消えて行く学校12

******あなたの町の情報誌******
【第三部 試験対照綴】 挙げよ。礼儀作法を知
第四回 三年級 小試驗 ると知らざるとは世上
対照
における如何なる関係
修身科 堪忍とは如何 あるや。
なる事、また如何なる 読方科
徳あるや。人と並びす (一)甲斐国より最も
わるるときは如何なる 近い港の名を挙げよ。
(二)日本帝国の気候
心がけあるべきや。
読方科 半葉ずつ講読 西南暖にして東北寒き
大祭日の名二ケ以上を は何ぞ。
問う。日本より輸出す (三)我が朝は世界に
る 主 な る も の 二 名 以 上 。 珍しき美国なり。その
水の陸に絶えざる次第 理由を記せ。
を問う。油断大敵とは (四)日本の紀元は何
より起るや。
如何。
作文科
作文科
梅見に人を誘う文公用 摘み草誘引の文
松の記
出産届
営業御届
習字科
習字科
一二字
算術科 一俵三円二五 一六文字
銭 の 白 米 八 九 俵 を 買 い 、 算術科
代金を二回に払はんと (一)金一〇〇〇円を
せば、一回の払い高如 以て一五三俵を買い、
尚五円残れりと、一俵
何。
(二)一個一銭二厘の の代如何。
卵三八五個買い、一ケ (二)チリメン一尺の
に付き三厘ずつ利して 代八銭、ツムギ一尺の
代六銭なり。今ツムギ
売れば総利金如何。
珠(三)一ヶ月に一八 二丈八尺を以てチリメ
字ずつ文字を覚ゆる人 ンに換えれば、その尺
あり。この人一年即ち 数如何。
一二ヶ月には幾字覚え (三)薪一二束の目方
一六貫目あり。一束の
るや。
暗(四)賑岡岩殿 よ 目方如何。
り猿橋まで六丁とせば (四)岩殿の下通川隣
幾回往復すれば一厘と 用水路のほりぬきは六
〇間にて、一間につき
なるや。
五〇銭ずつ請負たり。
第四回 第四年級 小試 その請負金高如何。
驗対照
修身科 忠君の格言を
明治二三年三月
賑岡町尋常科 大試験対
照
一年生 大試験対照
修身科
(一)人と礼を為すと
きは如何なる事に気を
付けべきや。
(二)夏時子供腹痛多
きは何ぞ。
読方科
幼学読本二、三、三行
ずつ素読せしむ。
書取
(一)丈夫なる人
(二)大なる犬あり
摘書 (一)半天
(二)人形
作文科
(一)ヤナギ
(二)ハルハハナ
(三)てうちん
テウチン
(四)もうさくらがさ
きました。
算術科 (一)二四ケの〇を列
記した之を四ケずつに
与えれば幾人に与うる
を得るや。
(二)一三五と日本数
字及び算用数字にて記
せしむ。
(三)或人の庭に梅一
二〇本、松八五本、竹
一三八本植えたり。庭
の木の数は如何。
(四)登校一年生は男
二人、女二八人なり。
男女合わせて幾人なる
や。
心算 交換するには幾何の金
(五)或木に五羽のす るや。
を添えうべきや。
ずめいたりしが、人の 珠
筆算
( 五 ) 口 唱 に て 、 三 ケ 、 (二)一匹金五円二〇
来るを以て三羽は舞
昇 れ り 。 残 幾 羽 な る や 。 一二ケ、一四ケを加え 銭の絹八匹と一俵三円
しむ。
習字科
一五銭の粟二俵を売り、
平仮名六字 さくらの 習字科
一年即ち一二ヶ月の入
楷書六字 浅利 岩殿
はな
用になす家あり。一ヶ
畑倉
二年生 大試験対照
月の経費如何。
修身科
(三)茶一五斤の代一
(一)途中にて人に会 三年生 大試験対照
二円なるときは、一斤
い礼をするとき帽子、 修身科
の代如何。
襟巻を如何にして宜し (一)親戚、朋友の交
際を完うするには、謙 珠算
きや。
(四)長さ一五間、横
(二)正直の格言を挙 遜及び恭敬の徳に依る
八間の官有の原野あり。
と云う。その謙遜、恭
げよ。
その坪数如何。
敬の格言を挙げよ。
読方科
(五)大工三人若干日
幼学読本二、三、五行 (二)言葉少なき人は
雇いその給金として四
過少なく、言葉多き人
ずつ素読
円五〇銭払い渡せり。
書取
は過多しとは如何なる
問う大工一人の給金幾
(一)運動は養生に大 事ぞ。
何。
切なり。
(三)なんじら神社仏
(二)鮎も鯉も上品の 閣の門前を通行すると 習字科 行書字 草書四字
魚なり。
きの心得を記せよ。
快晴 雨天 即刻 摘所
読方科
唯今 手順如何
(一)食物
巻の四五の内一葉ずつ 体操科
(二)盲人
購読せしむ。
機械体操第一亜鈴五節
作文科
書取
まで (一)鍋
(一)最早運動の時間
(二)竹
は過ぎたり。
算術科
(二)我は決して倦む (一)五人の生徒一人
ことなし
に付き三本ずつ筆を与 門答
うるときは筆幾本を要 (一)天長節は如何な
すべきや。
る祝日なりや。
筆算
(二)獣中最も猛きも (二)二八五+三五- の の 名 二 個 以 上 挙 げ よ 。
三〇二=
作文科
(三)三四の九九数を (一)借物に遣わす
筆記せしむ。
(二)国旗
(四)或人一円の金を (三)欠席届 以て五〇銭の書物と三 算術科
〇銭の筆墨を買えり。 心算(一)五銭の筆三
然るときは残金幾何な 本と二銭の墨筆六本と
月号へ続く・・・
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2015
消えて行く 学校 井上 豊
Vol.192