糖尿病になりにくい食事 「マグネシウム摂取が鍵」 食事でマグネシウムを多く取る人は、生活習慣病になりにくい。欧米の疫学 研究では以前から指摘されていた傾向が、福岡県久山町の住民の健康診断デー タを 21 年間にわたって追跡した九州大チームの調査で確認された。アジアでの 研究は少なく、結果も一致しなかった。 チームは、1988 年の診断で糖尿病ではなかった 40~79 歳の住民 1999 人を 2009 年まで追跡。うち 417 人が糖尿病を発症した。 住民が食事で取るマグネシウムの量は、88 年に 70 項目にわたる質問で把握。 1 日の平均摂取量によって四つのグループに分け、糖尿病発症との関連を調べた。 すると、マグネシウム摂取量が 148.5 ミ リグラム以下の最も少ないグループと比較 すると、摂取量が増えるほど糖尿病のリス クが下がるという結果になった。また、イ ンスリンの効きが悪い「インスリン抵抗性」 の人、習慣的に酒を多く飲むなど一般に糖 尿病のリスクが高いとされている人で、マ グネシウム摂取による予防効果がより高い 可能性も示された。 データは、横浜市で開かれた日本糖尿病 学会で発表された。 マグネシウムは豆や海藻をはじめ精製していない食品に広く含まれている。 厚生労働省は 30~49 歳の男性に 1 日 370 ミリグラム、同世代の女性に同 290 ミリグラムの摂取を推奨しているが、実際の摂取量は男性平均 250 ミリグラム、 女性同 224 ミリグラム(2010 年国民健康・栄養調査)とだいぶ下回っている。食 品による取り過ぎの報告はないが、サプリメントなどで過剰に摂取すると下痢 などを起こすことがあるという。
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