薬学部 難溶性化合物の可溶化―溶けないものを溶かします 岩尾 康範 薬学科(創剤科学分野) ◦連 絡 先 TEL.054-264-5612 FAX.054-264-5615 ◦教員プロフィール http://db.u-shizuoka-ken.ac.jp/show/prof323.html ◦メールアドレス [email protected] 難溶性化合物の可溶化,消化管吸収促進, バイオアベイラビリティ 製剤学分野において、ナノテクノロジーを導入したナノパーティクル製剤が注目を集めて いるが、近年、我々も2つのリン脂質のみで構成するリピッドナノパーティクル(平均粒子径 50 nm)が種々の難溶性薬物の可溶化を可能にすることを明らかにしている(Int.J.Pharm., (2008))。調製したリピッドナノパーティクルは冷暗所、4ヶ月間、優れたナノ分散性を示す こと(Int.J.Pharm., (2009))、薬物がほとんど漏出しないこと(Int.J.Pharm., (2009))、経 口投与した際、有意に高いバイオアベイラビリティを示すこと(Int.J.Pharm., (2013))、凝 集防止剤として二糖類を添加し、凍結乾燥することで、製剤としての長期安定性が獲得できる ことが分かっている(Chem.Pharm.Bull., (2014))。 Concept 薬物粒子の微細化 難溶性薬物 水に対する 水に対して難溶であるため 溶解性の改善 バイオアベイラビリティが低い 脂質ナノ粒子 脂質 難溶性薬物 R1 Nifedipine R2 (Aqueous solubility : 19.5 μg/mL, 37C) Griseofulvin + O CO O CO HSPC CH2 R1, R2; C11–C19 CH O CH2OPO O- + N+ 50 nm R1, R2; C15 (Aqueous solubility : 15.0 μg/mL, 37C) DPPG HSPC; Hydrogenated soybean phosphatidylcholine DPPG; 1,2-Dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphoglycerol 本技術はこれまで製剤開発・商品化が難しかった化合物(医薬品や食品成分)に対しても応用で きる可能性が十分ありますので、ご興味ある企業研究者からのご連絡をお待ちしております。 研究シーズ集 2015-2016 X4_研究シーズ集_2015-2016-1薬学部.indd 29 2015/08/31 029 10:34:18
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