2015年1月1日より有効 リチウム電池国際規則 リチウム電池の空輸に関する国際規則が 改訂されました。 2015年1月1日より新 規則への準拠が義務付けられます。 すべての荷送人は、該当する規則を理解 し準拠するよう定められています。 この ガイドは、国際航空運送協会（IATA）が 発行する規則が適用される出荷につい ての一般的な情報で、 説明用にご用意 したものです。 IATAの規則をご覧になり たい場合は、こちらをご参照ください。 http://www.iata.org/lithiumbatteries. 注意: 米国内のリチウム電池の出荷 に関する情報は、米国が発行する規 則を参照してください。 運輸省の Pipeline and Hazardous Materials Safety Administration（PHMSA）の情報をご覧に なりたい場合は、こちらをご参照くださ い。 http://hazmat.dot.gov リチウム電池について リチウム電池は「強力な」電力を供給す るように設計されているため、 「高レベ ル」のエネルギーをもち、ショートする と、非常に高温の熱を発することがあり ます。 さらに、これらの電池に含まれる 化学物質は、損傷を受けたり不適切に 設計または組み立てられると発火する 場合があります。 そのため、リチウム電 池の出荷を管理する安全規則がありま す。 荷送人は、IATAおよびPHMSAにより 発行された当該規則に準拠する必要が あります。 リチウム電池の航空輸送 2015年1月1日より、リチウムメタル電池 単体の発送の旅客便による輸送を禁じて います。 UPSではリチウム電池単体の輸 送を、UPS IDG（International Dangerous Goods）ネットワークに限定しています。 IDGの取扱が可能な発地国ならびに仕 向国のリストをご覧いただくには、弊社 ホームページ（英語のみ）をご参照くだ さい。http://www.ups.com/content/us/ en/resources/ship/idg/information/acl. html. リチウム電池は危険品として分類される 一方で（危険物とも呼ばれる）、一般的 な小さいサイズのリチウム電池について は、例外として出荷の規制が緩和され ます。 このガイドでは、小さいサイズの リチウム電池の出荷に関するルールを説 明しています。 危険品としての制約が課 されない荷物は、UPSの危険品契約は不 要です。 出荷する電池のタイプ（リチウムイオン またはリチウムメタル）や、単体での発 送か、機器と同梱されているか、または、 機器に内蔵されているかによって、規則 は異なります。 詳細情報については、図 3（4ページ）と図4（5ページ）を参照して ください。 注意: 近年、欠陥のあるリチウム電池が リコールされることがありました。 リコ ールされたリチウム電池は、決して航空 輸送をしないでください。非常に危険な ため、荷送人に罰金や罰則が課せられ る可能性があります。 さらに、UPSはリ サイクルされた電池の航空輸送を行い ません。 航空輸送できる可能性がある UPS ®サービスは以下の通りです。 UPS Next Day Air ®、UPS 2nd Day Air ®、UPS 3 Day Select ®、UPS Express Critical ®、UPS Worldwide Express Plus ®、UPS Worldwide Express ®、UPS Worldwide Express Freight ®、UPS Worldwide Saver ®、 UPS Worldwide Expedited ®。 リチウム電池の種類 高レベルのエネルギーをもつリチウ ム電池は、主に次の2種類に分類さ れます。 リチウムイオン電池は充電が可能 です。 • 「リチウム二次電池」と呼ばれるこ ともあります。 • リチウムポリマー電池を含みます。 • これらの電池は携帯電話やノート 型パソコンなどの一般家電機器に 使用されています。 リチウムメタル電池は一般的に非充 電型電池です。 • 「リチウム一次電池」とも呼ばれ ます。 一般的な規則とFAQ（よく ある質問と回答） 「IATA」と「PHMSA」は、何を意味しま すか？ IATAは国際航空運送協会(International Air Transport Association)を表します。 IATAとは、航空機による危険品の国際輸 送の規格制定など、商業規格の開発と 危険物規則書を発行する世界的な業界 団体です。 IATAの危険物規則書は、国 際民間航空機関（ICAO）の「危険物の航 空安全輸送に係る技術指針（Technical Instructions for the Safe Transport of Dangerous Goods by Air）」に基づいてい ます。 ICAOは、国際航空運送問題に対 する法的拘束力を持つ国連の専門機関 の一つです。 PHMSAは、米国運輸省パイプライン・有 害物質安全局を表します。 米国運輸省 は、米国内のすべてのモードで危険品目 の輸送の規則を制定します。 © 2012-2015 United Parcel Service of America, Inc. UPS、UPSのブランドマーク、およびブラウンカラーはUnited Parcel Service of America, Incの登録商標です。 All Rights Reserved. 1/15 1 リチウム電池国際規則 2015年1月1日より有効 一般的な規則とFAQ（よくある質問と回答）～続～ 貨物の輸送中にリチウム電池のショートや過熱を防ぐための注意点は？ リチウム電池を出荷する場合の主な危険性は、輸送中に電池がショートしたり、意図せ ずに過熱することです。 ショートや過熱を防ぐため、すべての電池を適切に梱包する 必要があります。 （図1を参照） 輸送中、電池が他の電池、伝導性の表面や金属製の物 質などと接触しないようにしてくだ 図1 さい。 IATAでは各電池を非伝導性 リチウム電池の梱包例 の素材（プラスチック製の袋など） でできた内装容器で完全に覆い、 ブリスター Blister Pack パック 露出した端子やコネクタを非導電 Cushioning 緩衝材 性のキャップまたはテープで、ある Divider 仕切り いは、他の同様な方法で保護する よう推奨しています。 また、IATAで は、輸送中に移動したり、端子のキ ャップが外れたりすることのないよ う、緩衝材や梱包材で電池を固定 するよう推奨しています。 封筒や その他、側面に柔らかい素材を使 用した梱包材は使用しないでくだ さい。 その他のヒントおよびガイ ドについては、IATAのサイトを参照 してください。 http://www.iata.org/lithiumbatteries. 単電池や組電池の数量制限はオーバーパックにも適用されますか？ 法定上、 「パッケ ージ（梱包）」に該当するものは何ですか？ オーバーパックは、適切に出荷準備がされている複数の貨物をまとめるのに使用する ことができます。 個別の梱包が規則を遵守していることを前提として、この場合、オ ーバーパック内の梱包にのみ制限が適用されます。 しかし、個別の梱包は必要な梱 包要件を満たしている必要があります（1.2メートルの落下テストに合格など）。 オー バーパックは「OVERPACK」と明記し、適切なリチウム電池取扱ラベルを貼付する必要 があります。 下の図2を参照してください。 図2 オーバーパック 「Wh」とは何を意味しますか？ 「Wh」は「watt-hour（ワット時）」を意味 します。 これは、単電池または組電池 の電力量を示すために使用される単位 です。 「ボタン電池」とは何ですか？ ボタン電池とは小さい丸型の電池で高さ が直径よりも小さい薄型のものです。1 「コイン電池」などと呼ばれることもあり ます。 腕時計、計算機、電子置時計、玩具 などで使用されます。 この規則の中で、 「組電池（battery）」に 対して「単電池（cell）」とは何を意味し ますか？ •組 電池（battery）とは、ケースや端子、 マ ーキングなど、永久的に電子的に接続 された2つ以上の単電池を指します。 注意: 「電池パック」、 「モジュール」等 は、この規則の下では組電池（battery） として取り扱います。 •単 電池（cell）は、単体で電気化学ユニ ットに収められたものです。 単電池に はプラスとマイナスの電極が1つずつ存 在し、2つの端子間には電圧の差があ ります。1 注意: 単電池は、一般的に「バッテリ ー」または「単体セルバッテリー」など と呼ばれることがありますが、この規則 の下では単電池には単電池専用の要件 が課されます。 「単電池」の一例とし てはカメラやフラッシュに使用される CR123と呼ばれるリチウム一次電池が該 当します。 オーバーパック内の個別の 梱包（ラベル付き） リチウム電池ラベルとOverpack （オーバーパック）の記載 1 出典: “IATA Lithium Battery Guidance Document: Transport of Lithium Metal and Lithium Ion Batteries.” IATA. 2014. Web. http://www.iata.org/lithiumbatteries © 2012-2015 United Parcel Service of America, Inc. UPS、UPSのブランドマーク、およびブラウンカラーはUnited Parcel Service of America, Incの登録商標です。 All Rights Reserved. 1/15 2 リチウム電池国際規則 2015年1月1日より有効 必要なラベルとマーキング このページで説明されるラベルやマー キングの要件は、出荷される電池のタイ プ（リチウムイオンまたはリチウムメタ ル）や電池の梱包方法（単体、機器と同 梱、または機器に内蔵）によって異なり ます。 国際規則において、いつ、どのような形 で航空輸送用のラベルとマーキングが必 要となるかについては、4ページと5ペー ジを参照してください。 取扱ラベル（リチウムイオン電池） このラベルは、最低でも110 mm × 120 mm以上である必要があり、リチウム イオン電池が含まれていることを貨物の 外側に示すために使用されます。 小さ なラベルしか貼れない小さな貨物の場合 は、ラベルの寸法は幅105 mm × 高さ 74 mmにすることができます。 CAUTION! • 損傷した場合に火災の危険があるた め、貨物は注意して取り扱う必要があ ります。 • パッケージが損傷した場合、必要に応 じて検査と再梱包を含む特別な手順を 遵守する必要があります。 • 緊急時に必要な確認が行える連絡先電 話番号 。 航空輸送（または米国内を陸上輸送）で リチウムメタル電池単体を出荷する場 合、貨物は少なくとも高さ6 mmの文字で 以下の2つの文章のいずれかでマークす る必要があります。 「PRIMARY LITHIUM BATTERIES— FORBIDDEN FOR TRANSPORT ABOARD PASSENGER AIRCRAFT（リチウム一次電 池 - 旅客機での輸送は禁止）」 または 必要な書類 多くの貨物はバッテリの種類を識別する 書類を添付する必要があります（書類パ ウチを UPS® パッケージに貼付可）。その 書類には、次の記載も必要です。 Cargo Aircraft Only（貨物専用機限定） マーキング IF DAMAGED Lithium Ion Battery DO NOT LOAD OR TRANSPORT PACKAGE IF DAMAGED For more information, call ...................... 取扱ラベル（リチウムメタル電池） このラベルは、最低でも110 mm × 120 mm以上である必要があり、リチウム メタル電池が含まれていることを貨物の 外側に示すために使用されます。 小さ なラベルしか貼れない小さな貨物の場合 は、ラベルの寸法は幅105 mm × 高さ74 mmにすることができます。 「LITHIUM METAL BATTERIES— FORBIDDEN FOR TRANSPORT ABOARD PASSENGER AIRCRAFT（リチウムメタル 電池 - 旅客機での輸送は禁止）」 出荷元または出荷先が米国外である出 荷もまた、以下のような「Cargo Aircraft Only（貨物専用機限定）」のラベルを示 す必要があります。 CAUTION! IF DAMAGED Lithium Metal Battery DO NOT LOAD OR TRANSPORT PACKAGE IF DAMAGED For more information, call ...................... © 2012-2015 United Parcel Service of America, Inc. UPS、UPSのブランドマーク、およびブラウンカラーはUnited Parcel Service of America, Incの登録商標です。 All Rights Reserved. 1/15 3 リチウム電池国際規則 2015年1月1日より有効 図3 リチウムイオン電池の航空輸送 これから出荷するリチウムイオン電池の航空輸送*は規制されているか、またUPS® 危険品サービスが必要となるかを確認 （必要書類と下に注記されているラベルに関する詳細情報は、3ページを参照してください。） お客様の貨物には、100Wh超のリチウムイオン組電池、また は20Wh超のリチウムイオン単電池が含まれていますか？ いいえ はい UPS危険品契約が必要にな ります。**UN仕様の梱包、 クラス9ラベル、危険物出 荷書類および梱包マーキン グが必要になります。 さ らに詳しい情報について は、IATA危険物規則書をご 覧ください。 出荷するリチウム電池は、機器に 内蔵されていますか、または機器 と同梱されていますか？ 荷物の中のリチウム電池の みを合計した重量は5kg超 ですか？ UPS危険品契約が必要に なります。** UN3481 セク ションIの出荷要件について は、IATA危険物規則書を参照 してください: http://www.iata.org/ lithiumbatteries 電池は2.7Wh超ですか？ はい いいえ 荷物にはリチウム単電池が8個超、また は組電池が2個超含まれていますか？ http://www.iata.org/lithiumbatteries はい いいえ はい いいえ 荷物には2.5 kg超の電池が 含まれていますか？ はい お客様の荷物をUPS危険品として出荷する 必要はありません。 UN3481セクションIIの 要件については、IATA危険物規則書を参照 してください。 UPS危険品契約が必要 になります。UN3480セ クション**1B （電池を 含む梱包が10kg以下） またはセクション1A （梱包が10kg超）につ いては、IATAの要件を 参照してください: http://www.iata.org/lithiumbatteries 必須事項: リチウム電池取扱ラベルおよびリチウム 電池安全確認書は次の場合に必要です。 (a)機器に同梱されたすべてのリチウム電 池、(b)4個超の単電池または2個超の組電 池が内蔵された全機器。 ただし、ボタン 電池が内蔵された機器には、取扱ラベル または安全確認書は不要です。 はい UPS危険品契約が必要になりま す。UN3480セクション**1B（電 池を含む梱包が10kg以下）、ま たはセクション1A（梱包が10 kg 超）については、IATAの要件を 参照してください: http://www.iata.org/lithiumbatteries http://www.iata.org/ lithiumbatteries いいえ お客様の荷物を UPS危険品とし て出荷する必要 はありません。 必須事項: リチ ウム電池取扱ラ ベルおよびリチ ウム電池安全確 認書 。 いいえ お客様の荷物を UPS危険品として 出荷する必要は ありません。 必 須事項: リチウ ム電池取扱ラベ ルおよびリチウ ム電池安全確認 書。 *すべてのリチウム電池の貨物の梱包は、1.2 メートルの落下テストに合格し、すべての電池はショートや過熱を防ぐよう梱包する必要があります。封筒やその 他、側面に柔らかい素材を使用した梱包材を使用しないでください。さらに詳しい情報については、1～2ページを参照してください。 **UPS® 小口貨物およびUPSAirCargo®サービスには契約が必要ですが、UPS®エアフレートの危険品貨物では不要です。詳細についてはUPS担当者までお問い 合わせください。 © 2012-2015 United Parcel Service of America, Inc. UPS、UPSのブランドマーク、およびブラウンカラーはUnited Parcel Service of America, Incの登録商標です。 All Rights Reserved. 1/15 4 リチウム電池国際規則 2015年1月1日より有効 図4 リチウムメタル電池の航空輸送 これから出荷するリチウムメタル電池の航空輸送*は規制されているか、またUPS® 危険品サービスが必要となる かを確認 （必要書類と下に注記されているラベルに関する詳細情報は、3ページを参照してください。） お客様の貨物には、リチウム含有量が2g超のリチウムメタル組電 池、または1g超のリチウムメタル単電池が含まれていますか？ はい UPS 危険品契約が必要にな ります。**UN仕様の梱包、ク ラス9ラベル、危険物出荷書 類および梱包マーキングが 必要になります。 さらに詳 しい情報については、IATA 危険物規則書をご覧くださ い。 http://www.iata.org/ lithiumbatteries はい UPS危険品契約が必要になり ます。**UN3091セクションI出 荷要件については、IATA危険 物規則書をご覧ください。 http://www.iata.org/ lithiumbatteries いいえ 出荷するリチウム電池は、機器に 内蔵されていますか、または機器 と同梱されていますか？ はい いいえ リチウム含有量が0.3 g超の電池ですか？ 荷物の中のリチウム電 池のみを合計した重量 は5kg超ですか？ はい いいえ 荷物にはリチウム単電池が8個超、また は組電池が2個超含まれていますか？ いいえ 荷物には2.5 kg超の電池 が含まれていますか？ はい お客様の荷物をUPS危険品として出荷する 必要はありません。 UN3091セクションIIの 要件については、IATAの危険物規則書を参 照してください。 UPS危険品契約 が必要になりま す。UN3090セクショ ン**1B （電池を含む 梱包が2.5kg以下）また はセクション1A（梱包 が2.5kg超）について は、IATAの要件を参照 してください。 http://www.iata.org/lithiumbatteries リチウム電池取扱ラベルおよびリチウム電 池安全確認書は次の場合に必要です。 (a)機器に同梱されたすべてのリチウム電 池、 (b) 4個超の単電池または2個超の組電池 がが内蔵された全機器。 http://www.iata.org/ lithiumbatteries （ボタン電池が内蔵された機器には、取扱 ラベルまたは安全確認書は不要です。） はい UPS危険品契約が必要になりま す。UN3090セクション**1B（電 池を含む梱包が2.5kg以下）ま たはセクション1A（梱包が2.5kg 超）についてはIATAの要件を参 照してください。 http://www.iata.org/lithiumbatteries いいえ お客様の荷物をUPS 危険品として出荷する 必要はありません。 リチウム電池取扱ラ ベル、リチウム電池安 全確認書および貨物 専用機限定ラベル/マ ーキングが必要です。 UPS®では、リチウム電 池単体の輸送を、イン ターナショナル・デン ジャラス・グッズ(IDG) の取扱が可能な発地 国ならびに仕向国に 限定しています。*** いいえ お客様の荷物をUPS危険品として出荷する必要 はありません。 リチウム電池取扱ラベル、リチ ウム電池安全確認書および貨物専用機限定ラ ベル/マーキングが必要です。 UPS®では、リチウ ム電池単体の輸送を、インターナショナル・デン ジャラス・グッズ(IDG)の取扱が可能な発地国な らびに仕向国に限定しています。*** *すべてのリチウム電池の貨物の梱包は、1.2 メートルの落下テストに合格し、すべての電池はショートや過熱を防ぐよう梱包する必要があります。封筒やそ の他、側面に柔らかい素材を使用した梱包材を使用しないでください。さらに詳しい情報については、1～2ページを参照してください。 **UPS® 小口貨物およびUPSAirCargo®サービスには契約が必要ですが、UPS®エアフレートの危険品貨物では不要です。詳細についてはUPS担当者までお問い 合わせください。 ***IDGの取扱いが可能な発地国ならびに仕向国のリストをご覧いただくには、http://www.ups.com/content/us/en/resources/ship/idg/information/acl.html （英語のみ）をご参照ください。 © 2012-2015 United Parcel Service of America, Inc. 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