体表面から動脈圧を検出する「血圧計用感圧センサ

体表面から動脈圧を検出する「血圧計用感圧センサ」(特許出願中)を開発
藤倉ゴム工業は、体表面から非観血的に動脈圧を検出する「血圧計用感圧センサ」を開発しました。
背景
従来、市販されている血圧計は、上腕に巻いた腕帯(以下カフという)に空気を送り、圧迫して加圧されたカ
フ内空気の圧力から間接的に最高血圧と最低血圧を求めていました。しかし、上腕に巻いたカフ内の圧力はカフ
の場所で異なり、また空気やゴムの弾性などによる減衰(ダンピング)があるため、動脈の圧力が必ずしも正確
に反映されていないことが指摘されてきました。
また、高齢化が進行する中、循環器系疾患の予防、早期発見に血圧の測定は益々重要となり、血圧変動による
血管壁の拍動を直接計測し、1 心拍ごとの血圧を計測するトノメータ法*による血圧計測が強く要望されていま
す。
概要
藤倉ゴム工業は、横浜市立大学の杤久保名誉教授による協力を得て、体表面から動脈血管壁の圧変動を直接計
測して血圧を求める「血圧計用感圧センサ」を開発しました。本技術は、藤倉ゴム工業が既に開発した「シート
状荷重センサ(特許出願中)」を使い、皮膚上カフの内側に設置したセンサで動脈血管壁の拍動を直接計測し、1
心拍ごとの血圧を計測するトノメータ法による血圧計の実用化を可能にしました。従来、一般に使用されている
シート状ゴムセンサは、圧力に対してセンサの出力が直線とならない(非線形)ことから血圧計の計測手段とし
て使うことが出来ませんでした。しかし、今般、使用した「シート状荷重センサ」が、荷重に対してセンサの出
力が直線となる(線形)ことから、血管壁の拍動を直接計測して血圧を計測することに成功いたしました。
「シート状荷重センサ」の圧力-電圧特性、
「血圧計用感圧センサ」を装着した上腕断面図および検出した動脈
圧波形を以下に示します。
500
450
5040
400
350
5020
250
mV
mV
300
200
5000
4980
150
100
4960
50
0
4940
0
50
100
150
200
1.5
2.5
mmHg
圧力-電圧特性
3.5
4.5
5.5
sec
センサを装着した上腕断面図
検出した動脈圧波形
お問い合わせ先:藤倉ゴム工業(株)営業本部 営業開発室 Tel:03-3527-8434
E-mail:[email protected] URL:http://www.fujikurarubber.com
*トノメータ法:体表面から血管壁に圧力計を押し当て、動脈壁が平らになった時の圧力値から血圧を測定する方法。1 心拍ごとの血圧波形を
連続的に記録できる特徴がある。