持続可能な開発と環境問題

資源地域社会学概論
持続可能な開発と環境問題
「持続可能な開発」という考え方
• Sustainable development
• 1980年代半ばから注目を浴びた。
• 開発と環境保全を両立させようとする考え方。
• 最も権威ある定義
「将来の世代が自らの欲求を充足する能力を損な
うことなく、今日の世代の欲求を満たすこと」。ブル
ントラント報告(1987年)
佐藤 仁2002 『稀少資源のポリティクス:タイ農村にみる開発と環境のはざま』東京大学出版会、p.2-3、29
「将来の世代が自らの欲求を充足する能力を損
なうことなく、今日の世代の欲求を満たすこと」。
• 将来の世代とは誰なのか?
• 世代間は平等でなくてよいのか?
• ある世代が次の世代に受け渡すものはなにか?
• 自然環境、自然資源だけか。文化、技術の資産は?
• 特定のグループの欲求と別のグループの欲求は両
立?
• 将来の世代の開発を犠牲にしない開発は可能か?
• 持続可能な開発を実現させるという課題を理
解するために、
• 開発とはなにか。
• 環境についての認識。
経済発展の段階のモデル(ロストウ)
開発
• 社会、経済活動だけでなく、人口や天然資源
の利用、それに伴う環境への影響などに関
わる活動を含む。(1980年代~)
世界人口の増加
世界の貧富の格差
企業の経済力
技術中心主義
環境中心主義
環境について
の考え方
人間中心主義:人間は自然を
操作し、世界を済む場所とし
てより確かなものにしたいと
いう欲求をもっている。
地球中心主義:地球は人類の生存
を支えており、尊厳と健常の念を
もって地球を取り扱わなければなら
ない。
グリーン・ラベ
ル(Green
Labels)
ドライ・グリーン(Dry Green)
ディープ・グリーン(Deep Green)
現在の経済システムは受け
経済、社会の極めて急激な根本的
入れるが、なんらかの漸進的 変化が望ましいとする急進主義者。
な改変が必要と考える改良
主義者。
環境管理戦略 科学的な信頼性、モデル化、 多様性とホメオスタシスという生態
予測への依存。
学的な原理に基づく地球の安定性
市場を適切に操作し、費用の 維持に適した環境管理戦略。
あまりかからない効率的な環
境改善方法を創出する。
「持続可能な開発」という考え方
• Sustainable development
• 1980年代半ばから注目を浴びた。
• 開発と環境保全を両立させようとする考え方。
• 最も権威ある定義
「将来の世代が自らの欲求を充足する能力を損な
うことなく、今日の世代の欲求を満たすこと」。ブル
ントラント報告(1987年)
佐藤 仁2002 『稀少資源のポリティクス:タイ農村にみる開発と環境のはざま』東京大学出版会、p.2-3、29
MDGs
• 開発分野における国際社会共通の目標
• 国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミ
レニアム宣言(2000年9月、ニューヨーク)
1. 極度の貧困と飢餓の撲滅
2. 普遍的初等教育の達成
3. ジェンダーの平等の推進と女性の
地位向上
4. 幼児死亡率の削減
5. 妊産婦の健康の改善
6. HIV/エイズ、マラリアその他疾病
の蔓延防止
7. 環境の持続可能性の確保
8. 開発のためのグローバル・パート
ナーシップの推進
• 環境問題についてのひとつの映像解説
「河川と湖沼をめぐる環境問題と生活文化」
放送大学番組教材
まとめ
1. 持続可能な開発という考え方
「将来の世代が自らの欲求を充足する能力を損なうことなく、
今日の世代の欲求を満たすこと」。
2. 開発の考え方
社会、経済活動だけでなく、人口や天然資源の利
用、それに伴う環境への影響などに関わる活動を
含む。(1980年代~)
3. 環境をめぐる極端な対立する考え方
技術中心主義/環境中心主義
• 世界には、現在、さまざまな経済状況、歴史
的背景、文化の異なる人々が混在する。
• 異なる人々、将来の世代について、私たちは
どれほどの想像力を持てるだろうか?
• 持続可能性と開発は、本当に両立するのだ
ろうか?