健康コラム vol.2 ⼈のからだは「医⾷同源」病気の治療も普段の⾷事も、ともに⼈間の ⽣命を養い健康を維持するためのもので、その源は同じです。毎⽇の ⾷事に栄養をすこし⾜すことで健康⻑寿を⽬指しましょう。 年中楽しめる異⾊の野菜ブロッコリー シニアアドバイザー 藤岡晨宏 医師 嬉しい栄養価が⾼くなる時期 ⽇本に春野菜、夏野菜という⾔葉は有りますが、⼀年を通じて美味しい野菜はそれほど数多く有りません。その中で例 外と⾔えるのが、今⽇の主役ブロッコリーです。11 ⽉から2⽉に掛けた冬季は⽇差しも穏やか、気温も低くて⼋百屋さ んの店頭から野菜が減り、何となく⻘葉の茂る頃が懐かしくなる時季です。この寒気の中でもスーパーに⾏けば必ず⼿に ⼊るのがブロッコリー、野菜の冬枯れを救って呉れる優等⽣と⾔えますが、更に嬉しい事に⾷卓から野菜の姿が消えるこ の季節、味も良く栄養価も上がるのです。 原産地は地中海沿岸だと⾔われていますが、カリフラワーと同じ種類の植物で、分類上はキャベツの変種とされていま す。ブロッコリーが⽇本に⼊って来たのは、明治の初め頃と⾔われているのですが、仲間のカリフラワーも同じ頃に輸⼊ され始めました。両者とも当時は⾷⽤に栽培されたのでは無く、観賞⽤植物として珍重されていたようです。当時の⽇本 では葉の形が変わっている事から、ミドリハナヤサイと云う⽇本名で呼ばれていました。 癌化を防ぐビタミンCが豊富 ⾷べられる花蕾(からい)と呼ばれ、蕾が⼀箇所に集まって出来ています。また、茎や葉にも栄養が含まれていますので、 捨てずに総て⼀緒に⾷べたいものです。含有される栄養素としては、カロチン、ビタミンB群、葉酸、カルシウム、カリウム、 鉄、マグネシウム、⾷物繊維等⾊々の栄養素が含まれています。特にビタミンCは 100 グラム中に 120 ミリグラム含有、 ミカンの4倍と⾔われています。ブロッコリーを茹でた後でも 100 グラム当たり 50 ミリグラム有り、ミカンの含有量を はるかに超えます。現代⽣理学では体内に発⽣する過酸化物質が、組織の細胞を癌化させて害が有る事はよく知られてお り、その酸化⼒を中和させて癌化を防ぐ物質はビタミンCをはじめ、ビタミンAやEなどにも有るのですが、いずれのビ タミンもブロッコリーには含まれています。 ブロッコリーの新芽サラダで疲労回復 それらの物質以外に、更に強⼒な還元⼒によって抗癌作⽤を発揮す る、スルフォラファンと呼ばれる物質が含まれます。特にブロッコリー スプラウトと呼ばれる新芽の部分は、成⻑した部分よりはるかに多い 20 倍近くを含有し、体内の抗酸化作⽤を期待する場合の正にお薦め 新芽(スプラウト)の酵素は 胃炎を抑制して 食欲回復! 肝機能を強く! ⾷品です。ブロッコリースプラウトはそのまま⾷べることも出来るの ですが、サラダなどにのせて簡単に⼝に⼊れる事が出来ます。 肝機能を強くすると同時に、胃炎の抑制効果も有り、⾷欲も回復さ せてくれますから、ブロッコリーは⾷欲不⾜から起こる夏ばてなどの疲労も、回復させて呉れるので⼤助かりです。夏に ⾷欲が低下していると、体内に取り⼊れるべき栄養が不⾜し、その結果体調が乱れます。ブロッコリーの新芽、すなわち スプラウトの部分には酵素が多く含まれているのですが、酵素は動植物が⽣きていくために⽋かせない物質で、体内に取 り込んだ栄養も酵素がないと消化吸収出来ません。如何に酵素を体内に⼗分取り⼊れるかが、⽼化防⽌にも深く関わって います。 ブ ロ ッ リ コ ーこぼれ話 アメリカでもブロッコリーが健康の象徴にされ、免疫⼒を⾼めて癌や動 脈硬化を防ぐ効能を持った⾷品として、⾼い評価を得ています。ブロッコ リーが動脈硬化を防ぎ、美肌効果をもたらすのも嬉しいのですが、最近の 研究ではアトピーや花粉症などのアレルギー異常で悩む患者にも、効果が 有るだろうと期待が⾼まっています。この病気で悩む多くの⼈達と共に、 ⼀⽇も早い朗報を待ちたいものです。 スギ花粉により引き起こされる 炎症反応を抑えます
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