共に成長する「人づくり」 ~未来を見据え

Innovation Front
イノベー ションフロント
社会とのサステナブルな価値の共有 2
社員と共に歩み、共に成長する「人づくり」
メガトレンド
企業にも影響を及ぼす少子高齢化問題
高齢化社会とどのように向き合い、いかに企業と社会との
このため 、景気の波にのみ捉われない中長期的な視点に
サステナブルな関係を構築するか−世界に先駆けて欧州が取
たった、社員の雇用・育成・登用施策の整備を推し進める動
り組んできた課題が 、世界各地の先進国へと広がっていま
きが、先進国企業の間で活発になっており、世界有数の少子
す。特に先進国企業にとっては、少子化により減少していく
高齢化社会へ向かいつつある日本でも、企業の成長力を左
「働き盛り社員」
との関係を確かな形で育み続けていくことが、
右する課題として取り組みが加速しています。
持続 的な成 長 戦 略の基 盤として重 要 性を増しています。
日本の高齢化の推移と将来推計
(万人)
12,708
39.9%
14,000
9,430
12,000
26.0%
10,000
8,674
8,000
6,000
5.7%
4,000
2,000
0
1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2014 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060
総人口: 75 歳以上 65 ∼ 74 歳 15 ∼ 64 歳 0 ∼ 14 歳 高齢化率(65 歳以上人口割合)
出典:平成 27 年版高齢社会白書
日本企業の大きなリスク要因としてクローズアップ
総務省統計によると、日本の総人口は2014 年 10 月1 日現在、1 億 2,708 万人で、そのうち65 歳以上の高齢者は過去最高
でみると26.0%となり、前年の25.1%から急速に社会の高齢化が進んでいるこ
の3,300 万人となりました。比率(高齢化率)
とがわかります。この動きは今後も加速を続け、2060 年には総人口が 9,000 万人を下回る一方、65 歳以上の人口が 40%に
近づくと推計されています。このように日本が世界未曽有の
「人口減少と少子高齢化」
へと向かう中、働き盛りの労働力の確
保は日本企業の大きなカントリーリスクとして位置付けられるなど、極めて重要な経営課題となりつつあります。
命題
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人材を惹き付け、育む礎を強化せよ
HAZAMA ANDO CORPORATION
CSR Report 2015
私たちのソリュー ション例
Solution
未来を見据え、進化を続ける安藤ハザマの若手育成
新しい時代を共に切り拓く関係をめざし
「力」
を培う
「場」
を提供する、若手育成プログラム
私たち安藤ハザマは、
「ものづくりは人づくり」
と考えてい
最前線で活躍するための「力」
ます。特に社会人への門出を迎えた新入社員には
「チーム
ワークを形成できる人」
「リーダーシップを発揮できる人」
「信念を持ち挑戦できる人」
を目指すきっかけを提供すること
が、共に未来を切り拓いていく関係を醸成するためにも大切
チームワーク
リーダーシップ
やり抜く意志
と考えています。これに即し、インターンシップをはじめ、き
め細かい若手育成施策を日々ブラッシュアップしています。
多彩なインターンシップ制度
新入社員研修の更なる充実
学生の皆さんを職場に受け入れ、実務体験を通じて各自の
新入社員にとって、同期が一堂に会して共に学ぶ集合研修
キャリアプランに役立てていただく
「インターンシップ」制度
は、各職場で日々行われるOJT( On the Job Training )研修と
が 、日本企業でも広まりつつあります。安藤ハザマはかねて
は違った角度からの気付きの場となる、重要な機会です。安
より積極的に同制度へ賛同し、2014 年度も人事部などが窓
藤ハザマでは、従来4月に集中的に行われてきた新入社員集
口となり、夏季休暇中の大学生 30 名を受け入れました。イン
合研修を、2016 年より約 5 か月間実施することとしました
ターン期間中は、さまざまな職種の実務体験をしつつ、先進
。実際の業
(2015 年も入社時のほか、7 月より3 か月間実施)
的な工事現場を見学するなど、安藤ハザマの現場に即した多
務を想定した屋外での施工管理などの集合研修は、より専門
彩なプログラムを実施します。学生の皆さんに建設業界の最
的な知識を深めると同時に、ビジネスの現場の多様性を理解
前線を知っていただき、今後の職業観を醸成する機会を提供
する場としても有効です。これにより、プロフェッショナルと
しています。
して、ビジネスパーソンとして、より広い視野と深い見識を習
得してもらいたいと考えています。
大橋出張所見学の様子
北国分作業所見学の様子
集合研修の様子
社員がずっと働き続けたいと思える、
「 魅力ある企業グループ」を目指して
将来を担う人材への育成施策を強化する
私たちは合併以来、お客様をはじめとしたすべてのステークホルダーにとって
「良い会社」
となることを
目指してきました。ここでは、社員一人ひとりはもちろんのこと、新入社員やこれから当社社員になろうと
する人たちも、重要なステークホルダーの一員であると考えています。
2015 年 5 月に策定した新しい
「中期経営計画」
では、戦略テーマとして
「魅力ある企業グループへの変
革」
を掲げています。現在、このテーマの実現のために、人材育成面の強化策として、若い人材に対する
研修内容の再構築を進めています。従前より積極的に実施しているインターンシップ制度に加えて、新入
人事部長
高橋 正樹
社員研修などの若手育成施策をより一層充実させることにより、個々の能力のレベルアップを目指します。
そして、将来を担う若手社員が、会社に希望と誇りを持ち、ずっと働き続けたいと思えるよう、魅力ある企
業グループを目指していきたいと考えています。
HAZAMA ANDO CORPORATION
CSR Report 2015
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