読書は全ての学びの基礎 4月の学校便りでお伝えしたように 今年度の

久賀小学校 学校だより(特別号) ①
H27/4/10
読書は全ての学びの基礎
4月の学校便りでお伝えしたように
今年度のチャレンジ目標を、「本が
好きだ!」と定めました。これは
読書という「良い習慣づくり」と、
読書を通した「良い関係づくり」
をねらいとしたものです。そしてその
ねらい達成の目安を
一年間で一人100冊以上
としました。
では、なぜチャレンジ目標をこのよ
うに定めたのか、その理由などを数
回に分けてお知らせします。
▶ 「良い習慣」とは?
「活字を読まないと、なんだか落ち
着かない」という子どもに育てる、と
いうことです。もう少し具体的に言う
と、ふとした時間のある時、あるいは
ゲームをした後やテレビを見た後に
思わずそばにある本や新聞を手にと
り、活字に目を通すような習慣を身
につける、ということです。
現在でも電子書籍やオーディオブ
ックなどが急速に普及しており、これ
はこれで大変便利です。将来的に
はしっかりと使いこなせるようになる
必要があるでしょう。しかし、小学生
の子どもには、まずは「紙との相性」
をよくさせたいと思います。
形や感触、重みも違う一冊一冊
の本を手に持ってめくる。新聞紙の
インクのにおいを感じながら活字に
目を落とす。これらを「習慣」としてし
っかりと身につけさせたいと願ってい
ます。
▶ 「書き言葉」を「仕込む!」
小学生は、母語の語彙(ごい)が、
「話し言葉」から「書き言葉」に移る
大切な時期に当たります。「書き言
葉」とは、きちんと話す、書く、説明
するときに使う言葉です。例えば子
どもの会話に「資源の有効活用」な
どという言葉はまず出てきません。
「それマジかわいくないし」のように語
彙の少ない「話し言葉」の会話が日
常であり、それが自然ではあります。
しかし、そのような言葉のやりとり
だけを繰り返す中では、学校便りの
4月号でお伝えしたような「読み取る
力」、つまり読解力は身につきませ
ん(あたたかな心も育ちません)。な
ぜなら日本語の語彙は、ほとんどが
「書き言葉」にあるからです。
「しげんのゆうこうかつよう」と平仮
名で書かれてあると大人でも一瞬
混乱します。「資源」「有効」「活用」
と漢字に置き換え、その意味を考え
合わせることによって、初めて他者
の話を深く聞き取り、そこから学ぶこ
とができるのです。
つまり、話し言葉から「書き言葉」
に移行する小学生の時期に、この
「書き言葉」をいかに大量に身につ
けるか(仕込むか!)が、文字通り
将来の「学ぶ力」に大きな影響を与
えます。言いかえれば、子どもたちの
「幸せ」に直結する、のです。
▶ 「書き言葉」は読書から!
小学生のうちに「書き言葉」のシ
ャワーをくりかえし大量に浴びる。そ
のためには多くの本を読む、つまり読
書しかありません。
こここそが肝要であると考えます。
そのためにこそ良い習慣としての「読
書」を推進していきます。
では次号で、読書がなぜ「良い関
係づくり」につながるのかを考えたい
と思います。
校長 小松茂文
「久賀船」:遠く対馬まで出漁していました。