原油価格の安定と外国人保有比率上限変更・撤廃銘柄がけん引

新興国ウィークリーレポート
2016/2/29
【韓国】
総合株価指数は 0.2%高と小幅続伸、今週は G20 の結果に注目
先週の動き/今週の展望
総合株価指数は週間で 0.2%高と続伸した。週末に控えた G20 財務相・中央銀行総裁会議を前に、投資家の慎重な動
きが続いた。1 週間を振り返ると、22 日はほぼ横ばいでスタート。23-24 日は原油相場の下落も嫌気され小幅に続落。週
後半の 25-26 日は、米株高や原油相場の上昇を手掛かりに小幅
▼指数チャート
に続伸した。投資家の注目が上海で開催される G20 財務相・
中央銀行総裁会議の行方に集まり、様子見に回って積極的な商
いは控えられたままこの週の取引を終えた。
今週は G20 財務相・中央銀行総裁会議の結果が相場を左右
する注目要因か。このほか、1 日には韓国の 2 月貿易統計、2
日には鉱工業生産が発表される。一方、1 日には中国の 2 月の
製造業 PMI の発表もあり、結果に注目したい。
【ロシア】
RTS 指数は原油高で 4.3%高と続伸、今週も原油価格動向が焦点に
先週の動き/今週の展望
先週の米ドル建て RTS 株価指数は週間で 4.3%高と続伸した。原油価格の動向とそれに係わる要人発言により振れ幅
の大きい週となった。週前半は行って来い。週初は原油高を背景に急伸したが、23 日の休場を挟み 24 日はサウジアラビ
アが原油減産を否定し原油価格が下落したことで、休場前の上
▼指数チャート
昇分を吐き出した。週後半は堅調だった。マイナスに転じる場
面もあったが金融、公益などが値を戻し、終値ではプラス圏を
[RTSI$/day(2015/12/14 - 2016/2/26)]
1,000
維持。週末には産油国間の生産協調期待から原油価格が上昇し
900
たこともあり、ほぼ全業種が値上がり。一時 772 ポイントを超
800
えたが、原油価格が下落すると上げ幅を縮めた。年初来水準ま
700
で戻したことで、今週は原油価格の動向次第で上下に振れやす
600
い。G20 会議の効果にも注目。
500
12/14
【ベトナム】
12/23
1/5
1/18
1/27
2/5
2/16
2/26
原油価格の安定と外国人保有比率上限変更・撤廃銘柄がけん引
先週の動き/今週の展望
先週の VN 指数は週間で 2.2%高と続伸した。出来高も、年初来安値を記録した 1 月 18-22 日週並みまで回復し堅調な
取引となった。週前半は原油価格の反発と、大和証券が保有比率を 10%から 15%に引き上げたサイゴン証券などの外国
人投資家保有比率上限変更・撤廃銘柄と大型株が指数を主導
▼指数チャート
し、前週から 24 日まで 5 営業日続伸となった。また原油価
[VNINDEX/day(2015/12/11 - 2016/2/26)]
625
格が落ち着いたことからエネルギー株やビナミルクなどの主
力株もしっかりとなった。25 日は一息入れる形で反落したが、
週末 26 日はプラスで寄り付き後、一時マイナス圏に沈む場面
600
575
もあったが、下落していた上海株式市場が反発したことなどか
550
らプラスに浮上して終えた。今週は原油価格が落ち着いていれ
525
ば、200 日移動平均線が通る 579 ポイント近辺を目指せるか。
500
12/11
12/22
12/31
1/12
1/21
2/1
2/17
2/26
2016/2/29
【インドネシア】
【シンガポール】
【先週の動き/今週の展望】ジャカルタ総合指数は 0.8%
高、週後半に続伸
【 先 週 の 動 き / 今 週 の 展 望 】 ス ト レ ーツ タ イ ム ズ 指 数 は
0.3%安、今週は 2 月の製造業 PMI に期待
ジャカルタ総合指数は週間で 0.8%高と 3 週ぶりに反発。23
ストレーツタイムズ指数は週間で 0.3%安と反落。原油安が
日に融資伸び率鈍化への不安感から銀行株の一角が売られ、指
逆風となり週半ばに下落したものの、26 日に発表された 1 月の
数は前日比 1.2%安と反落したが、その後は徐々に値を上げ
鉱工業生産が予想から大幅に上振れした効果で買い戻された。
4700 ポイントを回復して週の取引を終えた。25 日は中国市場
23 日は 1 月の CPI が前年同月比 0.6%低下した一方、コアイン
で株価が急落したが、インドネシア中銀が追加利下げを実施す
フレ率が前年同月比 0.4%と 15 年 9 月以来の高い伸びを示した
る可能性を示唆したことが好感された。26 日は銀行株が外国人
ことを受け続伸したが、24 日は原油価格下落が嫌気されて前日
投資家に買われた効果で前日比 1.6%高と続伸した。今週は 3
比 2.0%安と急落。15 年 10-12 月期の GDP 改定値は前年同期
月 1 日に 2 月の CPI が発表される予定。物価上昇圧力が一段と
比 1.8%増と予想通りだったが買い材料にならなかった。今週
弱まれば金融緩和促進の好材料になりそうだ。前週末に中国で
は 3 月 2 日に 2 月の製造業 PMI が発表される予定。製造業生
開催された G20 の共同声明に対する市場の反応も注目される。
産の回復を背景に景況感が好転すれば相場の追い風になるか。
▼指数チャート
▼指数チャート
4,900
[JCI/day(2015/12/14 - 2016/2/26)]
3,000
4,800
[FSSTI/day(2015/12/15 - 2016/2/26)]
2,900
4,700
2,800
4,600
2,700
4,500
2,600
4,400
4,300
2,500
12/14
12/23
1/7
1/18
1/27
2/5
2/17
2/26
12/15
【タイ】
12/24
1/6
1/15
1/26
2/4
2/17
2/26
【マレーシア】
【先週の動き/今週の展望】SET 指数は 1.7%高、今週は 3
カ月ぶりの高値を試す展開か
【先週の動き/今週の展望】クアラルンプール総合指数は
0.7%安、今週は 1 月の貿易収支発表に注目
SET 指数は週間で 1.7%高と続伸。原油価格の先行き不透明
クアラルンプール総合指数は週間で 0.7%安と反落。週を通
感が強かったが、指数はじりじりと値を上げ 26 日まで 6 営業
して一進一退のさえない値動きが続いた。23 日は場中に 1 月 4
日続伸となった。連休明けの 23 日は原油価格の上昇を受け上
日以来の高値を更新したものの、利食い売りに押され終値は前
値を追う展開。24 日はイランとサウジアラビアの石油相が相次
日比 0.2%高にとどまった。24 日は原油価格の下落に伴い米ド
いで減産に否定的な見方を示した影響でエネルギー株が売ら
ルに対してリンギが値下がりしたことを嫌気して前日比 0.8%
れた一方、銀行株が堅調で指数は上昇。25 日は 1 月の通関ベー
安。25 日も軟調な原油価格と中国での株価急落の影響で続落し
スでの輸出額が前年同期比 8.9%減と予想を下回ったことが嫌
たが、26 日は米国でのガソリン在庫減少を受け原油先物価格が
気されたものの高配当株が買われて小幅に続伸した。今週は 29
4 週間ぶりの高値を付けたことが好感されて反発した。今週は
日に 1 月の鉱工業生産、3 月 1 日に 2 月の CPI が発表される予
3 月 4 日に 1 月の貿易収支が発表される予定。輸出入ともに前
定で、内容次第で 3 カ月ぶりの高値水準を目指すか。
年同期比の伸び率が前月の実績を上回るとの見方が優勢。
▼指数チャート
▼指数チャート
1,450
[SET/day(2015/12/16 - 2016/2/26)]
1,750
1,400
[FBMKLCI/day(2015/12/10 - 2016/2/26)]
1,700
1,350
1,650
1,300
1,600
1,250
1,200
1,550
12/16
12/25
1/7
1/18
1/27
2/5
2/16
2/26
12/10
12/21
1/4
1/13
1/22
2/4
2/17
2/26
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