画像処理方式による接触角測定

Technical News
株式会社住化分析センター
● 画像処理方式による接触角測定
TN141
Measurement of contact angle by image processing method
[概要]
固体試料に対する液体の接触角は、固体−液体間の界面物性を評価するファクターとして重要であり、
濡れ性、撥水性、接着性そして洗浄効果などを数値化する手段として広く利用されています。
当社では、協和界面科学社製の画像処理式固液界面解析システム DropMaster 500 を用いて接触角の測定を
行っています。
[方法]
液体試料を注射器に採取し、針先から一定量の液体を固体試料に接触させると、固体上に液滴が移り液滴
が形成されます。この液滴の画像を解析することでθ/2 法により接触角を算出いたします。
θ＝ 2 tan-1(ｈ/ｒ)
θ：接触角
ｈ：液滴高さ
h
θ1 θ
ｒ：液滴半径
液滴の輪郭を球の一部とみなすと幾何の
2r
定理により
θ＝2θ1 となる
図−１.接触角測定モデル θ/2 法
［特徴］
・画像処理による自動計測により、再現性が良好です。
・少量のサンプルで測定が可能です。
測定範囲：0∼180°
測定温度範囲：室温∼60℃
サンプル量：液体サンプル約 20ｍL（最少量約 5mＬ）
固体サンプル 10ｍｍ×30ｍｍ以上（表面が平滑であること）
[事例１] ゴム手袋の撥水性評価
固体試料：ゴム手袋Ａ，Ｂ品
測定条件：室温、空気雰囲気下
液体試料：純水
表−１純水のゴム手袋に対する接触角測定結果
試料
項目
平均値
ゴム手袋
Ａ
76.2
ゴム手袋
Ｂ
90.3
ゴム手袋Ａ、Ｂ品の接触角がＢ＞Ａであったことから、ゴム手袋Ｂ品の撥水性が高いことが確認できた。
[事例２] エッチング液のカラーフィルターに対する濡れ性評価
固体試料：カラーフィルター
液体試料：エッチング液Ａ，Ｂ
測定条件：室温、空気雰囲気下
表−２エッチング液のカラーフィルターに対する接触角測定結果
試料
エッチング液
エッチング液
項目
Ａ
Ｂ
平均値
40.8
76.4
エッチング液Ａ、Ｂ品の接触角がＢ＞Ａであったことから、エッチング液Ａ品の濡れ性が高いことが
確認できた。
作成：愛媛事業所（M0505）4-XO-(3)改定(TY1201)
分析・測定・調査の総合分析会社
株式会社住化分析センター
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