建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術) 概要書 排水性能を有するのり面保護工 FM式ドレンかご工法 建技審証第 1502号 平成 27 年 5 月 一般財団法人 土木研究センター ( PWRC ) 技術の概要 表 -1 FM 式ドレンかごの規格 ドレンかご工法は、のり面の雨水や浸透水の速や かな処理を促し、のり面の侵食を防ぐのり面保護に 用いられます。 積雪寒冷地においては、その重量でのり面の凍上 を抑制するとともに、たわみ抵抗性により、融雪水 によって生じるのり面の滑りや崩落、侵食を防止で きます。 かごの中詰め材には、80mm以下の砂利や砕石を 使用し、特殊機材を用いずに施工可能な工法です。 アンカーピンφ22×1000 (ストレート 先端4面カット) ドレンかご(立上り) ドレンかご(側面パネル) 1000 ドレンかご(底網) 側面パネル 2000 吸出し防止材 1000 t 1000 底 網 上蓋パネル 本体パネル t 1000 側面パネル 2000 ドレンかご(上蓋パネル) 立上り網 t 結束線 骨線(枠線)φ4.0mm 立上り網 t 中詰め材(砂利、砕石) ひし形金網 φ3.2mm×50mm(網目) ※ t=200,250,300 図 -2 FM 式ドレンかごの パネル部材の概略 単位(㎜) 図 -1 FM 式ドレンかごの布設概要 技術の特徴 1. 表面水、浸透水、融雪水の速やかな処理、面的に排水処理を促します。 2. 布設のり面地盤の変動に追随し、被災範囲を拡大させない柔構造です。 3. 周辺環境や景観との調和を目的として、緑化も可能です。 4. 組立て性が良く、施工現場の条件によっては、吊上げ施工も可能です。 バックホウ (クレーン機能付き) 写真 -1 FM 式ドレンかごの設置状況 吊り枠 0 25 吊りワイヤー 吸出し防止材 吊り金具 00 20 床拵え後ののり面 吊揚げ型ドレンかご アンカーピン φ22×1000(ストレート) 図 -3 吊揚げ型ドレンかごの設置時の概略 (クレーン機能付きバックホウ使用) 写真 -2 詰石作業状況 排水性能を有するのり面保護工 FM式ドレンかご工法 適用例 −雨水、浸透水、融雪水によるのり面の侵食防止− 写真 -4 復旧状況 写真 -3 被災状況 写真 -5 現場状況(施工後 8 年経過) −環境との調和− 写真 -7 FM 式ドレンかごの二重張芝による緑化 写真 -6 FM 式ドレンかごの客土と張芝による緑化 30 詳細図 × 2= 0 25 0 19 mm 00 mm m 0m 二重張芝 30mm×2 00 20 mm 20 20 60 二重張芝 30mm×2 0 19 mm 20 客土 中詰め材 200mm 0 70 m 00 2 1. 1: 30 mm 0m 張芝 0 25 30 20 00 20 mm 60 mm 客土 70mm 2= m× mm 0 70 30 mm 張芝 30mm m 30 30 詳細図 中詰め材 190mm ドレンかご t=300 0 00 2 .2 1 1: ドレンかご t=250 ドレンかご t=300 00 20 吸出し防止材 00 アンカーピン φ22×1000 図 -4 客土と張芝による緑化断面図 −吊揚げ型ドレンかごの施工− 吊揚げ型ドレンかごの施工工程 において、かごの組立て、中詰め 材の充填、上蓋パネルの設置等、 びアンカーピンの打設のみであ り、施工性及び安全性において優 れています。 吸出し防止材 アンカーピン φ22×1000 図 -5 二重張芝による緑化断面図 吊揚げ型ドレンかご施工フロー 製作ヤード作業 かごの組立て 中詰め材の充填 緑化工 製作ヤード作業が主となります。 のり面上の作業は、かごの設置及 ドレンかご t=250 中詰め材 190mm 中詰め材 200mm 20 00 20 .2 1 1: 上蓋パネルの設置 のり面作業 かご内に客土・張芝、 張芝等による緑化 吊上げ移設 かごの設置 アンカーピンの打設 写真 -8 吊揚げ型ドレンかごの設置 (ラフテレンクレーン使用) 排水性能を有するのり面保護工 FM式ドレンかご工法 審査証明の結果 「FM式ドレンかご工法」は、以下に示す性能を有することを確認した。 (1)構造特性 FM 式ドレンかごの強度計算及び現場試験により、金網の引張り強度は中詰め材の荷重に耐える強度を有し ており、また「吊揚げ型ドレンかご」に使用される吊り金具は、吊上げ施工上の十分な強度を有し、形状も 保持されている。 (2)構造安定性 FM 式ドレンかごの底面と、吸出し防止材の接触面の摩擦係数は、摩擦試験結果より 0.6 以上を有し、のり 尻の基礎地盤で支持させることにより滑りに対して安定である。必要に応じて押えふとんかごを設けること によりさらに安定する。 (3)耐侵食性 FM 式ドレンかごを用いたのり面保護工は、透水性試験及び現地調査の結果、雨水や浸透水を迅速に排水で き、降雨によるのり面の滑り破壊は発生しておらず、侵食被害防止性能を有している。 (4)耐凍上性 FM 式ドレンかごを用いたのり面保護工は、試験のり面の調査及び現地調査結果より、凍上量は低減されて おり、融解による滑り破壊は発生していないことから、凍上抑制性能及び凍上被害防止性能を有している。 (5)耐久性 FM 式ドレンかごに使用される線材は、現場調査等の結果によると、20 年∼30 年程度の耐久性を有して いる。 (6)施工性 FM 式ドレンかごは、容易に精度良く組立でき、吊揚げ型ドレンかごは、安全、効率よく吊上げ設置できる 施工性を有している。 審査証明の範囲 (1) FM 式ドレンかご工法は、表面排水を必要とするのり面、浸透水のあるのり面の侵食防止を目的とするのり 面保護工に適用し、1:1.0 より緩勾配ののり面に用いる。 (2) 積雪寒冷地における凍上、融解時の融雪水による表土の滑落対策に適用する場合は、1:1.2 より緩勾配のの り面に用いる。 審査証明有効期間 平成 27 年 5 月 11 日∼平成 32 年 5 月 10 日 技術保有会社/お問合せ先 富士金網製造株式会社 〒080-2464 北海道帯広市西 24 条北1丁目6番6号 TEL 0155-37-2135 FAX 0155-37-6779 札 幌 支 店 〒001-0032 札幌市北区北 32 条西 3 丁目 3-10 第 2 佐々木ビル 2F TEL 011-717-3388 FAX 011-717-3876 東 北 工 場 〒994-0054 山形県天童市大字荒谷字荒谷原 1941-1073 TEL 023-654-4167 FAX 023-653-0597 本概要書は、一般財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。 一般財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html
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