資料3 過去3回の検討会における主な意見(未定稿)(PDF形式:34KB)

資料3
過去3回の検討会における主な意見(未定稿)
1.在園時間や日数等が異なる多様な園児がいることへの配慮について
〇一日の生活の連続性及びリズムの多様性に配慮した教育及び保育ついて、どのように
考えるか
(生活の流れ)
〇
一日の生活の連続性及びリズムの多様性について、現行の教育・保育要領に記載されて
いる事項に付け加えて、より分かりやすく具体的に記述していく必要がある。特に、午後
の過ごし方の工夫について、記載すると良い。
〇
園児の生活の流れにはタテとヨコの流れが考えられる。タテは園児一人一人の一日の生
活の流れ、ヨコは園の生活の流れ(区切り)
。園での生活の区切りをつけながら、園児一人
一人の生活リズムをつなぐということが大事。
〇
一日の生活をどう包むかということを考えた時に、それぞれの園の状況によって創意工
夫が必要になってくる。例えば、園のベースが幼稚園なのか、保育所なのかなどの違いや、
短時間で降園する子どもと長時間過ごす子どもの人数のバランスなどで、過ごし方や環境
のつくり方も違ってくる。
〇
教育課程に係る教育時間から午後の教育及び保育の時間へのつなぎの時間では、遊びの
連続性や続きの遊びへの配慮等、気持ちが細切れにならないようにすること、また、降園
する園児に対しては、次の日の遊びへの期待感を持たせるようにすること等が大事。
〇
在園時間が異なる多様な園児がいることへの配慮は、子どもにとって、与えられる時間
ではなく、子ども自らが作り出す生活の時間として過ごすことができるかどうかではない
か。一日の流れに関して言うと、子どもが園生活の主体として、その一日一日を、自分で
あるいは自分たちで考えて生活を作り上げているという実感が持てるかどうかが重要。
(学びの連続性・発達の連続性)
〇
乳児期からの発達の連続性を押さえ、さらに、個々の発達の特性等に応じた環境と、家庭
と園生活のバランスについて具体的に示した方が良い。
〇
教育及び保育の内容は教育及び保育時間の違いで分断されないということを明確にする
ことが非常に重要である。教育課程にかかわる時間帯、主に午前中のコアタイムと言われ
る時間と、午後以降の時間とで共通するところは何か、また、違うところは何かというと
ころを、教育・保育要領で明確にしていく必要がある。どういう事柄が午後の時間帯に必要
であるのか。それぞれの時間帯に本質的なことは何かを議論する必要がある。また、教育
課程に係る教育時間は、4時間を標準としているが、あくまでも目途であり、いろいろあり
得る。その辺りも念頭に記載する必要がある。
1
(朝夕の環境)
〇
朝の保育はその日の始まりであり、ただ預かればいいわけではない。その時間帯の充実
を考え、環境の工夫が必要である。その時間帯のありようについて記載する必要がある。
〇
朝・夕の環境は、家庭的な雰囲気が大事だが、それぞれの時間にふさわしい一人一人に
応じたということも考えながら工夫していく必要がある。
(教育課程に係る教育時間)
〇
満3歳以上の園児については、同一学年の園児で編制される学級による、集団活動の中
で遊びや生活が展開される。3・4・5歳児と経験を重ねていく中で、学級としてのつなが
りや園児同士のつながりを深めていくことが重要である。また、同じ学級の仲間として生
活し、育つことを踏まえ、教育課程に係る教育時間の終了時の一斉活動を工夫したり、ま
た、その時間設定を考慮したりすることが必要である。
(教育課程に係る教育時間外の教育及び保育)
〇
教育課程に係る教育時間外の教育及び保育は、安心してゆったりと過ごせる場所と時間
の確保を前提としながら、学級とは異なる園児や保育教諭と出会い、園児の経験が広がる
時間でもある。多様な園児の交流ならではの育ち合いも見られる。教育課程に係る時間の
内容と切り離すのではなく、緩やかに関連を持たせながらこの時間帯ならではの経験がで
きる内容を積極的に位置づけ、園児の自然な活動の欲求を満たせるようにする。この時間
帯がより重要になってくる。そこの充実を図っていくことが必要である。
〇
午睡に関して、現行の教育・保育要領の記述を踏襲した形で一律にしないことを記述す
ることが望ましい。
〇保育教諭の連携や環境等の工夫について、どのように考えるか
(つなぎの時間・保育教諭の連携)
〇
それぞれの時間と時間のつなぎ目のところでの配慮をどのようにしていくか。例えば、
早朝の保育から教育課程に係る教育時間へのつなぎの時間では、子どもが自ら気持ちを切
り替えて早目に片付けをし、次の時間へ気持ちを向けられるように仕向けること等。
〇
適切な指導体制を整備した上で、保育教諭が園児の午前・午後の活動の様子や気になっ
たこと等、共通認識していかれるように様々な立場や担当の保育教諭同士が情報交換をし
たり、話をしたりできるような機会を日常的につくり、連携を図れるようにし、生活の連
続性を確保することが必要である。
〇
保育教諭同士、長時間いる子どもたちの情報等をどのように共有し、子どもの生活の連続
性を確保していくか。引継ぎの際に、ちょっとした言葉でつないでいくことなど、子ども
たち一人一人の様子をどのように伝えていくかを具体的に記載する必要がある。
2
(指導計画作成)
〇
指導計画の作成において、朝から夕方まで一日を通した計画が必要であり、午前・午後
と教育及び保育に関わる保育教諭が一緒に作成していく必要がある。また、一時預かり事
業などの活動と長時間在園する園児の教育及び保育とを合同で行う際、それぞれの子ども
たちの生活を前提とした配慮事項をもち、それらを踏まえた上での計画をたてる必要があ
る。
〇
幼保連携型認定こども園では、異なる背景(異なる生活背景や保育時間、異年齢 など)
を持つ園児同士が、自分とは異なる考えを持っている人を受け入れ、共に生活する(共生
する)ということを、生活を通して学ぶことが可能になる。様々な背景を持つ子どもたち
が存分に自己を発揮しながら互いに刺激し合う生活は、相手の考えを意識したり、認めた
り、新しい考えをつくり出したりすることにつながる。指導計画を作成する際に、これら
のことを意識するとともに、全ての園児の生活と育ちをより豊かにしていくという観点を
持ちながら配慮できると良い。
〇
多様な生活経験や興味を持つ園児が集うことで、遊び方の違いから遊びが混じり合い、
面白い遊びが生まれる。また、魅力的な遊びは、園児の興味を引き、つながりをつくる。
「面白そう」
「やってみたい」と子どもたちが思える遊びをしかけていくことが大事であり、
保育教諭の力量が問われる。
〇
在園時間の異なる園児が一緒に過ごすことでの配慮は、現行の教育・保育要領に記載さ
れているが、その人数比によっても、配慮が違ってくる。基本的には個々への配慮が必要。
特に、3歳児以降でも個別の配慮を豊かにしていくことが、多様性の中では大事である。
3歳児以上のクラス計画の中でも、個別の子どもたちへの理解・配慮の必要性について記
載する必要がある。
(長期休業)
〇
長期休業中の教育及び保育は家庭や地域での園児の生活を意識した上で、地域の実態や
園の実態等を踏まえ実施されることが望ましい。またその際、内容等によっては、休業中
の園児にも投げかけ、希望者は一緒に経験できるように計画を立てると良い。
〇
長期休業中の過ごし方の工夫として、例えば、様々な外部の人材を活用したり、その時
期にしかできない遊びを計画したり、また、乳児と幼児の保育教諭が混ざって教育及び保
育を行うなどの具体的な工夫を記載する必要がある。
〇教育及び保育に関する全体的な計画について
(全体的な計画の作成)
〇
作成に際し、様々な配慮が必要である。教育及び保育時間が異なる子どもたちがいるこ
と、年限が異なる子どもたちがいること、などを前提に、自園のあらゆる子どもたちの育
ちをよく見るということを、書き込む。また、修了までに育てたいことに視点を置きなが
ら、教育及び保育の全体的な計画を見直すということが重要。
3
〇 「全体的な計画」についての理解が、一定したものとなっていない。1日の子どもの生活
を包むということや、午後の時間の教育及び保育、子育ての支援のことなど、いろいろなも
のが関連づけられて計画として書かれているが、分かりにくい。そのため、具体的に分か
りやすく示した方が良い。
2.2歳児から3歳児への移行にあたっての配慮について
(2歳児クラスから3歳児クラスヘ移行する園児に対する配慮)
〇
2歳児後半から3歳児以上の園児との交流の機会をつくりながら、園児一人一人が期待
感をもって3歳児学級に移行できるようにすると良い。
〇
2歳児から3歳児は、学級規模、園児と保育教諭の人数比などが変化し、少人数の生活
から集団生活へと移行することとなる。園児の安心感のため、2歳児クラスでの様子をよ
く知る保育教諭が3歳児クラスの担任となったり、3歳児学年にかかわったりする等、人
的環境の連続性を保つ工夫をする。また、2・3歳児の担任や担当同士の連携を密にし、
移行がスムーズに行われるように配慮する。
〇
2歳児から移行する園児が安定して過ごせることが、新入園児の安定につながると思わ
れるため、受け入れる場や人の連続という観点で考えると良い。
(新入園児や他園から転園する園児に対する配慮)
〇
3歳児から入ってくる子どもたちの3歳児までの育ちをどのように理解し、受け止めて
いくのか。また、発達の連続性を大事にしながら配慮していくことは、とても大切なことで
あるため、記載方法を議論する必要がある。その際、職員の配置等も含めて考えていくべき。
〇 各園の状況に応じて、出来得る配慮を行う。例えば一時保育や親子登園、満3歳児保育
など、新しく入園する園児が、4月までに園生活に慣れるような工夫をする必要がある。
〇
家庭から離れて集団生活が初めてとなる3歳児に対しては、園生活のリズムや園での生
活習慣に慣れるまでの個人差を考慮し、個々の園児のペースに合わせた個別の対応が可能
となる保育教諭の配置を工夫する必要がある。
〇
小規模保育所や家庭的保育等からの転園児も考えられる。その子どもにとっての連続性
を図るために、例えば園児指導要録のような、子どもの記録を活用すると良い。
(新たな3歳児学級をつくっていくための配慮)
〇
園の型(タイプ)によって状況が違うことを考慮するとともに、家庭的保育・小規模保
育また、地域事業や家庭など、様々な状況から移行することを考える。
〇
3歳児学級では、担任の保育教諭の周りに集まって楽しく過ごす時間をつくりながら、
担任の保育教諭との信頼関係を築くとともに、園児同士のつながりをつくっていくことが
重要。
〇
発達の連続性を大切にした教育及び保育が重要。交流から合流へ。2歳児から移行する
4
園児と3歳児で新たに入園する園児がそれぞれ、安心して過ごす時間や空間を得た上で細
やかな配慮の下、新たな出会いをつくり、そこで交流し、遊びを通して合流に向かえると
いう形の中では、子どもたちが落ち着いて過ごすことが出来る。
〇
経験が多様な子どもたちが一緒になることで響き合えることについて記載する必要があ
る。
3.子育ての支援について
(子育ての支援全般にかかわること)
〇
幼保連携型認定こども園は、子育ての支援も目的とすることから、教育・保育要領にお
いて、子育ての支援の章(節)を設ける必要があるのでは。
〇
子育ての支援の展開における、家庭との連携や子育てへの支援における基本姿勢が示さ
れるとよい。保護者との相互理解が成立するためには、保育教諭が保護者の理解に努める
ことなども記載する。
〇
幼保連携型認定こども園における保育教諭の子育ての支援は、幼児教育や保育の専門性
を基盤とすることを記載する。
〇
子育ての支援は、一方的に保護者が支援の受け手となるのではなく、双方向的な関係性
を全面に出す必要がある。双方向性、あるいは多様な関係性を地域に紡いでいきながら親
と子は相互に育ちさらに保育教諭も育っていくという関係が必要。地域の人材、社会的資
源の活用、行政、専門機関との密な連携もポイント。
〇
ややもすると子育ての支援は、支援する側、される側というスタンスを生み出してしま
う言葉になってしまう。そのため、子どもを中心にとらえ、親としてどう育ち、地域がど
うつながっていくとか、子育ての支援という言葉を超えた広い言葉があってもいいのでは
ないか。
(在園児の保護者に対する子育ての支援について)
〇
現行の教育・保育要領の「保護者及び地域の子育てを自ら実践する力を高める観点に立
って」という文章は、意味がとりにくいため、
「保護者及び地域(の家庭)が子育てを自ら
実践する力を高める観点に立って」など、修正する。
〇
現行要領の「教育及び保育の活動に対する保護者の積極的な参加は、保護者の子育てを
自ら実践する力の向上に寄与するだけでなく、地域社会における家庭や住民の子育てを自
ら実践する力の向上及び子育ての経験の継承につながることから、これを促すこと」とい
う文章は意味がとりにくい。
「教育及び保育の活動に対する保護者の積極的な参加は、保護
者の子育てを自ら実践する力の向上に寄与する」ことと、地域の子育て力の向上を区別し
て記載する。
〇
「行事などの様々な機会を活用し、保護者が地域の人々と相互に支え合いながら子ども
を育てるきっかけが得られるよう工夫する」ことを挿入すると良い。
〇
行事や保護者会等多様な機会を活用し、生活形態が異なる保護者間の相互理解や交流が
5
深まるよう工夫することについて、また、保護者同士の気付き合いが重要であるという視
点も含め、より詳細に記載する。
〇
その際に、地域性や園の特色等も含めて工夫、考慮する必要がある。更に、保護者が園
の行事や子育ての支援に参画していく際に、園がどのように連携し、マネジメントしてい
くかという役割について記載する。
〇 子育ての喜びの質というときに、子どもの育ちと同時に多様な子どもが一緒になって育
ち合っているということを、子どもの姿を通し、集団の育ちということを親と共有してい
くことが重要。
〇
子育ての喜びとして何を共有するのか、保護者が多様な形で共有できる工夫が必要。ま
た、保護者が自分一人では見えなかった子どもの成長を、保育教諭の専門性に支えられて
見えてくることが、子育ての喜びにつながることを記載する。
〇
保育教諭は保護者の子育ての大変さを受け止めながら、それを一緒に乗り越えることの
楽しさを共有し、正しい愛情と知識と技術がどのようなものであるか、寄り添い、共感し
ながら伝えていく。更に子育ての悩みや面白さを共有できる保護者同士のつながりを築く
ことが重要。
〇 保育教諭は、多様な園児がつながりを深めていくことの意義を保護者に伝え、保護者の
理解と協力を得、保護者との連携を図る必要がある。
〇
保護者同士がつながっていくことが大事。保護者同士が子育ての支援をし合えるような
環境をどう構築していくのか。また、子育ての支援は、子どもの魅力を発信できるように
すること。置かれている状況の違う保護者へのアプローチや連携の仕方、相互理解、また、
それらの工夫の仕方や課題等について記載する必要がある。
〇
降園時間の早い園児の保護者が、夕方の時間に他の子どもたちが経験していることを経
験できていないのではないかという不安をもつことがある。そのため、家庭で過ごす時間
の大切さを伝えるとともに、保護者の多様性への対応について記載する必要がある。
(地域の保護者に対する子育ての支援について)
〇
現行要領の「子育ての支援に関する地域の人材の積極的な活用を図るように努める」は、
「連携を図るように努める」と地域資源との関係を適切に表現する必要がある。
〇
生活形態が異なる家庭が在籍すること、更に地域の子育て家庭への子育ての支援に取り
組むことも定められている。地域の子育て家庭が参画する機会があれば、地域の中の結節
点の一つとして機能する可能性を有している。地域子育てにおける特性を、記載する必要
がある。
〇
様々な地域の専門職、専門機関との日頃からの連携が重要。自治体等と協力して、園で
実施している事業等に定期的に保健師や栄養士、カウンセラー等の専門職と出会える体制
作りも重要。
〇
子育ての支援における「予防」的機能を重視し、園における子育て支援がサポート源と
して保護者の安心感につながるように、園の存在を知らせる広報活動や、参加しやすい・
参加したくなる活動内容の工夫をすると良い。
〇 一時保育や親子で遊ぶ企画など地域の親子が園を利用する機会を設ける。地域の保護者
同士、もしくは在園の保護者と地域の保護者が知り合うような機会を設ける地域の子育て
6
支援拠点などと連携することが重要。
〇
利用する保護者は固定し、利用しない保護者が孤立していく傾向がある。地域のセンタ
ーや専門家との連携など、幼保連携型認定こども園でできる子育ての支援について、どのよ
うに捉えて、それを園内で共通認識していくかということも課題である。
〇 子育ての支援は、全国一律の問題ではないということが非常に重要。その地域にとって
どのような形で行うことが望ましいか、各施設ごとに読み取り発信できること、また、そ
の中での独自性を考えていくという発想で、子育ての支援を考えていくということが重要。
〇
地域の子育ての支援の担い手を送り出していくのも幼保連携型認定こども園の役割と考
えられる。教育・保育の中で、保護者自身が育ち、それで地域を活性化していくというこ
とが起こり得るような、地域とのつながりをどうつくっていくか議論する必要がある。
〇 地域の様々な取り組みや行政の動き等と連携した上で、幼保連携型認定こども園はどう
いう役割を果たし得るのかという視点が重要。
〇
地域の社会的資源との連携を図り人材活用等を進め、また、未就園児だけではなく、小・
中学生などが遊びに来る環境を整備することで、いろいろな子どもたちがつながっていく
ことができる地域の中のハブ的な役割や機能を有していくように、次世代育成の視点も含
めた支援について具体的に示した方が良い。
4.その他
(幼保連携型認定こども園としての理念の明確化)
〇
幼保連携型認定こども園とは、どのような施設なのかという実践面での解説が必要では
ないか。幼保連携型認定こども園についての理解が広まるような工夫が必要。幼保連携型
認定こども園とは何たるものか。なぜそういうものが求められてきて、どういう教育や保
育の価値を大事にして、それを地域で育てようと思っているのかというところを記載する
と良い。
〇
幼保連携型認定こども園では、個を大切にしながら、集団(地域・社会)を形成すること
が求められている。園児一人一人の育ちを個別に丁寧に追いながら(個人記録)、一人一人
を束ねる「学級集団の育ち」
、さらには「園での育ちの記録」
(全体的な計画)の作成が求め
られる。
幼保連携型認定こども園の園児や保護者の多様性は、その地域の子育て家庭の多様性を
反映する。園での教育・保育のあり方が、その地域の子育て力の向上につながる。
〇
多様な背景をもつ園児がつながりあい、学級として一つにまとまっていく関係を築くの
が、全ての園児が生活を共にする教育課程に係る教育時間においてである。そこで、多様
な生活経験や興味を持つ園児をつなぐのは、魅力的な遊びである。面白い遊びは、子ども
を引きつける。遊び(もの)の共有は、同じ場にいる友達への関心を生み、つながりをつく
る。教材研究や保育者の力量が問われる。
〇
一日の勤務の体系について6時間は教育及び保育に関わり、残りの時間は学級事務や話
し合い、研修などの時間に充てられる、学校で言えば、スクールとアフタースクールの時
7
間。そこにどのような連続性と違いを持ち込むのか。スクールとアフタースクールの違い
のようなものがテーマになっていく。
(環境を通して行う教育及び保育について)
〇 「環境を通して行う教育」の環境とはどういう環境なのか、また、「学びを保障するため」
の環境とは何かについての議論が必要。
〇
教育及び保育の「質を上げる」ためには園全体の環境を見直すことが重要。また、そのこ
とについて書き込む必要がある。
(0 歳から 3 歳未満の園児に関する記載の充実について)
〇
現行の教育・保育要領では、第2章の第2項「保育の実施上の配慮事項」の中だけに、0
∼2歳のことが出てくる。それだけで言い表せるのか。内容、構成ともに検討が必要。
〇
保育所保育指針の改定の方向性の中でも、乳児期から保育の積み重ねはその後の成長や
生活習慣の形成、社会性の獲得にも影響があり、子どもの主体性を育みながら教育及び保
育を行うことが重要であるという議論を重ねてきた。また、乳児から満 3 歳未満の園児は、
保育士等の信頼関係の構築により、基本的信頼感を形成することは生涯を通じた自己肯定
感や非認知能力を育むことにもつながるということも出てきた。幼保連携型認定こども園
においても 0 歳から満 3 歳未満の園児に関しては愛着関係や生活リズムが形成されていく
というところでは同じ。保育所保育指針と整合性を図る必要がある。
(養護の重要性について)
〇
生命の保持、情緒の安定を図るということは、養護の重要性にとって共通する配慮なの
ではないかと思う。総則第3の4に、
「養護の行き届いた環境の下生命の保持や情緒の安定
を図るため、幼保連携型認定こども園における教育及び保育を展開するに当たっては、次
の事項に留意すること」というように養護が出てくる。何のための養護なのかという意味
づけも記載があるといい。
〇
一人一人の子どもに対する思いを持つことが大事。互いの気遣いや互いが愛おしくなる
ような力。これが教育や保育の中で大事である。0∼2歳で、この人がいれば大丈夫と、自
己肯定感を握りしめていれば、集団が少し大きくなっても大丈夫。互いがケアし合えるよ
うな空気や文化みたいなものを記載する必要がある。
(研修の重要性・資質向上)
〇
保育教諭の力量形成を支える仕組みや要素として、研修の重要性が上げられる。例えば、
園内外の研修。実際に保育を見合って学び合う公開保育。他園、他機関との連携(大学な
ど)による研修など。
〇
違う文化を背負った保育教諭同士の協同性が高まっていくような研修の充実を考えられ
ると良い。
8
〇
園内での職務の役割や機能の明確化、研修体系の検討の充実等についても記載する必要
がある。
(弁当と給食の混在)
〇
3 歳以上の園児で、弁当を食べる園児と給食を食べる園児が同じ学級内に混在している
場合の、昼食時の過ごし方等への配慮。
〇
今後ますます、幼保連携型認定こども園のような形が常態になり、多様化して行く中で、
一貫した教育機能を高めていくことが、テーマになってくると思われる。また、幼児教育
から高等学校教育までを見通した教育内容等を盛り込んでいることを強調しておくと良い。
9