されています。しかし、県内では、正式な記録はないようです。今までセグロカモメと していたものの中に、本種の特徴をしているものもあるようで、映像などの記録の見直 しが必要かと思います。 206.オオセグロカモメ 県内では、各地で記録があります。冬鳥として、各地に飛来しますが、セグロカモメ よりは個体数が少ないです。後述のニシセグロカモメによく似ているため、今まで混同 されていた可能性もあります。 2012年3月雲仙市小浜温泉にて15羽を観察しました。 207.ニシセグロカモメ 日本鳥類目録改訂第7版で新たに記載された種類です。県内では、正式な記録はない ようです。図鑑によると西日本に多く飛来するとあります。今まで、セグロカモメやオ オセグロカモメとの混同がされている可能性があります。識別点に注意して観察すると、 今後記録が増えていくものと思われます。 (写真:セグロカモメ 長崎市神ノ島) (写真:オオセグロカモメ 西海市) ☆探鳥会 ここが見どころ聞きどころ☆ 川原大池探鳥会 谷口秀樹 【日 時】 3月13日(日) 10:00~12:00 【集合場所】 現地駐車場 【リーダー】 上戸茂憲 川原大池は、県内では、最大の自然の池です。以前は、海とつながっていたようです が、現在は、水門で閉ざされています。そのため、池の表面は、淡水で、深部は海水と -5- 聞いたことがあります。ヘラブナ釣りでも有名で、また、ブラックバスやブルーギルも 生息しているそうです。 ボート遊びができ、キャンプ場もあるため、休日ともなると、家族連れで賑わってい ます。しかし、賑わいが見られるのは、 夏場で、渡り鳥がよく見られる春や冬に は、静かな雰囲気に包まれています。 3月ともなると、春の渡りも本格化し ます。ハクセキレイの亜種ホオジロハク セキレイやタイワンハクセキレイが姿を 見せ始めます。芝生や海岸によく出てい るので気をつけてみましょう。その中に 今回のお目当てヤツガシラはいないでし (写真:ヤツガシラ) ょうか。薄茶色の体に白黒の翼、驚いた り警戒したりした時に逆立てる冠羽でとても有名な鳥です。「ポポポポ」と鳴くとされ ていますが、未だ鳴き声を聞いたことがありません。是非聞いてみたいものです。餌を 探す時は、草の中にくちばしを差し込み、虫を見つけるとつまみ上げ、それを一度放り あげてから、飲み込むという動作をしています。個体によっては非常に警戒心が強く、 すぐに飛び去ることもあります。警戒されずにいろいろな習性を見られたらいいですね。 他にも、シロハラなどのツグミ類が森の中にいることも有り、時々クロウタドリが現 れています。今年はどうでしょうか。 池の中も見てみましょう。ここでは、オシドリが近年、多く見られています。まだま だその群れが見られるかもしれません。 少数ながら、オカヨシガモも見られてい ます。一時期増えていたオオバンはどう でしょうか。バンやカイツブリは、そろ そろここで繁殖する準備を始めているか もしれません。また、ウミネコやセグロ カモメなどが時折飛来します。水浴びに きているんでしょうか。 池に飽きたら、海にも目を向けて見ま しょう。ここの海岸は、礫浜です。海水浴場 (写真:バン 小森川 宅島富士彌) にするためにわざわざ砂を入れたりしたそうですが、すぐに波がさらっていったそうで す。自然に逆らってはいけないですね。礫浜には、あまり鳥は見られません。海上をよ く見ると、野母半島に多いカツオドリの姿が見られるかも。この鳥は、冬になるとよく 見られています。天草から、野母崎にかけてよく見られるようです。長崎県内では、繁 殖は確認されていませんが、男女群島では1000羽近くの群れが見られることがある そうです。越冬海域になっているようです。 -6- 昨年は、ウミスズメも見られています。対岸の小浜では70羽もの群れを見たことが あります。橘湾は、ウミスズメの越冬海域になっているのかもしれません。 昼近くになると、最後の目玉、ツルの渡りが見られるかもしれません。ツルを目当て に探鳥会をしてきましたが、ほとんど見られることがありませんでした。しかし、ここ では、何度か見られているようです。姿を見つけるよりも声で気づくことが多いようで す。耳も働かせて、待ってみましょう。鳴き声をする方を見ると、かぎになり、竿にな りながら遠く北の繁殖地を目指すツルの群れを見つけることができるかもしれません。 渡りはじめた鳥たちとともに、春の暖かな一日を過ごしてみませんか。 -7-
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