道の駅「那須高原友愛の森」総合計画(案)

パブリックコメント用資料
道の駅「那須高原友愛の森」総合計画(案)
~
リニューアルに向けた基本構想 ~
平成 26 年 6 月
栃木県那須町
道の駅「那須高原友愛の森」総合計画(案)【目次】
ページ
はじめに
1
1
道の駅「那須高原友愛の森」のなりたち
2
2
道の駅の整備目的と再整備へ向けた動き
5
3
計画・事業の流れ
6
4
テーマおよびコンセプト
9
5
新たな導入機能
14
6
ゾーニング検討
17
7
動線検討
20
8
施設のイメージ
20
9
整備手法と資金検討
21
10
管理運営主体の検討
22
はじめに
本町のリーディング産業
は観光であり、経済波及効果
推計額からも実証されてい
ます。しかし、他地域との競
合もあり、さらなる魅力向上
が求められております。
また、那須地域は、山や川
に囲まれ、自然が豊かで、高
原リゾートを中心とした観
光や酪農、農業が盛んな土地
柄であり、都心方面からの移
住も多く見られます。
町内には道の駅が2箇所(「那須高
原友愛の森」
「東山道伊王野」)あり、
町内道の駅の入込みは東日本大震災
の影響を除くと、微増傾向にありま
す。ただし、大幅な増加にまでは至
らず、全国規模で人気のある道の駅
と比較すると、交通量は多いものの、
立ち寄り人数の割合は少ないことが
伺えます。
-1-
1
道の駅「那須高原友愛の森」のなりたち
道の駅「那須高原友愛の森」が設置された背景 と 計画策定へ向けて
道の駅「那須高原友愛の森」は、広谷地中学校跡地の敷地面積約 2.9ha に、那須町観光
振興基本計画(S59.11)に基づき、町の文化とスポーツの拠点施設として位置づけられま
した。その後、文化とスポーツ、観光レクリエーション施設のネットワーク拠点として「那
須友愛の森」全体計画(S60.11)が決定され、昭和 63 年 7 月の彫刻シンポジウムを経て
同年 8 月にオープンしました。
(当時の施設:ふるさと物産センター、定住センター工芸館、展示棟、スポーツ広場、自
然観光館 等)
道の駅としては、平成 9 年 4 月に「那須高原友愛の森」として登録しましたが、当時は
駐車場の台数が少なく、トイレも老朽化し、観光情報などが無かったため、全国的にも知
名度の低い道の駅でした。
転機としては、那須高原地域再生計画
(H16.6)を策定し、平成 17 年度から観光交
流センター・アグリ情報館、公衆トイレ、駐
車場等の整備を行い、直売所もオープンする
など道の駅としての要素が拡充しました。ま
た、平成 19 年には那須の食レストラン「な
すとらん」が整備されるなど、地域色をより
打ち出すことで那須町の PR をし、生産者と
消費者をつなぐ役割も兼ねることになりま
した。また、東京往復高速バス乗り入れや、
直売所付帯施設の拡充、ふるさと物産センタ
ーのリニューアル、電気自動車用急速充電施
設(EV ステーション)を設置、バイオディー
ゼル精製装置を設置するなど多様な要素が
盛り込まれ現在に至っております。
来場者数の目標については、従前の「那須高原友愛の森整備基本計画」(H17.03)によ
り平成 27 年度の年間来場者数目標を 50 万人と設定しましたが、平成 25 年度末現在の年
間来場者数は目標を超え約 67 万人になっています。しかしながら、夜間や冬季(閑散期)
の立ち寄りは依然として少ない傾向にあることから、当地のみならず那須全体の観光で捉
えていく必要があります。
-2-
このよ うな背景の中、既存エ リア約
2.9ha に加え、隣接地約 1.7ha を平成 24
年度に取得し、
「那須高原友愛の森」を那
須観光の玄関口として位置づけ、道の駅
のみならず町全体の観光への波及と観光
客を誘導していくため、
『道の駅那須高原
友愛の森総合計画』を策定することにな
りました。
-3-
■ 道の駅「那須高原友愛の森」の変遷
道の駅「那須高原友愛の森」の今までの流れについて以下にまとめます。
昭和59年11月
那須町観光振興基本計画
↓
昭和60年11月
那須友愛の森全体計画
↓
昭和63年7月
彫刻シ ン ポジ ウム
昭和63年8月
「 那須友愛の森」 オープ ン ( 敷地面積2.9ha)
↓
平成9年4月
「 那須高原友愛の森」 と し て道の駅に登録
↓
平成16年6月
那須高原地域再生計画
↓
平成17年
観光交流セン タ ー、 ア グリ 情報館、 公衆ト イ レ 、 駐車場整備
農産物直売所オープ ン
↓
平成19年
那須の食のレ スト ラ ン 「 なすと ら ん」 オープ ン
高速バス「 那須リ ゾ ート エ ク スプ レ ス」 乗り 入れ
↓
平成20年
直売所付帯施設設置
バイ オディ ーゼル装置設置
↓
平成23年
那須町観光振興基本計画
↓
平成24年
E V ステ ーシ ョ ン 設置
北側隣接地取得
ふる さ と 物産セン タ ーリ ニュ ーア ル、 通販サイ ト 開設
↓
平成25年
年間来場者数67万人達成( 当初目標50万人)
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2
道の駅の整備目的と再整備へ向けた動き
「道の駅」来場者数の増加 と 町全体への波及に向けて
本町の観光政策は、那須町観光振興計画および那須町観光振興基本計画に基づき、施策
を展開しています。道の駅の整備はこれらの上位計画を具体化していくものです。
「那須高原友愛の森」は、那須温泉や那須高原のリゾート観光施設の立ち寄り拠点とし
て機能し、年間入込み数は約 67 万人(平成 25 年)を達成しました。
今回、既存施設の北側に本町において敷地を取得し、さらなる「那須高原友愛の森」の
魅力向上と町観光の PR をより充実させます。観光地における「次世代型道の駅」の実現
のために「リニューアル計画」を策定し、町全体の魅力と賑わいの向上を目指します。
『那須高原友愛の森』は、従来の情報発信機能、休憩機能、地域連携機能に、防災機能
を加え、
『道の駅4機能』を併せ持つ複合多機能型の道の駅として整備します。
また、道の駅が最終目的地とならずに、那須全体の観光の玄関口として機能する情報発
信型の道の駅とし、
「那須高原友愛の森」から町内の観光地への周遊を促します。また、
那須地域の観光拠点として機能し、町全体が活性化するよう促します。
-5-
3
計画・事業の流れ
計画・事業の流れと実施内容
総合計画では、「那須高原友愛の森」を整備する目的やコンセプトの明確化と、これら
を実現させるために必要な導入機能などを検討・決定していきます。
基本計画では、導入施設の規模や配置、車両動線、インフラ計画、管理運営計画を検討
します。
その後、施設をつくるため詳細設計を進めます。
本計画(総合計画)では、詳細の建物構成や配置は方向性のみ検討することとし、今後
の「那須高原友愛の森」における大筋の方針を示すものとして、整備や運営の考え方や方
向性、目指すべき空間等のイメージを検討します。
具体的に「那須高原友愛の森」については、下図のようなフロー内容で再整備を進めま
す。
総合計画(Stage-1)
【 総合計画の範囲】 平成25、 26年度
道の駅を 再整備する 目的やコ ン セプ ト を 明
整備目的
確にする 。
コ ン セプ ト
導入機能やゾ ーニン グの条件、 方針を 整理
導入機能の検討
する 。
ゾ ーニン グ検討
整備手法や資金計画について整理、 把握す
動線検討
る。
施設検討
整備手法と 資金検討
管理運営主体の検討
基本計画(Stage-2)
【 基本計画の範囲】 平成26年度
導入施設の整備方針
必要な機能と 規模を 決定する 。
導入施設の規模算定
設置位置の選定
動線計画
大ま かな配置計画や動線を 検討し 、 具体的な施設
配置を 決定する 。
建物の規模や意匠についても 検討する 。
イ ン フ ラ 計画
必要な設備の概要を 把握、 協議内容の明確化。
管理運営主体の検討
管理運営主体の枠組みや施設整備のための具体的
な方法について検討する 。
ゾ ーニン グ計画
建築計画
整備手法と 資金計画
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事業実施に向け、総合計画、基本計画決定の後、工事を行うため詳細設計を行い、リニ
ューアルオープンへ向けた工事を進めます。
設計・工事(Stage-3)
【 実施設計】 平成27年度
土地利用計画に基づく 設計
基本計画に基づき 、 必要な設計を 行う 。
建築や外構等の設計
【 工事】 平成28、 29年度
土地およ び建築や外構の工事
実施設計に基づき 、 工事を 行う 。
リ ニュ ーア ルオープ ン
( 平成30年度を 予定)
工事期間中は、現体制に近い形での営業形態とし、リニューアルオープンへ向けての体
制づくりと準備期間とします。
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基本方針 と 策定委員会・幹事会の設置
本町では、「那須高原友愛の森」を那須高原エリアの総合ターミナルとしての位置づけ
をしていますが、今回、総合計画を策定する上で以下の基本方針を設定しました。
道の駅「那須高原友愛の森」総合計画の策定方針
○基本的な考え方
・那須高原エリアの総合ターミナルという位置づけを確立する。
・道の駅の4機能(休憩・情報発信・地域連携・防災)を見直しさらに強化する。
・観光地の玄関口としての良質な空間づくり、独自カラーを鮮明にし、一度は訪
れたい道の駅として、他の模範となることを目指す。
上記の策定方針に基づき、学識経験者や地区の代表からなる策定委員会および行政や実
務者レベルでの幹事会を設置し、総合計画の方向性を検討することになりました。
この総合計画に基づき、那須高原友愛の森のリニューアルオープンを見据え、今後は基
本計画や事業実施に向けた協議、設計等を進め、計画の具体化を進めていきます。
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4
テーマおよびコンセプト
総合計画の策定方針に基づき、整備に向けたテーマを以下に掲げます。
~
那須高原の総合ターミナル
~
那須観光の玄関口として
テーマを実現するための方針設定
コンセプトの「4つの柱」 と 道の駅 4 機能の強化
「那須のイメージ」を底上げするために、全体のコンセプトとして大きく4つの項目を掲
げます。
コンセプトの柱
道の駅 4機能の強化
→
情報発信・地域連携・休憩・防災機能
那須のブランディング
→
上質空間・ホスピタリティ(おもてなし)の実現
那須観光の起爆剤
→
那須の魅力を PR・多くの方への認知
リゾートとしての演出
→
高原リゾートらしい賑わい空間の演出
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那須の魅力とポテンシャル
本町には、歴史・文化、観光・産業、景観・自然などで様々な魅力があります。
那須高原友愛の森では、当地に立ち寄っていただいた利用者へ向けて、那須の魅力と良さ
を知り、那須ブランドの良さを体感していただくことでリピーターを増やし、町全体が観
光を通じて今後も発展していくことが出来るようにします。
- 10 -
計画のコンセプト
リニューアルの計画に向け、整備の方向性を以下に整理します。
歩いて楽しい賑わいリゾート空間をつくる
那須高原エリアのエントランスとして、高原リゾートを感じる空間づくりを進め
ます。
観光シーズンを中心に容量不足のトイレ問題を解決する
北側拡張地付近に駐車場整備をし、周辺にトイレを設置します。
清潔で明るいトイレ空間を実現します。
駐車場の確保
入込み状況に応じた駐車場空間を確保し、場外への駐車場確保にも努めます。
県道および駐車場間の連絡通路を設ける
夏季や観光シーズンの休日は相当数の車両が場内滞留となる可能性もあることか
ら運用面を工夫します。
イベント用広場の設置
地域との連携を進めていくため、一定スペースの広場空間を確保します。
住民のコンビニエンス機能の設置
地域に開かれた道の駅を目指すため、地域住民へのサービスとして、行政機能の
一部や金融機能の導入を検討し、防災施設や緊急時の発電システム等の設置を目指
します。
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空間のコンセプト
観光客や地域住民双方が集う道の駅とするため、防災、情報発信機能に加え、空間の魅
力を創出する要素を加えます。
自由空間・マルシェ
那須の素材を PR する空間をつくります。
現工芸館の建物を活かしたメディア施設化
既存の工芸館内部を改修し、音楽や地域の文化に触れることや、FM サテライト
スタジオなどによるリアルタイムに情報発信する仕組みを検討します。
那須連山への眺望のためのスカイデッキ・森に囲まれた空間
観光客に那須の魅力を印象づける空間をつくります。
園内に分散する水と緑のふれあい空間・水と緑とが融合した建物群
自然と親しむ空間と自然素材を用いた建物群を配置、居心地の良い場所をつくり
ます。
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設定目標
事業を進める上で、リニューアル後の目標を設定します。
目標に向け、必要な整備事項や調整事項、仕組みづくりを今後進めていきます。
年間来場者数
現在:年間入込み数 67 万人
→ リニューアル後:年間入込み数
100 万人目標へ
具体的ビジョン
リピート率の高い
関東人気ナンバーワンの道の駅へ
(リゾート地ならではの印象に残る道の駅へ)
売上げの増加のみを最終目標とするのではなく、リゾート観光地らしい那須の魅
力を体感、発信できる場所として位置づけます。
上図にある項目を常に連携させて、道の駅の事業をきっかけに那須全体の観光
の質がさらに向上することを目指します。
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5
新たな導入機能
コンセプトを実現するための導入機能(
「道の駅」4 機能)
休憩機能 の主なメニュー
「道の駅」の基本施設のひとつとして、24 時間利用可能なトイレを現在の南側駐車場付
近にある 1 棟に加え、北側駐車場整備に合わせ、周辺に1棟新設します。
道の駅等の先進地での取組みにもあるよう、清潔であたたかみのあるトイレを提供し、
利用者の快適度向上を図ります。特に、女性やファミリー層の利用促進につなげ、那須の
イメージ向上につなげます。
駐車場については、安心安全で多くの人が利用することが出来るような配置とし、歩行
者動線と車両動線とが交錯しないようにします。
北側の駐車場整備
→
利用しやすい駐車場整備、車両動線同士が交錯することのないわかりやすい配置
を目指す。
既存の駐車場と合わせて、300 台程度の駐車台数を確保
→
既存駐車場の駐車区画再編
→
年間入込み目標 100 万人に対応
→ 多客時は敷地周辺に臨時駐車場を確保する。
新規トイレの設置
→
合計 2 箇所に(既存:南側、新設:北側)
既存トイレの改修
→
新規トイレと同様な機能とし、仕様を合わせる。
サイクルステーションの設置
→ 自転車周遊観光の拠点施設として、各種サービスを提供する。
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地域連携機能 の主なメニュー
現在、農産物直売所においては、朝どり野菜が午前中で完売してしまうほどの人気と
なっています。また、ふるさと物産センターでは、乳製品などの加工品など那須らしい
食材や那須らしいみやげ物を販売しています。
那須の食材の良さ、品質の良さをより広く伝えるため、運営の方法、商品の陳列方法
等を工夫することや、那須の食を内外に発信するレストラン、また、カフェを設置しま
す。
那須らしい高原リゾートを連想させるような場所を提供することで、再び訪れたいと
思われるような仕組みづくり、那須の素材を活かした工芸品などとも連携し、ここでし
か手に入らない加工品や工芸品などのファンを増やします。
農産物直売所の拡充と物産センターとの連携
→ 当施設の売上げの主要な部分を担う直売所を強化し、那須野菜等の地元農産物販
売に加え、物産品販売スペースとの連携を検討する。
既往の施設群に加えて、地域の食を発信するレストランやカフェを設置
→
地元民業を中心にテナント方式の店舗を検討する。
→ イベントやマルシェを定期的に開催し、賑わいをもたらす。
地元で活躍する作家の PR
→
那須で活躍する芸術家や作家の作品を展示・販売等を行うアートクラフト館を設
置し、制作教室の開催など地域内外交流を深める。
公共サービス機能
→ 行政サービスや ATM 等の設置を検討する。
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情報発信機能 の主なメニュー
町内の観光情報や周辺交通状況などを提供し、地域の情報をいち早く多くの方々に提
供できることを目指します。
バスターミナルと観光案内機能の連携により、観光情報と交通情報のワンストップサ
ービスを提供し、利用者にわかりやすい案内を提供します。
観光案内機能、交通ハブ機能の強化
→
那須町の観光の玄関口として、情報発信機能を強化する。
→
観光情報の集約化とリアルタイムな情報発信をする。
→
二次交通を含めたバスターミナル拠点を強化する。
防災機能 の主なメニュー
防災館は、災害等の非常事態が発生したときに、必要な物資を地域住民へ提供するこ
とや、防災拠点として道の駅が機能するための設備を備えます。
また、多目的スペースを設けることで有効利用を促します。
防災館の設置
→ 平常時は、地域住民等の利用可能な多目的な空間として活用する。
→
防災備蓄機能を併設し、災害時に備える。
→ 自然エネルギー等を活用した防災施設を計画する。
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6
ゾーニング検討
ゾーニングの条件整理
ゾーニング検討を行うにあたり、以下の面を踏まえ条件を整理します。
交通面・公共交通からの条件
敷地周辺の道路事情として、敷地の東側に隣接する県道 17 号那須高原線は、東北道那
須インターチェンジから那須高原へ向かう主要道として機能し、拡張敷地北側には県道
30 号矢板那須線があり、矢板、西那須野塩原方面からの交通も考慮する必要があります。
現在、当地には高速バスをはじめ、町民バス、周遊バス等が乗り入れ、路線バスも停
車することから公共交通の要所となる場所であり、交通ハブ機能として交通情報案内の
高度化を目指します。
なお、公共バス(長距離バス)
、町内周遊バスの発着点について北側駐車場への移設を
検討します。
交通ハブ機能としての場内バスターミナルの高度化(高速バス、循環バス等)
→ 公共バスのターミナル駅として交通情報案内機能と連携し、乗りかえ等がスム
ーズにいくようにする。
(ワンストップサービス)
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利用者視点からの条件
観光客のニーズの変化に呼応した場所づくりが望まれます。わかりやすい施設配置を
実現することや、住民と観光客とが交流可能な魅力ある空間づくりを目指します。
トイレの設置場所や休息施設の配置
→ 道の駅の機能として、駐車場から近くわかりやすい位置にトイレを設置する。
多くの人が交流する広場空間の配置
→ 地域内外の人同士が交流する、情報交換等の場所を提供、イベント等で那須を
PR する場所として設置する。
楽しく歩ける空間の配置
→ 那須に来たことを体感できるような、非日常的空間で過ごすことが出来る演出
された空間を配置する。
景観面からの条件
敷地の北側には那須連山への眺望が確保され、周辺は森に囲まれた雰囲気があります。
那須高原のイメージが凝縮された有利な立地性を活用します。
景観の魅力向上
→
道の駅の内部空間のみならず、周辺の那須連山への眺望を大切にする。
また、森の中の空間にいるような高原リゾート地としての魅力向上に努める。
→
北側の県道(矢板那須線)について、道の駅区間の電柱・電線の地中化を
検討していく。
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法令等からの条件
当地では、自然や景観を大切にすることを目的に様々な法規制や条例が設定されてい
ます。
様々な法令等を理解し、地域の景観を阻害しない施設や建物の形とします。
様々な法令等による制限
日光国立公園 第2種特別地域及び特例地域
とちぎふるさと街道景観条例(栃木県)
那須町景観計画(那須町)
那須町景観条例(那須町)
那須町屋外広告物条例(那須町)
森林法 開発行為
敷地のおよそ半分が日光国立公園内、条例等の規制
→
建物の規制、色の規制、屋根
勾配の規制(平入り、妻入りな
ど)
→
外周に5m幅以上の緑地を
設ける。敷地の 25%相当を緑
地に
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7
動線検討
車両動線・駐車場配置計画の整理
賑わいを見せているエンターテイメント施設や商業施設(ショッピングセンター)等で
は、
「もてなす空間(表)」と「もてなす側の機能的空間(裏)」を明確に分け整理されて
います。
「那須高原友愛の森」においても、来場者をもてなし、賑わいを見ることができる(魅
せることができる)ことは、那須の情景を印象付ける上で非常に大切です。
これらのことを念頭に、利用者と管理者の動線を整理し、双方にとって効率の良い空間
創出に努めます。
管理用動線と連絡通路
道の駅施設空間では、表の顔としてお客様をもてなす場とし機能します。表側には
人々が歩いて楽しい空間であることが求められるため、車両の乗り入れはせずに、人々
が楽しく安全に過ごすことが出来る空間とします。
その一方で、施設空間で様々な演出を行っていく上では、物資の搬入など機能的な面
が求められるため、管理用空間についても検討していきます。
8
施設のイメージ
楽しく歩く、過ごすことができる仕組みや空間のモデル
道の駅の施設空間内部は、車両の進入にさらされることなく、安心して憩う、くつろぐ
ことができる空間とします。
「那須高原友愛の森」においては、那須高原リゾートを思わせる、楽しく歩くことがで
きる空間を実現させるため、建物の配置や様式の検討、演出方法などを模索します。
また、冬場や夜の営業について、暖をとる手法や夜の演出方法についても検討を重ねて
いきます。
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整備手法と資金検討
「那須高原友愛の森」の整備手法の整理
本町の財政負担等を勘案し、国の社会資本整備事業の補助(以下、国庫補助 予定)を
活用し再整備を行います。
売上げ予測
平成 24 年度における年間来場者数が 61 万 7000 人に対し、3 億 6000 万円 の売上げを計
上し、一人当たりに換算すると、約 600 円の消費をしていることがわかります。
単純に年間来場者数を 100 万人として客単価はスライドした場合、5 億 8000 万円 の売
上げを見込むことが出来ます。しかし、リニューアルに伴い高質な空間を整備することや
営業時間の延長により、年間目標来場者数に対し 8 億円(一人当たり 800 円)まで底上げ
をしていくことを目標とします。
投資額の見込み
試算としてプロジェクト単体の町調達額について、経済効果を基準とした場合に町の公
債費率(約 12%)を超えないよう設定します。
リニューアル事業では政府系融資を活用し 12 年間かけて償還する計画とします。売上
げや地域への波及効果を踏まえ、国庫補助金を含めておおよそ 25 億円以内の事業費を想
定しています。
なお、施設の規模、仕様、使用素材を十分検討し、過度な財政負担にならないよう努め
ます。
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10 管理運営主体の検討
運営母体の一元化と品質向上
現在、道の駅の運営主体としては、全体の管理運営を町の第三セクター那須未来株式会
社が担い、直売所やレストラン、工芸館の運営をそれぞれの組織(ふれあいの郷直売所組
合、なすとらん運営組合、那須町工芸振興会)が担っています。
お客様に向けてのサービスの平準化や道の駅ビジョン共有のため、それぞれの組織が連携を
図ることが重要です。
そこで、一元管理を推進することを念頭に、リニューアル後は指定管理者により運営を
行います。このため、計画から工事期間中において組織再編に向けた検討と具体化を推進
していきます。
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