第322回例会(平成28年2月24日) 講師 クラーク記念国際高等学校

第322回例会(平成28年2月24日)
講師
クラーク記念国際高等学校 さいたまキャンパス長
今窪 一太 氏
テーマ
「教育問題への挑戦」
クラーク記念国際高校は1992年日本で6番目に出来た通信制高校です。
その頃は学校が荒れていた時代です。不良生徒を受け入れる高校があ
りませんでした。当初はそういう子や登校拒否の子どもを受け入れる
高校として設立されました。現在通信制高校は200校を超えています。、
当校は、通信制のメリットを発揮し、外国にいても課題を行えば3年間
で卒業することが出来ます。さいたまキャンパスに300名ほどいますが、10%ほどの生徒がオーストラリアへの
留学経験があります。国際専攻では、週30コマ授業があるとそのうち8コマは英語で授業を受けます。また、親
御さんたちの寄付により、ネパールでクラーク記念ヒマラヤ小学校を運営しています。三浦雄一郎校長が「貧し
い子ども達の教育のために」と発案し始めたものです。全国に60キャンパス、11,000人の生徒が学んでいます。
教職員全員が学習心理支援カウンセラーという資格を持っていま
す。何故取らせているかというと、当校の生徒の約60%は不登校の
経験があります。一般の高校では「来て当たり前」ですが、私たち
は「よく来てくれた」から始まります。3年間で「行くのが当たり前」
まで成長させて行かなければなりません。約60%の生徒が大学に進
学します。
教育目標に「学力を向上させる」「品格を身につける」「社会貢
献を果たす」と掲げています。
「学力を向上させる」中学校で挫折を味わいやる気を失った生徒を
元に戻してあげなければなりません。現在高校2年生のS君、入試
で英語が12点でした。英語が苦手でした。入学後中学校の復習を1か
月行いました。英語が分かるようになると先生からも褒められ自信
が付いてきて、英語検定準2級に合格することが出来ました。国際
専攻に所属していて、この3月にオーストラリアに留学することになっ
ています。W君は中学時代145日欠席で成績もオール1でした。やは
り中学の勉強からやり直しました。ライバルが現れ定期試験や模試
で点数を競い合い、国際基督教大学(ICU)に現役で合格しまし
た。やる気スイッチをどこかのタイミングで押すことが大切だと考
えています。
「品格を身につける」身だしなみをきちんとして、茶髪やピアスはダメと教育しています。外部の人を呼んでお
話しいただいています。先週は大宮アルディージャの塚本アンバサダーが
【生徒が参加しての
パネルディスカッション】
お話ししました。骨肉腫を患い人工関節になった中、トライアスロンに出
場したりして頑張っている姿、これを生徒に聴かせたいと思い、実現し
ました。
「社会貢献を果たす」当校は多くの生徒を街に出しています。氷川神社
のホタルを復活させようという運動、つぶれてしまった浦和の惣菜屋さ
んを復活させようという運動、子ども達に体験学習をさせようという子
ども大学、アルディージャの手話応援、投票が18歳以上になるのに伴い
選挙の授業など、いろいろ取り組んでいます。