仙台・川崎・京都・神戸・北九州5都市を結ぶ企業間連携促進プラザ[PDF

平成 25 年度 地域間の相互補完によるイノベーション力強化モデル
【事業の目的】
ものづくり中小企業の開発ニーズやシーズを広域的にマッチングさせる機会を設け、さらに付加価
値の高い製品やサービスを開発して競争力を強化したための研究開発を支援した取り組みが、日本
全体のものづくりの技術力向上にとって必要不可欠である。
(公財)仙台市産業振興事業団が平成23年度地域産業活性化対策補助金(工業品等に係るビ
ジネスマッチング商品開発支援事業)として実施した「震災復興都市間連販路開拓等支援事業」で
は、川崎市、京都市、神戸市、北九州市の産業支援機関と連携し、事業を実施したところである。
この過程で支援機関のコーディネーター(以下CD)間のネットワークが構築でき、これに基づき、次
のような支援先企業の相互補完関係の構築ができた。
(例1)京都市の研究指向型企業が求めていた金属の表面加工技術を仙台市の企業が保有して
おり、相互連携をしたことで、自社製品の付加価値向上を実現した。
(例2)川崎市の画像処理技術をベースとした品質検査機器製造企業が求めていた画像処理シス
テム技術を仙台市の企業が保有しており、相互連携をしたことで、自社製品の付加価値向上を実現
した。
(例3)仙台市の放射線測定装置製造企業が求める無線を活用した測定装置のデータ収集・管理
技術を川崎市の企業が保有しており、相互連携をしたことで、自社製品の付加価値向上を実現した。
こうした地域を越えた企業間の相互補完関係は、地域企業を熟知したCD間の信頼関係がベース
となって構築できたものであり、このネットワークを活用したことにより、展示会の開催費用や企業側の
出展費用を抑えられた効率的なマッチングが可能となる。
本事業は、仙台市、川崎市、京都市、神戸市、北九州市の5都市間でCD間連携ネットワークを構
築し、企業間の相互補完関係の構築を促進したことにより、地域のイノベーション創出力を強化した
ことを目的に実施したものである。
【事業のスキーム図】
【企業間連携促進プラザ パンフレット】
【企業間連携促進プラザ 開催実績】
【企業間連携促進プラザ 企業紹介シート】
仙台市
川崎市
京都市
神戸市
北九州市
ヘルシーハ
コスモスウ
ット
ェブ
キャトックス
JKB
グローバリ
クロスエフェ
ーテック
クト
バイセン
コムコム
イクシスリサ
ーチ
ミヤコテック
プラモール
精工
協同インタ
ソノテック
ル
最上インク
長濱製作
ス
所
マイクロコー
アトラステク
イトデンエン
テック
ノサービス
ジニアリング
不動鋼板
大久保設
工業
備工業
アジア技研
ーナショナ
KHI
ヤノ技研
松村機械
産業
坪田測器
日本プライ
スマネジメ
ント
ご関心を持たれた企業がある場合は、恐れ入りますが、各地域の支援機関へ直接お問い合わせくだ
さい。
【各地域の産業支援機関(お問い合わせ先)】
・公益財団法人仙台市産業振興事業団
(地域産業振興部)
http://www.siip.city.sendai.jp/
・公益財団法人川崎市産業振興財団
(新産業振興課)
http://www.kawasaki-net.ne.jp/
・公益財団法人京都高度技術研究所
(産学連携事業部)
http://www.astem.or.jp/
・公益財団法人神戸市産業振興財団
(経営支援部)
http://www.kobe-ipc.or.jp/
・公益財団法人北九州産業学術推進機構 (中小企業支援センター)
http://www.ktc.ksrp.or.jp
地域間の
地域間の相互補完によるイノベーション
相互補完によるイノベーション力強化
によるイノベーション力強化モデル
力強化モデル
事業目的
‣ものづくり中小企業の開発ニーズやシーズを広域的にマッチング
させる機会を設け、さらに付加価値の高い製品やサービスを開発
して、競争力を強化するための研究開発を支援する体制を構築
し、日本全体のものづくり技術力を向上
‣地域を越えた企業間の相互補完関係を、地域企業を熟知した
コーディネータ(CD)間の信頼関係をベースとして構築し、このネッ
トワークを活用することにより、展示会の開催費用や企業側の出
展費用を抑えた効率的なマッチングを実施
‣5都市間でCD間連携ネットワークを構築し、企業間の相互補完
関係の構築を促進することにより、地域のイノベーション創出力を
強化する
期待される効果
‣出会う機会が乏しかったCD同士で広域的なネットワークが
構築でき、課題解決にあたって必要となる多様な参考事例を
共有できることから、CDの支援レベルの底上げに寄与
‣あらかじめCDが抽出した企業による企業間連携促進の取組
により、効率的なマッチング
‣各CDの持つ暗黙知を形式知に替え、他地域への展開が
容易となることから日本全体のものづくりの技術力向上に寄与
‣他の支援機関へネットワークを拡大、新規入会促進
実施内容
‣5都市の支援機関において、企業支援に中心的な役割を担う
CD 1 ~ 2 名 を 抽 出 し 、 「 都 市 間 CD ネ ッ ト ワ ー ク キ ャ ラ バ ン 隊
(仮称)」を構築
‣都市間CDネットワークキャラバン隊が5都市を巡回し、各都市で
は企業間連携促進プラザを開催。企業間連携促進プラザでは、
開催都市のCDが抽出した企業(全地域で20社程度)の5分間PR
を実施
‣ 企 業 PR 資 料 は 、 使 用 可 能 な 範 囲 で イ ノ ベ ー シ ョ ンネ ッ ト の
ホームページ等を通じて情報発信
‣各都市のCDは、個々に暗黙知として持つ企業情報把握手法や
企業発掘手法の形式知化を図り、本事業を他の都市の支援
機関に展開する為の手引書を作成
【企業間連携プラザの実施状況】
【企業間連携プラザの効果】
・これまで取引のなかった遠隔地の企業からの照会など、企業
同士の連携に進捗。
・産業支援機関の仲立ちにより、本来企業独自で入手
できなかった他地域企業の詳細な情報提供が可能に。
・販路開拓に限らず、共同開発、協業、サプライチェーンといった
多様なマッチングの機会づくりができた。
・広範地域間のCD同士の連携強化のみならず、連携プラザ
開催地機関との交流もでき、横連携が進んだ。
・多彩なバックグラウンド、キャリアを持つCD同士が地域企業を
交えながら連携したことにより、互いのスキル、ノウハウの共有が
進んだ。
【留意点】
・マッチング成立のためには長期間要す場合が多いため、長い目
での支援が必要
→予算事業期間内での成果の見える化が難しい点も
・企業に対して、具体的な広域連携ニーズをプレゼンさせるような
指導が必要
→マッチングニーズはCDが細かく把握し、何を希望するのか
よく見極めることが重要
・CDの人事異動があったとしても、機関同士の信頼関係が継続
するネットワークづくりが必要
・産業支援機関として十分フィルターをかけること
→各支援機関は、目利き能力の向上・維持に努めつつ、
ノウハウを共有
・まずは限られた範囲の連携関係を大切に
【まとめ】
(1)展示会へ出店することなく自社製品をPRできるので、企業
にとって費用、人的負担が軽減できる
(2)各都市のCDが他地域へ一同で巡回することで、企業情報
の効率的な共有化が図れる
(3)他地域の企業事情・特性が認識できる
(4)各地域のCDの役割やコーディネート手法が異なるため勉強
にもなるが、調整に時間必要
(5)一堂に会しての議論・情報交換など、準備に十分な時間を
割けないため、引き合いの多寡が不明のまま走らざるを得
ない
(6)継続的な事後フォローに要する財源確保が困難