私は生まれも育ちも倉敷ではなく、近隣の自治体出身なのですが、美観地区など岡山県 を代表する観光資源を持つ倉敷は、幼少時代から身近な街であり、魅力を感じていまし た。 倉敷市のホームページで、職務経験者の職員採用があることを知り、民間での経験や知 識を倉敷のまちづくりの中で発揮してみたいと思い受験を決意しました。 公共建築課は建築技術職が集まる技術者集団です。課の主な業務は、市内の公共施設 に関する設計・工事監理になります。 施設を管理する担当課から公共施設の新築や改修の依頼を受け、電気・機械技術者集 団である公共設備課と連携を図りながら、業務を進めていきます。設計から工事発注ま でには、建築基準法などの法令チェック、関係部署との調整、図面作成、積算と膨大な 作業があり、それらをより早く正確に行うことが求められます。 また、実際に工事に入ると、現場でのチェックや検査、施工業者との調整といった工事監 理を行い、事業担当課の要望に沿った建物になるよう完成に導きます。計画から完成ま での道のりは長く、工期の関係で残業や休日出勤も珍しくありませんが、ある小学校の 耐震補強工事が終わり、校長先生、教頭先生からたくさんの感謝の言葉をいただいた時 は、充実感を味わいました。 前職では、商業施設の設計・監理が多く、そういった施設は計画から完成までの時間は 非常に短く、設計や工事中の変更も多いので大変でしたが、そのおかげでスピードと柔 軟な対応力が身について、今の業務にも活かされていると思います。 昨年は、東日本大震災の応援派遣として宮城県塩竈市に行き、自治体職員でなければ 出来ない経験をさせていただきました。派遣先では仕事の面だけでなく、人と人との絆を 今まで以上に感じ、人生観を変えるような大変貴重な経験ができ、自治体職員になって 本当に良かったと思っています。 市の通常業務では、他の部署との連携、関係者との調整能力などが必要とされ、個人の 施主や法人向けに建物を造っていた前職とは違う難しさを痛感しています。しかし、職場 の組織がしっかりしているので、いつもフォローしサポートしてくれる体制があります。前 職と違い事業全体に深く関わっているので、事業が完了したときには、民間では味わえ ない達成感を感じることができます。もちろん、自分が担当した建物が、まちの一部として 残っていくことも大きな魅力です。 また、私生活の面において、緊急時等は組織全体で仕事をカバーしてもらえるため、安 心して家庭と仕事の両立ができていますし、スポーツなどのサークル活動も盛んに行わ れているので、他の部署の方たちとの交流もでき、健康維持にもつながっています。 建築技術職は、市または前職において、建築に関する様々な業務、事業を経験した人が集まっているので、 難しい問題に直面した場面でも、それぞれが持っているノウハウを集結して、解決することができる体制が整 っています。 みなさん、この恵まれた体制で、建築技術職として思う存分力を発揮して、一緒に倉敷をより良いまちにしてい きましょう。
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