秋サケ資源調査 川村俊一 調査目的 青森県太平洋沿岸に来遊する秋サケ資源の来遊経路及び漁場特性を把握し、今後の秋サケ資源の適正な 管理及び漁業調整施策の資料とする。 調査の内容と方法 東通村尻屋から階上町の太平洋沿岸 漁協所属の漁船(10トン未満漁船で委 託期間は 1 0月 -12月)に調査を委託 し、はえなわ漁法(1 操業当たり 1 5 鉢 141 30 以内)によって図 -1に示す調査海域 内で分布状況・移動回遊等について調 査を実施した。 調査結果 ロ41-30' 平成 6年のはえなわ調査委託船の調 。 査概要を表-1に示した。実際の操業 集数は委託集数9 7 隻に対し 4 6 隻であっ 。 た。延べ出漁回数は 2 5 2回、総使用鉢 数2 .8 5 7鉢、総漁獲尾数 1 7,0 5 1尾、推 16117118119 定水揚げ金額は 1 2 ,1 5 9 .2 7 0円であった。 2 012 1 1221 2 3 ロ41-oo' 1 ) 海域別操業回数 24125126127 調査海域毎の操業回数を図 -2 。 に示した。 平成 6年は、六ケ所村から東通 。 村かけての北部海域と三沢市から 階上町くでの南部海域でそれぞれ ロ40.30' 漁場形成が見られ、北部海域では 六ケ所村泊から東通村白糠にかけ . o1 6 ) と鮫角正東 ての沖合(海域 N の沖合(海域N . o 4 9 )で多くの操業 が行われ、操業回数はそれぞれ 3 6回及び3 4回であった。 図 -1 秋サケ延縄試験操業海域図 - 235ー 表 -1 平成 6年度秋サケ延縄試験操業結果 漁 名 委託隻数 出漁隻数 協 出漁期間 延出漁数 使用鉢数 漁獲尾数 ギ J ブ ナ 放流尾数 水 揚 げ 金 4 81 .0 3 4 上 2 0 3 1 11/26-12/28 2 3 2 5 2 1 .1 8 5 4 6 4 7 2 1 2 2 市 1 7 9111/1-12/30 5 2 4 8 6 2 ,5 3 9 2 , 4 1 4 1 2 5 5 21 .8 9 9,4 8 0 八戸鮫浦 1 8 1 4 11/17-12/31 8 7 9 9 1 ,6 8 8 6 6 ,6 3 3 5 5 7 75 ,1 71 .2 6 1 石 町 3 沢 市 3 3 3 0 2 2 8 2 2 8 階 1 ¥ 百 戸 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 六ヶ所村 六ヶ所村海水 5 3111/30-12/2 泊 8 5111/1-12/28 3 8 6 9 1 4 ,2 9 1 3 ,7 9 6 4 9 5 ,0 3 6,5 6 2 2 73 4 9 4 0 7 ,1 2 0 2 1 .7 0 1 4 1 9 .3 9 3,4 9 3 4 21 2 5 2 2 ,8 5 7 1 7,0 5 1 1 5,2 3 6 1 .8 1 5 白 糠 2 2 1/3-12/29 1 21 i 口> . 計 9 7 4 6 . , 14唱 30 . , 1 4 1 30 142 00 5 2 2 5 . , , , 4 1 30 。 。 •. •• 。 •• •• . 。 。 ロ4 1 , • 。 • 1. , ロ4 0 '30 図-2 海域別操業回数(全期間) 。 ロ4 1 。 。 。 • • • • 0-1未満 1-3未満 3-5 未満 5 1 0 未満 1.10以上 1鉢当たり漁獲尾数) 図 - 3 海域別 CPUE ( 3に海域別 CPUE (1鉢当たりの漁獲尾数)を示した CPUEの高かった海域は、北部の陸岸に o . 4 4・4 5・5 1・5 5)で 1 0尾以上の密 近い海域と南部の沖合域にあり、特に南部梅域では 4海域(海域 N 度の高い漁場が形成された。 - 236- , ロ4 0 '30 2 ) 分布密度 図 , 。 。 ¥ 1 2,1 5 9, 142 00 ロ4 1 30 データ数2 5 2 件 1 7 7,4 4 0 3 ) 移動回遊 図 -4 1こ海域毎の標識放流尾数を、図 -5と表 2に再捕状況を示した。 放流尾数は全期間を通じて 2 2 5尾の放流があり、 6尾の再捕報告があった。 このうち北部海域で放流された 4尾はいずれも放流海域よりも北上して再捕された。一方、南部海 域で放流された 2尾は岩手県に南下して再捕された。 . , 141 30 142 00 1 4 3 1 4 1 • ロ41.30' 。 • 42 。 • ・ │ ロ4 1. 00' • 40 。 • 。 • ロ40.30' • 38 凡例 .放流位置 。再鋪位置 • • 図 -4 海域別放流尾数 • . 図 -5 放流位置と再捕位置の関係 表 -2 標識放流結果 標識番号 標識 1 再 放流内容 年月 日 場所 • • 再捕年月日 捕 の 結 再捕の場所 泉 海区 方法 1 6 不明 1 4 6 1 9 4 .1 1 .3 0 2 4 9 4 .1 2 .1 9 青森県白糠沖 1 8 7 9 4 .1 2 . 2 5 0 9 4 .1 2 . 8 岩手県山田湾 1 4 6 3 9 4 .1 2 .2 0 1 6 9 5 . 1 .2 0 青森県白糠沖 1 6 定置 1 4 6 5 9 4 .1 2 .2 3 1 6 9 5 . 1 .2 0 青森県白糠沖 1 6 定置 9 6 4 9 4 .1 2 .2 3 5 1 9 5 . 4 .1 7 岩手県久慈市 1 4 6 7 9 4 .1 2 .2 5 1 6 9 4 .1 2 .2 6 青森県尻労沖 定置 不明 4 刺網 • t 守 nL q a 考 察 平成 6年に本県太平洋沖合ではえなわで漁獲された秋サケ資源は、標識放流の再捕状況から北部海域が 青森県産資源主体、南部海域が岩手県産資源、と青森県産資源の混成群と考えられたが、その量的関係の推 定については、海況との関連で年変動が激しいことが予想されることから今後さらに資料を集める必要が ある。 また、表 -3に昭和 6 1年から太平洋において実施してきた秋さけはえなわ試験操業の実施状況一覧表を 示した。 開始当初 7隻で始まった試験操業は、平成 6年には委託隻数 9 4隻、実操業隻数 4 6隻と増加してきてい る 。 しかしながら、全体の延出漁隻数、延使用鉢数は平成 4年をピークに減少傾向となっている。これは、 近年の秋サケの魚価安により、本漁業の経済性が低下してきていることに起因していると考えられ、今後 再検討して L、く必要があると考えられる。。 表 -3 年次別実施状況一覧表 年 次 昭和 6 1 昭和田 昭和田 平成 1 平成 2 平成 3 平成 4 平成 5 平成 6 計 委託隻数 7 1 8 3 8 5 6 6 4 6 4 1 0 1 8 6 9 4 5 2 8 出漁隻数 7 1 3 3 0 3 7 4 0 2 6 3 9 4 1 4 6 2 7 9 延出漁隻数 8 1 9 9 4 1 1 4 2 0 1 7 2 1 2 9 4 7 7 3 3 6 2 5 2 2 .3 7 7 延使用鉢数 1 .5 7 3 1 .4 0 4 5 .5 5 8 5 .0 5 3 2 .8 8 1 1 .2 9 1 5 .0 7 8 3 . 5 5 5 2 . 8 5 7 2 9 .2 5 0 漁獲尾数 4 .3 0 1 1 .7 2 9 2 6 . 5 6 5 2 6 .1 5 4 4 . 0 1 5 6 . 2 2 5 1 4 . 8 4 3 1 6 . 2 5 2 放流尾数 5 2 1 5 2 2 5 3 4 3 1 3 8 1 6 9 2 3 5 1 9 0 2 2 5 1 .6 2 2 再捕率 3 .8 3 3 . 3 2 .0 1 .7 4 .3 7 . 1 O .4 1 .1 2 .7 2 .8 4 20 2 2 5 県内再捕 内河川 県外再捕 内河川 。 。 。 。 。 。 。 。 5 3 4 4 5 -2 3 8 6 2 6 1 7 . 0 5 1 1 1 7 . 1 3 5 。 。 。 。 。 。 。 。 2
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