 g/cm3,3.15 g/cm3, 2.50 g/cm3,2.60 g/cm3のコンクリートを作製する. 条件(3):AE減水剤は,セメント1kgに対して2.5ml使用する. 条件(4):目標の圧縮強度を1班25 N/mm2,2班30 N/mm2,3班35 N/mm2, 4班40 N/mm2とする. 5 補足.コンクリートの打設の風景 フレッシュコンクリート 締固め 型枠に打設 終了 6
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