フリースタイルレポート - 特定非営利活動法人 日本ウインドサーフィン

 【開会式の様子】 「ピザーラ クア・アイナ カップ2015 」が 11月21日、22日の2日間に渡り 神奈川県三浦市三浦海岸/横須賀市津久井浜にて開催された。 今年で15回目と歴史有る大会となり、今回も参加者200名を超える選手が集まり、 ピザーラ、クア・アイナ ことフォーシーズ様の特別協賛ならびに今年からセガサミー
グループ様の特別協賛をいただき、昨年よりもさらに盛大に開催された。 大会初日
ウェィティング&トーインパフォーマンス!
初日21日の土曜日はこの時期にしては暖かく晴れ、そして風は北東風でやや穏やかな
予報が出ていた。 フリースタイルクラスは開会式後のスキッパーズミーティングとヒート抽選を行い、
ウェイティングに入った。 昨年に引き続きアマチュアオープンのフリースタイルクラスとして行われ、また今シ
ーズンから新設されたJWAフリースタイルアマチュアランキングのポイント獲得対象
と位置づけされた大会となった。 今回は9名のエントリー。 年齢層も幅広く、ジュニア、若手、ベテラン、ウィメンズと揃い、アマチュアの中心
選手のエントリーが際立った。 午前中はコンディションを気にか
けながらも美味しいピザをいただ
き、ビギナークラスやスクールセ
イルクラスに参加した仲間達を応
援。 天気も良いことから今年はややリ
ラックスした時間を過ごしながら
の大会スタートとなった。 【大会初日レースの様子】 午後から行われたウインド界の大先輩、レジェンドクラスのレースで多いに盛り上が
った後は、この大会で恒例となりつつあるジェットスキーの牽引によるトーインフリ
ースタイルセッションを行った。 まずは、今年もJWAフリースタイルランキング日本1位を快走中、海を渡り世界を周る J-100小林悠馬プロによるデモンストレーションから。 トーインを行うにはやや風があるコンディションで、海面もフラットではなく難しい
状況ながら、昨年よりも更に派手に難しいトリックを連発。ピザーラ号と多くの観客
の目の前で披露してくれた。 日本のウインドサーフィンイベントではここでしか観られない高難度のパフォーマン
スにギャラリーの
みならず大会関係
者や参加選手から
も暑い視線を浴び、
大いに盛り上がっ
た。その後はアマ
チュアフリースタ
イル選手によるト
ーインチャレンジ
を行い参加選手に
とっては貴重な経
験と、大会2日目へ
のトレーニングと
なった。 【J-100 小林悠馬プロによるトーインフリースタイルデモンストレーション】 今回も、FAIN/桑谷氏のご協力をいただき、大会に花を咲かせられた。 【パーテーの様子】 大会初日の夜、毎年恒例となっ
たナイトパーティーが今年も盛
大に行われた。 大会2日目
三浦らしい北東の風
フリースタイルクラスは2レース成立!!
若手の活躍が目立ち、優勝は中学生 杉匠真 選手!!
大会2日目、22日の日曜日は予報通り朝から、北東の風が三浦海岸/津久井浜にもギャ
ランティーされていた。曇り気味の肌寒い気候も重なり、昨日のゆるい雰囲気とは一
変した感じだ。選手も運営側も慌ただしく本戦に向けて準備が進められた。 フリースタイルクラスは選手、運営一同、
9時に集合。しかしインサイドの風がもう
ひとつという事もあり、まずはスーパー
セッションを9時半から行う事となった。 【大会2日目。朝一番にフリーススタイルクラスの進行方法が伝えられる】 セッションを終えた頃には風も吹き始め、正式なヒートを行えるコンディションに。 ここからいよいよ本戦がスタートする。 今回の本戦ルールはアマチュアオープンクラスとして、JWA(日本ウインドサーフィン
協会)フリースタイル競技規定に基づき、オープンAクラスのルールを適用した。 2つの技をピックアップするベスト2ムーブフォーマット方式で行われた。1ヒート
8分間という条件でシングルイリミネーション(トーナメント)がスタートした。 海のコンディションは、津久井浜特有のチョッピーな海面、風は吹いているとはいえ
良いブローを拾わなければなかなか走れず技を仕掛けられるチャンスすら得られない。 ヒート時間は本栖湖大会などで行われる通常の6分間ヒートよりも多い8分間に変更。
コンディションが悪い時は更に2分間の延長が入るという事で、選手は若干の時間的
余裕を得た。 実際なかなか技に入るチャンスがなく延長に入ったヒートもあったが、それは相手も
同じ条件で、決してイージーなコンディションではないがしっかりブローを見極めら
れる事が出来れば平均して4回は技にトライするチャンスは有ったように感じた。 どちらかと言えばシングルイリミネーションの2ラウンド目のほうが風の入りも良く、
技にトライしていくチャンスがあったように思う。 ややオフショアの風向きであることから、風下に行ってしまいがちだが、数少ないイ
ンサイドジャッジ近くに入るブローを使い、技にトライ出来ていた選手もいた。 メイク出来なければ勝利につなげることは難しいが、メイクすることができればアピ
ール度の点数を稼げ、グッと勝利を近づけることができていた。 接戦のヒートも有り観ていて楽しい戦いもあった。 最終的にシングルイリミネーションを2ラウンド行い今大会の順位が確定した。 【優勝 杉匠真 選手】 ON's STARBOARD NAISHSAIL MARINEBLUE 今秋はマウイ島で行わ
れたアロハクラシック
に参戦修行するなど、
すでに世界へ挑戦し精
力的に活動中。急成長
を続けている。今大会
は今まで彼を見てきた
中で一番良い動きを披
露。 本番では練習以上
の演技を魅せていた。
フォワードループ、ス
ポック、グラビーのC
難度の技をしっかり決
め、更にスイッチスタ
ンスハーフコノ(C難度)も行っており会場を沸かせていた。 もうプロクラスにいっても勝ち上がれるのではないかという勢いすら感じた。本人にとっても良い動
きができていると実感しながらの戦いだった様である。1、2ラウンド目を共に1位を獲得し今大会
は完全優勝。 まだ中学生、これからの活躍が非常に楽しみだ。 【準優勝 津野健介 選手】 Kaya 高校生の津野選手は、昨年のピザーラ
カップフリースタイルクラスの優勝者。 時よりキレの有るワンハンドスポック
など、加点も得られる技を見せていた
が、同時に大事なところでのミスも目
立ってしまった。 特に杉選手との対決ではあえて難しい
技に挑戦しミスをしてしまっていた。 どこでどういった持ち技を出して行く
べきか、より冷静な戦い方を常に発揮
できる様になればもっともっと輝ける。
今後の更なる成長を期待したい。 【3位 互井千恵子 選手】 Far East 自分の限界の技にチャレンジしながら
も、ヒート時間内に入るブローをしっか
りと使い要所できっちり技を決めポイ
ントを得て勝ち上っていた。最終順位は
3位をゲット。 ベテランコンペティターらしい戦いぶ
りだった。今後もフリースタイル、ウィ
メンズクラスでも先頭に立って引っ張
っていってほしい。 【4位 浮田慎 選手】 Far East 得意技のアウトサイドのフラカ(C難度)
を軸に戦った。 どのヒートも2つ技を揃え勝ち上がっ
ていた。 余裕の有る時はシャカ(E難度)
やファネル(D難度)にもトライし今後
も成長を期待させるような演技内容だ
った。1ラウンド目では2位を獲得。 【5位 鶴巻 猛 選手】 Triton ジャッジ前での「VULCAN(バルカン)」 ヒートで確実にバルカン(A難度)ポイント
を獲得していた。 C難度の技をヒートで成功できるようになれ
ばもう一段上の順位にいけるだろう。 【6位 角谷 暸介 選手】 WIND SPACE アウトサイドの「FLAKA(フラカ)」 1ラウンド目よりも2ラウンド目、持ち
技を決めるという目標を達成した。 成長中の若手。 技数を増やし今後の活躍を期待したい。 【7位 小柳 正臣 選手】 3E Windsurf School ブローを上手く使い切れず、持ち技を披
露し切れていなかった印象だ。 難しいコンディションでも実力を示せる
ように今後の成長に期待したい。 【8位 紅林 裕貴 選手】 Far East 1ラウンド目の結果が響き惜しくもこ
の順位に。 2ラウンド目では3位に入る。 持ち味であるキレの有る得意技を披露
し会場を沸かせていた。 【9位 鯉江 尚美 選手】 WIND SPACE ブローをしっかりと使い持ち技を出せ
ていた。 更に技の成功率を高められればもっと
上の順位にいける。 今後も大会にチャレンジしていって欲
しい存在だ。 参加人数はやや少なかったものの今回は愛
知や千葉など県外からの参加選手も増え、
各地で努力を続けているアマチュア選手が
集結した。 今後も更にチャレンジし参戦する選手を増
やす事。この種目をもっと知ってもらい、
取り組もうという人を増やしていく事。普
及的イベント、各選手の日々の練習活動、
そして大会と、ウインドサーフィンフリー
スタイルの熱い魅力を全国に向けて伝導し
ていきたい。 決勝を終えた直後の杉匠真 選手。 今大会のサポートに駆けつ
けた J-117 吉田洋海プロに
早速演技のアドバイスを受
ける。 次世代にフリースタイルを
繋げていきたい。大切な時間
だ。 この種目で世界大会に挑戦しているJ-100小林悠馬プロに続く若手が育つには、もう少
しの時間が必要だ。そういった選手が育つ環境や大会をなんとか残していきたい。 世界と繋がっている選手がいるという事はとても大事でその経験値は日本のフリー
スタイル界のみならず日本のウインドサーフィン界全体にも好影響を与え続けるもの
だと確信する。
その流れが切れないよう未来に続くようにこの大会を含めた国内のフ
リースタイルイベントを継続し発展させていきたい。 今後もこの種目を暖かく見守っていただきたい。 FREESTYLE CLASS 優勝 杉匠真選手、準優勝 津野健介 選手、3位互井千恵子選手 今年のJWAフリースタイル競技は残
すところあと一戦。静岡県御前崎ロ
ングビーチで12/19,20の日程で開催
されるコールドブリーズ御前崎(プ
ロアマオープンクラス)が最終戦と
なる。ハードなコンディションが予
想されるが、参加予定選手は調整を
続け今年最後の大会に備えてほしい。 2015-2016JWAフリースタイルランキ
ングもこの大会の結果で決定される
事になる。 最後にこの場を借りて、 今回も歴史ある素晴らしいこの大会を協賛して下さったフォーシーズ様、セガサミー
グループ様、運営してくださった大会関係者の皆様に御礼申し上げます。 最高の運営体制と良い風に恵まれ、フリースタイルクラスを行う事が出来ました。こ
れもご支援ご協力して頂いたスポンサーの皆様、関係者の皆様のお陰です。改めて感
謝を申し上げます。 また来年もどうかご支援ご協力を宜しくお願い致します。 文 山本卓史 写真 山本美奈子