男女七歳にして席を同じうせず 昔は厳然としてこの掟が守られてきた。その甲斐あって、男児は男として、女児は 女として育った。男は男らしく、女は女らしく、その特徴が自ずと磨かれた。その大 きな現れの一つが、ことばであろう。男言葉と女言葉。 下 の 孫 は 今 中 2で あ る 。 ヒ ゲ ・ じ ー ち ゃ ん は こ の 孫 に 毎 日 夜 7時 か ら 勉 強 を 教 え て い る。今日英語の勉強をしているとき、英語の文章を日本語で表現するとき、学校の訳 と違っていてはいけないと思い、昔の虎の巻(今では教科書ガイド)の訳を参照して 教えている。 ニ ュ ー ホ ラ イ ズ ン の 1年 生 の 教 科 書 は 、 男 子 生 徒 と 女 子 生 徒 の 会 話 で 構 成 さ れ て い る 。 先ず、孫に英語から日本語に訳させてから、ガイドの訳とつきあわせている。 その突き合わせをしているとき、女子生徒の会話の言葉をヒゲ・じーちゃんが言っ たとき、今の女子中学生はそんな女言葉を使わないよと茶々を入れてきた。 どういう言葉遣いをしているのかを尋ねたら、男子中学生より汚い言葉を使うよと、 想像していたとおりの答えが返ってきた。男子生徒を呼ぶときは、全て呼び捨てだそ うである。 教室でも女子生徒の方が強く、男子生徒は小さくなっているという。想像するに、 授業後の掃除は、男子生徒がやっていて、女子生徒はやらずに傍観しているだけとい う現象が起きているのではないだろうか。 この傾向が、異性に対する関心が非常に薄れ、恋愛感情も起きにくくなっているの ではないかと思う。それが現代の晩婚、未婚現象につながっていると断定してもいい のではないか。当然その結果は、少子化問題になる。 国 連 の あ る 機 関 の 発 表 に よ る と 、 2060年 に な る と 日 本 の 人 口 は 急 激 か つ 大 幅 に 減 少 するだろうと発表している。すでに国家存亡の危機に瀕していると言っても過言では なかろう。 ”男女七歳にして席を同じうせず”と教えていた、また教えられていた時代の人が、 この話を聞いたら腰を抜かすだろう。人間も能力の差を認めて平等であるように、男 と女の違いを認めて始めて、人間の平等が言えるのではないかと、ヒゲ・じーちゃん は言いたい。 - 1 -
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