1.地方公共団体の機関について ①執行機関 市長-補助機関 委員会及び委員 教育委員会 選挙管理委員会 農業委員会 固定資産評価審査委員会 公平委員会 監査委員 ②議会-議決機関 1 2.監査とは 2人又は2つの集団の間に生ずる問題について、第三者としての特 定の人が介在して、その問題について利害の調整をするため調べ直 すこと 組織の運営が、確立されたルールにあっているかを確かめるために、 これらに関する証拠を客観的に収集及び評価し、その結果を利害関 係を持つ利用者に伝達する体系的な過程 自治体の行政執行の適法性、妥当性さらに能率性等を検証し、その 結果を住民等に伝達することが自治体監査の主な目的 2 3.監査委員の役割 ○市民の方々の貴重な税金が有効に使われているのか。 ○市のそれぞれの事業が最少の経費で最大の効果をあげているのか 。 ○組織及び運営は合理化されているのか。 監査の視点 適法性 有効性 正確性 〔監査対象〕 ・財務に関する事務 ・経営に係る事業 経済性 効率性 3 4.監査委員制度 地方自治法では、監査委員は市長の指揮監督を受けない独立した執行機関とし て位置づけられている。 ① 設 置 普通地方公共団体に監査委員を置く。 (地方自治法第195条第1項) ② 定 数 都道府県及び政令市は4人、その他の市町村においては2人であ る。 (地方自治法第195条第2項) ③ 任 期 4年 (地方自治法第197条) ④ 身 分 法律に特別の定めがあるものを除く外、非常勤とする。 (地方自治法第180条の5第5項) ⑤ 選 任 識見を有する者及び議会選出の監査委員の選任について、議会の 同意を得る。 (地方自治法第196条第1項) ⑥ 服 務 職務遂行に当たり、常に公正不偏の態度を保持して監査すること。 職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。 (地方自治法第198条の3) ⑦ 禁 止 市と請負関係等を禁止している。 (地方自治法第180条の5第6項) 地方公共団体の常勤の職員等との兼職を禁止している。 (地方自治法第196条第3項) ⑧ その他 退職には長の承認が必要である。 (地方自治法第198条) 自己若しくは配偶者等の直接の利害関係のある事件については、 監査することができない。 (地方自治法第199条の2) 4 5.監査の種類 ①一般監査 定期監査 (地方自治法第199条第4項) 毎会計年度少なくとも1回以上期日を定めて 市の財務に関する事務の執行 及び市の経営に係る事 業の管理が、適法、適正かつ効率的に行われているかど うかを主眼として実施するもの 随時監査 (地方自治法第199条第5項) 必要があると認めるとき、定期監査に準じて実施するもの 本市では工事監査を行い、当該工事の設計、施工等が適正に行われているか どうかを主眼として実施している 行政監査 (地方自治法第199条第2項) 必要があると認めるとき、市の事務の執行が、適正、 合理的かつ効率的に 行われているかどうかを主眼として実施するもの 財政援助団体等に対する監査 (地方自治法第199条第7項) 補助金、交付金、負担金等の財政的援助を与えている団体に対し、出納その 他の事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施す るもの ②特別監査 市長の要求に基づく監査 (地方自治法第199条第6項) 市の事務の執行について実施するもの 議会の要求に基づく監査 (地方自治法第98条第2項) 市の事務の執行について実施するもの 住民の直接請求に基づく監査 (地方自治法第75条第1項) 選挙権を有する者が、50分の1以上の連署をもって市の 事務の執行につい て実施するもの 5 住民監査請求に基づく監査 (地方自治法第242条) 住民が、市の執行機関又は市の職員等について違法・不当な公金の支出、財 産の取得・管理・処分、契約の締結・履行等が あると 認め るとき 、又は 違法・ 不当に公金の賦課・徴収、財産の管理を怠る事実が あると認めるとき は、監査 委員に対して監査を求め、当該行為を防止し、是正し、改め、市の被った損害 を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求するもの 職員の賠償責任に関する監査 (地方自治法第243条の2第3項、地方公営企 業法第34条) 出納職員等が保管する現金や物品等を故意又は重大な 過失により市に損害を 与えたとき、その事実を監査し管理責任を問うもの ③その他の監査 公金の収納又は支払事務に関する監査 (地方自治法第235条の2第2 項、 地 方公営企業法第27条の2第1項) 必要があると認めるとき、 又は市長の要求があるときは、 指定金融機関が取 り扱う市の公金の収納又は支払 の事務が、法令等の規定及び指定契約の約定の とおり行われているかどうかを主眼として実施するもの 例月現金出納検査 (地方自治法第235条の2第1項、地方公営企業法第31 条) 毎月例日を定めて、会計管理者 及び 公営企業管理者に対して 現金の出納事務 が適正に行われているかどうかを主眼として実施するもの 決算審査(地方自治法第233条第1・2項、地方公営企業法第30条第2項) 決算その他関係諸表の計数の正確性を検証するとともに、予算の執行又は事 業の経営が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの 基金運用状況審査 (地方自治法第241条第5項) 基金の運用状況を示す書類の計数の正確性を検証するとともに、基金の運用 が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施す るもの 健全化判断比率、資金不足比率審査 (地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第 1項、条22条第1項) 市長から提出された 健全化判断比率、資金不足比率 及びその算定の基礎とな る事項を記載した書類が適正に作成されているかどうかを 主眼として実施する もの 6 6.監査の流れ 監査計画の作成 監査の実施通知 監査の実施 監査委員の事務局案の調 整・決定 監査委員審議 (地方自治法第199条第11項) 監査結果の提出・公表 (地方自治法第199条第9項) 講じ た 措置 の 長 等関 係 機関 か ら の 通知の公表 (地方自治法第199条第12項) 7 7.監査の意義 ○市民に代わって監査委員が監 査を行う。 ○市長の指揮監督外の独立行政 機関である。 ○監査委員が執行機関の行う行政を監視し、監査結 果を報告することにより、行政の適正化を図る。 参考文献:「図解よくわかる 自治体監査のしくみ」学陽書房 8
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