それ以外の不純物の影響 エレクトロニクス材料評価技術 Siを例にとって考える 理工学部・材料機能工学科 岩谷 素顕 [email protected] 2-2 2-1 Si中に遷移金属を添加した場合に形成 される準位 2-3 Si中の不純物の固溶限界 2-4 結晶の不完全性 外因性 (不純物原子) 点欠陥 転位 置換型不純物 格子間不純物 転位(dislocation)は、材料科学の用語で、結晶中に 空孔・複空孔・クラスタ 含まれる、線状の結晶欠陥のことである 転位の性質 ⇒外力等によって、転位近傍の原子が再配置されるこ とによって転位の位置が移動し、材料が変形するため、 変形に要する力は原子間の結合力から理論的に計算 される力よりも小さく、金属の硬さ(変形のしにくさ)は、 転位の動きやすさが決めている。 ⇒転位が存在することによって非発光再結合中心にな ることや、電子のトラップ中心になるため電気的性質の 変化にもつながることがある 内因性 (構成原子による固 格子間原子 有欠陥) 逆置換原子 らせん転位 線欠陥(転位) 混合転位 刃状転位 面欠陥と線欠陥の複合体 転位ループ 小傾斜角粒界 積層欠陥 面欠陥 双晶面 表面・界面 その他 ひずみ、クラック 2-5 2-6 組成のずれ・揺らぎ 線欠陥(転位)のモデル:刃状転位 b 線欠陥(転位)のモデル:らせん転位 転位線 <0001> b 転位線 b <0001> 2-7 b <0001> <0001> 2-8 線欠陥(転位)のモデル:混合転位 各欠陥の詳細:転位ループ、小傾斜角粒界 転位ループ b <0001> b <0001> 小傾斜角粒界 混合転位は刃状とらせんの両方の成分を持った転位 2-9 2-10 面欠陥:積層欠陥 2-11 双晶面 2-12 積層欠陥・転位の評価方法 透過電子顕微鏡 直接観察 透過電子顕微鏡による観察 代表的な透過電子顕微鏡 間接的な手法による観察 *エッチピット法による観察 *原子間力顕微鏡による観察 *ルミネッセンスの測定による観察 *X線回折を用いた評価 など手法はたくさんある 2-13 2-14 集積回路の配線 自動車 100 10‐1 フラーレン・ カーボン ナノチューブ DNAの直径 1円玉 10‐2 10‐3 センチ ミリ 10‐4 10‐5 10‐6 マイクロ ミジンコ 大腸菌 10‐7 10‐8 10‐9 10‐10 電子顕微鏡の種類 (メートル) ナノ インフルエンザ ウイルス 原子 肉眼 走査電子顕微鏡(SEM) 光学顕微鏡 2-15 電子顕微鏡 透過電子顕微鏡(TEM) 2-16 電子顕微鏡の原理図 TEMの試料 透過や回折を利用して組成や構造の情報が顕微鏡 像として得られる。サブナノメートルの解像度が得ら れるが、電子を透過させるために試料は100nmオー ダーまで薄くしなければならない。 TEM試料作成法には、超薄切片法、イオンミリング 法、FIB法などがある 2-17 2-18 FIB法で加工したサンプル http://www.jaima.or.jp/jp/basic/em/ TEMの観察例 TEMによる転位観察 [0001] 4.0μm [1120] AlGaN 1μm 1μm 2-19 3.5μm 暗視野法・2weak beam 法などを用いることによって転位の成分分けが可能 AlN 2-20 原子間力顕微鏡(AFM) 代表的なAFM像 微細な探針で試料表面を走査し、結晶表面の凹凸形状(ナノスケールまで測定可能)を三次元的に計測する手法 カンチレバーが試料表面を2次元的に走査 ⇒試料表面の情報を測定する 2-21 2-22 原子間力顕微鏡の観察結果 まとめ 線欠陥・面欠陥の種類 透過電子顕微鏡・走査電子顕微鏡・AFM 2-23 2-24
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