平成 26 年度 各地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)開催結果

平成 26 年度 各地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)開催結果
平成 27 年2月~3月の間に、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州の8地区にお
いて、下記のとおり、電子政府推進員協議会(地域懇談会)を開催しました。
平成 26 年度各地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)の開催状況
地区名
日時
開催場所
参加人数
北海道地区
3月2日(月)14:00~16:00
札幌市
5名
東北地区
3月4日(水)14:00~16:00
仙台市
4名
関東地区
2月 18 日(水)14:00~16:00
千代田区
6名
中部地区
3月5日(木)14:00~16:00
名古屋市
3名
近畿地区
2月 25 日(水)14:00~16:00
大阪市
6名
中国地区
3月 10 日(火)14:00~16:00
広島市
5名
四国地区
2月 26 日(木)14:00~16:00
高松市
4名
九州地区
3月 11 日(水)14:00~16:00
福岡市
6名
(注) 電子政府推進員協議会については、平成 22 年度までは、原則として各地区の全ての電子
政府推進員を対象に開催してきましたが、23 年度以降は、電子政府推進員の活動状況や検
討テーマ等を踏まえ、参加人数を絞った懇談会形式で開催することとしております。
地域懇談会では、事務局(総務省行政管理局)から、平成 25 年度における行政手続オンライン化
等の状況及びオンライン手続の利便性向上に向けた改善方針及び各省庁における改善取組計画につ
いて説明を行い、意見交換を行いました。
今回、電子政府推進員から提出された意見・要望等については、今後のオンライン手続の利便性
向上に向けた取組等に活用することとしています。
【議事次第】
1 開会
2
資料説明
・平成 25 年度における行政手続オンライン化等の状況
・オンライン手続の利便性改善計画(概要)
3
意見交換
4
閉会
北海道地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)
○日
時:平成 27 年3月2日(月)14:00~16:00
○場
所:小樽商科大学札幌サテライト(札幌市)
○出席者:電子政府推進員(敬称略)
平沢
尚毅(オピニオンリーダー(大学教授)、地区会長)
梅澤
義男(土地家屋調査士)
江谷
清和(行政書士)
菅田
真紀子(社会保険労務士)
田中
裕之(税理士)
事務局職員
○議事概要(主な意見、要望等)
【登記関係】
・
不動産登記のオンライン申請はこれ以上伸びないのではないかと思われる。その理由の1つと
しては、登記原因が発生した以降で無ければ、申請人及び代理人が電子署名できない点である。
このため、登記原因日に申請をしなければならない取引においては制約がある。あらかじめ申
請書を作っておけるのであればよいのだが、オンライン申請は電子署名に必ず日付が入るため
それができない。また、書面の場合には可能だが、オンラインの場合は内容に軽微な間違いが
あった場合に差替えが効かない場合もある。そのため、大きな金額の取引などでは怖くてオン
ラインでやらないというのが実情である。
・
資格代理人が電子署名をつけているので、申請者本人の電子署名は不要としてもらいたい。ま
た、オンラインで提出した場合にも、原本を紙で見せろと必ず言われるので、紙で申請するの
と変わらない。
【税関係】
・
国税分野については、当初はシステム上もいろいろと問題があったが、税理士会でも改善要望
を全国から集めて精査をして国税庁に申し入れ、少しずつ改善してきた結果、現在、実務上は
ほとんど困ることはなくなっている。今回、今まで絶対できないとされてきた添付書類のイメ
ージデータ化も可能となるという話であり、税に関してはきちんと対応いただいている。更に
言うとすれば、納税者からみると税というのはひとつなのだが、国税・地方税で受付システム
も違うという弊害があり、国税・地方税の一本化ということが究極の要望。
【社会保険・労働保険関係】
・
e-Gov の利用環境判定については改善されて、見やすくなった。Java はデフォルトで自動アッ
プデートにチェックマークが入っていて自動的に最新版を取得するようになっているので、こ
れを望まない場合はチェックマークを外す必要があるということを e-Gov で説明しておいた方
がよいのではないか。
・
厚生労働省の手続は、手続の正式な名称を入れないとヒットせず、中には正式名称を入れても
手続検索でヒットしないというものがあった。検索で余計な手続ばかり出てきて、手続をきち
んと絞り込んでいないのではないかと感じる。やりたい手続を見つけにくいということが、オ
ンライン申請を断念する1つのポイントとなっている。
・
昨年行った社労士会の電子申研修会は総務省、労働局にも参加して貰い、ベーシックなところ
の講習を国の方にお願いし、いつもより倍ぐらいの時間をかけて行った。参加者からも好評で、
今後もぜひ続けていきたいと考えている。
・
オンラインが進まない理由の一つとして、協会けんぽが依然として紙申請なのが問題。年金手
帳の再交付はオンラインでできるが、協会けんぽの健康保険証の再交付は紙しかできない。顧
客から見ると、なぜできないのかということになる。また、労働保険事務組合については、オ
ンライン申請が可能であるにもかかわらず、窓口の方が知らないということがあった。更に進
めていくには、このようなところを直していく必要がある。
・
企業への利用促進のため、電子申請のコンサル的に士業者をうまく活用していただくこともあ
りなのではないか。
【自動車登録】
・
自動車 OSS の全国展開にあわせ、行政書士会としても会全体として利用推進に取り組むことと
している。
【その他】
・
チェンジマネジメントという考え方が必要ではないか。紙から電子化する際に、マニュアルが
あるだけで利用できるということはありえない。研修を行う移行期間が必要。システムの企画
段階から研修を行うことを制度的に組み込んで、オンライン申請システムを作る。開発コスト
の中に研修や講習会の実施を入れておくべき。
・
例えばイギリスでは、初めからオンラインしかやらない、という政策が決定されたためオンラ
イン利用率という考えがない。利用できない人についてはサポートセンターを設けて社会的に
サポートする。そうすると当然オンライン利用率は当初から 100%である。その結果、行政をど
んどん効率化できる。
・ 英国はこの3年で抜本的な改革を行っており、ほとんどの手続を UK.GOV の1つのサイトに一元
化した。IT ベンチャー社長の 30 代の女性を改革のトップに抜擢して権限を与えた結果、ドラス
ティックに変わっていった。ほぼ全体をオンライン化することによって、制度や社会システム
自体を変えている。API をどんどん公開して、色々なサービスを民間で作らせている。現行の手
続きのオンライン化をどうやって向上させるかというアプローチではなく、まず社会を変革す
る戦略ありきで進めている。
・
公認会計士試験のオンライン利用改善ということだが、国家試験について共通で、オンライン
利用の仕組みが考えられないか。
・
個々の国家試験についてシステムを作るよりも、プラットフォーム的なものがあった方が、シ
ステムのテストも効率的に行うことができるので質も上がるのではないか。スコットランドで
は資格を取るための e テストを実施している。これは、模擬テストを電子的に提供してその達
成度を見ることができ、本番も似たような環境で行うため、受験者の育成の役割も果たしてい
る。
東北地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)
○日
時:平成 27 年3月4日(水)14:00~16:00
○場
所:東北管区行政評価局会議室(仙台市)
○出席者:電子政府推進員(敬称略)
石倉
伸一 (社会保険労務士、地区会長)
安部
正伸(土地家屋調査士)
大澤
昌 (オピニオンリーダー(IT コーディネータ))
長谷川 憲二 (行政書士)
事務局職員
○議事概要(主な意見、要望等)
【登記関係】
・ 土地家屋調査士の関与する手続は、図面等添付書類が多いのが特徴である。そのため、オンラ
イン利便性改善計画の資料には、
「添付書類の省略化」とあるが、実際にどのようにして実現さ
れていくのかには疑問・興味がある。
・ 福島県土地家屋調査士会では、不定期であるが年に1回程度、法務局も交えてオンライン申請
関係の懇談会を行っている。そこでは、
「オンライン申請手続を促進する為に添付書類の原本な
どを窓口に持って行かなくても済むようなシステムであれば申請に掛かる負担を少なくするこ
とが出来るのではないか。
」
、
「受付完了のメールは番号しか通知されないため、何の案件かすぐ
に分からないのが不便である。このような点を分かりやすくすることで利便性が向上し、オン
ライン申請を利用するインセンティブも生まれるのではないか。」といった話が出ている。
【社会保険・労働保険関係】
・ e-Gov について、もっとコマーシャルを行うほうが良い。宣伝には費用もかかるが、周知は必
要である。関係する役所から負担をしてもらってはどうか。
・ 社労士と地方労働局とで意見交換会を行っている。労働関係の分野のオンライン申請に関して
言うと、雇用保険被保険者資格取得・喪失関係など、システム自体は評価している。
・ 年金事務所とも月1回程度、連絡協議会を開催している。事務センターや東北厚生局からも青
森での意見交換会に参加していただき電子申請の取扱いについて議論したい。
【自動車登録】
・ 重点手続の中で、自動車登録の OSS があるが、現在実際に利用している人は困っている点があ
る。車庫証明については省略してよいことになっているが、当面は使うことになっており、画
像で送る。その際の指定形式が JPEG であり、容量制限が厳しく使いづらい。改善を求める。
・ 車庫証明は4日程度かかるのが通常だが、自動車登録のOSSが導入された東京運輸局多摩自
動車検査登録事務所などは、オンライン申請後、最短で3時間で返ってくると聞く。これはO
SSを使う良いインセンティブになると思う。
【その他】
・ オンライン手続の改善促進手続の内容と今後導入されるマイナンバーとの整合性はとれている
のか。きちんとマイナンバーも見越して取り組んでいるのだということを国民に PR すべきだ。
制度の仕組みの説明はあっても、どのように利用するのかについては PR が足りない。だから、
皆、実際に何をしたらよいか分かっていない。マイナンバーと関連づけて、オンライン手続の
こともアナウンスしてほしい。
・ 先般、特定個人情報保護委員会の特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者
編)が公表された。例えば、第三者委託する場合には、会社は「
「委託を受けた者」において、
番号法に基づき委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ
適切な監督を行わなければならない。」といった記述があるが、これによると、数百のクライア
ントを持つ士業はその数だけ監査を受けることになるのだろうか。このように、現実にはあり
得ないと思うような文章がある。どのように適用するかを決めないまま、制度だけ突っ走ろう
としているように見える。多くの顧客を持つところは、今から準備しないと間に合わないはず
だ。また、マイナンバーを金融や医療にも広げようとしているが、それらの分野で適用の方法
を決めていないまま突っ走るのは、ますます問題だと思う。
・ 改善取組方針の文章が難しすぎる。また、そろそろ「利便性向上」という段階は終わっている
と考える。上手くオンライン申請を活用すれば皆が負担している時間や労力を含めコストが減
らせるとか、そういう方向でアピールしていかないと、これ以上利用率が増えることはないの
ではないか。
・ 各省庁の改善取組計画について、行政書士関連分野は少ない一方で、社会保険・労務保険分野
の内容が豊富で羨ましい。
・ 行政書士が多く取り扱う建設業の許可について、決算変更の届出後、入札に入りたい業者は経
営事項の審査を受けるが、この時、消費税抜きの決算を求められる。一方、毎年8月頃行われ
る建設業の統計調査は、オンライン申請が可能だが、結局紙の調査表を記入してからでないと
インプットしにくいようなものであるため、紙で申請した方が簡単である。また、この際には、
決算については消費税税込みの金額の入力を求められる。いずれも国交省の所管だが、同じ省
でありながら、ダブルスタンダードが生じている。これが解消すれば、決算変更届だけ出せば
統計調査が不要になるのではないかと思う。さらに、その後入札に入るが、国土交通省の入札
資格審査であるインターネット一元受付は、各府省一括で申請できるようになっており、非常
によくできているが、会社の所在地が変わった等の変更届を出す場合には、紙で持参しなけれ
ばならない。これは中途半端だと思う。
・ 「オンライン申請の仕組みを作る」=「コンピュータを入れる」だと思っている地方公共団体
が未だに多い。仕事の仕組みを作り、又は変えた後、その仕事の一手段として IT があるという
ことを理解していない。国が(あえてこの言葉を使えば)「指導」すべきである。教育の仕組みが
必要なのではないか。
・ 電子政府推進員という名称を、地方に向けても推進活動ができるように、電子「行政」推進員
に変更できないか。
・ マイナンバーという個人情報の取扱いについて、従業員にどのように取り扱ってよいかを通知
する必要があると思う。マイナンバーについて、法律で縛られない人たちも利用することに対
して危惧を感じている。
・ オンライン申請システムについて、ガラパゴス化していないかという懸念を持っている。イン
ターネットのデファクトスタンダードで作られているようなシステムなのか、外国に売れるよ
うなシステムなのか、が気になっている。
・ 地元の県は、審査項目が多く、そのため添付、提示書類も多く、とてもオンライン化できる状
況にない。こういった点を改善するために、国でガイドラインを出すなどして、地方を指導し
てほしい。
関東地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)
○日
時:平成 27 年2月 18 日(水)14:00~16:00
○場
所:総務省行政管理局会議室(千代田区)
○出席者:電子政府推進員(敬称略)
小尾
敏夫 (オピニオンリーダー(大学教授)、地区会長)
江端
俊昭(行政書士)
奥澤
誠(税理士)
佐藤
純通(司法書士)
関田
昌樹(社会保険労務士)
福山
秀雄(オピニオンリーダー(IT コーディネータ))
事務局職員
○議事概要(主な意見、要望等)
【登記関係】
・
例えば、不動産登記の申請は約 95%が司法書士・土地家屋調査士などの専門職が代理人として
申請しているもの。一方、不動産登記の登記事項証明書の交付請求については、専門職の関与
は 30%程度で、残りは不動産会社や金融機関、あるいは一般の方の利用。不動産登記もオンラ
イン化されてちょうど 10 年目に入るので、専門職へのオンライン申請の原則義務付けを行って
もよい段階なのではないか。当然、法務省と関係の士業団体とが十分協議をした上で、一部の
特殊な登記にはオンラインに適さないものが若干あるにせよ、専門職代理人の不動産登記、商
業登記の申請については、専門職には義務化するくらいのことを積極的に展開して、各士業団
体と所管省庁とでよりオンライン申請を推進していく必要がある。一般の方には義務化はなか
なか難しい話ではあるが、専門職には義務化して、その代わり専門職の場合には添付書面の省
略を認めるなど、専門職を信頼した申請システムを構築することによって、更なる利用率の向
上を図ることができる。導入から 10 年たち、抜本的に見直す時期に来ているのではないか。
・
法務省が、専門家による代理申請と、当事者本人による申請の内訳を調べて、それぞれのオン
ライン利用率がどうなっているかということを調べているはずであり、その数字も出したうえ
で検討してはどうか。
【税関係】
・
税分野のオンライン申請に関しては、eLTAX の Java が最大の問題。特に税はこれからマイナン
バーの管理が一番必要になってくる分野だと思うが、セキュリティ対策のため、常にバージョ
ンアップをするよう税理士会の会員に呼びかけている。一方、eLTAX では Java の古いバージョ
ンにしか対応していないとなると、取組に逆行している。Java を使わないシステム構築という
点が、一番の要望。
・
マイナンバーが導入され、番号を記載する必要のある書類について、一部は3年間の猶予規定
が設けられている。企業の中でも、多くの不動産を借りている企業や、多くの株主がいる企業
もあるので、その中での本人確認の方法をどうするかという問題があり、不動産の支払調書等
についても猶予規定を検討してほしい。
【社会保険・労働保険関係】
・
厚生労働省関係のオンライン利用率が著しく低い。オンライン申請件数の数字を見ても、規模
の大きな事業所がオンライン申請を利用していないということではないか。社労士会において、
どれだけの会員がオンライン申請を行っているかというデータはないのだが、オンライン申請
の大半は社労士が行っているものだと労働局から聞いたことがある。e-Gov の説明会を企業向け
に行っているという話もあったが、そのような一般の企業向けの対策を更に強化する必要があ
るのではないか。磁気媒体での提出はそれなりの件数があるということであったので、残るは
電子署名の問題をクリアできれば大幅に伸びる可能性がある。
【その他】
・
システム的に、Java の新しいバージョンと、64bit への対応が遅れている。オンライン申請を
やるために新しいパソコンを買ってくると、申請システムが対応していない、ということが起
こってしまう。今は世の中でクラウドの活用も進んでいて、デバイスに依存しない仕組みも技
術的には出来つつあると思うので、今後はできるだけハードウェア、ソフトウェアに依存しな
い仕組みを考えてもらいたい。
・
オンラインの利用状況については、士業がその業務にどれだけ関与しているか、士業の中での
普及率、法人における電子署名の普及率などを見る必要がある。例えば士業は件数が多いため
電子証明書のコストも採算が取れるが、法人は年間に申請を行う件数があまり多くないと、電
子証明書のコストが割に合わないと思うことがあるのではないか。特に自治体では、委任状に
本人の電子署名が必要なことが多く、オンライン申請が進まない原因となっている。今回、雇
用保険について法人でも公的個人認証が使えるなどの話があったが、認証の部分が容易になれ
ば、もっとオンライン申請が普及していくはず。
・
オンライン化以前に、電子媒体で提出できる手続も増やしてほしい。申請様式はデータでダウ
ンロードできるため、電子データとして書類を作成するのだが、提出は紙でしか認めないとい
うものがある。例えば、地方公共団体あてに提出する NPO 法人設立の認可申請。仮に許認可な
どでオンラインにそぐわないというものがあったとしても、データの保全性という面でも、電
子媒体での提出を認めるなどデジタル化を進めてほしい。
・ 2020 年に 70%といった長期の目標だけではなく、年度ごとに目標・実績値を出してほしい。担
当者は2年程度で変わってしまうのに、例えば5年後の話をしても仕方がない。
・ OECD や APEC の加盟国の電子政府の状況を見ても、中央はとてもよくできているが、地方はバラ
バラ。世界の電子政府のランキングを早稲田大学で発表しているが、ローカルガバメントの指
標を入れることを検討している。
・
マイナンバーの広報が絶対的に足りない。自治体向けだけではなく、企業向け、一般市民向け
にもっとしっかりPRする必要。
・
書類を行政機関に提出する際にはマイナンバーが必要だが、控えとして出力する書類にマイナ
ンバーが記載されてしまうと面倒。できれば、オンライン申請のときにはつけて、控えを出力
する際にはつけないという風に、ベンダーにソフトを作ってほしい。加えて、年数が来たらマ
イナンバーを廃棄する仕組みもソフトに追加してほしい。
・
専門職共通の思いとして、特定認証局の電子証明書がそもそも必要なのか、検証してもらいた
い。年間1億円以上の経費をかけて特定認証局を維持しているが、専門職の場合には省庁に対
して資格登録がきちんと行われているのだから、これほど高いレベルの認証局を維持する必要
があるのか。登記事項証明書の交付請求は電子署名が不要なためオンライン利用率が伸びてい
るが、登記の申請については電子署名がハードルを上げている。専門職の資格登録は省庁でき
ちんと管理されており、専門職についてはより簡易な認証方法で十分ではないか。これが出来
れば間違いなく大幅にオンライン申請が進むと思う。
・
企業が使っているシステムに入っているデータについて、オンライン申請の入力フォームに再
入力するよりも、CD/DVD 等に保存して提出する方が便利な場合もあり、受け取る側もそのまま
データベースに加えることができるので、無理にオンラインにする必要はないのではないか。
・ 地方公共団体の手続についてオンライン化が進んでいないとのことだが、以前、外国人登録で、
国からの要請で地方公共団体が電子化を進めたことがあった。国で共通のシステムを配布する
方法もあるのではないか。
中部地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)
○日
時:平成 27 年3月4日(水)14:00~16:00
○場
所:中部管区行政評価局会議室(名古屋市)
○出席者:電子政府推進員(敬称略)
岩田
彰 (オピニオンリーダー(大学教授)、地区会長)
大久保 道男(税理士)
藤谷
昌道(土地家屋調査士)
事務局職員
○議事概要(主な意見、要望等)
【登記関係】
・ 登記は登記事項証明書の交付請求の件数でオンライン申請が伸びているが、不動産登記の申請
のオンライン利用はまだまだ。資料に「士業者代理の場合の本人電子署名省略可」と書いてあ
るのは、紙ベースで本人から委任状をもらって郵送するなり持参するなりするものを「省略可」
と言っているのだと思うが、
「持参又は郵送」というところが省略できず、結局全てオンライン
で済ませることができないため、オンラインが進まない一つの原因になっている。
・ 民亊法務協会の登記情報のオンラインサービスは非常に便利。登記の情報がオンライン上で見
ることができ、地図なども取り寄せられる。利用者のニーズに合致したサービスであれば、自
然に利用が増えていく。
・ 民亊法務協会のサービスは、相当な数が利用されていると思う。謄本を取るよりも手数料が安
く、日付と時間は入るため、地方公共団体などへの申請の添付書類としても認めてもらえる。
手数料もクレジットカードによる引き落としで、ネットバンキングの口座なども不要なので、
非常に使いやすい。
・ 成年後見のオンライン件数が増えない理由としては、本人の電子証明書が必ず必要であること。
・ オンライン申請にあたって、メリットがほとんどない。唯一見出すとすれば、紙が減るくらい。
電子署名をつけて送るのだが、法務省の担当者がA4のモノクロプリンタしか持っておらず、
写真やA3の図面について、結局、担当者から紙で別途送ってくれと言われ、郵送又は持参す
るということをよくやっている。同業者に勧めるにしても、不動産登録免許税の減免措置も終
わってしまい、登記が終わったことがメールですぐわかるから便利だよ、と言うくらいしかな
い。結局、担当者に「これとこれは紙で出してくれ」と言われるので、ほぼメリットがない。
完全にオンライン上で処理ができる、依頼者(本人)の電子署名が省略できるということにな
れば、相当に利用率が伸びると思う。
【税関係】
・ e-Tax と eLTAX の稼働日・受付時間をそろえてほしい。例えば先日、12 月決算の法人税・住民
税の申告データを同じソフトで作ったが、この時期は e-Tax は土日も送信できるため、土曜に
両方の申告データを送信してしまい、法人税の部分は処理が済んだが、地方税の部分だけを月
曜日にやり直さなければならないということがあった。他の税理士からもよく同様の苦情を聞
いている。
・ eLTAX の電子納税環境を整備してもらいたい。国税は申告データ送信後に、インターネットバン
キングに飛んでペイジーから納付、
収納機関番号や納付番号を入力して銀行の ATM から支払う、
予め金融機関を登録しておくダイレクト納付など、色々な方法が用意されている。しかし地方
税は、各地方公共団体や税目によってばらばらであり、実際、市町村レベルでは電子納税でき
ないところがほとんど。例えば法人の申告であれば、法人税、消費税、県民税、市町村民税な
どがあるが、法人税と消費税は電子納税ができると言っても、他を支払うためにどうせ金融機
関に行くのであれば全部まとめて紙の納付書で納めるという納税者がほとんどであり、結果、
国税の電子納税の足を引っ張っている。
・ eLTAX について、JAVA の新しいバージョンへの対応が遅く、わざわざセキュリティ上問題のあ
る古いバージョンにダウングレードしなければならない。
・ eLTAX と e-Tax の統合を希望する。個人の所得税の場合、紙の申告書の時代から国税と地方税は
複写式となっており、国税を提出すれば自動的に市町村に振り分ける仕組みである。法人税の
電子申告についても同じような仕組みができないか。国税で一括して受け付けて、各地方公共
団体にデータを振り分けてくれれば、納税者の利便性は劇的に改善すると考える。
・ 国税のダイレクト納付について要望する。現状、申告データを送付した後に、別途、納付指定
の操作を行わなければならない。個人の確定申告の場合、一度振替納税の手続きをしておけば
納付の指定をしなくても申告だけで済んでしまう。ダイレクト納付でも同様の仕組みを全税目
に取り入れて、申告すれば期日に自動引き落としされるようにしていただきたい。
・ ダイレクト納付では、指定日の朝一番に銀行の口座から引き落とされるため、実際は前日に入
金しておかないと間に合わない。当日にお金を入れても引き落としができず、延滞税の対象と
なってしまうため、納税者に不利になっている。
【その他】
・ マイナンバーの啓蒙活動がまだまだ足りない。地デジのときのように、もっと大々的に広報活
動を行うべき。番号の取扱いについても、どのような場合には合法で、どのようにすると違法
なのか、国がきちんと示してほしい。
・ マイナンバーの導入で、経常的な行政コストが下がるのは明らかだが、利用者のメリットが感
じづらい状況。電子申請をしたら税金を安くする、というのが一番わかりやすい。また、色々
な分野が紐づいたら、ポイント制を導入するなどの方法もいいかもしれない。
近畿地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)
○日
時:平成 27 年 2 月 25 日(水)14:00~16:00
○場
所:近畿管区行政評価局会議室(大阪市)
○出席者:電子政府推進員(敬称略)
辻
正次 (オピニオンリーダー(大学教授)、地区会長)
市川
晃(税理士)
上田
篤史(社会保険労務士)
尾崎
達哉 (行政書士)
俣野
真知郎 (司法書士)
米田
宗義 (オピニオンリーダー(IT コーディネータ))
事務局職員
○議事概要(主な意見、要望等)
【登記関係】
・ 司法書士関連の業務でいうと、不動産売買による権利移転などの登記申請では電子申請の場合で
も、添付書類を窓口に持参しなければならず、旧式の確認方法が未だにされている。こうした添
付書類を持参しなくてすむようになればもっと電子申請が普及すると思う。
【税関係】
・ マイナンバーに対しては、税理士として、危機感を持っている。例えば、扶養控除等(異動)
申告書については全て手書きとなっており、電子化の法律は存在しない。これを法定保存期間
が過ぎたからといって一気に特定個人情報を全て破棄できるかというと、不可能に近いだろう。
内閣官房の示すガイドラインには、全て適切に破棄する旨の記述があるようだが、法律とガイ
ドラインとの矛盾が存在すると思う。そして、この矛盾に最初に直面するのが、社労士と税理
士だ。ただ、同じ業界の人でさえも、このことを知っている人は少ない。マイナンバーに関す
るコマーシャルや情報開示が少ないのも原因だろう。マイナンバーの導入を目前にして、事業
者等は実際に何をしたらいいのかについての周知は不十分である。税理士会としても、しなけ
ればいけないことは山積している。マイナンバーはあと半年で国民に通知される。一般の方は
もっと知らないと思うので、しっかりと PR をしてほしい。
【社会保険・労働保険関係】
・ 私は、社会保険労務士会の電子化委員会の委員長で、会員に電子申請の研修で講師を行っている。
頻度は年に2回ほど。研修の対象者は、主に初めて電子申請を行おうとする人だが、研修を契機
に電子申請を始める社労士はそのうちの一部で全員という訳ではない。
・ 社会保険・労働保険関係手続の電子申請は、一括申請ソフトを使っており、申請(上り線)は楽に
なったが、戻ってきた公文書等の取得(下り線)が煩さとなっている。また、エラーがあった場
合のお知らせ表示機能が不十分だと思うので、引き続き改善してほしい。
・ 電子申請システム上で、公文書等を「紙で返す」(社会保険の場合)にチェックを入れると、控
えの送付や返信もない。そのため、実際に事業者に届いたかどうか、システム上では確認できな
い。備考欄にその旨記載すればもらえるとは聞いたが、最初から事業者宛の分と代理者宛ての分
を分けてはどうか。また、「紙で返す」を選択した場合、郵送代を別納していただくとしている
が、実際の支払方法については、窓口の人に尋ねても分からない。
【その他】
・ 電子申請は、
「いつでも、どこでも」申請が出来ると言われているが、国税(e-Tax)
、法務省(登
記システム)では、実際は使える時間が限られている。電子申請のメリットである「いつでも、
どこでも」を早期に実現していただきたい。
・ 電子政府を推進すると言っても、限界がある。原因の一つには、システムの使いにくさにある。
一般の人からすると、説明を聞いても操作そのものが難しすぎる。例えば、java が云々とか、
脆弱性が云々といった技術的な用語をどの程度理解できるのだろうか。直感的に操作したら、電
子申請ができてしまったと言われるくらい、操作性を改善しなければ電子申請の普及は困難では
ないか。
・ 電子政府推進員の活動には、費用が必要。活動を支援するための実費を弁償する弁仕組みの検討
も必要ではないか。
・ 総務省電波利用電子申請・届出システムのヘルプデスクの電話がつながりにくいので、改善して
ほしい。
・ 仕事で企業や自治体等のマイナンバー対応支援を行っている。現在、自治体でもマイナンバー
対応は山場を迎えており、企業でも雇用保険等の新様式に対応しつつあるが、電子政府推進員
として活動するに当たって、マイナンバーについて、どのように関わっていったらいいのか知
りたい。
・ マイナンバーの通知時期が迫っているが、単にマイナンバー制度が運用されたら全て便利になる
という話ではない。
・ 電子申請を行っている人の数自体が少ないので、電子申請に係る運用上の問題点や課題も顕在化
しにくいと考えられる。まずは、電子申請が難しくて始め辛いといった点から改善しなくてはい
けない。
中国地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)
○日
時:平成 27 年3月 10 日(火)14:00~16:00
○場
所:中国四国管区行政評価局会議室(広島市)
○出席者:電子政府推進員(敬称略)
椿
康和(オピニオンリーダー(大学教授)、地区会長)
高橋
誠(税理士)
堀口
良三(土地家屋調査士)
松田
浩一(社会保険労務士)
三登
陽子(行政書士)
事務局職員
○議事概要(主な意見、要望等)
【登記関係】
・
登記システムは 20 時まで利用できるが、18 時~20 時ごろに送信をしても受付番号の通知は翌
日の8時 30 分以降となる。朝早くに測量に出かける必要がある場合も多いのだが、委任状等の
「書面により提出した添付情報の内訳表」(受付年月日と受付番号の記載が必要)の作成や登
録免許税の電子納付のためには、朝8時 30 分まで待たなければならず、結局は朝一番で申請す
るのと大して変わらないことになってしまい、夜遅くまで申請できるというメリットを感じら
れない。
・
登記の申請の場合、住民票コードの番号を記載すれば住民票の添付を省略できるという扱いに
なっているが、顧客で住民票コードをわかっている人はまずいない。
・
登記について、Java を使わないシステムに変えて以降、トラブルは減ったように思う。
・
登記について、添付書類1点1点にも電子署名をつけて、申請情報にも電子署名をつけて、最
後に送信する際にまた電子署名をつける必要があり、2重で必要になっているのでは、という
話をよく聞く。最後に一括でつけるという形にはできないのか。
【税関係】
・ eLTAX が全自治体で使えるようになり、国税と足並みが揃って来たので、その分 eLTAX の使い勝
手の悪さが目につくようになっている。国税が割とよくできているので、地方税もそれに近づ
くことで、相乗効果で伸びていくのではないか。
・
国税は国税庁でシステムを段取りして、利用促進も行っているので、使い勝手について意見を
聞いてもらう窓口があるが、eLTAX は統一した窓口がなく、地方組織もないため、どこに話をす
ればいいのかわからない。eLTAX は地方税電子化協議会が枠を作っているが、使うかどうかはそ
れぞれの自治体の判断、というスタンス。地方税電子化協議会がシステムを運用しているが、
地方に出先がなく、また、システムそのものについての意見しか受けられない。
・
eLTAX は電子納税が普及していない。国税はダイレクト納付、ペイジーが両方可能だが、eLTAX
はダイレクト納付はできず、システムとしてペイジーを利用できる機能はあるが、それを採用
している自治体が 12 自治体に限られている。電子納税を利用できることを自治体の方自体が知
らないのではないか。現在、中国ブロックでは、県を窓口に、各県に対して税理士会から電子
納税の普及について依頼しているが、地方税については、国税のように一つの窓口に出せば全
体に波及していくということがないので、なかなかもどかしいところがある。一度、地方税電
子化協議会の方と意見交換をした際、電子納税の普及はなかなか難しいという様子だったが、
せめて毎月納付が必要な住民税の特別徴収で電子納税を行えるようになると、非常に利便性が
高まるということを申し上げたところ、そのようにポイントを絞ったところであれば、対応で
きるかもしれないという話だった。このように、意見交換をすると気づくところもあるが、意
見交換の場自体がなかなかない状況。
・
利用時間は確かに拡大はしているのだが、e-Tax、eLTAX でバラつきがあって使いにくので、足
並みを揃えてもらいたい。e-Tax は利用できるが eLTAX はできないという場合だけでなく逆の場
合もある。できれば利用時間をそろえてもらえると、効率的に作業ができるので、普及促進に
もつながるのではないか。eLTAX は1月、2月、5月、8月、11 月の月末に一番近い土日、24
時まで稼働するが、e-Tax は 1/16~3/15 の土日に稼働する。
・
e-Tax、eLTAX の一本化は難しいにしても、運用時間の摺合せを行うなど、自分たちの繁忙期の
ことだけ考えるのではなく、利用者は同じなのだからもっと利用者視点という意識を持ってほ
しい。
・
eLTAX の Java は、先日聞いたところ、最新ではないバージョンのテストをようやくやっている
と言っていた。このような後追いの状態では、いつまでたっても最新版に対応できない。
・
自分の事務所が社会保険関係の手続で e-Gov を使っていないのは、Java の問題と、電子証明書
の問題。今回、公的個人認証でもできるようになったということであればハードルを1つクリ
アできるのだが、伝わってきていなかった。せっかくそのような取組をしているのであれば、
もっと広報すべき。
・
eLTAX について、手続によっては文字が非常に小さい。文字を拡大できるようにしてほしい。
・ 納税証明書について国税の担当者から e-Tax の宣伝をしきりに受けるが、e-Tax で申請しても受
け取るため税務署の窓口に行かなければならず、どうせ窓口に行くなら窓口で即公布を受けた
ほうが、手間がかからない。400 円のところが、オンライン申請だと 30 円安くなるというが、
例えばコンビニで 24 時間受け取れる、というのであればむしろ 30 円高くなっても、時間の節
約になるのでそちらを使うと思う。オンラインのメリットというところを、使う側の目線で提
供してもらいたい。
【社会保険・労働保険関係】
・
年金の手続で、住民票コードの番号を書けば「住民票の写し」の添付を省略できると言われた
が、住民票コードは住基カードに書いてあるわけでもなく、わざわざ「住民票コードの番号の
ついた住民票の写し」を取得しなければならないというちぐはぐな状況。今後のマイナンバー
の導入にあたっては、番号の管理が整理されると助かる。
・ 2月頃、e-Gov 操作中に「読み込めません」というエラーメッセージがよく出ていた。ただ、エ
ラーが出ていてももう 1 回クリックすると送信でき、原因が分からない。確かに「こういう事
象があるのでこうしてください」というお知らせが出ており、その通りにするのだが、毎回同
じものが出る。9月頃にも同様の事象があった。対応をお願いしたい。
・ 特に社労士が既にパーソナライズを開設している場合などは、利用準備から入らないので、Java
のバージョンチェックができず、後からエラーになる場合がある。パーソナライズ等の他の画
面からも適宜 Java のチェックが可能となるよう、例えばそのような機能を持ったアイコンを付
けてもらえないか。
・ 社労士会の会員も高齢化しており、
「文字が小さい」という声をよく聞く。操作画面の文字を拡
大できるようにして欲しい。
・ 雇用保険の資格取得・喪失などの処理結果の返しは早くなったが、社会保険はまだ押しなべて 1
週間くらいかかる。
・
広島労働局の職業安定部と意見交換を行っているが、高齢者雇用継続給付は、広島の中心部は
1箇所でまとめて処理しているらしく、処理に時間がかかっている。地方の、件数が少ないと
ころは職業安定所自身で処理しており、そちらのほうがむしろ処理が速い。
・
雇用保険被保険者資格喪失届(離職票あり)では、被保険者期間算定対象期間につき退職日か
ら 1 か月ごとに区切って「○月○日~○月○日までの○日間」と記載する部分が重複してあり、
作業が面倒なので、退職日を入れてボタンを押すと自動で日付が入るなど、システムで対応で
きないか。賃金の締切日に応じて入力する部分も同様。
・
どこに集中的にアプローチしていく必要があるかを知るため、社会保険・労働保険の申請件数
について、社労士の関与率は分からないか。紙で言えば「印が押してあるかどうか」なので、
厚労省がやる気になれば把握できるものと思う。
・
必ず躓くのが、電子証明書。一定規模以上の企業になると、代表取締役の印と同じ効果のもの
を従業員が使用するという段階で怖がって管理しようとしないことがある。例えば「社会保険
だけの電子証明書」といったものがあれば、もっと伸びるのではないか。
・
社会保険の手続については、添付資料を1点追加するごとに電子署名を付ける必要があるので
煩雑。少なくとも添付書類を一括して電子署名をつける形にできないか。
【その他】
・
電子証明書の期限が3年間で、更新のたびに役所に行って手続をしなければならないというの
が不便。
・
使う側のワークフローを十分理解していないと、実務とずれが生じる。例えばどういうレベル
の電子証明書が必要なのか、PRは実例を踏まえたものになっているのか等、どこが肝心なの
かを理解していないと、間違った努力をして空回りしている可能性がある。どこがポイントで、
どこがネックになっているのかをきちんと分析して、焦点の置き方を変えると、もっとオンラ
イン利用が伸びる可能性がある。各団体と省庁の担当者が意見のすりあわせを行いながらやっ
ていくことが大切。
・
自治体の申請が9時~5時でしかできない。本当は、昼間はクライアントを回り、夕方以降に
打ち込みをしたい。
・
電子入札システムは広島県が運営し、広島市以外の自治体がグループを組んで1つのシステム
を利用している。実務では、事業者のところに行ってカードリーダーを拝借して操作を行うこ
とになるが、PC の環境設定だけでも大変時間がかかる。入札に参加するために経営事項の審査
を紙ベースで事前に受けているので、システム自体は簡単な入力だけで済むのだが、Java のバ
ージョン更新が煩わしい。
・
個人のオンライン申請を増やすためには、スキルの高い人の目線で見るよりは、本来、過疎の
地域にいる高齢者のために、ということを考えると、まだオンラインで申請・届出をするとい
うことは操作が複雑だと思う。高齢者でも ATM は使えるし、パソコンやスマートフォンでゲー
ムを楽しんでいる人は多い。その程度の難易度でシステムが作れないものか。
・
マイナンバーの中身が全く一般に浸透していない。
・
公益法人の総合情報サイトで、公益法人を一般財団に移行する際、公益目的財産の放出計画を
策定して報告するのだが、昨年6月に届出をして、その補正指示が年末に出てきた。初回なの
で集中したのだと思うが、これから毎年、6月頃に届出をし、年末までずっと不安でいなけれ
ばならない。しかも、78 年かけて放出する計画となっている。法人の担当者に引き継ぎをしよ
うとしても、嫌だと言われる。どうしても「自分にはできない」というイメージを利用者が持
っているようなので、もう少し「誰でもできますよ」というような、とっつきやすいものにで
きないものか。
四国地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)
○日
時:平成 27 年 2 月 26 日(木)14:00~16:00
○場
所:四国行政評価支局会議室(高松市)
○出席者:電子政府推進員(敬称略)
本田 道夫 (オピニオンリーダー(大学教授)、地区会長)
高橋 卓弥(社会保険労務士)
福永 正 (オピニオンリーダー(IT コーディネータ))
横田 佳樹 (行政書士)
事務局職員
○議事概要(主な意見、要望等)
【税関係】
・ 自身が税の申告を行う立場としては、便利になったと感じている。
ただ、保存先が表示されないなど、あまりPCを使い慣れていない人には分かりづらくなって
いる部分もあると思う。
・ 国税庁(税務署)が、士業を対象に納税証明の取得手続に関する講習会を開いている。今後も
これによってオンライン利用率は上がっていくのではないかと思う。
【社会保険・労働保険関係】
・ オンライン申請の開始時期は、国税も社会保険・労務関係も同じくらいだったと思うが、これ
ほど差がついた原因の1つには、開始当時、社会保険・労務関係の手続には添付書類が多かっ
た点があると考えている。
【自動車登録】
・ (資料「71 重点手続のオンライン利用状況」を見て)自動車登録OSSは、現在 11 都府県で利
用されており、平成 29 年までに全国展開になると聞いている。ただ、現時点で既に利用されて
いる事例を見ると、申請の際に添付する書類を自動車の一般ユーザーが入手するのは困難にな
っており、事実上この手続を個人で行うことはできない状況になっている。自動車登録につい
て、広く国民の利便性を向上させるというオンライン申請の趣旨を実現するためにも、一般ユ
ーザーも登録できるような形にできないものかと考えている。
【その他】
・ 都道府県別に、オンライン申請の利用率(%)は出しているのか。利用率が高いところがあれ
ば、その取組をベストプラクティスとして活用できると思う。
・ 電子申請の普及については、官民挙げて取り組むべき時期が既に来ているのではないだろうか。
・ 電子申請を行うとマイナンバーへの対応が楽になる、というキャンペーンをやれば良いと思う。
・ 電子政府推進員協議会(地域懇談会)の参加人数を増やしてほしい。人数がもう少し多ければ、
もっといろいろなご意見が得られるのではないかと思う。
・ オンライン申請は、実際に使い始めればオンライン申請しない理由がないと言えるほど便利な
のだが、システムの操作が難しいため、始めにくいという難点がある。そのため、比較的若手
は始めやすいが、年配の方は始めづらいようだ。なお、以前オンライン申請の講習会を開いた
が、その後実際にオンライン申請を始めたという話はあまり聞かない。
・ 申請者側だけでなく、窓口業務を担当する側(行政サイド)のオンライン申請に対する理解を
深める必要もあるのではないか。
・ マイナンバーの廃棄のことも含めて、ベンダーもマイナンバーの取扱いに関する説明会等を開
催し始めている。この流れが進んでいくと、マイナンバーへの対応についても各士業それぞれ
が対応を考えざるを得ない状況になると思っている。
・ 本質的な問題になってしまうが、オンライン申請の利用率向上の阻害要因の1つとして、PC
利用自体に不安を持っている国民が多いことにあるように思う。オンライン申請を始める際に、
PCの環境設定を整えないといけないようになっているのも、PCに不慣れな利用者を不安に
させるのだと思う。国として長い目で見ると、国民へのIT教育も重要ではないか。
・ オンライン申請のマニュアル自体が、専門的で、プロ向けであり、本当に知りたいことが分か
らないことが多い。
・ e-Gov の改善に関して、開発者側からではなく、利用者側からの検証を提案する。システムの
改善が完了してから一般に広く公開(利用者に開放)するのではなく、公開前に特定の利用者
(できれば改善要望を出した人達)に試用してもらい、改善後の反応を見て是正をする方式を
とってはどうか。
・ 推進員の活動の紹介に際しては、分野別、推進員の属性単位、各種手続単位、などでまとめて
はどうか。そのほうが推進員も参考にしやすくなると思う。
・ オンライン申請のマニュアルを分かりやすく作ることが大事なのだと思うが、そのためには、
あえて「素人」によるマニュアルのチェックも必要ではないか。
九州地区電子政府推進員協議会(地域懇談会)
○日
時:平成 27 年3月 11 日(水)14:00~16:00
○場
所:九州管区行政評価局会議室(福岡市)
○出席者:電子政府推進員(敬称略)
横山
正人(オピニオンリーダー(大学教授)、地区会長)
熊本
準一(社会保険労務士)
坂下
正洋(オピニオンリーダー(ITコーディネータ))
柴田
盛義(司法書士)
関
野上
輝明(行政書士)
直裕(税理士)
事務局職員
○議事概要(主な意見、要望等)
【登記関係】
・
ある程度の件数がないと、PC を買って、インターネットをつないで、電子証明書を準備して、
と経費を使ってまでオンライン申請をする動機が無い。商業登記の申請はそもそも不動産登記に
比べ件数が少なく、不動産登記申請も、この先、不動産登記の取引が大幅に増えて登記の件数が
増えるなどの状況が起こらないと、オンライン利用率を増やすのは難しいのではないか。
・
登記事項証明書はオンラインの方が少し安いのでメリットがある。あとは、閲覧だけであれば
民事法務協会のインターネット登記情報閲覧サービスが便利。
・
成年後見はあまり頻繁に登記事項証明書を取ることもない。1年に1回か2回しかやらないの
に、わざわざオンラインのやり方を調べるより、登記所に行ってしまった方が早い。
・ 利用時間について、民事法務協会の登記情報サービス、法務省のソフト、いずれも8時 30 分か
ら運用開始としているが、登記申請は朝一番に出してくれという依頼もかなりある。申請をする
側としては、登記所に出す前に民亊法務協会で閲覧しておきたい。利便性を高めるため、民亊法
務協会の閲覧可能な時間を早められないか。
・ 登記申請の審査の進捗状況につき、今は「審査中」
「手続終了」くらいしか出ない。
「調査中」
「記
入中」「校合中」など、もっときめこまやかな情報提供をして貰えないか。
・
細かい話だが、抵当権の同順位設定で、例えばA銀行が1番の土地、2番の土地、B銀行が1
番の土地、2番の土地、3番の土地を共同担保で取ったというときは、物件が相違するので、紙
では同順位設定ができるがオンラインではできない。
・
工場抵当についての抵当権設定はオンライン申請できるのだが、いざ完了して登記簿謄本を取
ろうと思うと、普通の謄本はオンラインでもできるが、機械器具目録付の謄本についてはオンラ
インでは取れない。窓口か郵送で取らなければならない。
・
オンライン申請で内容に間違いがあった場合の対処方法としては、法務局が気づいて補正通知
が来るのを待つか、気づかず登記まで出来上がってしまい、あとで校正登記を出すか、すぐに窓
口に行って「間違っていたので止めてくれ」と言うかくらいしかない。オンラインで間違ってい
た時は、申請者側でストップして訂正するなど、電話ではなくオンライン上で対応ができるよう
にならないか。
・
利用できる外字の種類が少ない。文字にこだわる人が多いため、もっと利用できる漢字を増や
してもらいたい。
・
成年後見の登記事項証明書は、ほとんど本人が法務局の戸籍課に行って取得している。オンラ
インだと東京法務局で受け付けて、郵送になる。その辺もネックになっているのではないか。
・
商業登記の登記事項証明書の交付申請は、士業者でなく会社が直接行う場合が多いため、オン
ライン利用があまり伸びていないのではないか。ある一定レベル以上の法人、例えば電子入札を
頻繁に行っているような法人になると、ちょっとした法人登記関係の手続や、特許の商標の申請
なども社員がやってしまう。
【税関係】
・
税理士が関与している場合で考えると、所得税は、国税一本で済むので進めやすい。逆に法人
関係も、国税一本、若しくは同じような仕組みで送ることができるようになれば、更にオンライ
ン利用が伸びると考える。もう一つは、法人の場合は決算書などがネックとなる。税理士事務所
などで作っていれば、対応したソフトで作っているのでオンラインの提出もすぐできるが、企業
が自社システムで決算書などを独自様式で作っていると、それを作り直す手間を考えると、紙で
提出することになる。
・
所得税のオンライン利用が伸びていないのは、窓口に直接来られる方が多いため。少し前まで
は、税務署に来た方にもなるべく電子申請を行って貰っていることから、同じ人が毎年新規に開
始届を出して利用者番号を取得するということになってしまったため、最近では、利用者識別番
号が分かっている方はその場で電子申請を行い、分からないという方は紙で対応するという事態
も起こっている。そのあたりをうまく整理できるともう少し伸びるかもしれない。
・
Java については再三、苦情が出ている。eLTAX は全市町村で使えるようになり、この1年間ほ
どで利用が伸びているが、逆に問題点も色々出てきている。特定のソフトを使っていると eLTAX
が使えない、開始届が出せない、というケースがいくつかあったようだが、それも Java のバージ
ョンが問題だったらしい。Java の更新を止めておかないと使用できなくなる。数年前は e-Tax も
Internet Explorer で最新バージョンが出ると対応ができておらず利用できなくなる、という同様
の問題があった。最近はある程度追いついているのだが、eLTAX もそのように追いついてくるまで
待つべきなのか。大半の意見としては、Java ではなくて何か違う、統一的なソフトでできないの
か、というもの。eLTAX については Java がネックになっている。
・
今月の終わりに、霞が関の方で国税庁、総務省、地方税電子化協議会、各ベンダーの主要なと
ころにそれぞれ来ていただいて、それに税理士会連合会が加わった協議会を開催することになっ
ている。しかし、それぞれが「自分の予算ではここまで」というところがある。もっとまとまっ
た形で進められると、こういう手続はもっと進むのではないか。出す側は、出すところが何箇所
かに分かれてしまっている。このような意見交換のような形など、少しずつ進んでいるという状
況は見えては来ている。
・
国税の、携帯電話での認証の話があったが、ちょっと違う方向ではないか。入り口としてあっ
たのは、スマートフォンでも申告ができるようにという話が大前提であり、そうなってくると
Windows ではなく android 等でも動くようなものを考えていく必要がある。これから PC を持つ人
がどんどん減ってくると思う。タブレット端末やスマートフォンでインターネットの利用も十分
可能であり、そこから送りたいというニーズがどんどん出てきている。PC は書類作成などのビジ
ネス用に特化するのではないか。
・ 税理士は元々、平均年齢が高い。それが余計に、Java のバージョンなどがネックとなっている。
慣れて使っていらっしゃる方も、Java のアップデートを止めるというのは難しい。今は逆にイン
ターネットに接続するのが当たり前で、日々アップデートが出てきて、全部「OK」としていた
ら Java も最新版になり、eLTAX が利用できないということになる。一度アンインストールして、
使えるバージョンのものを入れ直すということを皆に求めるのは困難。使っている人間が新しい
技術に追い付いていかなければならない部分は当然あるが、Java のバージョンを e-Gov 利用のた
め最新版に合わせると eLTAX は使えない、というようなことになると、逆に不便。便利になると
思うからオンライン申請をやってみようかなと思うのであって、不便になるのであれば誰もやら
ない。
・
税理士会では、地域支部ごとに状況が異なっている。長崎県は規模が大きい割には電子申告が
進んでいる。あちこち行くよりも、電子でまとめて出した方が早いため。一方、福岡は便利すぎ
て、歩いてすぐ行けるから、ということで比較的進んでいない。便利になるという実感がないと
あまり進まないのではないか。
・ 使用できる文字を増やして欲しい。最近は外国の方も増え、日本の字としてはない文字もある。
紙であれば書けばいいのだが、オンラインではどうしたらいいのか。自分のところはソフトを買
ったとしても、申請先で見られないと意味がない。
【社会保険・労働保険関係】
・
社会保険・労働保険の分野についてオンライン利用率が低い理由としては、大企業がオンライ
ン申請を利用していないため。データの容量そのものが大きすぎて送れないということもあるが、
社会保険については従来、磁気テープで提出していたため、現在でも磁気媒体で提出している企
業が多い。今後、マイナンバー対応に合わせ、従業員の人事管理を行うソフトウェアでオンライ
ン申請も行えるようになれば、爆発的にオンライン利用率が伸びる可能性がある。
・ 既に 10 年以上オンライン申請の普及活動を行っているが、社労士でもオンライン申請を行って
いない人はいる。簡単で確実にいつでもオンライン申請ができるという環境が整えば、更にオン
ライン申請を行う人が増えてくると思う。
・
数年前から社労士会と労働局との定期協議を行っている。電子申請の受け手であるハローワー
クの職員が電子申請の画面を見たことがないと聞いて驚いたことがあった。労働局は画面で処理
をしていると思っていたが、全部一度紙に出して処理をしていて、結局のところ内部の処理は電
子化されていないのではないか。
・
雇用保険、社会保険ともに、処理はかなり早くなった。日本年金機構は県下の年金事務所のオ
ンライン申請を全て1つの事務センターに集中してスペシャリストが処理をすることにして、早
くなった。ただ、早くはなったが、社会保険の方は 10 日ほどかかる。結果を紙で受け取る人もい
るということと、保険証の交付が終わらないと手続が終わったことにならないため。年金につい
ては日本年金機構で処理をして、全国健康保険協会に回送して、健康保険は全国健康保険協会で
処理をして、全国健康保険協会から保険証を郵送してもらうという一連の流れに時間がかかって
いる。今後、マイナンバーカードに健康保険証が埋め込まれてしまえば一番早いのだが、構造的
な問題が改善されない限り、迅速化には時間がかかると思っている。
【その他】
・
今後はタブレットやスマホなど、デバイスが全く変わってしまうので、PC を操作させて申請す
るという考え方を根本的に変えなければならないと思う。その場合、現在のように新しい端末が
出てくるとそれに合わせて申請システムを改修するということをしていては、いつまでたっても
後追いで、脆弱性がなくならない。
・
マイナンバーカードが出てきた場合、要するにカード方式であり、そのなかに電子証明書が入
っている。一般の国民がわざわざカードリーダーを購入して、PC に接続し、手続を行うかという
ことになると、住基カードと一緒でそのようにはならないのではないか。
・ 普及・周知という側面で考えると、これまで各省庁と結びつきの深い士業団体に対してだけ色々
なヒアリングなどの機会があったが、その周辺の、例えば他の士業団体に対する普及でも見落と
されているところがあるかもしれない。一例をあげると、今年度、県の行政書士会の研修の際に、
地元の国税局から納税証明書のオンライン請求をぜひやってくださいという説明があった。確か
に、納税証明書の交付請求、国税分野の中では非常にオンライン利用率が低い。行政書士は、地
方自治体へのオンライン申請、特に建設業の入札参加資格の申請の際に納税証明書が必要となる
のでよく利用するが、これまであまりオンライン申請ができることを知られていなかったと思う
ので、そのような広報の取組は今後必要になってくると思う。
・
総務省で企業に対する説明会を行っているように、各省庁が企業向けの普及アプローチを行っ
ていけば、徐々に企業の利用率は上がってくるとは思う。問題は個人のオンライン申請のところ
で、どうしても難しい。そのような部分の手続に士業者としてどう支援ができるのかが重要かと
思っている。
・
入国管理局より、一昨年から入国管理局電子届出システムで、在日外国人の方が行う手続がオ
ンラインでできるようになった旨の案内があった。この手続は、行政書士や弁護士が申請取次の
業務で関わっている。今回始まったシステムというのはあくまで在日外国人の方が直接届出ると
ころのごく一部分で、士業者が関わっていれば外国人本人は出頭が不要となるのだが、現在は代
わりに士業者が入国管理局に行かなければならない。入国管理局は各県にあるわけではなくブロ
ック単位で、九州では福岡だけなので、行かなくて済むことになれば更に便利になる。マイナン
バーカードは、日本に住む外国人の方も持つようになるため、外国人本人が手続をするのは難し
い部分を士業者が手伝うことで、入管行政についても、より広い手続について更にオンライン利
用を進めることができるのではないか。
・
各省庁が意識して、個人に頼っていてはなかなかオンライン利用が伸びないのではないかとい
うところは、士業団体を使っていただく。法人に働きかければ上がっていく手続については、各
省が士業だけでなく、法人への働き掛けをする、という方向で進めていく必要があるのではない
か。
・
ソフトによってオンライン申請が利用できたりできなかったりということになると、利用者が
困る。ベンダーは各省庁に個別に営業をしているので、行政の方から、どれでも使えるよう、ソ
フトベンダーに対する働きかけはできないのか。
・
各士業の組織の中でも高齢化が進み、なかなか士業の中でのオンライン利用率も上がっていか
ないという話もあり、全体的に、各士業の中でのオンライン利用率も見ていく必要がある。
電子メール等でいただいた電子政府推進員の意見・要望(概要)
■各種手続について
【登記関係】
・ 登記申請については、申請形態に申請による単独申請と登記権利者・登記義務者による共同申請
があるが、前者は電子申請し易いものの、後者は電子申請をし難い。登記原因証明情報等を PDF
化して電子申請に添付しているが、司法書士の登記申請代理による電子申請については、その職
責に鑑み、税理士の税務申告代理による電子申請と同じく、添付書類なしで登記処理をできれば、
オンライン申請が普及するものと考える。
(司法書士)
・ 不動産登記申請に関して、資格者代理人が PDF に電子署名した場合の原本提示の取扱いが相変わ
らず徹底していない。(現実は原本を提出し、登記完了後に受領するという原本還付の手続と変
わりない。)本来なら原本提示のため一度だけ法務局に行けば良いところを、二度行かなければ
ならない。これでは何のためのオンライン申請か分からない。人員的に対応ができないのであれ
ば、不動産登記法第93条の調査報告書を添付する場合には原本提示も省略できるような取扱い
をしていただきたい。
(土地家屋調査士)
・ 不動産登記令第13条2項による原本提示を不要としていただきたい。
(土地家屋調査士)
・ 登記完了証のように、登記事項証明書等の証明書類を電子文書でも発行していただきたい。(土
地家屋調査士)
・ 不動産登記オンライン申請について、登記識別情報の様式改善(シールがなくなったこと)は評
価するが、A4サイズではなくなったことにより、別途表紙を作成し綴じこむには、いささか不
便である。また、我々が再度中身を見られないようにするための方策が考慮されておらず、更な
る改善を要望する。
(司法書士)
・ 継続的な要望だが、登記原因証明情報は申請時添付省略としていただきたい。(司法書士)
・ 不動産登記について、現在はイメージデータで提供されていますが、地図情報をベクタデータ・
数値データで提供してほしい。CADシステムに取り込むことが出来れば間違いのない申請・登
記手続きのスムーズな運用につながり国民と行政の利便性向上につながる。GISなどコンピュ
ーターシステムの発展と利用状況に伴い地図情報の提供・開示を望む。
(土地家屋調査士)
・ オンラインによる登記事項証明書の交付請求は、インターネットバンキングを利用していないた
め利用しにくい。クレジット決済があるとよい。
(土地家屋調査士)
・ 登記事項証明書の交付請求は、申請した当日に、オンラインで各事務所での証明受け取りができ
ると良い。郵送に時間がかかるので、結局は直接法務局に取りに行くことになる。(土地家屋調
査士)
・ オンラインによる登記申請は、登記の完了が通知されることが一番のメリット。調査報告書も申
請時に添付したいが、画像情報が登記所ではカラー印刷できないとのことで、結局紙で提出して
いる。(土地家屋調査士)
・ 電子署名した添付情報の原本提示を省略してほしい。(土地家屋調査士)
・ 添付ファイルの容量が 10MB まで大きくなったが、画像情報が多い場合それでも不足がちなので
もう少し増量できないか。また、法務局側の印刷において、A3 印刷、カラー印刷を可能にする
ことができるか、検討いただきたい。
(土地家屋調査士)
・ 商業・法人登記の登記事項証明書について、旧登記簿の請求ができるようになると良い。コンピ
ューター化される前のものは郵送請求のため、これがオンラインで請求できると良い。(土地家
屋調査士)
・ 登記情報提供サービスは、休日を含め、24時間の稼働をしてほしい。土曜日の業務が利用率の
低さを理由に休止となったが、その原因は中途半端(月1日)な対応のためだと思う、毎週土曜
日に業務を行えば利用率も上がるはず。(土地家屋調査士)
【税関係】
・ e-Tax 創設当初から感じていたが、eLTAX との一本化を早期に実現されたい。既に時を逸した感
は否めないが、「共通番号制度」が始動する今こそラストチャンスではないか。重複作業・非効
率作業を排除して貴重なマンパワーの最適配置を図られることを望む。データ・資金共に国に一
括送信・一括納付して、その後各地方自治体に根拠データを付けて資金をバックすればよいので
はないか。誤りも軽減され、透明化も進み、何よりも維持コスト削減が莫大になると考える。
(税
理士)
・ メリットとしては、前年のデータが使える。作成アプリが使え、処理が簡素化されている。郵送
が殆ど不要。当初と比べれば随分改善されている。一方、デメリットとしては、やはり個人認証
は煩わしい。PC を買い替えたら、IC カードリーダーが使えなくなった。(オピニオンリーダー)
・ すべてのデータをオンライン手続きで完結する方向での制度改正をお願いしたい。電子データで
大半の手続きをしながらも、一部のデータを紙ベースで郵送手続きを余儀なくされると、制度の
効率は低い方(紙ベース)に引っぱられてしまう。
(税理士)
【社会保険・労働保険関係手続】
・ 電子申請処理を行った際、到達番号から手続き終了番号等、番号管理のため使用し難い。いまは、
民間のソフトを介して電子申請を行い、番号管理を自動で行っているが、新規に申請の第一歩を
するには、何らかのサポートがあるとよい。
(社会保険労務士)
・ 手続きが完了し、公文書が交付される際のメールのお知らせは公文書交付のお知らせ 1 通にして
頂きたい。現在は 1 申請に対し、3 通送信されてくる。
(社会保険労務士)
・ 手続き完了なのか返戻なのかわかるようにしてメールを頂きたい。
(社会保険労務士)
・ 協会けんぽの申請の電子化。社会保険分野で年金手帳の再発行は電子申請可能だが、健康保険証
は未だペーパーである。
(社会保険労務士)
・ 申請書類の検索において、書類と同一の名称にして頂きたい。申請書類の検索に時間を要してお
り、該当の申請書類を探すまでストレスを感じることがある。(例:【正】「雇用保険事業主事業
所各種変更届」
、
【検索名称】
:
「雇用保険の事業所の各種変更届出」
)(社会保険労務士)
・ 労働基準行政の申請種類を増やして頂きたい、また労働基準行政の職員さんがシステムに不慣れ
で電話で問い合わせしても明確な回答を得られない時があるため改善をお願いしたい。(社会保
険労務士)
・ 労働保険事務組合に関する申請で、「事業主特別加入」に関する公文書の交付が遅く、顧客への
書類納品が遅くなっている。公文書の交付を迅速にして頂きたい。
(社会保険労務士)
・ 労働保険事務組合に関する申請で、「事業主特別加入」に関する申請で業務の内容を記載する欄
の文字数制限があり、休憩時間を入力できず労働基準監督署の職員から電話照会がある。不要な
電話はなるべく少なくしたいので文字数を増やして頂きたい。
(社会保険労務士)
・ 労働保険事務組合に関する申請の労働保険関係成立届と概算申告書を個別と事務委託用で分別
するのは不要ではないか。昨年、事務委託用があることを知らずに個別用で事務委託の成立届と
年度更新を行ったところ、やり直すこととなった。ペーパーでは同じ様式を使用しているため、
電子申請で分別する必要はないのではないか。(社会保険労務士)
・ 労災保険における保険給付や健康保険における保険給付についての電子申請への対応が遅れて
いる。これらの分野においては、労働者本人が申請することが建前となっており、また、保険医
療機関の証明を受けなければならないということが電子申請における障害となっている。労働者
本人が申請するという建前からは、労働者本人が電子認証を所有していなければ電子申請できな
い、という結論が導かれてしまうが、この分野において電子申請を進めるためには、労働者から
の委任状を画像ファイルに取り込んで、社会保険労務士が代理申請するという方法を検討しても
らいたい。また、保険医療機関の証明については、申請時に添付するというのが従来のやり方だ
が、申請時の添付をなくし、申請があった後に、関係行政機関から保険医療機関に対して問い合
わせを行う(電子認証を付けた電子公文書でやり取りする)という方法をとれば、電子申請を利
用しやすくなるのではないか。平成28年より導入されるマイナンバー制度がこういったやり方
を後押ししてくれるのではないかと期待している。(社会保険労務士)
・ E-TAX を見習って、書類の省略を可能にしてほしい。
(社会保険労務士)
・ 電子認証の添付を 1 度きりにしてほしい。
(社会保険労務士)
・ 預かり証発行は、添付書類が多い場合は、何度も発行するのが大変。1度きりにしてほしい。
(社
会保険労務士)
・ 添付書類のフォルダからの移動添付が可能になった点は改善されたと感じる。
(社会保険労務士)
・ 36協定等労働基準関係の送信代理での電子申請を認めていただきたい。
(社会保険労務士)
・
労災・健保・年金給付等の送信代理での電子申請を認めていただきたい。(社会保険労務士)
・
労働保険概算・確定申告書におけるアクセスコードを用いた電子申請同様の簡易な方法を用い
た電子申請の拡大。
(社会保険労務士)
・
社会保険労務士の認証を添付して申請可能な手続きを増やしていただきたい。社労士事務所で
も電子申請に至るまでのパソコンの設定に戸惑っているという実態がある。小規模な事業場で
はなおのこと、認証に係る経費や人件費に足踏みしているようで電子申請に向かう気持ちが削
がれている。経費の援助やパソコン設定の援助が必要ではないか。
(社会保険労務士)
・
事務組合の手続きについて電子化を義務付ける等積極的な取り組みが望ましい。また、マイナ
ンバーの取扱いについての情報提供を早くしてほしい。社労士が確認しているのに添付を求め
られるものがまだまだ多い。(社会保険労務士)
・
環境依存文字にも対応できると良い。
(社会保険労務士)
・
行政機関によって処理のスピードにばらつきがある。(社会保険労務士)
・
健康保険・厚生年金保険からの公文書が xml 形式のファイルのため扱いづらい。雇用保険のよ
うに PDF 形式で送付して頂きたい(社会保険労務士)
【その他】
・ 今後の法制度整備に依存する部分ではあるが、いわゆるマイナンバー法施行と合わせた各種手続
きにおける義務的対応における利用イメージ、ガイドなどを早期に提示していただきたい。個人
番号だけでは無く、登記などにおける法人番号の活用についても早期に案内いただけると幸い。
(IT コーディネータ)
・ 韓国ではガバメント 3.0 と言う政策に基づきスマホアプリの提供が盛ん。パソコンだけではなく、
多チャンネルでのサービス提供も考慮すべきではないか。(オピニオンリーダー)
・ オンライン手続の利便性向上に向けた改善方針と重複するが、各機関連携による添付書類の省略
が最優先。
(行政書士)
・ 2017 年から認証の簡略化が計画されており、より利便性が向上し、利用率が高まるものと期待
している。添付書類については今後、データの突合やリンク等によって、書類そのものをなくし
ていく取り組みが必要。費用対効果の面で意味のない手続きについては今後も停止すべきと考え
る。また経済的インセンティブを付与するためには、業務改革、人員削減等を強力に推進してい
く必要がある。
(IT コーディネータ)
・ 経営する事務所を個人事業から法人化した際に、様々な書類取得に電子申請を利用したが、認証
カードが必要なもの、ID とパスワードの簡素な認証で可能なものが混在していて、分かり難さ
を感じた。画面遷移も使い辛く感じた。今後、マイナンバー制度で個人番号、会社番号が付与さ
れた後は、各種申請で統一された手順になることを期待する。
(IT コーディネータ)
・ 電子申請の総合窓口のポータルサイトで、利用シーンに応じたナビゲーション等があると、より
使いやすいと思う。全ての省庁をまたがる改訂は難しいと思うが、手順の統一、入口の分かりや
すさが重要ではないか。申請ごとは何でも士業に任せるのではなく、個人が使いやすく、自分で
申請できる環境が必要。
(IT コーディネータ)
・ 利便性云々以前の問題として、中小企業が、オンラインを利用したいと考えた場合、どうしても
ITの基盤が整っていないので、必要性に迫られ(入札等の業務のよう収入に直結する場合)て、
専門家に外注する場合が多い。自分の事務所では、本業の税務・会計以外にも、色々な設定作業
などICTサービスも提供している。色々な資源が乏しい中小企業のICT化には、このような、
手助けする立場の人材が増えないといけないのでは。
(税理士、IT コーディネータ)
・ 行政書士と土地家屋調査士を兼業しており、登記の申請は全てオンラインで行っているが、自分
が扱っている行政書士の業務はオンラインで申請出来るものがない。内容は農地法に関係するも
ので、主として農地転用の許認可。それ以外に市道・県道・国道の境界確認に関する業務も一切
オンライン化されていない。これらの業務でオンライン申請が可能になれば、登記をオンライン
で行っている土地家屋調査士は間違いなくそれに関する業務をオンライン申請で行うようにな
るはずである。それから農地転用に限らず、許認可の申請には土地や法人の登記事項証明書の添
付を求められることが多くある。登記事項証明書はオンラインで請求すれば料金が安くなるが、
この証明自体をデジタル化する仕組みを作れば様々なものがオンライン化していくと考える。登
記事項証明書をオンライン申請するのではなく、オンラインで申請すれば登記事項証明情報の認
証付のファイルが送付され、それが窓口請求よりも、オンラインの紙の証明書よりも安く提供さ
れるなら、郵送や登記所に取りに行く手間も省ける。オンライン申請をもっと普及するためには、
市町村や都道府県に関係する許認可をオンライン化させることが一番有効だと考える。(行政書
士、土地家屋調査士)
・ 厚生労働省主管の「食品の輸入届出」について。① 通関業者がオンラインで食品等輸入届出を
行う場合、これに先立って「入出力設置届出書」に、届出に使用する入出力装置(PC端末)の
メモリー等の必要事項を記入の上、輸入者に押印を頂いてから書面で提出する。というマニュア
ル処理が必要となる。全てオンラインで実施できるようにして頂きたい。② 食品届を申請する
と、その品物によりカタログ等をFAXしているが、カラーであることの要求により、場合によ
っては厚生労働省に持ち込みを行う事になる。ファックスや持ち込むのではなく、財務省の輸出
入関連(ナックス)で利用する「MSX」業務のように、オンラインでの添付・提出が出来るよ
うにお願いしたい。③ 次の申請に関してもマニュアル処理だが、電子対応をお願いしたい。イ)
計画輸入申請、ロ) 品目登録申請、ハ) 確認願申請、ニ) 試験成績書の提出 (通関士)
・ 今年の 10 月からマイナンバーが通知されるが、マイナンバーを利用した申請などで代理人が手
続に関わることができるのかどうかなど、具体的な手続方法などを知りたい。また、士業団体の
会員、電子政府推進員はマイナンバー制度のキャラクターのマイナちゃんの使用承諾を省略して
いただけたら、広報しやすい。マイナンバー制度によって、電子政府を利用した手続きの利用が
増加することが見込まれる。(行政書士)
・ 輸出自動車情報登録(MOA)に関し、現在 MOA 入力時に「輸出予定届出証明書」の整理番号と車
両特定番号を入力している。整理番号を間違えて入力した際は送信時にエラーとなるが、車両特
定番号を間違えて入力した場合にはエラーにならない。輸出申告後、税関の審査終了時に税関側
で(車両特定番号のスペースの位置やー(ハイフン)の位置が違う等で) エラーになり判明するケ
ースが多々ある。MOA 業務時に車両特定番号が違った場合もエラーになるような仕様に出来ない
かご検討いただきたい。スペースの位置やハイフンの位置の違いが原因になるため気付かずに送
信してしまい、税関の審査段階で訂正を行わなければならず通関業者、税関双方にとって効率の
悪い仕様と考えられるので、是非検討をお願いしたい。(通関士)