5 - 15 南海トラフから沈み込む海洋基盤の形状 Shape of the Oceanic Basement Subducting in the Nankai Trough 海上保安庁水路部 Hydrographic Department, Maritime Safety Agency 本会報で既に報告した1)南海・駿河トラフのマルチチャンネル反射法音波探査の深度断面図か ら,海洋基盤の等深度線図を作成した( 第 1 図 )。 海洋基盤( 第 2 層 )反射面は,G,H,I測線では四国海盆からトラフを越えて陸側斜面下 まで明瞭に追跡でき,E,F測線ではトラフ域付近でのみ識別できたのに対し,B,C,D測 線では識別が難かしかった。F測線から北東側の 5 測線では,伊豆海脚または銭洲海嶺の基盤 反射面が最もよく追跡できたので,第 1 図にはこの等深度線を破線で示した。深度断面図上で 追跡したこれらの反射面の位置は,第 2 図に例示した。 第 1 図は,傾き下がる基盤の最大傾斜方向と傾斜角が 3 つの区域で異っていることを示して いる。すなわち,それぞれの最大傾斜方向と傾斜角は, (1)熊野灘沖の南海トラフ( G~I測線 付近 )では北北西方向に 3 ~ 5 度, (2)南海トラフ北東端( E,F測線付近 )では北西方向に 5 ~ 10 度, (3)南海トラフと駿河トラフの接続部( B~D測線付近 )では西北西方向に 7 ~ 23 度で あることがわかる。基盤反射面の最大傾斜方向はトラフの軸にほぼ直交し,その傾斜角は潮岬 沖から駿河湾方向に向うに従い急傾斜となっている。 参 考 文 献 1)海上保安庁水路部・地質調査所:南海・駿河・相模トラフのマルチチャンネル反射法音波 探査,連絡会報,28( 1982 ),239-247. ― 266 ― 第 1 図 南海トラフ東部の海洋基盤等深度線図 Fig. 1 Contour map of the oceanic basement in the eastern Nankai Trough. ― 267 ― 第 2 図 第 1 図に示した 2 つの基盤反射面の関係 Fig. 2 Two types of basement illustrated in Fig. 1. ― 268 ―
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