緩和ケアだよりVol.4

緩和ケアチーム
第 4 号 2012 年 1 月発行
もし、自分が癌になったら・・・家族や友人が癌になったら・・・平然ではいられま
せん。誰もが出来るだけのことをしてあげたいと思っていますが、どのように言葉をか
け、どのように振る舞えば良いのかわかりません・・・。
そこで、医療スタッフはもちろん、ご家族・ご友人の方でも、すぐ実践できるスピリ
チュアルケアをご紹介したいと思います。
①残された時間の使い方
「いつまで生きられるのか」という問いは、残さ
れた時間(余命)を「知りたい」というより、気
分が優れることのない毎日に、飽き飽きして、1
日が長く果てしなく感じています。
そこで、あなたに出来ることは、趣味や好きな
時間の過ごし方を一緒に見つけて、1 日を短く感
じさせるきっかけ作りをお手伝いしましょう。
②何故、私が癌になったの?
「何故、私が癌になったの」という問いは、患
者さん自身、変わらない現実だと解っていますが、
受け入れたくないという思いがあります。
そこで、あなたに出来ることは、気持ちをとこ
とん傾聴し、心を寄り添い、声をかけることが大
切です。他人に話しても解決しないことは解って
いますが、誰かに話を聞いてもらうことで、整理
できる気持ちもあります。
③人生の後悔からの叫び
「家族に何もしてあげれなかった」という後悔は、
身体の痛みが少し楽になり、人生を振り返る余裕
ができたころに起こります。
そこで、あなたに出来ることは、伝えたい誰か
に、伝えるチャンスを作ってあげましょう。
特に、医療スタッフは本人と家族の間を取り持
つことができる存在です。最後の時を後悔なく過
ごしてもらえるよう配慮しましょう。
④誠実な愛を求める叫び
終末期の患者さんに限らず、
「愛されている」
・
「大切にしてもらえている」というメッセ
ージは「生きている」という意味にもつながります。言葉にしなくても解りあえている
と思ってはいけません。そこで、あなたに出来ることは、照れたり、恥ずかしがったり
せず、言葉で想いを伝えることです。