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PRESS RELEASE
報道関係者各位
2016 年 2 月 24 日
ボストン コンサルティング グループ
(本資料は米国報道資料の抄訳です)
世界のカーシェアリング市場は 2021 年に 47 億ユーロ(約 6,300 億円)、
利用者数は 3,500 万人へ~BCG 調査
カーシェアリングの拡大による消費者向け新車販売台数の減少は 1.0%と限定的
ボストン発、2016 年 2 月 23 日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以
下、BCG)は、カーシェアリング市場に関する調査レポート「What’s Ahead for Car Sharing?:
The New Mobility and Its Impact on Vehicle Sales」を発表しました。世界のカーシェアリング市場の規模は
2015 年から 2021 年にかけて約 7 倍に拡大するものの、カーシェアリング市場の拡大が新車販売に与える影
響は限定的で、消費者向け新車販売台数を 1.0%押し下げるにとどまるとみられます。
世界のカーシェアリング市場は 2021 年には 47 億ユーロ(約 6,300 億円)へと拡大。このうち、約 7 割の 32 億
ユーロ(約 4,300 億円)が、旅行の時のみカーシェアリングを使うライトユーザーの利用額
カーシェアリング市場の成立条件として、一定以上の人口密度が必要となるため、今回は条件を満たす欧州、
北米、アジア・太平洋を調査対象としました(詳細は後述)。これらの地域のカーシェアリング市場は 2015 年の
6.5 億ユーロ(約 870 億円)から、2021 年は 47 億ユーロ(6,300 億円)まで拡大すると予測されます(図表1)。そ
のうち、約 7 割にあたる 32 億ユーロ(約 4,300 億円)が、旅行の時のみカーシェアリングを使うライトユーザーの
利用額だと予測します。
2021 年の市場規模を地域別にみると、欧州が 21 億ユーロ(約 2,800 億円)と最も大きな市場となり、次いでア
ジア・太平洋 15 億ユーロ(約 2,000 億円)、北米 11 億ユーロ(約 1,500 億円)と推計されます。
図表1: 世界のカーシェアリング市場 (2015年、2021年の予測)
金額ベースでは、2021年に
47億ユーロ (約6,300億円) の市場へ
(億ユーロ)
金額
50
47億ユーロ
(約6,300億円)
40
11億ユーロ
(約1,500億円) 北米
15億ユーロ アジア・
(約2,000億円) 太平洋
30
利用者数は、2021年に
世界で3,500万人に
利用者数
(万人)
4,000
3,500万人
600万人
3,000
2,000
北米
1,500万人
アジア・
太平洋
1,400万人
欧州
20
10
6.5億ユーロ
(約870億円)
21億ユーロ
(約2,800億円) 欧州
1,000
150万人
0
0
580万人
230万人
210万人
2015年
2021年
2021年
(予測)
(予測)
注: 利用者数は、カーシェアリングサービスへの登録者数と定義。為替は2015年の平均1ユーロ = 134.3円で計算。
数字は四捨五入
出所: Statisca、ボストン コンサルティング グループ分析
2015年
-1-
世界のカーシェアリング利用者数は 2021 年に 3,500 万人へ。アジア・太平洋が最多の 1,500 万人
世界の利用者数(カーシェアリングサービスの登録者と定義)は 2015 年の 580 万人から、2021 年に 3,500 万
人へと拡大し、そのうちアジア・太平洋が 1,500 万人と最多となり、欧州 1,400 万人、北米 600 万人と続くと推
計されます(図表 1、2)。
図表2: カーシェアリングの利用者数 (2021年の予測)
大都市の人口
18歳以上
の
運転免許
保有者
カーシェア
リングの
利用者
(サービスの
登録者)
月に
複数回
利用する
ユーザー
世界
3億8,500万人
1億5,300万人
3,500万人
350 万人
北米
5,000万人
3,100万人
600万人
60 万人
アジア・
太平洋
2億5,300万人
7,500万人
1,500万人
150 万人
欧州
8,100万人
4,600万人
1,400万人
140 万人
出所: Statisca、ボストン コンサルティング グループ分析
カーシェアリングの拡大による消費者向け新車販売の減少は 2021 年に世界で約 80 万台、1.0%と限定的
調査対象地域の 2021 年の新車販売台数約 7,800 万台のうち、カーシェアリングの拡大による新車販売の減
少分は約 80 万台、1.0%と推計されます(図表 3)。ただし、カーシェアリング用車両のとして約 25 万台が新た
に購入されると予測され、純粋な新車販売台数の減少分は約 55 万台、約 0.7%になると考えられます。BCG
自動車セクターのアジア・パシフィック地区リーダーの古宮聡は「アジア全体の平均で見るとカーシェアリング拡
大による新車販売台数の減少分は 1.2%だが、当然国別にその影響度は異なります。」とコメントしています。
調査対象国
カーシェアリング市場が成立しうるのは、一定以上の人口密度がある地域と考えられるため、北米(アメリカ、カ
ナダ)、欧州(ロシア、トルコを含む)、アジア・太平洋(オーストラリア、中国、香港、日本、マレーシア、ニュージー
ランド、シンガポール、韓国、台湾)を調査対象としました。
※為替は 2015 年の平均の 1 ユーロ 134.3 円で計算。
関連リンク
調査レポート「What’s Ahead for Car Sharing?: The New Mobility and Its Impact on Vehicle Sales」はこち
らからご覧頂けます。
https://www.bcgperspectives.com/content/articles/automotive-whats-ahead-car-sharing-new-mobilityits-impact-vehicle-sales/
(全文閲覧には会員登録が必要です。)
-2-
図表3: カーシェアリングが新車販売に与える影響 (2021年の予測)
カーシェアリングにより減少する消費者向け新車販売台数は1.0%
新車販売、カーシェアリングを合わせた
市場規模 (億ユーロ)
新車販売台数 (万台)
欧州
新車販売台数
(カーシェア
リング考慮前)
2,133
北米
1,888
アジア・
太平洋
3,814
合計
7,836
カーシェア
リング用
車両の収益1)
(万台)
カーシェア
リング用新車
販売台数
50
9.6
(0.5%)
4.4
(0.2%)
10.6
(0.3%)
24.6
(0.3%)
0
カーシェア
リングの
拡大に伴う -50
新車販売台数
の増減
-27.8
(-1.3%)
-5.2
(-0.3%)
-46.2
(-1.2%)
-79.2
(-1.0%)
-100
新車販売
増減分
新車販売による
収益 (カーシェア
リング考慮前)
-18.2
-0.8
-35.6
欧州
北米
アジア・
太平洋
合計
4,272
4,110
7,954
1兆6,336
4.8
11
11
15
(億ユーロ)
50
11
27
0
50
カーシェア
リング利用に
よる収益1)
0
カーシェア
-50
リングの
拡大に伴う、
新車販売の
減少による -100
収益増減
21
-53
-11
47
-84
-149
-150
収益
増減分
-54.6
-21
4.6
-58
-74
(約1兆円)
注1: メンテナンスなどのアフターマーケットによる売上を含む
注: 数字は四捨五入
出所: IHS、ボストン コンサルティング グループ分析
■ 日本における担当者
古宮 聡
シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
明治大学政治経済学部卒業。IMD(International Institute for Management
Development)経営学修士(MBA)。日本フィリップス株式会社、レーザーテック株式会
社ロンドン支店を経て現在に至る。BCG 産業財・自動車グループおよび BCG 自動車セ
クターのアジア・パシフィック地区リーダー。
富永 和利
パートナー&マネージング・ディレクター
ペンシルバニア大学工学部卒業。コーネル大学工学部修士(MS)。マサチューセッツ工
科大学経営学修士(MBA)。トヨタ自動車株式会社、ブーズ・アンド・カンパニーなどを経
て現在に至る。
BCG 産業財・自動車グループのコアメンバー。
■ ボストン コンサルティング グループ(BCG)について
BCG は、世界をリードする経営コンサルティングファームとして、政府・民間企業・非営利団体など、さまざま
な業種・マーケットにおいて、カスタムメードのアプローチ、企業・市場に対する深い洞察、クライアントとの緊
密な協働により、クライアントが持続的競争優位を築き、組織能力(ケイパビリティ)を高め、継続的に優れた
業績をあげられるよう支援を行っています。
1963 年米国ボストンに創設、1966 年に世界第 2 の拠点として東京に、2003 年には名古屋に中部・関西オ
フィスを設立しました。現在世界 48 ヶ国に 85 拠点を展開しています。http://www.bcg.co.jp/
bcg.perspectives サイトでは、さまざまな業界・分野に関する BCG の知見をまとめたレポート、記事およびイ
ンタビュー映像などをご紹介しています。https://www.bcgperspectives.com/
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 伊原・嶋津
Tel: 03-5211-0600 / Fax: 03-5211-0333、Mail: [email protected]
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