軽微変更届事前確認相談制度(仮称) 概要説明資料

軽微変更届事前確認相談制度(仮称)
概要説明資料
日本製薬団体連合会 (FPMAJ)
米国研究製薬工業協会(PhRMA)
欧州製薬団体連合会 (EFPIA)
【注意】
本資料は,試⾏開始前段階での内容であり,今後(試⾏時⼜は本稼働時),
変更される可能性があります.
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資料構成
1. 軽微変更届事前確認相談制度(仮称)の概要
2. 軽微変更届事前確認相談制度(仮称)のPros/Cons
3. 標準的タイムライン・手数料イメージ
4. 相談記録・相談資料のイメージ
5. 相談対象のイメージ コンセプトと具体事例案
6. 補足資料
A) 簡易相談との区別
B) 1相談の範囲の考え方
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1.軽微変更届事前確認相談制度(仮称)の概要
【制度の概要】
 有効性・安全性・品質に与える影響から,施⾏規則における軽微変更の範囲と考えられるが,現⾏の
運⽤では各々の製品特性などから⼀般化できず,データ確認が必要であるため⼀変を余儀なくされて
いる変更について,事前に⼀変審査と同等のデータ等により有効性・安全性・品質に影響を与えない
変更であることを企業が⽰すことで,軽微変更届による変更を可能とする相談制度.(これにより,企
業は予定した製造計画に合わせ⽣産切替が実施できる)
 現⾏⼀変申請を余儀なくされている変更を,事前の相談により軽微変更にて変更を可能とする制度で
あり,⼀般的な⼀変or軽微の判断を⽬的とした相談制度ではない.【簡易相談との区別化】
 現⾏通りの⼀変により変更を⾏うことを妨げるものではなく,相談実施は企業がその効果を勘案の上,
選択できる.【選択の⾃由】
 相談対象が⼀変申請が必要とされている変更であることから,相談者は製造販売業者を原則とする.
MFに係る変更の場合は,基本的には相談対象はMF開⽰パートとなるが,⾮開⽰パートの相談資料
をMF登録者(国内管理⼈含む)が提出することも可能とする.何れの場合も製造販売業者は事前
に当該変更が本相談の対象であることを確認すること.
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1.軽微変更届事前確認相談制度(仮称)の概念図
データ 添付無
【現行】
データ 添付有
品質・有効性・安全性に与える影響
無
軽微変更届
有
現在実態として⾏われている⼀部変更承認申請
軽微変更届
事前確認相談制度
施⾏規則での⼀変の範囲
データ 添付
軽微変更届
【導入後】
品質・有効性・安全性に与える影響
無
今後の⼀部変更承認申請
有
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1.軽微変更届事前確認相談制度(仮称)のイメージ
承認のタイミングで切替しなくてなら
ないが、どのLot.から対象なのか?
承認⽇がはっきりしない・・・
外部試験機関の契約は・・・
申請・⾃⼰担保
データの取得
評価・確認
申請・⾃⼰担保
データの取得
評価・確認
承認事項⼀部変更承認
申請・審査
軽微変更届
事前確認相談
相談申込
(仮)
例)規格・試験⽅法の変更
発熱性物質試験 ⇒エンドトキシン
・申請・⾃⼰担保データ
発熱性物質試験
3Lot.繰り返し3回測定
エンドトキシン
3Lot.-3法-3回繰り返し測定
・評価・確認
試験法選択、規格値設定
相談記録
承認
(即)切替
切替
軽微変更届
※ 予定された製造計画に合わせ
⽣産切替を実施。
相談でのデータ確認
・試験⽅法(限度試験、⽐濁法、⽐⾊法)の妥当性確認
・エンドトキシン規格値の妥当性確認
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2.軽微変更届事前確認相談制度(仮称)のPros/Cons
【Pros:企業から見た期待できる効果】
 データ確認のために⼀変申請が必要とされている変更を,軽微変更届で変更できる.
̶ 企業側で変更⽇をコントロールできる
̶ 共通データを根拠とする製剤は1相談で確認でき,品⽬ごとに申請する⼀変に⽐べタスクが軽減できる
̶ 変更する箇所のみの変更となり,⼤項⽬全てが審査対象となる⼀変に⽐べタスクが軽減できる
 施⾏規則47条の規定どおりの運⽤となることが期待できる.
 実績を積むことで,将来的に軽微変更対象の範囲の⼀般化の拡⼤が期待できる.
 ⼀変が必要と判断された場合,過不⾜しているデータ等が明確になり,変更計画の適切
化や⼀変審査の円滑化が期待できる.
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2.軽微変更届事前確認相談制度(仮称)のPros/Cons
【Cons:企業側から見た懸念事項】
 ⽰されているタイムラインが⻑く(6か⽉),相談の結果⼀変が必要となった場合に変更が
遅れる懸念がある.
 これまで例外的に実施していたデータ付の簡易相談ができなくなる懸念がある.
 PMDA審査部のタスクが割かれ,承認審査業務の遅れにつながる懸念がある.
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3.標準的タイムライン・手数料のイメージ
新薬の事前評価相談を参考にした“最⻑のタイム
ライン”,これ以上は⻑くならないという想定
【標準的タイムラインのイメージ】
対象外の
相談に対
処できる
ように設
定
内
容
確
認
や
ス
ケ
ジ
ュ
︵
に
関
す
る
事
前
調
整
相
談
資
料
提
出
︶
⾯
談 ル
含 調
む 整
等
申
込
み
諸
⼿
続
き
P
M
D
A
か
ら
の
照
会
事
項
送
付
2週間
新薬の事前評価相談(8及び7
週)とは資料の量がちがうことから
これより短くなることを想定
4〜8週間
相
談
者
か
ら
の
回
答
提
出
3週間
11〜18週間
4〜7週間
相
談
記
録
の
伝
達
相
談
記
録
の
確
定
3週間
伝達後に⾯談
の必要性も想
定され,⽇程
調整を想定した
期間
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3.標準的タイムライン・手数料のイメージ
【標準的タイムラインのイメージ】:補足
 最⻑のタイムラインを⽰したものであり,資料の量が少ないなど短期間で進められ
る相談は,これに縛られるものではない.
なお,試⾏期間の実績によりタイムラインは⾒直しを⾏う.
 事前調整の時点で当該相談制度の対象ではないと考えられる相談は,その旨が
申込み前に⽰される場合がある.
なお,企業は当該相談制度の対象と⾃ら判断できるものについて相談するように
⼼がける.
 「軽微変更」可と判断された場合は⾯談不要と想定していることから,現実的に
は相談記録の伝達により本相談の⽬的は達成となる.
「⼀変」が必要と判断された場合には,伝達後に⾯談を想定し,⾯談を踏まえて
相談記録確定に⾄る.
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3.標準的タイムライン・手数料のイメージ
【相談手数料のイメージ】
⼀変審査⼿数料(適合性調査なし)を上限に20〜30万円を想定
 ⼀変申請が必要とされている変更内容であり,⼀変に必要とされている
データを確認することから,⼀変審査⼿数料を⽬安とする.
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4.相談記録・相談資料のイメージ
【相談記録のイメージ】
相談者が有効性・安全性・品質に影響ないとした⾒解及び根拠に対する
PMDAの⾒解を記載
 相談の結果,⼀部変更承認申請の対象と判断されれば,⼀部変更承
認申請で審査される事から,評価報告書ではない.
【記録の取扱い(案)】
 「軽微変更」となった場合は,軽微変更届に相談記録を添付する.
 「⼀変申請」となった場合は,⼀変申請に相談記録を添付することで,
審査上のポイントを明確にし,審査の⼀助とする.
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4.相談記録・相談資料のイメージ
【相談資料のイメージ】
1. (医薬品)製造販売承認事項軽微変更届書(案)
新旧対照表等を含む
2. 変更に関する資料及び軽微変更届の範囲と考える理由・根拠に関する資料
通常、承認事項⼀部変更承認申請時の添付資料と同等の資料
 相談資料の宣誓等に関しては,相談後の軽微変更届⼜は⼀部変更承認申請の
際に宣誓若しくは陳述が成されるため,相談時には添付不要.
 但し、相談資料としては,GMP上の変更管理における各社の規定に基づいた
QC/QA済のデータ・資料で相談資料を構成することを原則とする.
 本制度の主旨を鑑み,照会事項が出ないような相談資料内容とするよう努めること.
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5.相談対象のイメージ :コンセプト①
① 施⾏規則で⽰す軽微な変更の範囲でありながら,データ確認が必要などに
より⼀変申請が必要とされているもの.【⼤前提】
【承認事項の軽微な変更の範囲】
第四⼗七条
法第⼗四条第九項の厚⽣労働省令で定める軽微な変更は、次の各号に掲げる変更以外の
ものとする。
⼀.
当該品⽬の本質、特性及び安全性に影響を与える製造⽅法等の変更
⼆.
規格及び試験⽅法に掲げる事項の削除及び規格の変更
三.
病原因⼦の不活化⼜は除去⽅法に関する変更
四.
⽤法若しくは⽤量⼜は効能若しくは効果に関する追加、変更⼜は削除
五.
前各号に掲げる変更のほか、製品の品質、有効性及び安全性に影響を与えるおそれのあるもの
軽微な変更の範囲であることから,適用の判断にGMP調査要否は無関係.
現状の軽微変更と同様に定期GMP適合性調査内で確認されることとなる.
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5.相談対象のイメージ :コンセプト②
② 有効性・安全性・品質に影響がないことをデータ等を⽤いて⽰すことができるもの.
③ 切替えのタイミングを企業に任せることができるもの.
④ 医療⽤医薬品を対象(OTCは対象外)とし,申請区分(10),(10の
2),(10の3),(10の4)に該当するもの.
【ただし試⾏時は(10の3)のうちジェネリック医薬品等審査部の審査対象に限
定する】
⑤ 変更する⼤項⽬が,成分及び分量⼜は本質欄,貯蔵⽅法及び有効期間欄,
規格及び試験⽅法欄(別紙規格含む),製造⽅法欄に該当するもの.
【ただし試⾏時は製造⽅法欄を除外する】
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5.相談対象:具体的事例案【成分及び分量又は本質】
変更が品質に影響がないと説明できること
① テキスト欄記載の補⾜事項の変更
添加剤の規定項⽬の変更
結晶セルロース(平均重合度、乾燥減量、かさ密度)、ポリビニルアルコール(粘度)、
ポビドン(K値)、デンプングリコール酸ナトリウム(中和度タイプ)、
ヒプロメロース(置換度、粘度)、ゼラチン(ゼリー強度)等々
② pH調節剤の追加・変更 【製造⽅法欄とも連動】
39号通知の範囲の変更
③ ⾊素,⾹料,矯味剤の変更 【製造⽅法,規格試験⽅法欄(性状)とも連動】
A⽔準の範囲内の変更
品質への影響がないとする科学的根拠,変更前後の比較データを示す.
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5.相談対象:具体的事例案【貯蔵方法及び有効期間】
添付資料が安定性試験のみであること
① コミットメントのない製剤の有効期間の延⻑
② コミットメントのない原薬の有効期間もしくはリテスト期間の延⻑
延長する有効期間を担保できる安定性試験データを示す.
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5.相談対象:具体的事例案【規格試験方法,別紙規格】
規格に変更のない,又は精度向上/規格厳格化の変更であること
① 旧の⽇局試験法を現⾏の⽇局試験法に変更する場合,⼜は,GMPの運⽤
においてバリデートされた代替試験法への変更(バリデーション結果と実測値で
評価できる変更)
② 本質や規格に変更のない試験法及び試験法に付随する事項の変更
発熱性物質試験からエンドトキシン試験への変更,
現⾏公定書収載・改定に伴う変更,
定量法、試料溶液の調製における,試料溶解の為の攪拌時間等,試験操作条件の変更等
③ 着⾊剤変更に伴う性状の項の⾊変更 【成分分量,製造⽅法欄と連動】
④ 試薬試液等に記載しているロット番号等の変更 【主に⽣物,ワクチン】
実測値による変更前後の同等性データ等を示す.
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5.相談対象:具体的事例案【製造方法】
【注意】
製造⽅法欄は試⾏時は対象外です.以下は現時点で考える事例案です.
変更が品質に影響がないと説明できること
① 包装材質,構成部品,バイアル等の⼤きさ,形状の変更
通知等で軽微の範囲とされていない変更
② 未包装品の安定性が担保されている場合の⼀次包装・容器の変更、追加
PTP包装に瓶を追加するなど包装形態の追加変更
③ 外⽤剤(軟膏・クリーム)の、容れ⽬(チューブ)の追加変更
品質への影響がないとする科学的根拠,変更前後の比較データを示す.
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6.補足資料 :簡易相談との区別
【軽微変更届事前確認相談制度(仮称)】
– ⼀変申請が必要とされている変更について,相談資料としてデータを提出し
確認・了解を得た後,変更⼿続きを⼀変申請ではなく軽微変更届で処理
するもの.
【簡易相談】
– 通知(*)等の解釈における,⼀変 or 軽微変更を確認するもの.
– 個別データの確認を要さずにPMDAが判断できるもの.
例: ⽇局収載品(性状の規定なし)の製剤の規格及び試験⽅法
性状の項にある「味」の削除
*H22.6.28付事務連絡「軽微変更届出の範囲の明確化に関する検討結果
について」など
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6.補足資料 :1相談の範囲の考え方
 原則は,1相談は1品⽬1変更(関連しない複数の変更は,別相談)
 変更範囲が複数品⽬に及ぶ場合であって,以下のような事例は1相談で可能とする.
[共通の資料を根拠とする変更]
① 原薬及び添加剤(MFを含む)に関わる変更において,その原薬や添加剤
を使⽤する製剤で同⼀の実測値やバリデーション資料を根拠とできるもの
例:容れ⽬違い品⽬で共通する原薬の純度試験HPLC法に、システム適合性を設定する変更
② 含量違い及び容れ⽬違い製剤において,同⼀の変更で同⼀のバリデーション
資料を根拠とできるもの
例:含量違い品⽬で発熱性物質試験からエンドトキシン試験への変更
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Appendix
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相談制度提案の背景(1/2)
※何故、企業は製造方法・規格試験方法を改良(変更)するのか?
安定供給
品質向上
⽣産恒常性の強化
コスト削減 etc.
製造所リスクの分散
最新技術の導⼊
世の中の潮流への対応(動物試験の削除等)
無駄な原材料・包材の削除 etc.
※何故、審査・変更の時間・時期が大切なのか?
◇時間が短くなれば
• ⽣産計画の確度が⾼まり、延いては経営計画の予⾒性が⾼まる。
• 審査時間短縮の限界を⺠間も認識している。しかし、⽣産のborder-lessが進む
中、国際的な整合性は必要である。
◇時期が明確になれば
• ⽣産計画、延いては経営計画が精緻に⾏える。
効率的な⽣産計画⽴案により、経営計画
の予⾒性が⾼まる。【投資リスクヘッジ】
更なる
投資・改良へ
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相談制度提案の背景(2/2)
医薬品医療機器法 施行規則 第47条で、「軽微な変更の範囲」を規定
【現状認識(官民共通)】
明確なガイダンスは⽰せない部分もある。
各々の品⽬の特性や、製造実績に照らし判断しなくてはならない部分もある。
【現状認識(企業)】
個別案件毎に判断が必要な部分の中に、軽微変更届出制度本来の主旨
である「安全性・有効性・品質に影響を与えない変更」が含まれてしまっている。
現在は、原則「⼀部変更承認」が必要(審査時間と承認時期の予⾒が困難)
【提案】
「軽微変更届事前確認相談制度(仮称)」により、個別案件毎に判断し、軽微変更
届出制度本来の主旨に照らし、「軽微な変更」は、軽微変更届とすることにより、
製造計画、延いては経営計画の予⾒性を⾼め、投資リスクを軽減し、更なる製品
や製造の改善・改良を促すことが可能となり、⽇本(市場)の魅⼒を⾼めることが
できるのではないかと考える。
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GMP適合性調査要否と一変の関係
GMP適合(その製造所の製造管理⼜は品質管理の⽅法が適合)は、必須条件、
(GMP)適合性調査が必要とされているのは↓
(法14条の第6項・第9項)
新規承認・承認された事項の⼀部を変更(軽微変更を除く)する際は承認が必要
(施⾏令22条、23条)
(承認に際しては、)適合性調査(GMP調査)が必要
↓但し、
当該変更が当該品⽬の製造管理⼜は品質管理の⽅法に影響を与えないものは
適⽤されない(施⾏令25条 適合性調査の特例)。
※ ⽤法、⽤量、効能⼜は効果に関する追加、変更⼜は削除その他の当該品⽬
の製造管理⼜は品質管理の⽅法に影響を与えない変更
(施⾏規則53条 適合性調査を⾏わない承認された事項の変更)
承認事項の⼀部変更承認申請 ≧ (GMP)適合性調査
((GMP)適合性調査必要 ≒ ⼀変対象の変更ではない)
GMP基準への適合は、何れにしても必須要件、
軽微変更と判断されても更新時の定期調査で適合性確認が⾏われる。
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試行時の対象範囲 (予定)
 医療⽤医薬品が対象(OTCは対象外)
 申請区分(10の3)のうち,ジェネリック医薬品等審査部の審査対象
 ⼤項⽬のうち製造⽅法欄は対象外
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