従業員エンゲージメントを 推進する要因とその重要性

従業員エンゲージメントを
推進する要因とその重要性
デール・カーネギー・トレーニング白書
デール・カーネギー・トレーニング
Copyright © 2014 Dale Carnegie & Associates, Inc. All rights reserved.
従業員エンゲージメントを推進する要因とその重要性
デール・カーネギー・トレーニング
人材の重要性
ある組織が他の組織よりも成功している理由は何でしょうか?優れた製品、
サービス、戦略、技術、あるいはコスト管理が優れているからでしょうか?
確かにこのような要素はすべて優れた業績の要因となりますが、いずれも時
間と共に他社でも可能になることです。他社にない持続可能な優位性を生み
出し、そこからさらにROI(投資利益率)、組織の価値、長期にわたる強さ
を生み出すのは労働力です。人こそが組織なのです。過去の調査が何度も示
しているように、エンゲージしている従業員はエンゲージしていない従業員
に比べて優れた成果をあげます。人材の質は他社との競争の中で大きく影響
します。ですから、従業員エンゲージメントを高めることは組織にとって目
指すべき目標の一つになります。
エンゲージしている従業員とディスエンゲージしている従業員の割合を示し
た調査は数多くありますが、従業員エンゲージメントを高める真の要因を特
定した研究はあまりありません。デール・カーネギー・トレーニングは、
MSWリサーチ社と共に、従業員エンゲージメントに影響を与える業務的お
よび感情的要素を調査しました。全米1,500人の従業員をサンプルとして調
査した結果、従業員エンゲージメントに影響を与える要因の中から、主な要
因は次の3つであることが判明しました。
• 直属の上司との関係
• シニア・リーダーに対する信頼
• 働く組織に対する誇り
従業員にとって直属の上司との個人的な関係が鍵となることがわかりました。
直属の上司の態度や行動が従業員エンゲージメントを高め、ディスエンゲー
ジする雰囲気を作り出します。また、従業員の意見を受け入れる、組織を正
しい方向に導く、組織の状況をオープンに伝えるなど、シニア・リーダーの
能力に対する信頼がエンゲージメントを高める鍵となります。他にエンゲー
ジメントを高める要因として、個人として尊重されている、個人の価値観が
組織の価値観に反映されている、組織は従業員に対する思いやりがあるなど
が挙げられます。
2
従業員エンゲージメントを推進する要因とその重要性
デール・カーネギー・トレーニング
調査結果(抜粋):
調査対象の1,500 人の従業員のうち、29%のみが完全にエン
ゲージしており、26% はディスエンゲージしていました。約
半数 (45%) は部分的にエンゲージしていました。


MSWリサーチ社の調査から、エンゲージメントを高めるまた
はディスエンゲージする要因がいくつか特定されました。

性別、民族性、雇用形態(正規雇用/パートタイム) は従業員
エンゲージメントにおける重要な項目ではありませんでした。

一方で、エンゲージメントに何らかの影響を与える要因が複数
ありました。よりエンゲージしている従業員は、以下の項目に
あてはまる傾向があります。


シニア・マネジメント (本部長以上)

大企業に勤めている

大学を卒業している

年収が5 万ドル以上である

30歳未満または50歳以上である
「どんなに有能な人間
でも、その心を
掴まなければ、
その能力は
最大限には
活かされない。」
— アンドリュー・カーネギー
エンゲージメントが低い、またはディスエンゲージしている従
業員の年齢別、組織階層別の結果は以下の通りでした。

中間層の従業員(40~49歳)

高学歴(大学院卒)

年収が5万ドルに満たない低所得従業員

新入社員(特に入社1年未満の社員)

接客業および事務職

政府期間、軍隊、教育機関、製造業
完全にエンゲージ
している従業員は
29%のみで
26%は、
ディスエンゲージ
しています。
3
従業員エンゲージメントを推進する要因とその重要性
デール・カーネギー・トレーニング
人口統計でみる従業員エンゲージメント
人口統計別
勤続
年数
正社員
1-3
年
3-5
年
パート
5-10 10-30
年
年
男性
女性
完全にエンゲージしている割合:29%
20 年
以上
$25k
未満
高卒
大卒
大学
院卒
18-29 30-39 40-49 50-60
歳
歳
歳
歳
$25k $50k - $100k 政府機関
-$49k $99k 以上
・軍
教育
関連
製造業
61 歳
以上
卸売業・ 専門職
小売業
ヘルスケア
エンゲージしている従業員の重要性
米国企業は従業員
の離職により、
年間110億ドルの
損失を出していま
す。
労使関係情報所(米国)
組織の成功と競争上の優位性にとって従業員エンゲージメント
と愛社精神は、今まで以上に重要になっています。入社してキ
ャリアをスタートした若者が退職するまで働き続けた時代は終
わりました。今日のビジネス環境では、保証は何もありませ
ん。離職率は65%にまであがる可能性があると専門家は予測
しています。また、採用にかかる費用は年収の約1.5倍である
といわれています。貴重な人材をエンゲージさせ維持すること
は最終的に組織の業績に大きな影響を与えます。マネジメント
への課題は、エンゲージした労働力を生み出すために、いかに
して上司が部下との関係をつくっていくのかにあります。
4
従業員エンゲージメントを推進する要因とその重要性
デール・カーネギー・トレーニング
思いやりのある上司
調査の結果、「思いやりのある」上司が従業員エンゲージメントを高める大きな要因の1つであること
が分かりました。つまり、部下は上司に自分たちのことに関心を持って欲しいと思っているのです。感
情面での配慮や健康、幸せに関心を持ち、個人として自分たちに興味を持ってほしいのです。部下との
強い絆を作り、チーム間によい関係を作り、「人中心」で従業員を導く上司の能力がエンゲージメント
を高める環境を生み、その中で従業員は最大限の成果を出すことができるのです。
「思いやりのある」上司と職場環境
エンゲージしている従業員
従業員が組織の成功のためにより熱心に、責任感とやる気を持って働く
顧客エンゲージメント
売上と利益の増加
株価の上昇
従業員をより高いレベルのエンゲージメントに導く
従業員は組織にとって最大の投資であり、最大の成果をもたらすものです。にもかかわらず、多くの組
織では、従業員を組織を成功に導く次なるイノベーションを創り出す人材としてではなく、むしろ管理
対象の資産の一つとして見なしています。長期にわたるエンゲージメントは、社員同士だけでなく、マ
ネジメントと従業員のよいコミュニケーションから始まり、それがポジティブな職場環境をつくりま
す。
5
従業員エンゲージメントを推進する要因とその重要性
デール・カーネギー・トレーニング
従業員は「起業家精
神を持っている」と
感じている
従業員は「熱意を持っ
ている」と感じている
従業員は「自ら仕事
に取り組んでいる」
と感じている
ディスエンゲージメント
ディスエンゲージ
メントからよりポ
ジティブなレベル
へ
従業員は「評価さ
れている」と感じ
ている
ポジティブなレベル
から評価されている
と感じるレベルへ
評価されていると感じ
ているレベルから深く
仕事に取り組んでいる
レベルへ
仕事への取り組みが高
まると大きな熱意とな
り、会社への貢献度が
高まる
最終的には仕事に対
する責任と起業家精
神を持ち ROI(投資
収益率)にも貢献す
る
部下と共に明確なキャリア考え、成長への目標を設定することで、チーム
メンバー一人一人に上司に対するポジティブな評価が生まれます。「自ら
仕事に取り組む従業員」を生み出すには、一人一人の従業員に責任を与
え、その価値を評価し、仕事の成果を認め、成果に対する適切な対価を与
えることが必要です。「自ら取り組む姿勢」を持つ従業員を生み出すこと
ができれば、次のエンゲージメントレベル「起業家精神を持つ従業員」へ
と育てるための努力は少なくてすみます。
デール・カーネギー・トレーニングが貴社の従業員エンゲージメント強化のお
手伝いをいたします。トレーニングとコーチングの分野で豊富な経験と知識を
持ち、貴社に必要なソリューションを提供いたします。「ディスエンゲージ」
している従業員を「エンゲージしている」従業員に変え、「エンゲージしてい
る」従業員を「起業家精神を持った従業員」に変えていきます。
WWW.DALE-CARNEGIE.CO.JP
6